1色じゃ描けない物語0004 

2008年05月12日(月) 14時09分


夢であってほしい…とは思わなかったが
「え?なんで?」
と口から頭に浮かんだ言葉が素直に声とともに出てきた。
もし、ここにいたのが私ではなく茜だったら
きっと上手く対処できただろうけれど
今の私には予測できないことにすぐ対応できる程の
技量と心持はなかった。

「緑?…緑だよね?緑だろ?」

耳に、好きなトーンの声で呼ばれた自分の名前が響いた。
視界には面影を感じさせつつも
凛々しい青年の姿が少しかすんで飛込んだ。
暖かい太陽の光が木々の葉の隙間から差し込む先に
久々に見る大人びた笑顔が眩しく光る。

「久しぶりだね。
 ゆっくり話したいところだけど
 ごめん、会社遅刻しちゃうから、またね。」
自分でもいやになる程そっけない私の態度。
トキちゃんがどんな反応をしたか見ることもできないくらい
その場をやり過ごすことに必死だった。
本当はもっとちゃんと挨拶をしたかったし
トキちゃんの今の顔をみておきたかった。
けれど、バスの時間もあるし
後ろ髪を引かれながらもバス停へ走った。

本音は再会らしい再会の仕方をしたかった。
夢見がちと言われようと
少女趣味だと言われようと
それでもドラマや映画のような
ストーリー性のある綺麗な再会をしたかった。
なのに現実は実に寂しくあっけないもの。
トキちゃんへの態度と自分の対応力の乏しさを
現実だと受け止めたくない一心で
それを振り払いたい意識から全力で走った。


1色じゃ描けない物語0003 

2008年05月10日(土) 13時36分
母の一言で朝から不愉快な食事の席になったが
私にとっては慣れたもの。
むしろ「他には?」と私への嫌味やら文句やら
そう言ったものをぶちあてればいいのに
と開き直った気持ちさえ持つ。

「ごちそうさまでした」
母がそういう人であるけれど
私は朝食を用意してくれる母に対して必ず敬意を表する
この挨拶を使って。
この言葉には稼ぎ頭の父と
明るく家族の間を取り持ってくれる茜への
感謝の意味も込めているつもり。

食器を片付けて部屋に戻り
部屋着から仕事の服に着替える。
この後、必ずすること。それは…
「緑ちゃん!」
マナーであるノックなどすることもなく
勢いよくひとの部屋のドアを開ける
そして相手に隙を与える前にいつもの台詞を言う。
「今日の私どう!?」
「可愛いよ。
 その白いスカートにピンクのボレロがあってるし、
 ヘアスタイルも雰囲気にあってる。」
具体的に誉めないと茜は納得しない。
そして最後にこの台詞を言わないと
機嫌よく部屋を後にしてくれない。
「今日も完璧だよ。」
「ほんと!?
 ありがとう緑ちゃん!」笑顔で私の部屋を後にする茜。
常に女らしさを意識する茜を
女として、妹として素敵だなぁ、可愛いなぁと思う反面
時々この茜らしさをうっとうしく思う自分もいる。

(あ。やばい、バスに乗り遅れる。)
ふと現実に戻り、急いで身支度をして家を出た。
まさか、この後すぐに予期せぬ出来事にあうとは
夢にも思っていなかった。

1色じゃ描けない物語0002 

2008年04月30日(水) 14時17分
《再会》



「早瀬一家が戻ってくることになったそうだ」
父からそう伝えられたのは
初夏の爽やかな風が吹く金曜の朝だった。
朝食をとっている最中であまりリアクションはとれなかったけど
内心嬉しさと戸惑いとがあってむずむずした。

早瀬一家と最後に会ったのはいつだったか…

13年前に隣に住んでいた早瀬一家は
父の同僚夫婦に茜と私の1つ上の男の子・季緒(ときお)と3つ下の男の子・蒼(そう)の4人家族。
おじさまが英語が堪能だったため
父とは違い英語圏の仕事を担当するグローバルな人で
仕事の都合で海外へ転勤。

その後2度ほど遊びにきたのだけど
1度目は小学校6年生の夏休み
みんなで遊園地に遊びに行っただけ。
2度目は高校1年生の夏休み
部活の合宿で私は会えなかった。
だから私は12年会えていない。

「トキくんもソウちゃんも元気かなぁ。
二人ともかっこよくなってるかなぁ(笑)」
そう何かを思いおこすように
はっきりではなく溢すように言ったのは茜である。
それにかぶせるように
「茜がこんなに綺麗になったんだもの
季緒くんも蒼くんも格好よく成長してるわよ」
と母が言った。

