アケミさんの汁椀で「もちバター雑煮」 

January 02 [Wed], 2008, 3:05
農水省が選んだ「郷土料理100選」に、大阪は白みそ雑煮が入っていた。食に関する講座を担当している朝日カルチャーセンターで聞いた。「うちの普通ですけど…」を枕詞に続く中身は、やっぱり自分ちとは違う。

 元日は白みそ+焼かない丸もちに大根、ニンジンなどで、2日目はすまし汁+焼きもちに変わる家庭が多かった。食いしん坊な大阪女20人が話し始めると止まらない。焼きもち派は「おもちを焼かないなんて。焼いたらおいしいのに」と突っ込む。サナエさんは両親が徳島出身で、やっぱり「うちの普通です」と言って続けた。「合わせみそ、焼いた丸もちあんこ入り、白菜、ニンジン、ゴボウ、ブリ」。20人がびっくりする。「あんこにブリ…」。

 京都や名古屋はシンプルだ。桂で祖母と暮らすキョウコさんは「白味噌に、かしら芋とせいぜいクワイだけ」。「縁起物だから食べなさい」と言われて口にしたが、芋は好きではなかったという。名古屋のマチヨさんは「すまし汁に焼かない角もちと、もち菜だけ」。もち菜って何だろう。「え、全国的には入れないの」。初めて聞いた。

 私のうちも「ごく普通で」、すまし、ゆで丸もち、ニンジン、サヤエンドウ、鶏肉かカキかなあ。「豪華」「カキなんか入れるんだ」「生臭くないの」。具だくさんなのは岡山風なんだろうか。郷土料理100選に選ばれた「岡山ばら寿司」も、サワラや野菜がてんこ盛りだから。

 私のオリジナルは「もちバター雑煮」だ。大阪・北新地の居酒屋「明石屋」の名物「もちバター」が好きで、家でも作るようになった。フライパンにバターを熱し、もちをこんがり焼く。黒コショウをガリガリかける。さあ食べよう。合いの手のカップスープに湯を注いだら、もちを皿にとるのが面倒になった。洗い物が増えるし…。スープにドボンと浮かべてみた。結構おいしかった。モノグサ雑煮は時々、寒い夜に作る。東京のアケミさんとおそろいの汁椀によそう。アスパラクラブ時代から私のコラムを読んでくれる彼女が今夏、出版祝いに贈ってくれた。「異国にありて味噌汁を想っていたチカコさんへ」と、手書きのメッセージが添えられていた。暑い京都での出版パーティーに駆けつけてくれた彼女を、お椀がぬくもるたびに思い出す。

 そう、今年はパリ留学から帰国、初のエッセーを上梓し、京都にアトリエを開いた。ドタバタしつつ、なんとか年を越せそうだ。しみじみありがたい。

 どうぞ皆様、よいお年を。年越しライブに東京へ行こうかとも思ったけれど、母の「普通の」雑煮を食べに、これから岡山に帰ります。

ボルシチに不可欠な野菜、ビーツってな〜に! 

December 28 [Fri], 2007, 16:09
ロシア料理の代表格のひとつ、「ボルシチ」。とっても魅惑的な色をしたスープですね。ところでこの朱色は何なのでしょう?と思う方も多いでしょう。実はビーツと呼ばれる野菜で、難しく表現すると「アカザ科フダンソウ属2年生草本」となるそうで、赤かぶのように見えますが、カブやダイコンとは関係なく、なんとホウレン草と同じアカザ科でサトウダイコンの仲間だそうです。因みに、日本ではこの燃えるような色合いから火焔菜(カエンサイ)とも呼ばれています。

ビーツは食べる輸血と言われるほど、リン、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、カリウムが豊富で、さらにビタミンA、C、ナイアシン、ビオチン、そして食物繊維も豊富に含まれているとの事です。また体内に取り入れることにより、免疫力を高め、整腸作用、便秘解消、貧血予防などの効果もあるようです。

 かなり硬い野菜なので、下準備としては柔らかくなるまで火を通す必要があるのですが、大きくは以下の2つの方法があります。一つ目としては、皮付きのまま塩と酢を加えた湯で1〜2時間茹でて柔らかくします。切ってから茹でると、どうしても色が水に溶けだし、せっかくの赤色が抜けてしまいます。次に皮付きのまま塩を振ってアルミホイルで包み、120〜140℃程度のオーブンでゆっくりと時間をかけて焼く方法です。焼き芋のような感じに仕上がり、ほくほくとして甘味があります。いずれにせよ皮付きで丸のまま火を通すのがポイントですね。また手軽に調理したい場合は、水煮にした缶詰のベビービーツを使うのも良いでしょう。 サラダであれば茹でたじゃがいもと一緒にサワークリームやマヨネーズ、ディルなどと和えれば、立派な前菜としてもお出しできます。

