EMIフィルタはコモンモードチョークL1とデファレンシャルモードチョークL2、それと、アクロス・ザ・ライン・コンデンサCX1とで構成します

August 30 [Sat], 2014, 15:06
AC100V入力ですので、最初の回路にはEMIフィルタが入っています。フィルタの前にあるヒューズとPTCサーミスタは回路が故障したときのための保護回路です。
EMIフィルタはコモンモードチョークL1とデファレンシャルモードチョークL2、それと、アクロス・ザ・ライン・コンデンサCX1とで構成します。
ここで、アクロス・ザ・ライン・コンデンサというのは特別なコンデンサで、自己共振周波数も高く、ノイズ除去の目的のほかに耐サージ特性などの認証を受けたコンデンサです。ここに一般的なフィルムコンデンサを使うのは邪道です。
コモンモードチョークコイルというのはごく普通に出回っているのでつい軽視しがちですが、これも安いものを用いるとフェライトコアの特性が規定以下だったり、コア接合面が研磨されていなかったりなど、フィルタ効果が怪しいものを使ってしまうことがあります。理想はそれぞれのコイルが2-3セクションに分割されているものであり、必ず自己共振周波数とフェライトコアの材質を仕様書でチェックできなければなりません。(コモンモードチョークコイルの仕様書の例)
仕様書のないコモンモードチョークコイルには注意しましょう。極端な場合、コイルがあってもなくても同じだったりします。
次に、ハイサイド・ドライバICの動作について説明します。
AC100VはブリッジダイオードBD1で整流されてC1にチャージされますが、このときの電圧は141Vと言われます。しかし、実際にはかなりの脈流を含んだ電圧になります。
電源ON直後の状態では、起動前のハイサイド・ドライバICはUVLO(Under Voltage Lock Out)という回路の働きにより消費電流がほとんどゼロの状態で眠っています。UVLO機能はこの手の電源駆動用ICのほとんどに内蔵されています。
この状態でICが起動していない場合、起動用電源抵抗R1を通じて電流がC2に流れるとC2の電圧が上がり始めます。
C2の電圧がある程度以上に上がるとUVLOが解除されてICが起動します。この起動電圧はICによって異なり、仕様書に記載されていますが、NTS3733の場合は約11V前後です。C2の電圧が起動電圧を超えるとICが起動してQ1,Q2を駆動し始めます。
このとき、ICの消費電流は急に増えますので起動用電源抵抗R1だけでは供給電流が足りず、C2の電圧は低下し始めます。そのままではC2の電荷を全部使ってしまうので、それを補うためにC3,R3,D1,D2による補助電源回路で電流を供給します。インバータ回路が発振を始めればC3,R3,D1,D2を通じてC2に電流が供給されるようになります。
ツェナーダイオードD3はIC電源の電圧が15V以上にならないようにクリップします。ハイサイド・ドライバICの中にもツェナーダイオードが内蔵されており、インバータを安くしたい場合にはD3を省略してIC内部のツェナーダイオードを利用する回路も多く見られますが、IC内部のツェナーダイオードは許容損失が小さいので、ICを大事に設計するならば外付けのツェナーダイオードは必要です。
C3,R3はハーフブリッジの中点電圧が振動しないように抑えるスナバ回路の役目も兼ねています。
ハイサイド・ドライバICは二つのFETを駆動します。この回路はハーフブリッジと呼ばれます。4つのFETを駆動する回路はフルブリッジと呼ばれますが、液晶バックライトでは一般にフルブリッジ回路が用いられていました。AC100Vで駆動する場合にはハーフブリッジ回路が用いられますが、高圧側のFETの駆動には特別な工夫が要ります。このために専用に開発された回路がハイサイド・ドライバです。
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