過去3カ月に飼育している東北虎11頭と、その他の野生動物園30匹以上が栄養不足などで死んだ遼寧省の瀋陽森林野生動物園の経営者は、地元政府の同園買い取りを狙い、故意に餌を与えていなかった疑惑が浮上した。新華社など中国メディアが15日に報じた。
瀋陽森林野生動物園は、大連市の民間企業の出資により2000年に開業。当初は順調だった経営も、その後は悪化の一途をたどり、開園当時に61種1024匹だった飼育動物は、2010年2月8日現在、49種518匹にまで減少した。
瀋陽市人民政府は14日に記者会見を行い、同動物園の実態調査を進めると同時に、飼育動物の餌問題解決のため500万元(約6643万円)、管理の正常化のために200万元(約2657万円)の計700万元(約9300万円)を拠出したと発表した。
国家林業局野生動植物保護および自然保護区管理局の張希武局長は、「残されている虎は、まずまずの状態。事態の経緯は複雑で、もうしばらく調査を進めた上で、結果を発表する」と述べた。
瀋陽市政府側は、同動物園の赤字体質が、飼育動物の餌不足や安全管理上の問題に結びついたと説明。しかし、内部関係者からは異なる見方が出てきた。
内部事情に詳しいという職員のひとりは、経営者が動物園を売却しようとしていたと説明。同動物園は入場者数からみて、黒字が出ていたはずという。ただし、収益性は低く、経営者は数年前に敷地を3億元(約39億8000万円)で売ろうとしたが、買い手はつかなかった。その後は維持費を極端に減らし、職員の給料も18カ月分が未払いになった。
同職員は、虎など飼育動物が次々と死ぬほどに餌を減らしたのは「(経営が不能だとアピールして)何が何でも、政府に買い取らせよう」という経営者の“作戦”との見方を示した。
同動物園共産党支部の武席副書記も「ここ数年の年間売り上げは1200万−2000万元(約1億5600万−2億6600万円)で、地域から毎年、200万元(約2657万円)の資金も提供されている。動物の餌代は1年当たり1000万元(1億3300万円)程度で、収益をきちんと配分すれば、動物が死ぬ事態にまでなるはずはなかった」と述べた。
同動物園は2009年11月と12月に、虎が飼育員を襲う事故が連続して2回発生したため、政府が安全管理の改善が確認できるまで閉鎖を命じた。しかし、閉鎖後には「動物の餌代を確保するため」として、地元の棋盤山風景旅遊区管委会が1日当たり1万8000元(約23万9000円)を支給しており、飼育動物が極端な栄養不足になることは考えられなかったという。
動物園側は事件が表面化してから職員大会を開き、楊振華董事長(代表取締役)が謝罪するとともに、給料未払いの問題を解決すると約束した。しかし、職員の間からは「私は野生動物の飼育に長年にわたり携わっているが、動物は国の財産と考えている。彼らのやり方には、納得できない」などとの声も聞かれた。職員大会は十数分で終了したという。(編集担当:如月隼人)
【3月15日17時50分配信
サーチナhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100315-00000079-scn-cn