神戸製鋼所が、独自に開発した新型製鉄炉の関連事業を加速させている。ベトナムに新型炉を建設して鉄鋼のもとになる鉄の塊を生産・販売する方向で検討に入ったほか、バーレーンでは現地の鉄鋼会社から建設を受注した。中国など新興国を中心に鉄鋼原料の需要が膨らんで価格が高騰する中、原料コストを軽減できる新型炉を武器に海外市場へ攻勢をかける構えだ。
ベトナムでの建設を検討するのは同社が開発した次世代製鉄技術「ITmk3(アイティ・マークスリー)」を取り入れた新型炉。鉄の含有量が少ないために、これまで使いにくかった低品位の鉄鉱石や石炭から「アイアン・ナゲット」と呼ばれる鉄の塊を生産できる。
3月にはベトナム政府から、中部のゲアン省で年産能力60万トンの新型炉4基を2段階で建設するプロジェクト(総投資額1000億円)の許可を取得。現地法人を立ち上げて採算性などを調査し事業化の可否を判断する。
順調に進めば、第一段階として2011年1月にも2基の建設に入り、13年1月にも稼働させる。生産するアイアン・ナゲットは鋼材需要の拡大が見込まれるベトナムをはじめ、東南アジアの鉄鋼メーカーに売り込む。
次世代技術を活用した新型炉をめぐっては、今年1月に米ミネソタ州で年産能力50万トンの1号基が稼働を始めた。カザフスタンでも現地の総合資源会社SBSグループが導入する方向で神戸製鋼と交渉している。
バーレーンで受注したのは天然ガスを使って鉄鉱石から酸素を除き、鉄鋼の母材を生産する新型炉。13年初めに稼働させる計画だ。インドでも、現地の鉄鋼メーカーから受注している。
従来の高炉で使う優良な鉄鉱石や石炭は世界的に需給が逼迫(ひっぱく)し、スポット市場価格は高騰している。さらに資源メジャーの価格支配力が強まり、国内鉄鋼大手は今年4〜6月期の石炭の輸入価格を09年度比55%値上げすることで合意。鉄鉱石も約9割高い水準で暫定合意した。
新型炉はコスト負担を抑制できるため、神戸製鋼は関連事業を新たな収益源に育成する。
【4月5日8時15分配信
フジサンケイ ビジネスアイhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100404-00000004-fsi-bus_all