日本を代表する黒澤明監督は望遠レンズでパンフォーカス撮影をすることで有名です。
パンフォーカスとは遠景も近景もピントが合った映像をさします。望遠レンズは遠景と近景の距離感をなくすので、この二つの要素が合わさるとごちゃっとした感じになるので非常に緊迫感がでます。【天国と地獄】でも権藤邸で捜査員たちが張り込んでいるシーンや捜査本部で数多くの捜査員が1つの部屋にひしめき合っているシーンで効果的に使われていました。
海外ドラマで、裁判官が陪審員に話しかけるシーンでもよく見られる構図です。
しかし、望遠レンズでパンフォーカス撮影は非常に難しい撮影方法です。
なぜなら、もともと望遠レンズはその仕組み上、被写界深度が浅いので広角レンズに比べて広範囲にピントが合いにくいからです。
広くピントを合わせるためには、絞りを絞らなくてはなりません。絞りを絞るとカメラに光が多く入ってこないので暗くなります。それを補うために、シャッタースピードを遅くしたり、ライトで光量を増やさなければなりません。そして、大人数を映すとなると、大きく距離をとらなくては全部収まりません。そのため、セットがおおがかりになります。
なので、多額の予算をかけられないテレビドラマや低予算の映画などではあまり使われないようです。
望遠レンズでパンフォーカスの迫力ある効果は名監督たちが様々な映画で使っているので、映像表現の重要な割合をしめる演出法だと思います。
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