Q&Aでわかる漢方 (4) 傷寒論の内容は? 

March 17 [Thu], 2011, 19:13
 Q:傷寒論はどんな内容の古典なんですか?
A:傷寒論は今からおよそ2200年前古代中国の後漢の時代に成立した“傷寒”という病気に対する治療マニュアルです。
傷寒とは現代でいうインフルエンザや腸チフスに相当する病気であったとされ、当時は傷寒により多くの命が失われたという記述があります。
本来はそういった感染症の治療マニュアルでしたが、収載されている処方が優秀であったため現代では慢性病も含めたあらゆる病気に応用されています。
代表的な処方をあげますと風邪の葛根湯・麻黄湯・桂枝湯、むくみや膀胱炎の五苓散、花粉症の小青龍湯などの処方が傷寒論に収載されています。

花粉症と漢方薬 

March 10 [Thu], 2011, 18:42
 ※このブログを参考に漢方を服用して健康被害が出ても私は一切責任を負いません
実際に服用される際は医師・薬剤師に相談のうえご使用ください

花粉症に汎用される処方として小青龍湯(しょうせいりゅうとう)、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)、麻黄湯(まおうとう)が挙げられます。
小青龍湯と麻黄湯は傷寒論(しょうかんろん)という漢方最古の処方集に掲載されている処方でいずれも現代でいう腸チフスやインフルエンザのような病気を治療するために用いられていた処方ですが、現在では慢性疾患を含めて幅広い疾患に用いられています。
個別に見ていくと小青龍湯は水のようなさらさらした鼻水とくしゃみを目標に使用します。
葛根湯加川芎辛夷は風邪に汎用される葛根湯に川芎と辛夷を加えた処方でネバネバとした鼻水や肩こりなどを目標に使用します。
葛根湯加川芎辛夷のベースは葛根湯ですので、葛根湯の使用目標も参考にするといいかと思います。(ちなみに葛根湯の使用目標は頭痛、肩こり、寒気があり発汗は見られないというものです)
基本的にはこの2つの処方のうちどちらか一方を体調や体質に合して選択することになります。
では麻黄湯の役割は何かと言いますと、前述の2つの処方が奏功しないほどひどい鼻詰まりに対して頓服として用います。
麻黄湯は漢方薬の中では比較的強力な部類に入りますので長期間の服用では胃が荒れたり食欲が無くなったりする可能性があるので、花粉症などの慢性疾患では一時的に症状が悪化した際のリリーバーとして用います。

生薬解説 (2) 生姜 

March 06 [Sun], 2011, 12:27
生姜(ショウキョウ)
起源:ショウガ科ショウガの根茎
性質:体を温める(漢方でいう温)
味:辛
効能:発汗、健胃、冷えによる吐き気を抑える
代表的な処方:生姜瀉心湯、半夏厚朴湯など
<解説>
生姜は食材としてのショウガに石灰をまぶすなどの処理をして乾燥させたものです。
ショウガを使った料理としては豚の生姜焼きやサバの味噌煮などがありこれらの料理にショウガは臭い消しとして用いられていますが、漢方処方でも生薬独特の香りや味を緩和して服用しやすくする目的で広く用いられています。
ショウガは加工方法によって生薬の名前が変わり、単純に乾燥させたものは今回紹介した生姜と呼ばれ体の表面を温める目的で使用されますが、蒸してからしてから乾燥させたものは乾姜(カンキョウ)と呼ばれ体の内部を温める目的で使用します。
このように生薬の原料に蒸す、火で炙るなどの加工をすることを修治(シュウジ)といいます。

参考
臨床応用傷寒論解説
大観漢方生薬学

生薬紹介 (1) 阿膠 

March 04 [Fri], 2011, 18:48
阿膠(アキョウ)
起源:ウマ科ウマ属ロバから作られる膠
効能:止血、補血、滋陰

<解説>
阿膠はロバから作られる膠です。
生薬といえば植物由来のものだと思われるかもしれませんが、実際は動物、植物、貝、鉱物なども生薬に含まれます。
この阿膠ですが、日本では漢方処方を構成する生薬としてよりも、美容にいいサプリメントとしてのほうがよく知られています。
美容のことはあまり詳しくは知らないのですが、阿膠は楊貴妃も美容のために服用したという史実もあります。
(もちろん楊貴妃が服用したことと美容に効果があるということは別問題ですが・・・)
ちなみに阿膠は高価なためゼラチンでも阿膠の代用品として使用可能だという説もありますが、こちらの説は阿膠≠ゼラチンという見方が有力です。

Q&Aでわかる漢方 (3) 黄帝内経はどんな本? 

