好き。 

November 09 [Thu], 2006, 16:37
彼の悩みは、奥さんのことだけではなかった。

彼自身の家族の問題も教えてくれた。

色んな弱い部分を、私に見せてくれた。



「なんか憂鬱な内容のメールばっかりで、ごめんね。

仕事では、こうゆう事をバネにして

頑張っているけど・・

なんか全部聞いてもらいたくて。

・・でも鬱陶しかったら、遠慮なく言ってね。」


私は、自分なりに一生懸命なアドバイスを返した。

「どんなに鬱陶しい内容でも、私とのメールは仕事ではないんだから

何でも受け止めますよ。そんなにお気遣いなさらないで下さい。」


まだ一回しか会ったことがなかったのに

お互いの弱い部分を見せれて

励まし合って

お互いのメールが、その日一日の原動力となる。

私達は、確実に惹かれ合っていた。



「僕に奥さんがいる身で、こんな事言うのは不謹慎なのかもしれないけど、

好きなんだ。」



ある日言われた

こんな彼の言葉に

私は、嬉しかったけど、ためらった。

だって、まだ私の良い部分しか見せてないし

メールでなんて何とでも書けるでしょ?

私が書いたことは全部確かに本心だけど

そんなに簡単に、人を好きって言えるもの?


「僕が今独身だったら、きっとプロポーズしていたよ。」


いや、でも私どこも凄くないし

そこらへんでキャピキャピしてる、普通の女子大生だし。

あんまり私が嬉しくなる様なこと言わないで下さい。


「嬉しくなる様な言葉なのかもしれないけど、

本心なんだからしょうがないよ。

それに、普通とか凄くないとか、そんなの重要じゃない。

僕がいいんだから、いいんだ。

たった一度の人生なんだから、後悔したくないんだ。」

彼はそう言った。


純粋で

自分に真っ直ぐで

周りを圧倒するぐらいの

勢い。


これは、まさに彼の音楽に表れていて

そこが一番の魅力なのかもしれない。


そして私達は、食事の約束をし、逢うことになった。

家族 

November 08 [Wed], 2006, 22:57

仕事でハワイにいた彼。

世界中飛び回っていて

あんなに魅力のある彼には

世界各地に、それぞれの恋人がいるんだろう。

私は、そう思っていた。



「隠してもしょうがないから

はっきり言うけど

僕は結婚6年目にして

離婚を迫られているんだ。」



そう、彼には奥さんがいた。

綺麗で、才能のある音楽家。

まさに、お似合いの芸術家夫婦だった。

けれど

色んな事が絡み合って

夫婦関係が修復できない状態になっていて


「二人には

情しかなくて

愛情は存在しない。」


彼はそう言った。


私は、彼はすごく孤独を感じているんじゃないかと思って

人事とは思えなかった。

私の家も、家庭内に色んな問題があって

私自身、家族があまり好きではなかった。

彼と出会う少し前も

あまりにも居心地悪い家に耐えきれなくて

私だけ親戚の家に住んでいた。



人間だから

誰かに甘えたい時

寄り添いたい時

触れたい時がある。

そんな時

手を伸ばした先に

何のぬくもりも得られない

そんな寂しさを

小さい頃からよく感じてた。



私は、彼に対して今までにない感情が沸いた。

助けてあげたい。

大丈夫だよ

私は味方だから。

ずっとここにいるから。

もう大丈夫だからね。


これは、

同情なのか

愛情なのか

母性なのか

分からないけど


彼に幸せになってほしい

その気持ちに嘘はなかった。


ねぇ、あの時感じた

純粋に、あなたを支えたいって気持ち

それだけ考えれば良かったのに。

貫けなくてごめんね。

でも

あなたと一緒で

私も、そんなに強くなかったんだ。

オーラ 

November 08 [Wed], 2006, 9:37
毎日メールで

お互いに色々な事を話していた私達。

急速に仲が深まった。


そして、楽しい話だけではなく

「人間の死」に触れたこともあって

少し信頼関係が築けたかもしれない。


彼とは、21も歳が離れていた。

私の親の方が、彼との歳が近い。


「こんなに歳が離れた人に、自分のことを

色々話すのなんて初めてだよ。

実は、初めて会った時から

オーラを感じたんだ。

僕と同じことを、感じられる女性だって。

出会えたことに、本当に感謝してるよ。」

彼はそう言った。


純粋に嬉しかった。

でも

大きな舞台で、大勢の人から、拍手を受けている彼と

毎日、大学に通って、たわいもない話で友達と盛り上がる私。


神様、こんな二人

空の上からはどう見えているんですか?






あの日、あの場所で。 

November 07 [Tue], 2006, 10:09

実は、私が一番初めに彼と会ったのは

今回ではなく、何年も前だった。


私がまだ中学生の時

彼のオーケストラを聴く機会があった。

何百人といるお客さんの前で

きらきら輝く彼の姿に、釘付けになった。


私は8歳からずっとレッスンを受けていて

大学でも音楽を専攻しているから

コンサートは数え切れない程行ってるし

演奏家も山程知ってる。


けど、その中でも

彼の魅力は、ずば抜けていて

私の記憶に残っていた。


その後も、何回か彼のコンサートに行った事がある。

ある時、演奏を終えて花束を受け取った彼が

それを合唱団の女性陣に向かって、思いっきり投げた

みんな「きゃー!!」とか言って、一人の女性が運良くそれを手にした。


そんなパフォーマンスを目にしながら

私は子供ながらも

「この人、女遊びが凄そう」

と思った。


ねぇ、あの時みたいに

憧れのまま

私が一方的に

あなたの事を、遠くから見てたなら

お互い傷つかなくて済んだのかな?



