色鮮やかで大きな“幻” 北海道北部・イトウ(産経新聞)

May 29 [Sat], 2010, 21:27
【探訪】

 遅い春を迎えた北海道の北部には、まだ雪が残っていた。シャーベット状の雪道に足を取られる。人を拒むように川岸を覆う笹やぶをかき分け歩くこと約1時間。川の中に鮮やかな赤を見つけた。「イトウ」だ。釣り人でもほとんど姿を見ることができない“幻の魚”が、幅1メートルもない川を悠然と泳いでいた。

 体長70センチ〜1メートルになるイトウは、サケ科イトウ属に分類される日本最大の淡水魚で寿命は20年前後。河川生態系の頂点に君臨し、時には川を泳ぐネズミも食べるという。河川の上流から下流を生息域にするが、汽水域や海の沿岸域で暮らす個体もある。

 雪解けの時期、腹部が卵でふくらんだ雌と真っ赤な婚姻色の雄は産卵のため遡上(そじょう)する。サケと違ってイトウのカップルは、相手を代えて1シーズンに3〜5回産卵する。

 2匹を驚かせないよう水中カメラを設置した。目前に現れた大きなレンズを警戒し何度もカメラを確認する雄。問題なしとみると雌に寄り添い産卵を促した。産卵はほんの一瞬。寄り添った2匹は体を小刻みに震わせた。産卵が終わると、雌は少し上流からそっと砂利をかけ卵を埋めた。

 かつてイトウは、道南をのぞく北海道全域に生息した。しかし、河川改修やダム建設、森林伐採などで減少。現在は道北と道東の一部河川でしか確認されていない。数は雌が2千匹弱とされるが正確な数は分からない。

 漁獲対象種でないイトウは、多くの場所で漁業権が未設定のため、密漁の取り締まりや釣りの規制は不可能だ。が、天然記念物などに指定して捕獲を禁止すると、生態や価値を知る釣り人たちも閉め出してしまい、適正な保護を困難にする。

 イトウの生息環境を守る「猿払イトウの会」の小山内浩一会長は「川と森、海などイトウを取り巻く環境の総合的な保全が必要。そのためには地元住民や行政、釣り人や研究者などさまざまな協力が不可欠」と訴える。(写真報道局 三尾郁恵)

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