ロスジェネにカツマーが増えてるってホント?
January 17 [Sat], 2009, 23:24
『AERA』2008年12月22日号の勝間和代女史の特集によると、
上司がくれなかった「答え」が、勝間本には載っていた。
何をすべきかわからない自分の背中を、押してくれた。
ロスジェネを中心にそんな支持が広がる。
と、いうことらしい。なんでも、「効率を意識するあまり、週末に彼女とデートしていても不安になる」人がいるとか。マガジンハウスの『勝間和代 成功を呼ぶ7つの法則』でも、オフ会に集まるカツマーの記事があり、中には感極まっている人までいた。
でも、32歳いちおうITベンチャー会社勤務の私の周りでは、本を読んでいる人ばかりか、「勝間和代」という名前を知っている人のほうが少ない。
まぁ、彼女の本が売れる理由を理解することは容易だ。テーマの設定に対して処方箋が具体的で、なおかつ目標設定までしてくれる。言葉は悪いが、読者は自分のアタマを使うことをせずに、彼女の教えるままに、彼女が示すレールを進めばいい。そんなように、本の論旨が設計されている。もともと生物はレイジーなのだから、そりゃもてはやされるよね。
加えて、彼女はこれまでの人生で培われた経験知を惜しげもなく教えてくれる。『AERA』では「バーチャル上司」という言葉があったが、それよりも、一昔前の「街のおせっかいおばさん」と言った方がしっくりくる。いずれにしても、専門の経済の知見以外にも、その姿勢などに敬意を払うべき存在なことは間違いないだろう。
しかし、だ。例えば隘路を必死に抜けてきた自分のような人間からしてみれば、貯金がないので投資信託どころではない。結婚したくてもできない。仕事はこなした分だけ増えてゆくという環境。そんな中でサバイブすること余儀なくされている身と、「カツマー」になる同世代とは、相当な断層があるようにも感じる。
前のエントリーで取り上げた『勝間和代の日本を変えよう』で雨宮処凛女史との対談にて、「中学から慶応なので、雨宮さんのレポを読んでも実感として分からない」とおっしゃっている。実際この対談では、ニート・フリーターの高齢化問題に対する明確な処方箋は示すことは出来なかった。
そういう状況を俯瞰すると、「ロスジェネにカツマーが増えている」というのは、ロスジェネでも「運」のいい(けれどそれを自覚していない)層なのではないか、と思わざるをえない。もっと言えば、『AERA』の編集は明らかに恣意的でミスリードだ。
勝間女史に関していえば、20〜30代の支持者層を増やしてどうするのか、という疑問が残る。
『日本を変えよう』は、対談部分を除けば、政治家が出す政策提言書に近い構成になっている。にもかかわらず、あくまフリーハンドの立場で提言していく、という。Lifehacking Japanではなく、Consulting Japanじゃないそれって? 「学者や官僚がそれぞれもっている専門に横糸を通す」ための近道は政治家になることだが、それ彼女の「出来る範囲」からは外れるのだろうか。
もしそうだとしたならば、数多いるコンサルの一人、に過ぎないと判定せざるを得なくなる。
もうひとつ。これは梅田望夫氏などにも感じるのだが、Webによって個人の能力が拡張されることによって社会が変えられると信じているフシがあるんじゃないかぁ。「もうこれ以上インターネットは社会を変えない」というひろゆき氏説を取るParsleyにしてみれば、ちょっと楽観的に過ぎるように思えるのだけど。
そんな感じで、勝間ブームにはかなり斜に構えて見ていたりします。『起きていることはすべて正しい』で、スピリチュアルの領域にまで踏み込んだ感がある彼女がどこまで突き進むことが出来るのか、注目はしていきたいと思っております。
上司がくれなかった「答え」が、勝間本には載っていた。
何をすべきかわからない自分の背中を、押してくれた。
ロスジェネを中心にそんな支持が広がる。
と、いうことらしい。なんでも、「効率を意識するあまり、週末に彼女とデートしていても不安になる」人がいるとか。マガジンハウスの『勝間和代 成功を呼ぶ7つの法則』でも、オフ会に集まるカツマーの記事があり、中には感極まっている人までいた。
でも、32歳いちおうITベンチャー会社勤務の私の周りでは、本を読んでいる人ばかりか、「勝間和代」という名前を知っている人のほうが少ない。
まぁ、彼女の本が売れる理由を理解することは容易だ。テーマの設定に対して処方箋が具体的で、なおかつ目標設定までしてくれる。言葉は悪いが、読者は自分のアタマを使うことをせずに、彼女の教えるままに、彼女が示すレールを進めばいい。そんなように、本の論旨が設計されている。もともと生物はレイジーなのだから、そりゃもてはやされるよね。
加えて、彼女はこれまでの人生で培われた経験知を惜しげもなく教えてくれる。『AERA』では「バーチャル上司」という言葉があったが、それよりも、一昔前の「街のおせっかいおばさん」と言った方がしっくりくる。いずれにしても、専門の経済の知見以外にも、その姿勢などに敬意を払うべき存在なことは間違いないだろう。
しかし、だ。例えば隘路を必死に抜けてきた自分のような人間からしてみれば、貯金がないので投資信託どころではない。結婚したくてもできない。仕事はこなした分だけ増えてゆくという環境。そんな中でサバイブすること余儀なくされている身と、「カツマー」になる同世代とは、相当な断層があるようにも感じる。
前のエントリーで取り上げた『勝間和代の日本を変えよう』で雨宮処凛女史との対談にて、「中学から慶応なので、雨宮さんのレポを読んでも実感として分からない」とおっしゃっている。実際この対談では、ニート・フリーターの高齢化問題に対する明確な処方箋は示すことは出来なかった。
そういう状況を俯瞰すると、「ロスジェネにカツマーが増えている」というのは、ロスジェネでも「運」のいい(けれどそれを自覚していない)層なのではないか、と思わざるをえない。もっと言えば、『AERA』の編集は明らかに恣意的でミスリードだ。
勝間女史に関していえば、20〜30代の支持者層を増やしてどうするのか、という疑問が残る。
『日本を変えよう』は、対談部分を除けば、政治家が出す政策提言書に近い構成になっている。にもかかわらず、あくまフリーハンドの立場で提言していく、という。Lifehacking Japanではなく、Consulting Japanじゃないそれって? 「学者や官僚がそれぞれもっている専門に横糸を通す」ための近道は政治家になることだが、それ彼女の「出来る範囲」からは外れるのだろうか。
もしそうだとしたならば、数多いるコンサルの一人、に過ぎないと判定せざるを得なくなる。
もうひとつ。これは梅田望夫氏などにも感じるのだが、Webによって個人の能力が拡張されることによって社会が変えられると信じているフシがあるんじゃないかぁ。「もうこれ以上インターネットは社会を変えない」というひろゆき氏説を取るParsleyにしてみれば、ちょっと楽観的に過ぎるように思えるのだけど。
そんな感じで、勝間ブームにはかなり斜に構えて見ていたりします。『起きていることはすべて正しい』で、スピリチュアルの領域にまで踏み込んだ感がある彼女がどこまで突き進むことが出来るのか、注目はしていきたいと思っております。
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