でも、そんなのやっぱり考えられない。

だって、私達は出会ってしまったんだから。

その時点で手遅れだったのかもね。





距離 

November 06 [Mon], 2006, 15:36

メールは毎日やりとりした。

そして、日課になっていた。


ある時、悲しい内容が送られてきた。

それは、彼のお友達が白血病で亡くなったとゆうものだった。

私は、彼のショックが心配で、一生懸命に返事を書いた。


「冷静になれば、絶対にこの死を無駄にしない方法がある。」


そんな内容を返した。

彼はやっぱりショックを受けていたけど、私が書いた内容を受け止めてくれて

頑張って、立ち直ろうとしていた。


深い話に触れたそのメールは、私達の距離を一気に縮めた。

彼はすごく有名で、ファンもたくさんいるけど

すごく純粋で、気さくで、面白くて

他の人間と同じで、そんなに強いわけではない。


そう感じた。


メール 

November 01 [Wed], 2006, 19:57
次の日、写真を添付してメールを送った。

「昨日はありがとうございました。

また機会があったらお会いできる日を楽しみにしていますね。

これからも応援しています。」

とゆう感じ。



そうしたら、返事が返ってきた。

「昨日は、楽しかったですね。

ところでどこに住んでいますか?

今度○○でコンサートがあるから

良かったら招待してさしあげますが。」




ラッキー!!タダでコンサート行ける!!

そう思った。

そして、世間話みたいな事から始まった、メールのやりとり。




ねぇ、あの頃みたいにお互いの事を気ままに話したりする

そんな仲を続けていたなら

あの距離を保っていたら・・

今とは違う未来があった??

出逢い 

October 31 [Tue], 2006, 23:56

その日の朝、鏡を見たら

数日前から気になっていた、顔の湿疹みたいなものがひどくなってて

学校に行くかどうか迷った。

けれど、その日は少し特別な日だった

プロのオーケストラとの共演が入ってる日。

「とりあえず、行くだけ行こう。」そんな気持ちで学校に向かった。




まさかこの日が、あなたと出会えた特別な日になるなんて。




リハーサルに入った。

とりあえず愛想だけはよくしよう思って、隣のプロの人に笑顔で挨拶。

その後音出しをして、ふと顔を見上げた時

何となく、指揮者の人と目が合った気がした。

それは一瞬ではなく、何秒間もの間。  少しあわてた様に、相手が目をそらした。

「私、なんか変な音出した?」そう思った。




リハーサルが始まった。

指揮者が「ここは○○(私の楽器)がメロディーだから、みんなもっと○○をよく聴いてください」と指示をした。

「あんまり練習してないから、そんなこと言わないで〜・・」と心の中で思った。

そんな感じでリハーサル終了。 




楽屋に向かう途中で、彼にあった。

私 「お疲れさまです!」

彼 「お疲れさま。」

後輩と歩く私の少し後ろから、彼が同じ方向へ楽屋に向かう。



楽屋に戻ってから、後輩と「ねェねェ一緒に写真撮ってもらわない?」という話になり

デジカメ持って彼の楽屋に向かった。

彼は楽屋にはいなかったけど、ドアの向こうに停めてあるベンツの中にいた。

「すみません、一緒に写真撮って頂いてもいですか〜?」

「あっ写真?」

彼が車から出てきた。



ちょうどその時、彼の携帯電話が鳴った。

「ごめん、ちょっと待っててね。」

そう言って、電話に出た。

私と後輩は興奮して

「やったね!超嬉しい!!どうするー?!」と騒いだ。

その声がうるさかったみたいで、彼が電話に手をかざし

私達に「ちょっとごめん」と言った。




その言い方や仕草が、すごく大人の男性っぽくて

少しキュンとした。

後ろに光るベンツには、一体どんな女性が乗ってるんだろう。

きっと、モデルみたいに綺麗な人なんだろうな。

そして音楽の才能もあって・・

そう思った。




電話が終わった。

「ごめんね、待たせちゃって。写真どこで撮る?」

「・・じゃぁ、車の前で!」

こうして写真撮影が始まった。

撮った写真を一緒にチェックして「これで大丈夫?」って気遣ってくれる、優しい人だった。

「もう一回撮る?」

「・・はい。いいですか?ごめんなさい、お忙しいところ!」

そしたら彼が

「僕のカメラでも撮ってもいいかな?」って。

「あ〜私は全然!お時間大丈夫ですか?」

「・・・うん。本番もっと早く始まると思ってたんだ。」

こうしてお互い写真を撮った。




そして彼が言った。

「そのデジカメで撮ったのって、パソコンで送れたりする?」

「あ〜はい。送りますか?」

「お願いできるかな?」

こうしてアドレスを教えてもらった。

「このアドレス、人には言わないでね。」

「はい、もちろん。」




楽屋に戻った私は、「ね〜!聞いて!アドレス渡されちゃった!!」

ってふざけて友達に言った。

みんなは「へ〜」って感じ。




でも、それが毎日彼とのメールのやりとりが始まるきっかけだなんて、予想できなかった。




私以外の他の生徒からも、たくさんサインを求められる彼。

一緒に撮ってもらった写真を、何度も見返しては周りを巻き込んで、はしゃぐ私。

立場が違えば、世界も違う。



無事本番が終わって帰る時、彼とばったり会った。

「じゃあ、宜しくね」

「はい!全部送っちゃっていいですか?」

「うん、全部お願い」

「はい!ありがとうございます!」


その頃、アパレルのアルバイトをしていた私は、笑顔や挨拶は身に刻みこまれていたし

特に、年上の人を接客する事はかなり慣れていた。



「大学生は、可愛いな。」

私と話終わった後に、うちの学校の先生と話す、彼の声が聞こえた。
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