お互い 

2009年01月10日(土) 23時56分
「ねー阿近ー、珈琲飲むー?」
「いらねえ」
「あれ?珍しいね。喉乾いてない?」
「別に今日は眠くねえからな」
「え、眠い?」
「眠気覚ましだろあんなもん」
「え、だって珈琲好きなんじゃないの?」
「あるから眠気覚ましに飲んでるだけだ」
「マジで?じゃあ何が好きなの?」
「茶」
「…マジか」
「珈琲より茶のが美味ぇだろ」
「じゃあなんでいつも珈琲淹れる時にお茶がいいって言わないんだよー」
「お前が珈琲のほうが好きだから合わせてやってたんだよ」
「あの、うちも珈琲大好き!って訳じゃないんだけど」
「は?テメェいっつも珈琲飲んでんだろ」
「だから、それは阿近が珈琲のほうが好きそうだから一緒に飲んでたんだよ」
「じゃあ、なにが好きなんだよ」
「お茶」


「「…」」


手に持っていたマグカップを阿近が取り上げ、棚に入っていた阿近用の湯呑を手渡してくる。

「茶淹れろ」
「淹れてください、だろ。あー、もっと早く言ってよ!お茶菓子だってもっといろいろ持ってこれたのに!」
「うるせえとっととやれ」
「なーんーだーこーれぇー。…リンちゃーん!お茶飲むけど飲むー?」


「「はぁー」」

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ちなみにリンやパンダは阿近がお茶のほうが好きって知ってる。
冬華や花太郎は翼がお茶のほうが好きだって知ってる。

特殊メイク〜雲の人の場合〜 

2008年12月15日(月) 21時53分
ハルから聞いたけど、最近の特殊メイクって凄いんだね。
本当に火傷してるように見せたり、包帯に血が滲んでるように見せたり。
興味をそそられハルに連れられて翼とそういう体験が出来るトコに行ってきた。
お金出してまでやる事かと聞かれれば多分違う。
でも暇だし、魔が差したのでやってもらった。
抉られたよ的な。

・・・・・・・・・・・・うん。グロイ。

見てて気持ち悪い。
翼に見せたら「キモイグロイ」と言われた。
自分だって似たような状態だろうが。
包帯を巻くと尚それっぽい。
せっかくなので今もそのまま。
包帯の下は今グロイ事になってるんだ、と思うともう取れない。
まぁ、今日は学校も休みだし問題はないか。
そう思っていたら甘いと言わんばかりに鳴る私の携帯。
休みの日の電話なんてあの人からに決まってる。
ていうか、着メロが校歌だし。

「もしもーし」
『遅い』
「いや、普通だよ」

あの人は私に常に携帯の前で待機してろというのでしょうか。
また例の如く書類が溜まったんだって。
そんなに何の仕事してんだよ、風紀委員。
行きたくないなー。
あ、怪我したから今日できないって言おうかな。
やってもらったの丁度右手だし。

「手ェ怪我したからできなーい」
『・・・怪我?』
「抉れたー」
『また何したの、君』
「いや、ちょっと、プロレス的な」
『プロレスって抉れるものなの?』
「・・・抉れないです。多分」

無理だろうか。
いや、無理以前に多分信じられてないな。
言い方が超やる気ないもんな。

「ホントに怪我したんだって」
『ふーん。早く来てね』
「あれ、聞いてない・・・!?」

騙せないものは仕方ない。
さっさと制服に着替えて学校行こう。
私マトモな日曜日過ごした事あるのかなぁと
思ったけど考えるのをやめた。
多分ないから。

『・・・そんなに酷いの?』
「へ?」
『手』
「え、あ、まぁ・・・それなりに」

信 じ て る ! ?

いや、でも・・・えぇ・・・!?

「恭弥、さん?」
『今から行くから窓開けといて』
「え、来んの!?ちょっと待っブツッ ツーツー

・・・・・・・・・・・・・・・・大変だ。

ヤバイ。信じてるよアレ。
もしコレ見せて見破られたら私トンファーで殴り殺される。
今まで何だかんだで殴られなかったけど今回は絶対ダメだ。
殴られる。死ぬ。ジ・エンド・オブ・私。
片仮名で書くとカッコ悪いね・・・って違う。
どうしよう・・・今から嘘だったって言えば少しは軽減するかな。
黙ってて殺されるよりずっと生存確率高いよね。
今なら間に合う・・・!!