 また生から使うのであれば皮をむいて適当な大きさに切り分け、チキンストックやブイヨンで柔らかく煮てからミキサーにかけてなめらかなピューレにし、十分冷やしてプレーンヨーグルトやオレンジジュースを加えて冷たいスープとしてすすめるのも夏向きのスープとして好評です。

 さて今回の「ボルシチ」ですが、作るのに時間は少し長くかかるのですが、作り方はなるべくかみ砕いて易しくしてみました。でき上がりの味は、一流レストランと比べても引けをとらないと自負しています。冬の寒いときに、是非一度お試し下さい。

女3人ビュッシュ・ド・ノエル 

December 24 [Mon], 2007, 13:55
新聞記者のヒロコさんとマリさんが、1カ月遅れで誕生日を祝ってくれた。京都・旧二条通の私のアトリエに集まる。ヒロコさんは京都で創業330年「大市」のすっぽんスープを、マリさんは手のひら大のフカヒレをくれた。私はクリスマス菓子ビュッシュ・ド・ノエルを作った。マンゴーとイチゴのムースが二層になっている。薄くシート状に焼いたアーモンド菓子「ダックワーズ」で包み、石ころのようなクッキーそぼろ「クランブル」を貼り付ける。

 パリの製菓留学先で2年前に習った。上級課程に入っていた。クラス一の落ちこぼれだったが、さすがに大失敗しなくなった。何を作ってもヘタなりにおいしいし、作る量が毎回7、8人分と多い。甘いもの漬けで食べる喜びは薄らいでいたが、この薪型ムースには久々に感激した。生地とムースはしっとり、クランブルはザクザク。作りやすいのもいい。生地がひび割れたって、そぼろを飾るのでお構いなし。大ざっぱな私にもってこいだと思った。あれからもう2年たつんだ。

 講義ノートのレシピ通りに作ってみた。トシの分だけローソクを立てたら、炎上したハリネズミみたいになりそう。1本だけにした。記者と元記者の女3人、「きよしこの夜」と「ハッピーバースデー」を歌った。私が消して切り分け、2人に勧めた。Y紙マリさんは「んー、外国の味がする!」と言った。K紙ヒロコさんが続ける。「おいしいけど、クランブルもダックワーズもムースも、それぞれ主張しすぎる感じ」。へー、そうなんだ。フランスそのものみたい。ここは日本、和をもって尊しとなす。アトリエで開く菓子づくり用には、砂糖とバターはうんと控えめにしよう。

 誕生会は怖い話大会になった。ヒロコさんは近ごろ、マンションで不審火騒ぎがあったという。焼け焦げた外壁を見るたび気が滅入るらしい。マリさんは帰宅途中、自転車の男につけられた。さんざん話して午前1時、ヒロコさんは焦げた壁の自宅へ、マリさんも自転車で帰って行った。くれぐれも気をつけて。いつもより長く見送った。

 数日後、フルーツケーキを焼きに来てくれたオルガン奏者ヨシコさんの話も怖かった。パリのシャルル・ド・ゴール空港で先月、痴漢にあったという。帰国便に乗る前、免税店にいた。「スカートが汚れている。ふいてあげる」と男の店員が近づいてきた。時間がないと断ったが、搭乗券を見て「大丈夫」と言う。スカートを布で触られ、おかしいと思い始めた。「もういいから支払いを」と急かす。レジに入った男は突如、下半身を露出した。

 何しとんねん!「ヘルプミー!」の叫びはホール中に響き渡り、大騒ぎになったそうだ。セキュリティーチェックの係官や警官に必死で状況を話し、予定の便に乗り遅れた。「ありえへんでしょう、ほんまに。何考えとんねん、でしょ」。京都の街を一緒に歩きながら憤る。空港の免税店でそんな目にあうなんて。「私は日本に戻るし、ヤツは放免でしょう、きっと」。くやしそうだった。

 いくつになっても女1人、どこで何があるか分からない。気をつけようと言って、何をどう気をつけたらいいんだか。はー。とりあえず、メリー・クリスマス。いろんな平和を祈ります。
P R
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