Let's 赤の他人

February 07 [Tue], 2012, 13:49
庭に出たら、ご近所のおばあちゃん90歳が自宅の玄関から半分身を出して、手をゆらりゆらり動かして、おいでおいでをしている。
私を呼んでいるらしい。
おばあちゃんは基本寝たきりで、外での移動は車椅子。
そんなおばあちゃんが身を乗り出して、必死に呼んでいるということは、ゆゆしき一大事あわてておばあちゃんのところへ飛んでいくと、おばあちゃんはまったくもって冷静だった。
なにやらお客さんが来たが、家族が留守なので電話をして呼び戻して欲しいと言う。
了解じゃあ中に入って電話しましょっか不自由な左側を支えつつ、おばあちゃんに自力で歩いてもらってベッドへ。
体が冷えている。
ゆたんぽがあったので足に当ててもらい、布団をかける。
おばあちゃんが、すいませんね、すいませんねと、連呼する。
ここらへんで鈍い私でも状況に察しがつく。
お客さんなんて来ていない。
まだ湯たんぽは温かい。
ご家族は十中八九近所に買い物に出ていてすぐ戻るはずだ。
一応ご家族に電話をかけるふりだけして、おばあちゃんと雑談をして待つことにした。
ときどきおばあちゃんは時間軸を超えるらしい。
若い母親になったり、商売をしていた頃のおかみさんに戻っ093877たり。
5分が1時間になったり、30分が半日になったり。
ところが家族以外の前だと、年長者としてのプライドがあるのか、おばあちゃんは、シャンとして時間の旅をあまりしない。
私なんかめちゃめちゃかわいがってくれる。
お菓子をすすめられ、着ている洋服を褒めてくれ、デイケアで作った工作を見せてくれて、昨日行った美容院と何十年も前に住んでいた街の話をしてくれる。
おばあちゃんが時間旅行せずに私と会話している姿は、ご家族にとって、救いであり、腹立たしいことだろうなあと思う。
こんなに頑張ってる介護している家族が、突然どなたですかなんて言われちゃうんだもの。
ご家族の精嵩Iな負担も想像できる。
お茶でを入れようかと話していたら、ご家族が帰って来た。
やはりおばあちゃんを一人にしていて心配だっただろう、走って来たのか息があがっている。
みんなでお茶を一杯飲みながら雑談をした。
ご家族は、ちょっとだけ私に愚痴を言った。
私はほぅほぅと相づちを打った。
自分で思う。
私はこの家に必要な人間だ。
ガス抜き役として貢献している。
これは身内じゃできない。
私が赤の他人だからできることなんだと思う。
血のつながりもお金の関係も一切ない、無責任な他人だからこそできる。
おばあちゃんが時間旅行していても、おばあちゃんを無理矢理正しい時間に戻す義務もないし、介護疲れの家族の愚痴を聞いても、私までストレスを感じる必要はない。
基本、聴き流しまくっている。
実は、この聴き流すができるようになるには、それなりのトレーニングを積んだのだけどね私にだって、自分の生活はあるし、問題も不満もある。
地域で積極的にボランティアをするまでの余裕はない。
でも、ご近所さんとちょっと交わる位なら、日常の延長でできる。
私は赤の他人無関係の隣人こそが無縁社会をなんとかするためのキーマンじゃないかと思っている。
こじんまり生活している人たちの家にズカズカ踏み込んで介入することまでは、私はしたくない。
隣に座って、少しだけドアを開けてもらおう。
ちょっとでいい、ちょっとだけ風を通そう。
他人だからこそできるはず。
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