「ちょっと。開けといてって言ったよね」

あ、死んだわ私。



±10 

2008年12月15日(月) 17時29分
応接室に行ったら、知らない人がいました。

否、知らない人と言うにはあまりにも見覚えがある。

例えば無意味なまでに鋭い目とか。
絶対零度のオーラとか。
ちょっと短いけど指通り良さそうな黒い髪とか。

目の前のソファーで偉そうに足を組んでいるスーツ姿の男の人を
私は知っている。

「・・・恭弥?」
「何」

返事した・・・!!

半分以上の確信から名前を呼んでみた訳ですが、
向こうは難なく返したきた(いや、返事だけだけど)

バカ野郎

私はシャイガールなんだ。
いくら確信があったからって見た目年上な男性に声を掛けるだけでも
心臓壊しそうだったのに普通に返すな。
寿命が延びたわバカ野郎

入口に突っ立っている私は向こうからすれば滑稽だろうが動く気にもならない。
何か会話を繋げようと言う気にもなれない。
先程から言ってる通り、冗談抜きで年上には苦手意識があるのだ。
それは仮にあの人が本当に恭弥だったとしても薄れるモノじゃない。

「座りなよ」
「怖いから遠慮します」
「同じ事は言わないよ」

眼力だけで射殺されそうです。
“仮に”なんかじゃない。
アレは間違いなく恭弥だ。
とりあえずこのままだと寿命の伸び縮みどころか天寿を真っ当できるかも
謎めいてくるので彼の向かいに座った。
先生の前でもこんな丁寧に礼儀正しく背筋伸ばした事ない。
しかし座ったからっていつものテンションで話せる筈がない。
恭弥だろうが了平だろうが年上は年上だ。
窓の外に目線を避難させる。
外では野球部が練習試合をしている。

横目で観察してみる。
視線には気付いてるだろうに何も言わない。
いつもと違う姿なのに慌てもせず受容できる私は柔軟というかなんというか。
十年バズーカとか普通にあるからあんまり驚かないんだろうけど、
あの人が当たったなんて変な話だ。

聞きたい事は山ほどあるけどこの人が答えてくれるなんて思わない。
何か知ってても、知らなくても。
何となくそんな気がして聞かないでいる事にした。
ただ、この空気は気まずい。

「・・・紅茶、飲みますか?」
「いや。いいよ」

はい、会話しゅーりょー。
沈黙が続くのは耐えられない事じゃない。
寧ろ相手さえ平気なら何も喋らずに同じ空間に一日いられる自信がある。
けれど今はダメだ。
何か話していたい。
沈黙を断ち切る言葉を探していると、先に見付けたのは意外にも彼の方。

「聞かないの?」
「答えてくれるんですか?」
「内容と、質問の数によるけど」
「じゃー・・・三つだけ」

答えてくれるというのなら。
聞いてみよう。

「貴方は恭弥?」
「そうだよ」
「十年バズーカにでも当たったの?」
「少し違うけど。似たようなものかな」
「じゃあ最後・・・」

今更な質問ばっかだけど、最後の一つは大事な質問。

十年後の私は、貴方の傍にいられてますか?