茜は美人だ。
社交的だし、性格も悪い方ではないが
時として破天荒な振る舞いをして迷惑をかけたり
気が多い故に生活が派手になることもある。
もともといい子だから憎めない。
(姉に対していい子とか、憎む憎まないもないが…)
「来週末に越してくるから
みんなで引っ越しの手伝いをしようと思うんだ
茜も緑も手伝ってくれるかい?」
父が話を持ちかけた。

「あ…」
来週末は仕事の地方研修で支社に行く予定がある。
申し訳ないが手伝えないことを伝えると
父も茜も仕事だから仕方ないと
ウェルカムパーティーでも開いたらその時は一緒に…
そう言ってくれたが一人だけ
「冷たい子ね」
と母が小さく吐き捨てた。

1色じゃ描けない物語0001 

2008年04月30日(水) 13時26分
《はじまりはありふれたもの》



茜と緑


両親に愛され
社交的で誰からも好かれ
見目麗ししく
優秀な姉・茜

母親に嫌われ
内向的で友人も少なく
地味な目立たない
冷めた妹・緑

二卵性双生児だから似ていない二人

よくあるような設定
ドラマや漫画でみるような
そんなわかりやすい二人

これは
コンプレックスや
自身の壁を打ち破るため
自分なりに人生を歩んだ
妹・緑の視点の記録

(タイトル未定)0002 

2008年04月28日(月) 16時16分
002

「修平、なんであんなのと婚約したんだろうなぁ…。」
右耳にこんな言葉が聞こえてきた。
「言っちゃ悪いけど、今まで美人な彼女ばかりだったのに…。
 やっぱ恋愛と結婚は違うってやつか。」
さらに会話は続く。
「彼女、性格美人なんじゃない?
 それより、あんまり言うと彼女の友人に悪いわよ。」
「そうそう。さっきからこっち見てるもん。」
申し訳なさそうというよりかは、気づかれていることをわかった上で
言葉を重ねていたように見えた。何とも遺憾である。
その僕の思いが態度に出ていたようで、どうやら僕は
右耳から聞こえてくる会話の発信源を睨み付けていたようだ。

不愉快な気持になるのと同時に、パーティーへの退屈な気分が
だんだん眠気に変わっていった。
婚約披露といっても、最初に多喜と婚約者が挨拶をし、
あとは野放し状態の立食パーティー形式。
話し相手といったらもっぱらいつもメンバー。
中学時代の同級生の鐵と豊子、高校で仲良くなった正樹と由真。
でも今はこいつらと話をするよりも、多喜に
なぜ黙って婚約したのか。どうして知らせてくれなかったのか。
そういった恋人のこの字さえでてなかったのに、
不意をつくように婚約を発表した経緯をじっくり聞きたい。

(タイトル未定)0001 

2008年03月07日(金) 12時46分
今日、婚約する君へ

僕は君とは長く友人である。
君には幸せになってもらいたい。
心からこの婚約を祝おうと思う。

だからこそ今日は、社交場は苦手だが君の幸せな姿と、
君の伴侶がどういった男なのかを見極めに、この婚約披露の場に
足を運んだのである。

君は僕の友人であるだけでなく、妹のような、姉のような、母のような、
男友達のような…そんな存在である。
ずっと、学校が一緒でないときも、たまにしか逢えなくても
変わらずの笑顔と君らしさで、いつも僕を包んでくれた。
ケンカしたこともある、喜びを分かち合ったこともある、
何より、自分が苦しいときに支えてくれた。
感謝と恩を感じている。

「しっかし、多喜のヤツ、いつあんな男つかまえたんだ?」
「俺たち付き合ってるヤツいるなんて聞いてなかったよな。」
「ほんと、多喜ってば薄情なんだから。」

友人達から漏れるそんな言葉に、僕も同意見だった。
友人だと思っていたのに、君がこんな大事な話をしてくれないばかりか、
すでに婚約をし、今日皆にそれを発表している。
正直言って、納得がいかない。
別に何から何まで逐一僕や友人達に報告しなくてもいい、
僕だって皆に話していないこともある。
しかしながら、こうした良い知らせは皆で分かち合っても
よいのではないか?
むしろその方が良いと思う。友人なのだから。
“なぜ、事前に話してはくれなかったのか。
 自分たちは友人ではなかったのか。   ”
そんな想いが強くよぎった。

挨拶 

2008年02月16日(土) 13時56分
ここのアドレスを持って約1年。
一度も更進することなかったこのブログですが
ようやく手がけるにいたりました

パスワードを忘れたために
書き込めなかったという


しかも
教えてもらう方法を見つけられなかったという
ダメさ加減



ここでは
空想家・omiが
夢で見たり
時々思いつくお話なんかをメモして
最終的に
1つの作品にできるように
記録していくページです

また
友人のお絵かき大好き人間・サクの
作品も掲載できたらと思っております


よければのぞいていってくださいね


頑張ります


P R
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