幸せのオムレツ 

May 24 [Sat], 2008, 1:03
諸君、君たちは料理の腕前はいかほどかな?

俺はというと、中学の家庭科でやった調理実習を、
つつがなく終える事が出来た訳であって、
つまりは料理は出来なくも無いって程度である
男なんだから、その程度で中の下ぐらい頂けるだろう と信じてる

あの暴走超特急な馬鹿は、レシピがあればなんとなくは作れるし、
我がリーダーの、名が翠の癖に髪が茶髪は、卵料理がやたら得意


まあ、何ゆえこんな話をしたかと言うと、
大体の方は察しているかと存ずるが、
我がメンバーにも、卵や肉魚で兵器を平気で作り上げる女がいる訳で…

「翠ちゃんが出来るんだから、私だってふっくらオムレツ作れるもん」
と言い残して、台所と言う名の戦場へ向かって行って早20分

テスト勉強という名目で、彼女の家に5人集まった訳で、
俺と馬鹿とリーダーと、もう一人女の先輩のチビが取り残された訳で、

「ねぇ、先輩にチビとか言っちゃダメじゃないのよ 謝りなさいよ」
いいんだよ、どうせ親戚だし
「そうなのよ〜ん この子はねッ、あたいと仲良しだから良いのさッ」
それに、どう見てもチビの方が年下だ
ランドセル背負わして、頬を若干赤くしたら、どうみても小学生だぜ?
「むむむ、それはあたしも気になるわね…」
「ってか、お前、そんな事させたのかよ オレにも見せろよ」
誰がお前なんかに、俺のチビの希少価値をホイホイ見せるかよ

「それにしても、遅いわね ちょっと様子見てくるわ」
流石我が頼れるリーダー、
と言い終える前に出て行きやがった

確かに、遅い
オムレツ作るのに20分も掛かるのか?
いや、掛かるのかも知れないが、あいつの事だ
ノーベルばりの大発明を仕出かしてくれる筈だ
それを俺は、来ると分かり切っている赤紙が来ない事を祈る心境で待っている訳で、
要するに、逃げたい

しかし無常にも、味覚兵器を搭載した黒髪が降臨なさった
俺は、リーダーが帰ってきて無い時点で恐怖を覚え、
トイレを借りたと聞いた時点で、それが確信へと変わった

リーダー 殉職確認


笑顔で持ってきたそれは、
黄色をしていなかった
何故か焦げてる訳でもない

「翠ちゃんがね、生クリーム入れたら美味しくなるよって言ってくれたのよ?」
だから白いのか
量を考えろ、量を

こいつはそよ風の如き笑顔を振りまくし
チビはヘラヘラ笑っている
馬鹿は無表情で黙り込んでいる
が、こいつは表情を隠すときに、肘を突いて口に手をやる癖を知っている

危険だ これは
もう、色々と

あ、待てチビ
食いやがった

一瞬笑顔が途切れたが、
すぐに今度はニタニタ笑い出した
まさか、もしかすると希望の光が見え始めたのか?

お、悠行くか
大きく行ったな

前言撤回
馬鹿の挙動がおかしくなった
「お前、こんな凄いもん作れんだな」
これは負と考えていいんだろうな


だが、
いやしかし、
この可憐なる少女の笑顔を見れば分かる、
これは不味い訳ではないんだ
この二人は演技してるだけなんだよ
きっとこれは何かのドッキリなんだよ
きっと、そうか
それに、例えガチだとしても、この笑顔があれば食べられるさッ!



信 じ た 瞬 間 、 裏 切 っ た


まずしょっぱい
どう考えても、塩がかなり入ってる
その後に、とてつもなく重い乳製品が来た
生クリームどれだけ入れたのだろうか
つか、ガリッって言ったの、これ卵の殻だろ
チビはどうやってこれを笑顔で飲み込んだのだろうか

あぁ、そこにおわす可憐な黒髪の美少女よ
正直俺のどストライクな美少女よ
笑顔の眩すぎる美少女よ
何故貴方はこれほど凶器なのか
これは狂気な人間じゃないと作れる筈が無いではないか
あぁ、眞緒殿、貴殿は味見をしなかったのか…