でも答え貰うのが怖い。
私はこんなに人に執着するタイプではなかった気がするのに。
聞くか、聞かないか

「・・・。恭弥は、帰ってきますか?」
「この時代の僕が負けなければね」

負ける筈ないけど、と付け加える。
聞くのはやめた。
怖いから。
帰って来ると言うのなら、今はまだいられるのならそれで良い。

「なら良かった」
「それだけ?」
「三つまでって自分で言いましたから」
「そう」

また沈黙。
でもさっきよりは平気。
さっきの問いは忘れよう。

「・・・十年後の君はもっと図々しいんだけどね」
「はい?」
「君は要領悪いし、文句多くて煩いけどちゃんと仕事してくれるから」

それだけ言うと立ち上がる。
見下ろす目は昨日までの彼と同じ。
部屋に入って初めてマトモに目を合わせた。
一瞬だったけど。

彼は部屋を出て行った。

何処行くんだよ。とか

その身体で出てって大丈夫なのか。とか

思う事は色々あったけど追い掛けなかった。
ソファーに横になって、十年後も私のポジションが変わらない喜びに
浸っていたからだ。

「帰ってきたら未来の話聞こー」

未来の恭弥は今よりも格好良かったよ。とか、
背伸びてたよ、170cm超えて良かったね。とか

余計な事言ってやろ。
この時代の恭弥となら、終始目を合わせて話せるから。

向こうから逸らされるのは別ですが。


無理無理思いつかねー 

2008年12月09日(火) 0時09分
「こんにちはー、阿近いますかー?」
「あ、翼さん、いらっしゃーい!」

がらりと扉を開けて入ってきた翼は、笑顔で出迎えた眼鏡と椅子に腰をおろしていた阿近の姿を見て、笑顔を固めたままでその扉を閉じた。


バタバタバタバタ

派手な音が十番隊執務室に近づいてくるのに日番谷と冬華は気がついた。

「冬華!きてきて!!とおおおかあああああ!!!」
「うっさいわっ!」
「阿近が大変なことに!」
「阿近さん?なに緑色にでもなっちゃった?」
「それより面白い!」
「マジか!白ちゃん行ってきます!」
「寒月ぃ!テメェは書類置きに来たんだろうが!!」
「実は忘れてきたから後で持ってきます!」
「なにしにきたんだぁ!!!」


バタバタバタバタバタバタ

「阿近さーんどうしたの!?もしかしてカモシカのような足になったの!?」
「なるか馬鹿」
「あ、寒月七席もいらっしゃーい」


「「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」

椅子に座っている阿近。
その話し方も偉そうな態度もいつもと全く変わらない。その体格以外は。

「ぎゃー!阿近さん大変なことに!ちっちゃ!ちっちゃ!!!」
「やっぱ夢じゃなかった!!ぎゃーなにこれキモ!」
「酷ぇ!わーでもなにこれ!」
「ぎゃーぎゃー五月蠅ぇな…」

わざとらさいくため息を吐いた阿近の体は一回りも二回りも小さくなっていた。
体が小さくなったのではなく、表情の幼さからどうやら子供のように体が縮んでしまったらしい。

「それって、前にうちらに使った薬と同じなんじゃ…」
「それの改良中のヤツだ」
「とてもお似合いです。ぷ」
「テメェも頭からぶっかけてやろうか寒月」
「無理だよ、冬華はこれ以上小さくなれないよ」
「阿近さん、抑えとくからこいつをどうぞ」

結局騒ぐ翼と冬華の頭にごんと太いファイルが降ってきて騒ぎは収まった(ファイルは阿近さんが蹴っ飛ばした棚から落ちてきた)
話を聞くと、そうやら試薬をもったリンちゃんが床じゅうに散らばっていた阿近の書類に足を滑らせ、その先にいた阿近に薬が直撃したらしい。(グッジョブと言わざるをえない)

椅子から降りるのもいちいちラブリーな効果音がつきそうな阿近に、冬華と翼はぼうと見つめるしかできないのであった。








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とりあえず掴みを思い出すために。
カモシカのような脚はすらりとした足でも、ケンタロスのような足でもどちらでも想像可。

別れ道 

2008年05月15日(木) 20時32分
「了平・・・」
「神風・・・」

バスの窓を開けて切なげな表情の翼と、
そんな翼を同じく切なげな表情で見る了平
了平が何か言おうと口を開こうとするとそれを遮るようにバスが
エンジンを掛ける音がした

「無理して身体壊さないでね」
「あぁ、神風もな」
「みんなに迷惑掛けちゃダメだからね」
「わかっている」

ゆっくりとバスが動き出す
了平はそれに合わせて小走りでバスを追い、翼は窓から身を乗り出した

「絶対電話とかメールとかするから!」
「あぁ、待っている!」
「了平からもしてよ!?」
「あぁ!!」
「絶対だからね!?」

「・・・お前ら何してんだ?」

バス(一号車)の中
翼の前の席に座っている持田が背もたれから覗き込み
呆れたような顔をしている
翼は未だに窓から身を乗り出し手を振っている

「どうせ3時間後にはまた会えるだろうが」
「3時間も了平に会えないなんて有り得ないよ!」
「神風ー。窓は開けるなー」

二泊三日修学旅行
たかがバスが違い目的地に着くまでの3時間会えないだけで
大袈裟な別れ方をした二人に周りは見ないフリ


―了平のクラス―

「先生。笹川が一号車追い掛けて帰って来ません」
「どうせそのまま一号車に乗ってるだろ。お前らも早く乗れ」

なんてアバウトな会話
先生の宣言通り了平は見兼ねた一号車の教員に乗せられた
まるで1年以上会わなかったかの如く喜ぶ二人に持田は他人のフリをし、
翼の隣に座っていた生徒はこそこそと席を離れたのであった

