そして

September 21 [Fri], 2012, 9:50
舟入川口町の姉の家にある一枚の写真を忘れなかった。それは彼が少年の頃、死別れた一人の姉の写真だったが、葡萄棚
ぶどうだな
の下に佇
たたず
んでいる、もの柔かい少女の姿が、今もしきりに懐
なつか
しかった。そうだ、こんど広島へ行ったら、あの写真を借りてもどろう――そういう突飛なおもいつきが、更に彼の郷愁を煽
あお
るのだった。
 ある日、彼は友人から、少年向の単行本の相談をうけた。それは確実な出版社の企画で、その仕事をなしとげれば彼にとっては六ヵ月位の生活が保証される見込だった。急に目さきが明るくなって来たおもいだった。その仕事で金が貰
もら
えるのは、外国人 彼女六ヵ月位あとのことだから、それまでの食いつなぎのために、彼は広島の兄に借金を申込むつもりにした。……倉敷
くらしき
の姪
めい
たちへの土産
みやげ
ものを
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