「誰でもメディア」時代のコンクリフト

July 01 [Wed], 2009, 1:25
新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に
小林弘人
バジリコ
売り上げランキング: 1030

 『新世紀メディア論』をようやく読了。"メディア"というものに多少なりとも興味があるひとならば必読の良書であるところは、衆目の一致しているところだろう。ただ、個人的には二つ、この本では触れられていないことがあり、それこそが新しいメディアの成否を握っているのではないか、と思えた。
 一つは、「マネタイズ」。版元⇒取次⇒書店という流通に伍するだけのモデルを構築することが出来るのか。
 まぁこの問題に関してはあまりにも重~いので、ひとまずパス。
 もう一つ。「受け手」の感覚が、旧メディアに対するものと変化がない時に起こることが、新しいメディアになって障害となる場合があるんじゃないだろうか?
 最近の「tsudaる」(社会問題上重要度の高いカンファレンスにオンライン状態で出席し、現場で発表された発言の140字要約postをTwitterのTimeline上に送り続ける行為)に関して、巻き起こっている負の反応など、その典型のような印象を受ける。
 おそらくクローズドに近かった会合の内容がタダ流しになるという関係者の反発よりも、「迷惑行為」とする一般ユーザーの反応の方が、より新たな試みに対する阻害要因になる危惧があるんじゃないかなぁ。
 もう、ネットで流通している情報はフラットになって、一般人も著名人もなくなっているはずなのに、ユーザーの側で色眼鏡をかけて見てしまっているひとが、少なからずいる。書き手が有名だろうが無名だろうが、金を貰っているとか貰っていないとか、そんなことは関係なく、ただ情報の質で判断すべきなのだけれど、実はユーザーはそこまでリテラシー高くないよね。
 「○○新聞のくせにこんな記事書いている」とか「これは金貰って載せているレベルではない」と言っている間は、既存メディアはまだまだカタい。そういうユーザーが批判の対象としているメディアの価値をより強くしているというパラドクス。そして、「誰でもメディア」に対する「コンクリフト」になる。
 まぁ、過渡期の混沌といえばそれまでなんですけれどね。

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