批判を承知で書く。
みんなはジョン・レノンを
『平和や愛の歌を歌う人』
くらいに思っているかもしれないが、そんなのは彼の一部分に過ぎない。彼こそ希代の
『ロックンローラー』
であり、最高の
『ヴォーカリスト』
なのである。
12月になると“イマジン”や“ハッピークリスマス”が、思い出されたように街に流れる。あの甘美な世界に私は、ビートルズ時代から彼が味わい続けた“栄光”と“挫折”を感じる。幼少期に哀しい体験をしており、その反動か常にパートナーを欲していた。メンバーで一番早く結婚していたし、ポールがいてヨーコがいた。
ビートルズの初期が彼の声の全盛期だと見る。『プリーズプリーズミー』〜『ハードデイズナイト』辺りだろう。『フォーセール』から徐々に疲れが見え始めるが、“ミスタームーンライト”は別格。あの声は神懸かっている。ジョンは声だけなのにキラキラ輝くというか、水が滴り落ちるというか・・時には切なく女を慕い、さりげなく男の淋しさを歌ったと思えば、一方で浮気した女には異常なくらい嫉妬するのだ。それを声だけで表現する、実に人間くさいアーティストなのである。
12月になったら(ならなくても)ぜひジョン・レノン聴いてもらいたい。個人的には“プリーズプリーズミー”と、『アンソロジー』に入っている“リーヴマイキットュンアローン”が好き。文句あるか、って感じでロックしまくる。“ディスボーイ”の絞り出し感も捨てがたいし、“アスクミーホワイ”なんか流れた日にゃ、読んでる本を閉じて聴き入ってしまう。そして“ベイビーイッツユー”・・あれを22〜3歳で歌えるんだからすごい。ソロなら“インスタントカーマ”が好きだが、初期のようなみずみずしさはない。やっぱりビートルズの最初の三枚は格別。ソロになっての一枚目も曲にものすごいインパクトがある。この頃のジョンは俳句に興味があったらしく、言葉が端的で鋭く心に切り込んでくる。
くれぐれも勘違いしないように。ジョン・レノンはロックンローラーである。ポール・マッカートニーをロックンローラーとはあまり呼ばないが(彼は彼で天才。ビートルズには二人の歴史的天才が在籍していた)、ジョンは呼べるのだから不思議。決してそこら辺で甘い歌ばかり歌っていた兄ちゃんではない(誰も思ってないか?)。
キミも早く
「ミストゥアー〜〜アアアア〜ア〜〜ムーンルアイッ!」
の洗礼を受けよう。イマジンなんて吹き飛ぶこの威力。