体育大会-2- 

2008年04月15日(火) 14時59分
「次の次は借り物競争だー!!」
「翼やりたがってたもんね」
「楽しくない?こういうの。普通に走るより好き」
「うんうん、楽しいよね」

結局、体育大会が始まってみれば、ほとんどの人間が好き勝手にクラスや席を移動して、冬華もすぐに私のクラスの席で足を延ばしていた(委員長の呼び出しはすぐに終わったらしい)
了平はもう実行委員も楽しくて仕方が無いようで開会式が終わった後からずっとその辺を走り回り、いつも仕事をやっている。
雲雀も応接室からあの後から出てきていないようで、所々で生徒を絞めたり、保護者に混じって進入してくる高校生を追い出しているのは草壁さんや他の風紀委員。

「あー、ねえ。保護者参加競技どうするよ」
「いっそ、私ら二人で駄目かなぁ?」
「駄目でしょー。翼、ディーノと出て」
「えー、冬華は?」
「うーん、たぶん出ない。こっちのクラス参加者確か揃ってるはずだし」
「あー、打ち合わせのときに寝ないでちゃんと出ません。って言っておけばよかったなー」
「寝るなよ」
「自分の出たい競技にがんがん名前書いて、即効寝ました」


♪〜♪〜♪〜

「あ、携帯なってる。誰だこんな時間に。…あ、ディーノだ。コンビニ行くけど何かいるか?だって」
「お菓子。…あれ、うちのケータイもなってるし……げ、ルッスーだ」
「何気にすごいメル友作ってるね…」
「こないだ電話したときに今日体育大会だって言っちゃったんだよね〜。あ、ベルが写メ送れだって。君の」
「なんで!?なんで私!?」
「主に君がすっ転んで、ひっくり返って、頭から地面にこんにちは。してるような写真だって。そうしたらすぐに電話してやるって。笑いに」
「歯、全部引っこ抜いてやろうか、あの玉子…」

笑ったときに恐ろしくなるからやめれ…。


『借り物競走に出場する選手は、入場門に集まってください』

「あ、行くかー」
「そだねー」


入場門に集まると、これは全学年混合なので見知った顔がちらほらと。

「十代目ー。借り物出るんだー」
「ちょ、翼さん、十代目って呼ばないでくださいよ!」
「じゃあ、ツナさんー」
「三年生にさん付けさせてる、って、俺が目つけられちゃいますよ…」
「大丈夫だって。多分」
「多分!?」
「ごっくんも出るんだ」
「まあな」
「あ、ねーねー。お弁当みんなで食べようよ。翼と早起きしてめっさいっぱい作ったんだ」
「一緒に弁当…」
「うん!」
「い、いいんじゃねえか…」

やほー!とはしゃぐ冬華を見ながらぽつりと翼がつぶやく。

「いやぁ、若いねえ…」

お前はいくつだ。




一年生から順番に走ることになっているので、私たち三年生は結構待たなければいけない。
それでも、待っていると借り物や借り人で、周りの奴が連れて行かれたりするのが面白い。
横にいる持田は一年生だけで、既に二回もゴールまで走っている(部活の先輩と剣道部という借り物だったらしい)

「お、次は二年生だねー」
「ツナたちなにを借りに行くんだろうね」
「まー、さっきちらりと見えたボリーン先生が幻なら普通のものだろね…」
「え、なにそれ!?」

隣のぐったりとしている持田をつついていた翼には見えなかったらしいが、冬華には借り物の書いてあるカードを入れ替えている忍者コスプレをしたボリーン先生が見えたらしい。
さっと青くなった二人の顔に気づくことも無く、第一走者の列にツナが並んだ。


パン、と言う空砲にはじけるように走り出した六人の走者たち。
もちろんカードの元にたどり着いたのはツナが一番最後で、カードを裏返した瞬間に青く染まった顔に、やっぱり…、と二人揃ってため息を吐いた。

「雲雀さんなんて連れて来れる訳ないだろおおおぉぉぉ!!!」
「「あちゃー」」

ぎゃーと叫んだ表情のまま一瞬固まっていたツナだけど、ツナ!と呼ぶ山本の声に視線を移すと、山本が指差していたのは冬華。
そのまままるで風のように冬華の元に駆け込んできたツナは、珍しく無理やりに冬華の腕を引っ張り、校舎の中へ消えていった。(後で聞いた話だと、この借り物でもし最下位になったらリボーンと”ドキドキ食うか食われるかの夜通しお勉強大会☆”だったらしい。/ちなみに食われるのは虎らしい)

