天声人語の書き出し・結語【名文集】多摩川 

2008年04月10日(木) 10時53分
天声人語の書き出し・結語【名文集】

『多摩川』

「多摩川の水が少しきれいになったという人がいますが、私の印象では汚染のすさまじさは変わりません。一大下水道と化した川の底にはますますヘドロがたまり、酸欠で魚が死ぬ。このままでは多摩川は死にます」。筆者の知人がそういっている。

多摩川の二子橋付近で十万匹のサケの稚魚が放たれた日、その上流の府中市では、約五千人の住民が集まって川ばたのゴミを黙々と拾い集めていた。年に一度のこの多摩川清掃運動はもう九年も続いている…

十年、二十年の歳月が生んだヘドロを浄化するには、どうしたらいいのか。ゴミを拾う市民運動はやがて、川の生態系をよみがえらせる運動に育っていくだろう。

昔の多摩川(玉川)は水がゆたかに青白く流れ、川底の石が玉のように光る川だった。


【掲載年月日】1982/4/20
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