『オーデュボンの祈り』読みました
2008.02.29 [Fri] 14:22

誰も知らない不思議な島の話. 小川洋子「密やかな結晶」を思い出した. 現実には有り得ない,それなのに違和感なく入り込める世界観. 非常にわかりやすい,すっきりとした作品. これがデビュー作だから驚き. ちなみに作品に登場する男性は姓のみ,女性は名前のみで呼ばれている. このように,細かい点に気をつけていると,不思議な世界に読者を入り込ませるための者の工夫を見つけることができる. 伊坂幸太郎の作品は初めてだが,他のものが読みたくなった.
 

『重力ピエロ』読みました
2008.02.29 [Fri] 14:20

文章が面白い。 それが一番の感想でした。奇抜でもなく大げさな表現でもないのに、何か秘密が隠されているような。 この人の小説は新しい。 筋書きよりも文章に魅力がある作家は久しぶりである。 その文章が展開に面白さを加えている。 ある法則に基づき連続放火が起こる。それに気づいた二人の異父兄弟が面白半分の犯人探しを始める。どちらかというと連続放火よりも異父兄弟であるという事柄の方が、小説の本質的な部分だ。 これから読む人は文章を楽しみながら読んでもらいたい。
 

『陽気なギャングの日常と襲撃 』読みました
2008.02.29 [Fri] 14:17

1章はタイトルにある『日常』の部分です. もちろん一般的な日常生活などではもちろんないわけで, それぞれが事件に巻き込まれ,それぞれの個性のもと解決していきます. また,この章で4人が揃うことはないのですが少しずつリンクしており, 読み終えたとき,4つ事件の時系列が判明しスッキリと繋がるようになっています. 2章以降が『襲撃』の部分. 物騒なタイトルにも惹かれどんな強盗劇を?と期待するも, 残念ながら今回は銀行強盗がメインではありませんでした. それでもちゃんと別の事件が用意されており楽しませてくれます. もちろんこの『襲撃』も『日常』とリンクされており, 伏線回収というか「あぁあのときの」と思うところがいくつか. これはニヤリとさせられるところだと思います. おしゃべりな男の口先はさらに滑らかになっているようで, 会話のシーンが目に浮かんでくるようで何度かクスリとさせられました. 長編ミステリとなっていますが,痛快娯楽作とでも表現したいです. 一応,前作を読まなくても話はわかるようになっていますが, やはりそれぞれの個性や特技を把握するには読まれておいたほうがよいかと.
 

『ラッシュライフ』読みました
2008.02.29 [Fri] 14:14

伊坂幸太郎、大好き。  とは言いながらも、今回は若干、私が苦手とするホラー的な要素もあった。若干。もちろんそれは妖怪が出てくる和式の怪談話でもなければ、霊がどうといった超自然現象の話でもない。可能性としては現実に起こり得る、でもやっぱりアリエナイ、でも起こり得る、ずっしりと重量感のある現実味をたたえた、"少し怖い話"なのだ。 怖いものは怖いのだけど。 だがその怖さを超えたところに、伊坂幸太郎作品の醍醐味ともいえる、見事な構成がある。パズルのピースが少しずつ、でもランダムにはまっていき、気付くと出来上がっている。 その全体像にはっと息をのむ。 あぁ、こういうことだったんだ。 数学の方程式を解いていく感覚にも似ているかもしれないし、組み立て式の棚を、ねじやら板やらを合わせて作り上げる感覚にも似ているかもしれないし、安物の置時計を分解して、あぁこうやって動いているんだと納得するときの感覚にも似ている。 「あぁ、そうなるわけだねぇ」と、言いたいから、伊坂幸太郎を読む。
 

『チルドレン』読みました
2008.02.29 [Fri] 14:13

と、思った。 陣内の存在が。 若気の至りとはいえ、周囲の見えないやつめ! 空気を読め! と。 しかし、2本目の作品に出てくる陣内は、 同一人物でありながら、印象が違う。 いや、中身が変わっているわけではなく、 むしろ何にも変わってなかったんだろうな〜と思う。 1本目の作品では、陣内よりも鴨居や永瀬の存在を際立たせておいて、 実は全編の軸になっているのは陣内!という手法に やられた!!!!!と思った。 そして最後は何故か陣内を人間的に好きになっていて、 またしてもやられた!!!!という感じがする。