「うむ、沢田も極限頑張っているな!」
「いやー、あれは頑張らなきゃまずいでしょ…」
「ん?京子が来たぞ?」
「お兄ちゃん!早く早く!一緒に来て!」
「極限任せろ!!」

うおおお!と京子ちゃんを半場引き摺るようにゴールまで了平は走っていった。(借り物は家族だったらしい)
持田は引き摺ってんぞー。と後ろから笑っていて、翼もつられて笑った。
一着でゴールした二人は、一着の人が並ぶ旗のところでこっちに向かって大きく手を振っていた。(借りられた人やものは競技終了までゴールで待機/出場する人はその学年が終わったらダッシュでスタート地点まで戻ってくる)


「お、もう一人来た」
「神風先輩!早く早く!」
「お、山本ー。なになにウチ?」
「そうっすよ!早く!今A組一位少ないっすよ!」
「おっしゃ、行くぞー!」

山本が翼の手をしっかりと握り、ゴールまで走った。(今度は翼が半分引き摺られていた)

「一位A組、山本君ー。借り物はなんなんでしょうか?」
「借り物は”小さい人”でっす」
「ちょ、お前それ、私以外にもっと近くにいっぱいいただろ!」
「あ、そっかー。なんか先輩しか見えなかったっす」
「お前目ぇ大丈夫か!」

てか小さいなら、イーピンとか、お前のことが大好きな女の子がわっさわっさいるだろうが!とゴールで騒ぐ二人に周囲からは笑いが飛ばされるのだった。

極一部を除いては。




「と、冬華はどこだー!?」
「寒月ならとっくに沢田に借りられてるぞ」
「なー!?」

”好きな先輩”なんて素敵なカードを引くことができた獄寺は、一番初めに借りられてしまった冬華のことを延々と探し、結局誰もゴールに連れて行くことができなかった。





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王子は笑いたいだけです。
ルッスは兄貴の写真がほしい。
了平が走った後は砂吹雪が舞ってるよ。きっと


体育大会-1- 

2008年04月15日(火) 13時59分
「体育大会だー!!」
「翼は好きだねぇ…」
「運動は特別好きじゃないけど勉強しなくていいじゃん」
「やっぱりか…」

気温は少し高めだけど、雲ひとつない青空が広がる今日。
本日は了平が毎年楽しみにしている体育大会で、今年も運よく、まるで狙ったように皆同じチームになることができた。

委員長の姿が見えないのはきっと応接室から運動場を見下しているからだと思う。(人がゴミのようだ!)
了平は今年も大将になったので今は準備でそこら辺を走り回っている。

「みんな同じチームでよかったねえ」
「席が離れちゃうのだけは残念だけどね〜。冬華こっちに進入しなよ」
「ばれたら責任とってくれるの?」
「教師相手ならいいけど、委員長様はいや☆」
「意味ないじゃん!」
「まあ、こっちからちょくちょく遊びにいくよ。…今日ってなんの競技出るの?」
「えっと、借り物競争と短距離走、後は適当ー」
「私も借り物でるよー。後リレー。棒倒しはだめだって」
「そりゃ駄目でしょ!?」
「いやいやいや、競技という名前にのっとり、オープンに人を殴り倒せるって素晴らしい競技だと思うよ?」
「お前退場」

冬華に即効で退場を言い渡されながら開会式を始めるための放送で一度クラスの席に戻る。





『代表制とによる、選手宣誓です』

「宣誓!自分たちはスポーツマンシップに則り、正々堂々、極限に競技をすることを誓います!!!」


「あれ、確か正々堂々、力いっぱい競技〜じゃなかったっけ?」
「お兄さん勝手に変えちゃってるよ…」
「姉貴来んな姉貴来んな姉貴来んな…」
「獄寺君…」

ちなみにビアンキは今はスイスにチーズを買いに出かけています。
醗酵食品がさらに醗酵するのか…(遠い目)







正直やらなくてもいいと毎年思う開会式と準備体操を終え、席に戻るとなにやら騒がしい。

「わぁ、翼姉たち戻ってきたよ!」
「お、ほんとだな〜。よ、翼。遊びに来たぜ」
「帰ってください」

ずばっと口から飛び出した暴言。いや、私は悪くない。

「馬鹿ー。フゥ太はわかるけどなんでディーノまでいるんだよー」
「冬華から話は聞いてたんだ。今日はマジで偶然ジャッポーネで仕事があったから顔出しに来たんだよ」
「このためだけに来たっていったらロマーリオたちが泣くよ」

