第1話 「過去」 

2008年11月01日(土) 23時38分
「うっ!!!」
頭に走る激痛とともに女は気が付いた。
どうやら気を失っていたようだ。

しかし、あろう事か女はなぜそこに居るのか、自分が誰なのかが
思い出せないでいた。

「いったい・・・、うっ!!」

過去の記憶を辿ろうとするとまた頭に激痛が走った。
女は自分の身につけてるものに目をやった。

ブラウンの長い髪は後で束ね、ゴーグルを首にかけている。
全身は黒いキャットスーツで覆われ肩や胸、腿や膝には
プロテクターのようなものが付いている。

肩に巻いてあるハーネスを背中へ辿っていくとそこには
ホルスターがあり小型の銃が入っていた。

「銃!?・・・私は・・・」

女は急に異様な恐怖心に襲われ、辺りを素早く見回した。

場所は繁華街とすぐに分かった。
だが人気など全く無い。
そう、彼女は「廃墟」と化した街にひとり気を失って倒れていたことになる。

ふとビルの割れたガラスに目をやると・・・
そこにはとても均整のとれた身体と
整った顔立ちの女性が映っていた。
歳は20代半ばだろうか。

女は何も思い出せない自分に益々不安になり
顔をしかめ、頭を抱え震えていた。

「誰か・・・いないの・・・?」

とにかく、まず自分以外の人間を探そうと立ち上がり
周辺を歩き始めた。

やはり近くには誰一人おらず、途方に暮れていた。
しばらく歩くとそこはかなりの大都市だったことが
分かるほど延々と誰も居ない繁華街が続いていた。

ピピピッ ピピピッ

突然女の腰の辺りから音が鳴り出した。
慌ててガサガサと腰に手をやると
小型の通信機器のようなものだった。
それらしいボタンを押すと目の前にスクリーンのようなものが
現れた。

男「おいっ!グリーン!大丈夫かっ!?」

画面に映る重装備の男はそう叫んだ。

女「わた、し…?グリーンて私の名前?あなたは誰?」

男「お前、何言ってるんだ?!頭でも打ったか!?とにかく今そっちへ向うから待ってろ!」

そう言って男は一方的に通信を切った。

女「グリーン・・?あの人は・・・」

女は何も思い出せないままその場に立ち尽くすしかなかった。

数分経った頃に突然目の前に大きな飛行する乗り物が現れた。
すると中からさっきの男が降りてきた。

「さぁ!」と女に手を差し伸べるが彼女は呆然と彼の顔を見ている。

男「おま、何やってるんだ!さぁ、早く乗れ!」

男は無理矢理女の腕を掴み、乗り物に押し込んだ。
その瞬間、乗り物は急上昇を始め猛スピードで「灰色の空」へと飛び去った。


つづく




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