六月に読んだ本

June 27 [Thu], 2013, 15:36
六月に読んだ本


何度も読みかえしたくなる最高の一冊


主人公である語り手のサムは作家志望の青年。書こうとしているのは『フィネガンズ・ウェイク』ばりの、
特別な筋もない、いわば前衛的な実験小説めいたものだから、誰にも相手にされず、原稿が売れたためしもない。

好きなものは古本と映画。古本屋でアルバイトをして、映画フリークの友人と映画談義をするのが大好き。

彼にはメキシコ出身の美人妻がいたのだが、そんな彼に嫌気がさしてある日一方的に家を出て行ってしまう。

さらに悪いことには古本屋も店をたたみ職も失ってしまう。

そんな彼が求職サイトで見つけたのが、私立探偵の助手。

というわけで始めた仕事はある女性の素行調査。その彼女を追ううちに、彼は彼女と良い関係になったかと思うと、突然彼女が転落死。

というあたりから話はありえないような展開をしていくのだが、前作(『二流小説家』)同様、語り手の文章だけでなく、複数の語りが作品に厚みを与えている。

実験小説を書きたいと思っている語り手の語る物語が、それと正反対の奇想天外な展開をしていく物語である、
というところが面白いところだが、ちりばめられている古本や、B級映画に対する薀蓄はともかく、
全体に非常にわいせつな感じがするところにちょっと辟易。

ちょっと作りすぎ、凝りすぎで、いささかリアリティーに欠けるところがあったのは残念。

再起は感じるけれど、100パーセント手放しで好きとは言えない作家。
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