「恭弥はどこにいるんだ?」
「応接室じゃない?それか冬華に聞いて。あいつ雲雀に監視されてるから、近づいてったらすぐに呼び出しされると思うよ。冬華が。」
「なんか日本語って難しいな」

いや、本当です。(by冬華)

「俺はツナのママンたちのところにいっから、みんなで昼飯食おうな」
「冬華も声かけとくよー」

声だけだけどね。
いやいや、だってあの雀(違)に逆らうと怖いじゃないですか。
棒倒しどころか、私のあばら骨が倒されそうなので大人しく冬華を生贄にしておきます。



『最初の競技、三年生の短距離走を始めます。出場する選手は…』

音割れの混じるスピーカーからの声で周りの生徒が何人か立ち上がり入場門へ向かう。
確かこの競技は冬華と了平がでるはずだったので、不本意ながらも背の順で一番前になっている席でぼーっとグラウンドを眺める。


「寒月!極限に勝つぞー!!」
「おー!」
「目指すものは勝利のみー!」
「おー!!」
「A組勝つぞー!!」
『おー!!!』

遠くからぼんやりと聞こえてくる声に、今年も強力なチームが出来上がってるなぁ。と同じチームながらに思ったり。


「ねえ」
「いやー、本当に平和だなぁ。仕事もなくてよかったよかった」
「ねえ」
「お弁当もたくさん作ったし。了平も食べてくれるかな〜」

「ねえ」

後ろから、顔の真横にトンファーが飛び出してきました。

「呼んでるの気づかない?」
「すみませんすみませんすみません」

椅子から飛び降りて即座にジャパニーズ土・下・座☆
いやいやいや、三回も呼んでくれたのは、この人にとってだいぶ譲歩なんだろうけどね…。

「あれにさ、この競技が終わったら応接室に来るように言っておいてくれる?」
「え、でも、冬華、この次の次の競技でゴールテープ係だよ?」
「僕の言ってること理解してる?」
「はい、迅速に間違いなく命に代えても伝えておきます」

もう一度下げた頭に降り注ぐ太陽がいたい。
クラスメート全員いなくなってっし。持田に後で蹴りかましてやる。



そんなこんなで体育大会は始まりました。









----------------------------------
は、始まったんですって…(汗)

借り物とか好きに書くぞー。
暇だったらお姉さんも好きに書いてやー(笑)


王子と一緒《前編》 

2008年04月13日(日) 22時14分
♪〜♪〜♪〜

・・・誰だ
日曜の朝っぱら(11時)から電話なんて
私の携帯は某風紀委員長からのを除いて着信音は皆共通だ
これが並中校歌なら光の速さで跳び起きる所だけど
寝ぼけた耳で聞いてもこれはアニソン(痛い)だ
ノロノロと布団から手を出してディスプレイを確認するが
ぼやけててよく見えない

(・・・玉子?)

・・・違うよな、王子か
あぁ、ベルね
こんなにノロノロやっててよく切れなかったな、
と思いながら通話ボタンを押す

「もしも『今から行くから王子に日本案内しろよ』


ブツッ


・・・はぃ?
覚醒してきた頭で画面を見ると料金表示
電源ボタンを押すといつもの平凡な待受画面
まるでさっきの電話が夢のようだ


「ギャー!!ドアァァ!」


・・・リアルのようだ
向こうから相方の悲鳴が聞こえてくる
体を起こそうと力を入れた時だ


スパンッ


華麗な音がして、部屋のドアが崩れ落ちた

「ギャー!!ドアァァ!」

あれ、この台詞二回目
可哀相な事になってるドア
元ドアがあった場所に立ってるのは
ヴァリアーの座敷童ことベルフェゴール
因みに土足だ

「日本は土足禁止だよ、ベル」
「知らないよ。だって俺王子だもん♪」

そんなの関係ねぇ!!(古)

「つーか連絡したのにまだパジャマかよ、トロイ奴」
(そんな事言われても)

ブツブツ言うベルをとりあえず追い出し着替える
これ以上遅いとか言われると堪らないので迅速に
リビングに行くと翼がドアの前でorzの姿勢
どうやら翼のドアもバラバラ死体になったようだ
ベルは椅子に座って足組んでる

