投資を抑えチャンスを勝ち取るSaaS CRMの活用法 

April 16 [Fri], 2010, 21:33
 資産管理サービス業の米National Retirement Partners(NRP)は、金融危機と景気悪化の影響を受けなかったわけではない。しかしSaaS CRMを使って他社に差を付け、投資を抑えながら収益を伸ばすことができた。

 NRPはSalesforce.comと契約し、ファイナンシャルアドバイザー400人のネットワークが利用している10種類ほどのアプリケーション用に、シングルサインオン(SSO)のCRMフロントエンドを構築した。

 プロジェクトを率いるアダム・ソコリック製品管理担当副社長は、ライバルから1人でもファイナンシャルアドバイザーを引き抜くことができれば、NRPが初期投資した25万ドルは1年以内に回収できるだろうと試算した。プロジェクトは2008年9月にスタートし、2月までにはこのSaaS(Software as a Service)CRMアプリケーションのおかげで、15人のファイナンシャルアドバイザーがライバル企業を離れ、NRPの系列に入った。

 それまで、NRPネットワークのファイナンシャルアドバイザーが顧客の資産を管理運用するためには、4、5つのWebサイトと3つ以上のシステムにアクセスしなければならなかった。100〜300人の顧客のために、四半期ごとに15〜30件の運用報告書をバラバラのシステムから作成するのは骨の折れる仕事だった。

 今では、ファイナンシャルアドバイザーが手持ちの運用資産の情報をいったん入力してボタンをクリックすれば、その情報がNRPの資産モニタシステムに送られてSalesforce.comで報告書が作成され、それを印刷したり顧客にメールで送れるようになった。

●SaaS CRMプロジェクトの教訓

 その過程で学んだ教訓も幾つかある。レイオフの可能性を見据えたSaaSベンダーとの契約交渉の大切さもその1つだ。社内で人員削減が実施された後も、NRPは使わなくなった分のライセンス料まで払い続けなければならなかった。

 SaaS CRMアプリケーションの開発についても、やり方を変えるべきだったプロセスが幾つかあるとソコリック氏は言う。

 「われわれは幾つかの事項について、(Salesforce.comが開発した)標準オブジェクトの利用を勧める助言に従った。しかし、一部機能の利用が限定されてしまうため、今になって振り返ると、カスタム版を開発しておいた方がよかったと思っている」(同氏)

 しかし全般的には、またやるとしても同じやり方を採用するだろうと同氏は言い、SaaSアプリケーションへの投資も続ける計画だという。「(SaaSモデルでは)すぐに機能を追加でき、予算が限られていたとしても開発が容易なので、少ない投資で多くのことができる」と同氏は話している。 4月16日0時9分配信 TechTargetジャパン
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