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【コラム】夢の電気自動車社会、その実現に立ちはだかる壁 / 2010年07月16日(金)
 このところ電気自動車(EV)ブームが再燃している。 米EVメーカーのテスラ・モーターズは先日、米ナスダック市場に新規上場を果たしたが、ここ数年で最も好調な新規株式公開(IPO)の1つとなった。日産自動車が12月に発売予定の新型EV「リーフ」は、既に大きな話題を呼んでおり、1万6000台の予約注文が殺到している。

 また、オバマ米大統領は15日、米政府による24億ドル(約2120億円)のEV技術開発助成制度の推進に向けて、米ミシガン州にあるEVバッテリー工場を視察に訪れる予定だ。

 さらに、米ルイジアナ州メキシコ湾沖の原油流出事故によって、原油への依存に対する懸念が再び浮上している。

 したがって、化石燃料に依存しない自動車社会の構築に向けて、あらゆる準備が進められている。はずなのだが、ことはそう簡単には進まないようだ。

 EV社会実現の前に立ちはだかる障害を理解するには、何もEV懐疑派やハイブリッド車嫌いの人たちに話しを聞く必要はない。むしろ、EVの可能性を信じ、その信念に投資している人たちの話に耳を傾けるべきだ。

 EV技術の提唱者たちは恐らく、EVを買いたがっている人はみな、次の2点を気にしていると言うだろう。まず1つは、1回の充電でどの程度の距離が走行可能なのかということ。そしてもう1つは、自宅以外にどこでバッテリーの充電ができるのかということだ。

 EVメーカーは、これら2つの疑問に対する明確な答えをまだ持ち合わせていないことを認めている。しかも、その答えは現在開発中のEVが実際にショールームに並んでしばらくたってからでなければ、出てこない可能性が高い。

 テスラが作成したIPO用の書類には、同社のビジネスリスクが長々と詳述されている。それを読めば、EV熱に浮かれた人たちも冷静になるだろう。テスラが挙げている懸念の1つは、米環境保護局(EPA)による走行距離の測定基準見直しの動きだ。

 EPAは現在、EVが1回の充電で実際に走行できる距離について、より正確な数字が広告や宣伝に反映されるよう、新たな走行テスト方法の導入を検討している。走行距離の検証方法が変更されれば、EVメーカーによっては、現在公表中の走行距離の範囲を最大30%短くする必要が出てくる可能性がある。EPAは、新規制の制定についてはコメントしていない。

 現在10万1500ドルで販売されているテスラのEV「ロードスター」の走行距離は、1回の充電で最大245マイル(約390キロ)と公表されている。同社担当者は、これはEPAの既存のテストに基づく数字だとしている(詳細はwww.teslamotors.com/blog/roadster-efficiency-and-rangeを参照 [英語])。ロードスターは、2008年から累計で約1000台が既に販売されている。一方、日産が公表しているリーフの走行距離は、1回の充電で最大100マイルとなっている。

 EVの場合、外気温やスピード、エアコンによる電力消費量など多くの要因によってバッテリーの消耗度が異なるため、走行距離の表示には「最大」という言葉が必ず必要になる。

 EVメーカーにとっては、テスト方法の変更によって、宣伝資料などで公表している走行距離を短くせざるを得なくなれば、販売台数の減少につながりかねない。だが、走行距離を多めに公表し、その結果バッテリー切れで道路で立ち往生する人が増える方が問題だ。

 最善の解決策は、実際の経験にのっとった走行距離に基づく、理解しやすい、統一された連邦基準を設定することだ。これには、EPAと業界の協力とある程度の時間が必要だ。そうなると、テスラやリーフのほか、今後2、3年以内に発売されるEVについては、明確な連邦基準なしに、購入するかどうかの決断を行わなければならないことになる。

 次に、充電場所に関する問題をみていこう。

 これは、シャイ・アガシ氏にとって最も気掛かりな問題だ。アガシ氏は、ソフトウエア大手SAPの元経営幹部で、米カリフォルニア州パロアルトを拠点とするベタープレイスの創業者だ。

 ベタープレイスは、放電したバッテリーを充電済みのバッテリーと交換するシステムの開発で知られる会社だ。このシステムを使用するには、それに対応した専用の自動車が必要だが、バッテリーを短時間でフル充電のものと交換できるため、長距離の走行が可能になる。

 このほかベタープレイスは、バッテリー交換システムに対応していないEVを対象とした、バッテリー充電ステーションの構築を計画している。その達成に向け、同社は今年初め、英銀大手HSBCホールディングス率いる投資グループから3億5000万ドルを調達した。

 イスラエルとデンマークでは既に充電ステーションが設置されているほか、08年10月にはオーストラリアで建設契約を締結したと発表している。また、同社のバッテリー交換システムに対応したEVの開発を目的として、フランスのルノーや中国の奇瑞汽車とも契約を交わしている。

 米国については、ハワイにバッテリー充電ステーションを設置することを計画しているほか、カリフォルニア州で10億ドルかけて充電ステーションのネットワークを構築する計画も発表している。同社広報担当者は、充電ステーション第1号は今年後半に稼働予定だとしている。

 アガシ氏によると、米国の主要交通ルートにベタープレイスのバッテリー充電・交換ステーションを設置するための費用は、50億ドル~100億ドル。これは「1週間分のガソリンコストに相当する」と同氏は言う。

 では、なぜアガシ氏はそれを実行しないのか。同氏によると、米国でのステーション構築に向けて投資家に融資を打診したところ、「それなら、オランダでやってはどうか」と言われたという。オランダではガソリン代が米国の2、3倍もするため、EVに対する潜在需要が米国よりも高いのではないかというのが、その理由だ。

 「原油依存からの脱却には、ガソリンよりも安くて、手軽に利用できるEVシステムの開発が必要だ。米国では、ベタープレイスのステーション構築に必要な費用は調達できない」と、アガシ氏は言う。

 自動車メーカーは、電力会社などが公共の充電ステーションを構築しやすくする仕組み作りを政府に要求している。バイロン・ドーガン上院議員(民主、ノースダコタ州)が中心となって作成した法案では、EV導入推進のために100億ドルの公的資金を充てることを提案している。それには、公共の充電ステーション建設に対する助成金や家庭内充電システムを設置した人に対する2000ドルの税控除などが含まれる。

 だが、現在の政治情勢では、EVの早期導入を促すために、公的資金を費やすことに議会が同意するかどうかは不明だ。

【7月16日9時43分配信 ウォール・ストリート・ジャーナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100716-00000007-wsj-bus_all
 
   
Posted at 11:45/ この記事のURL
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