慌てて眞緒が『オムレツ』を口にした
一瞬にして青ざめたその顔は、
気が抜けたかのように白くなり、
見る見るうちに赤く染まっていった
どうやら、味見しなかったな


そんなこんなで、勉強会どころでは無かった訳で、
後日、泣きながらただ謝るばかりの美少女に、
俺はどう声をかけてあげれば良いのか分からなかった
このまま抱きしめてあげても良かったかもしれないが、
俺はまだ、リーダーと馬鹿に殺されたくないからな
スマンな

でも、どうしても抑え切れなくて
とりあえず、頭撫でてあげた

横っ腹貫く鉄拳は辛かったが、
君の、必死に涙堪えて見せてくれた天使の微笑みが、俺を笑顔にしてくれたさ
ありがとうな

雨の中の訪問者 

May 19 [Mon], 2008, 22:51
鳴り止まぬ地を打つ音
降りしきる雨



ガラスに白い筋がいくつも描かれている
どうみても大雨らしい

嫌いだ こういうグズグズした天気は

もちろん、どこぞの馬鹿と違って、
濡れるからとか訳の分からん理由ではなくてだな

「オレの事だろ、それ」
あぁ、そうだ 他に馬鹿がどこにいる
「オレは馬鹿じゃなくってアホつってんだろ、意味使い分けやが〜れ」
悪い、訂正しとく

じゃ、馬鹿でアホな悠君よ

ほれみろ黙りこんだ
両方自覚してるんだろうが
大体なんでモジャモジャヘアからほぼ坊主に まぁいいや


で、だな
俺は雨だと、こう、なんていうか、気だるいんだよ
重々しいっていうか、ジメジメが鬱陶しいんだよ

「そうかな? 私は大好きだよ?」

わどぅゆみーん
つか何時来た黒髪よ
「さっき来たんだよ? 気づかなかった?」
あぁ、あの馬鹿と話してたからな
あ?
馬鹿がまた暴走している


どうでもいい
「そんな事ないでしょ?」
まぁ、馬鹿だがウチの大将の一個下だもんな
あれなんつーだっけ

「あたしね、雨が降ってる時は調子良いんだよ? 知らないよね」
雨が降って調子が上がるのはカメックスぐらいだろ
「雨が降ってるから調子がいいんじゃなくってね
 調子が良い時はいつも降ってるんだよ?」
それは驚き、桃の木、山椒の木だな

「私ね、子供の頃か…」
どうでもいいが、いやどうでもよくないが
さっきから俺のボケが完全スルーされてるよな
「…てね、雨は大好きなのよ?」
ハッキリ聞いてなかったが、大体分かった

「そういえば悠君は?」
あえて記述してなかったが、あの馬鹿はさっきから、
ロンダートと側転の中間の動作を反復練習していた

「3000円は〜〜、今から返す〜」
馬鹿の息上がりすぎ
ってか、また博打やってたのか
「博打とはひとぎき悪いの〜、生活費稼ぎだよぉ」
やってる事は博打だろうが

また黙り込みやがった
つかこいつ馬鹿だろ 何度も言うが

「悠君ね、2000円貸したら3000円にして返してくれるのよ 凄いでしょ?」
あいつ幾ら儲けてるんだよ
ってかお金貸すなよ

「そこの6人共ッ! 超ーーひっさしぶりの依頼者よッ!」
戸の方からだ

馬鹿のドンドン音で気づかなかったが、
知らない間に部室の戸が開いていた らしい 見てない 背後だもん

そこには茶髪リーダーと、見知らぬ女性の二人組が、
あるいは仁王立ち、あるいは縮こまる様に佇んでいた 振り返ったら

この女性は、
後にこの部活で通算二人目となる相談者で
またしても俺達に、正確には俺に
厄介事を持ち込んだ者であった



ところで、部屋の片隅にいる、
チビとイケメンと長髪の紹介しなくていいのか?
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:大畔悠
  • アイコン画像 性別:男性
  • アイコン画像 誕生日:3月28日
  • アイコン画像 血液型:O型
  • アイコン画像 職業:小中高生
読者になる
普段はmixiで日記書いてるけど、何か文章を書きたくなったらこっちで書く
ただそれだけで作ってみた
更新は適当
気が向いたら書くつもり
つもりは未定で仮定であって決定ではない
2008年05月
« 前の月  |  次の月 »
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新コメント
Yapme!一覧
読者になる