February 25 [Fri], 2011, 12:56
 Q:黄帝内経(おうていだいけい)は漢方医学で現存するもっとも古い基礎医学書ということはわかりましたが、黄帝内経の内容はどのようなものなのですか?
 A;黄帝内経は基礎医学書であるとともに古代中国のscienceの根本となる書物でもあります。
内容は人間がどのように成長してどのように老いていくかといった生理解剖学的な内容や逆調などの漢方医学的な病気に関する病理学的な内容さらにはなぜ雨は降るのかなどの科学的な内容まで幅広く書かれています。
この黄帝内経は現在は素門と霊枢にわかれて伝わっていて素門(そもん)は前述のとおり解剖学や病理学、科学などの内容について幅広く記載されており、霊枢(れいすう)は鍼灸の理論書として具体的な治療法やツボなどの内容が記載されています。

Q&Aでわかる漢方 (2) 漢方にはどんな本があるの? 

February 24 [Thu], 2011, 19:02
 Q:漢方は歴史が古いようですが、現存する最古の書物はなんですか?
 A:現存する最古の書物は基礎医学書では黄帝内経、処方集では傷寒雑病論、本草書として神農本草経があります。
これらの書物は漢方の3大古典といわれ、特に傷寒雑病論は日本漢方の古方派において聖典として扱われていました。
これらの書物は紀元前200年にはすでに成立しており、現代には伝わっていませんがこれらの書物以外にも10冊以上の医学書が存在したことが他の書物の記載により分かっています。

Q&Aでわかる漢方 (2) 漢方と現代医学の違い 

February 23 [Wed], 2011, 10:55
 Q:漢方医学と現代医学はなにが違うの?
 A:現代医学では各臓器ごとに異常がないかを細かくみていきますが、漢方医学では精神状態や普段の生活を含めて患者さん全体をみて治療法を決定していきます。
現代医学の治療法では各臓器ごとに異常を治していきますので、原因がわかっている疾患に対しては非常に強力な治療を施すことができます。
それに対して漢方医学では、臓器ごとに細かくみるわけではなく患者さんの全身をぼんやりとみて気や血の流れがどう乱れているかを把握してその気血の乱れを治すことで自然治癒力を高め病気を治すというややまどろっこしい治療法を行っていますので、病気を治す能力では現代医学より明らかに劣っていますしかし、原因不明の病気に対してもある程度対応可能というメリットはあります。

{結論}
現代医学→臓器をみる、治療が強力、原因のわかっている疾患に強い
漢方医学→精神や生活を含めて患者全体をみる、治療はやや弱い、原因不明の疾患にもある程度対応可能

Q&Aでわかる漢方 (1) 風邪に葛根湯? 

February 20 [Sun], 2011, 13:57
 Q:どうして風邪に葛根湯なの?
 
A:風邪には葛根湯というのは有名で江戸時代の漢方の書物”口訣”には風邪に葛根湯を使うのは童子でも知っているという内容の記載がありましたが、実はこの風邪に葛根湯というのは間違いです。
確かに葛根湯というのは悪寒、頭痛、鼻水など風邪の一般的な症状にある程度効果がありますが、風邪に葛根湯がよく効く人というのは全体の2割ぐらいではないかと考えられています。
ちなみに漢方薬で風邪を治そうとした場合、ざっと挙げても以下のような選択肢があります。
葛根湯、麻黄湯、小青龍湯、麻黄附子細辛湯、桂枝湯、麻杏甘石湯、麦門冬湯な

{結論}
風邪に葛根湯というのは有名ではありますが、漢方医学的には間違いです。

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乙種第四類危険物取扱者
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取得予定の資格
薬剤師
栄養情報担当者
漢方薬生薬認定薬剤師
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