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【コラム】刺激策なければ金融危機はずっとひどかったのか? / 2010年08月06日(金)
 当時は認識していた人がほとんどいなかったが、深刻な金融危機は2007年8月に短期金融市場が逼迫(ひっぱく)し、連邦準備理事会(FRB)と欧州中銀(ECB)が対応を迫られた時に始まった。あれから3年。当時分からなかったことで今、分かっていることはなんだろう。

 いくつかの教訓は広く受け入れられている:規制が少なく監督の行き届かない金融システムは経済成長を脅かしかねない。金融機関や金融工学の専門家は、たとえそれが後のトラブルを意味しても、規則が後押しし認めることはする。(当時の)規制はなおざりでなかったにせよ最適でもなかった。好調な時期に、それが永遠に続くとの期待から多額の借り入れをするのは、住宅オーナーにしろ大手銀行のトップにしろ同様に軽率だ。

 しかし、いくつかの見解については、意見が分かれたり、評価されていない。以下3つはその例だ。

政府は危機を防ぐことはできなかったが、さらに悪い結果を回避した。

 ブッシュ前大統領、ポールソン前財務長官、ガイトナー財務長官、バーナンキFRB議長による(そしておおむねオバマ大統領の祝福を受けた)銀行救済や、オバマ大統領の財政刺激策、FRBの市場介入が厳しい批判を受けるのは、国民が効果を疑っている証拠だ。(公平を期すためにまず言っておこう。わたしは自著「In Fed We Trust」で、FRBが恐慌再来の回避で大きな役割を果たしたと書いた)。専門家は、財務省やFRBが救済に際して銀行に甘すぎたか否か、オバマ大統領の景気刺激策でどの程度の効果があったか、その規模や形が適切だったかどうか、議論している。

 本当に大きな疑問はこうした重要な議論の陰に隠れている。それは、政府が今回のような措置を講じなかったら、失業率は今より高く、リセッション(景気後退)はもっと深刻かつ長引いたのか、という疑問だ。

 誰も、「もし・・・だったら」という疑問に確信を持って答えることはできない。また、財政出動の有効性を疑う人を、それが有効だとの前提に立った経済モデルで説得することは不可能だ。

 しかし、われわれは今では、08年終盤に経済が崩壊しつつあったことを知っている。金融市場がどれほどまひしていたか今では詳しく知っているし、一部大手銀の基盤がどれほど腐っていたかもわかっている。FRBがあれほど手を尽くしたのに、デフレのリスクがいまだに消えないことも。

 だから、端的な答えはこうでなくてはならない。「そう、政府が対応を誤っていたら、ずっとひどかっただろう」

納税者への請求金額が最大なのは、銀行ではなくファニーメイとフレディマックだ。

 ウォール街の大手銀行は救済され、相変わらず低金利に乗じてもうけていると大半の人が信じている。その通りだが、多くの銀行は利息付きで納税者への返済を済ませた。これに対し連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)は、巨大な住宅ローンポートフォリオが重荷となり、これまでのところ1450億ドル(約12.5兆円)の支援を受けている。プリンストン大学のアラン・ブラインダー教授とムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ氏は、新たな分析で、両機関の救済資金が最終的に3050億ドルに上ると試算している。

 これに対し、連邦預金保険公社(FDIC)が破綻(はたん)銀行を閉鎖するために負担する金額は推定710億ドル、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)救済資金が380億ドル、ゼネラル・モーターズ(GM)と金融子会社GMACが290億ドル。そして、納税者が直接投資した銀行については、ゼロないしその銀行が稼ぐ利益というのが両氏の計算だ。

 政府はこうした銀行を国有化しなかった。GM株もいずれは売却するだろう。一方で、住宅ローン市場は「国有化」し、そこから脱する方法はまだ見つけていない。そのため納税者は、ファニーメイとフレディマックに1週間当たり10億ドルを超えるペースで資金をつぎ込み続けている。

国民が負担する金額自体は当初の懸念より小さいが、人や経済への打撃は大きいようだ。

 厳密な予算という意味では、金融システム救済のコストは当初推計より少ない。議会予算局(CBO)は不良資産救済プログラム(=TARP、ファニーメイとフレディマックは含まない)の最終的なコストの予想を3500億ドルから1090億ドルに修正した。月内にさらに引き下げる見通しだ。銀行の損失は当初考えられていたより少ない。国際通貨基金(IMF)は09年10月、米銀が1兆850億ドルを償却するとの見方を示した。10年4月には、20%近く下方修正して8850億ドルとした。FRB当局者は、緊急時の貸し出しすべてによる損失が皆無に近いかもしれない、と小声で認める。

 しかし、根っからの悲観主義者でなければ07年8月の時点でリセッションがいかに深刻かつ長引くか、いかに多くの人がいかに長期にわたって失業することになるか、想像しなかったはずだ。行政管理予算局(OMB)のピーター・オルザグ長官は、現職として最後の講演で、「われわれが直面している最も差し迫った危険は、経済的崩壊ではなく、容認できないほど弱い成長と失業の長期化だ」と述べた。

 つまり、良い点は大恐慌に陥っていないこと。悪い点は、ロサンゼルスの人口を上回る430万人が1年にわたって失業していることだ。しかも、この数字に含まれるのは、まだ職探しをあきらめていない人だけだ。

 財政刺激策の効果がこれほど疑われるのも無理はない。追加的措置について考えることにすら、強い抵抗があることも。

【8月6日9時11分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100806-00000003-wsj-bus_all
 
   
Posted at 10:57/ この記事のURL
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