「おっせー」
「すみませんね。で、何?」
「電話で言っただろーが」
「あんな早口言葉みたいなの寝ぼけた頭で理解できるか」
「これだから愚民は」

大袈裟に溜め息を吐くベル
その素敵なティアラをひん曲げてやりたい
しかしイライラしてたらこっちの身が持たない

「暇だから日本案内しろよー」
「ヴァリアーって暇なの?」
「俺王子だから」

もう何でも『王子』で済ましそうだ
そのうち映画館とか行って

「王子一枚」

とか言いそうだ
てか絶対言う

「日本案内って、何見たいの」
「知らねー」
「えー・・・」

16歳って高校生だよなぁ
なんて計画性のない高校生
まぁ仕方ないか
王子だもんね

「お前どっか楽しい所知らないのかよ」
「私、行動範囲狭い引きこもりだからなぁ」
「ヒッキー」
「黙らっしゃい」

ベルと会話しながら頭ではベルの好きそうな所を探す
ゲーセン、遊園地、デパート、商店街・・・
場所は思い付くけどベルが気に入るかは別
気に入らなきゃハリセンボンのサボテンにされかねない

「どんな所行きたい?」
「退屈しないトコ」

聞かなきゃ良かった
さて、どこへ行こう
そして翼はいつまで沈んでるんだろうね

「じゃーあ、水族館」
「そんな所行って楽しいのかよ」
「や、寿司好きだから魚も好きかなって」
「俺バカにされてねー?」
「しないよ、そんな恐ろしい。あ、でも水族館の中で
ナイフとワイヤー禁止ね」
「そんなの知らねー。王子に指図すんな」
「ならドコも連れてかない」
「うわー生意気」

どっちがだよ
某テニス漫画の主人公にも負けない生意気ぶり
あれは生意気の種類が違うか
睨み合う事数分
余程退屈でどっか行きたいのか珍しく、凄く珍しくベルが折れた

「つまんなかったら殺すからな」
「うげ・・・。翼も行くー?」
「・・・了平が行くなら」
「そんな予定はないけど」
「なら行かない」
「・・・そう」

ドアが大破して相当ショックらしい
まぁ、家が壊れる理由といえば1に恭弥、2に恭弥、3と4も恭弥で
5にやっとベルとか獄寺がくる
つまりは私の周りの人が犯人で翼はそのとばっちり
わからなくもない

謝る気はないけれど

でもせめて、後で了兄にメールして家来てもらおうかな

さぁ行くぜ水族館
付けっぱなしのテレビから聞こえる今日の運勢

家で過ごすのが吉
外出はオススメしません

ワォーお約束

直訳は白い日? 

2008年03月14日(金) 20時31分
3月14日
俺は何でもない普通の平日だと思っているが
今日は先月のお返しをする日のようだ
神風からチョコを貰った
ならば返さねばならない
しかし女子は何を貰ったら嬉しいのかわからない
そこで女子で尚且つ神風の友達のあいつに聞こうと思う

「寒月ィィ!」
「ホワイトデーのお返しはマシュマロが一般的だよ。
でも了兄が選んだ物なら何でも喜ぶと思うな。
オススメは例の如くパンダかチョコだよ」
「極限ありがとう!」

・・・む?俺は寒月に用件を言ったか?
まぁ寒月ならば不思議は無いか
マシュマロかチョコ・・・
寒月のオススメはチョコの方だったな
しかしパンダをどうするか

誕生日にパンダを狩って来ようとしたら寒月に止められた
ぬいぐるみにしても色んな顔の奴がいるから
どれが神風の好きなパンダかわからん

(何故本物はダメなのだ)

チョコにしても種類がある
神風は色々食べていたが細かい種類まではわからない
こう考えると、俺は神風の事を何も知らないのではないかと思えてくる

「・・・。もう一人聞いてみるか」


「何?あんまりウザイと噛み殺すよ」
「雲雀も寒月からチョコを貰ったのだろう!?」
「貰ったけど、それが何」
「何を返すのだ!」
「適当に」
「適当だと!?」
「あの人の好きそうな店から適当なの持っていけば喜ぶんじゃない?単細胞だから」
「雲雀は寒月の好きそうな物がわかるのか」
「単純だからね」
「・・・。そうか」
「用事は終わったよね?さっさと出て行かないと噛み殺す」

そう言って雲雀はトンファーを構えた
是非戦いたかったが今はそれ所ではないので帰って来た
雲雀は寒月の好きな物がわかるのか
俺にはわからない

「・・・」

**************
ホワイトデーだね
今日は了平に会わないんだけどどういう事かな?
冬華も、あの雲雀も会ったって言う(雲雀は何かご機嫌ななめだったけど)
何故だ
私は何かしたか!?
私に何か至らない所があったか了平!?
世界の中心でそれ直してくるから教えてくれ!

「神風!」
「ぅおおおい!?」

つい鮫みたいな声を出してしまった
だってボーッとしてたら窓から入って来るんだもの
お前の玄関は窓か!?
お前の家にあったあのドアは玄関じゃないのか!?裏口か!?

「どうしたの了平」
「これを渡しにきた」

そういってズイッと出されたのは紙袋

「開けて良い?」
「もう開けているようだが」
「気のせいだよ」

綺麗な包装紙を剥がすと出てきたのはパンダさんリュック
くたーってした感じの

「おぉぉおぉぉ・・・」
「中にも入っている」

リュックの中身はキ○コの山
素敵だ・・・

「ありがとーっ!おぉー」
「神風の好きな物がわからなくてな。ずっと探していた」
「え、何かゴメン」
「いや、神風の事がわからない俺の修業が足りんのだ」

修業は関係ない
というツッコミを堪えた私は偉いと思う

「神風に似合いそうだったので買ってきた。どうだ」
「うんっ!すっごく嬉しい!ありがとね」
「うむ!これからは神風の事をもっと見ている事にするぞ!」

大歓迎です
貰ったパンダさんリュックを机に置いて時計を見ると夕飯の時間
今日の当番は私

「了平、ご飯食べてく?」
「む。良いのか?」
「勿論っ」
「では頂こう!」

すっごくすっごく幸せなホワイトデーになりましたっ
来年はもーっと幸せなホワイトデーになるよね?
ハ○太郎・・・ってウチにハムスターいねぇよ

「はい、了平。あーん」
「あー」
(・・・居心地悪いなぁ)

ワザとです

ホットココア 

2008年02月14日(木) 22時28分
「・・・おっ」

何気なく窓の外を見てみれば雪が舞ってました

どうりで寒いハズだ
そういえば氷張ってたな
帰り道でも張ってたら踏んで帰ろう
雪は積もるかな
この勢いと空なら積もるな
明日は雪合戦しながら登校だ

「・・・」

積もったらバイク滑るかな
いや、いくら何でも雪の日にバイクには乗らないよね
歩いて来るのか
冷えちゃうよ
元々体温高くないのに
でも防寒具あんまり着けないんだよね
寒くないからって
指先とか赤くなってるのに

(私の貸しても返されるし)

というか私自体、防寒具着けないんだよね
マフラー程度
唯一の防寒具じゃ貸そうとしても突き返されるのがオチだ
意外と(失礼)優しいから
でも私も寒いのは可哀相だと思う訳だよ
そういえば今日も狩りだって言ってたっけ

「・・・そだっ」


「きょーやさんっ」
「何?気持ち悪い」
「登場第一声から失礼な」

自分でも思いますが

「君が僕より早いなんて珍しいね。だから雪なのかな」
「恭弥が珍しく遅いから雪なんだよ」
「ワォ。言うようになったね」

日頃の掛け合いの賜物だよ

「機嫌が良いみたいだけど、何企んでるの」
「企んでないもーん」
「気持ち悪いって言ったの聞こえなかった?」
「・・・」

日頃の掛け合いの賜物で私の心は強くなります

「で、何なの」
「コレー」
「・・・何コレ」
「ココアですが」
「見ればわかるよ」
「え」
「どうしたのコレ」

ココアなんて此処に無かったでしょって
あぁそういう事

「買って来た。寒い時にはココアだと思ったから」
「君も気を利かせたりできたんだね」

この野郎・・・

「ほら、早く飲んでよ。冷めたら勿体ない」
「仕方ないから飲んであげるよ」
「飲んでもらいまーす」

感想は何にも言わないけど、残しもしない
こういうトコ好きだなぁ
・・・言わないけど

「暖かい?」
「熱い」
「あ、そ」
「悪くはないけどね」
「そっか」

ココアも暖かいけど、きっとコレは言葉が暖かいんだよね
え?勘違い?
良いよ別に
私はそうだと思うので

「雪、積もるかな」
「面倒だから積もらなくて良いよ」
「えー」
「君は寒い寒い言うクセに積もって欲しいの?」
「うん」

雪積もったら、恭弥歩いて行くだろうしね
そしたら、並んで歩けるよ
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