κ 

2011年02月11日(金) 21時34分
祈るのは叶わないと思うからか、願うのは実らないと信じるからか。そして河童はまた川辺で寿司を食べる。同族を食べるのはきっと精神衛生上よくないからと彼は鉄火巻を食す。けれどどちらかというと水辺で生活を共にするという点においては彼または彼女達の方がむしろ近しさを感じるのではないかと気付き愕然とする。それでも支払った対価を無駄にはすまい、と、むしろ今まで以上に慈しみ味わい尽くす。その前には殺戮があろうとも、彼自身が消えないためには何かしらの犠牲が必要となる事。いかような美辞麗句を並べ立てようとも今自分は一つの生の未来を絶ちその屍を食んでいる、その事実を認めて、あるいは認めるからこそ彼は。さて、太巻寿司については自分は何を思うだろうかそんなことを考えながら川の流れを見つめている。恵方とはどこだろうか?そんなことに思いを馳せる季節が近付いている、その事を知らないわけではない。ただ、河童にとって「外と内」にいかばかりの意味があろうか。
奴等は境界を築き自分達自身で世界を囲い込もうとする。しかしこの世界は複雑でありかつ一つの存在であってそこに内と外を設ける事にどんな意味があろうか。現に奴等はこの太陽の昇る美しさを風のそよぐ中歩く川辺の心地よさをもうすっかり忘れてしまっているようではないか。ああ、けれどどうやらウィいいなるものが出たようだぞ。それはすこしやってみたいな。河童である自らにそれなりに納得して生きる日々だが、それとこれとはきっと別問題だ。ところでこの水掻き付きの手でウィィの画期的こんとろおらあ。をうまく使いこなせるかしらん。そんなことを思い悩みつつふと手元をみるといつの間にやら太巻は跡形もなく。どうやらウィイイに心は奪われたまま太巻は彼の胃の中に意識されぬまま吸い込まれていったようだった


―誰かの生を奪い、自らの生を―







ウィイはストラップをしっかり手にまきつけて楽しみませう

070116


glauc- 

2010年12月19日(日) 19時14分
振り返った先にみえたのは閉じゆく夜と振り向く猫。見つめ合ったのは一瞬。風は生暖かくもなくつめたくもなくただ通り抜けてゆく。耳から流れるのはいつか刻まれた音と声。僕らは通り過ぎてゆく。見過ごした感情は暴れる場所さえ見失ってどんよりと横たわっている。僕らは通り過ぎて。もうそこに戻ることはない。振り返った後に待つのはひらかれない先と繰り返す過去。意気込みは一時。僕はまたふらふらとしたまま。緑は心安らぐよ、そんな言葉に従い歩く木々の狭間。後ろから様子を伺うは、やるせない表情を浮かべた猫。なんて、彼らの表情をちゃんと読み取れてるかな?正しく読み取れる表情とか感情。なんてものがあるのか。とか。元気そうだとか元気なさげとかそんな不確かな何かとか。せせらぐのは小川。やすらぐのは誰か?右手には涙のもと。左手には反撃の用意。心身はまだ動いてる。閉じかかる夜。誰もしらない事。これは秘密だ。この感情すべてを隠滅。この感傷だらけの今を恍惚としてながめてる。或いはみんな、嘘。あの頃ああ言ったとかこう感じたとかそんな事たち。それが真実だろうが偽りだろうが結局信じるかどうか。という、話。よくある話。御伽噺。



















































































































































































































































































なんてことたちも

いつしか時は流れて

すべて



昔話。

思い出話はまたいつか、と。









今は


今を



























視界の片隅には、日向ぼっこでまどろむ猫。




20090202
20100222



"白" 

2008年12月27日(土) 15時59分

凍て付く大地を滑らないように滑らないように僕たちは歩を進めていたんだ
吐く息は白くて。なんて悠長にいってられない程に明らかな白さで。
例えばここに裸で横になったりでもしたら小一時間もたたずに別の世界にいけるさ疑いなく。てなもんでさ。

一方屋内は快適この上ない空調具合で、誰も外になんか出たがりやしなかった

けどさ、僕はこの空気が好きだったんだ
全身を貫く痺れるような感じ。
息が今にも詰まりそうなでもそのぎりぎりのところで踏みとどまってるような。
猛獣にいまにもとびかからんとするような
とびかかろうとするような
誰が誰にとびかかるんだっけ?






こんな空気が
こんな空が
こんな夜が


欲しかったんだ










そして欲した空気の下で
僕たちは歩いていた

まさに白銀の世界。
でも今でも頭に残るのは
深く透き通った蒼だ

あそこに蒼なんてあったっけ?


でもなぜか脳裏に浮かぶイメ―ジはそうだった


ところで色なんてさ、いいかげんなもんで芸術的センスのカケラもない僕が判別可能な色なんて知れてる

きみが僕の好きな○○○○○を××××××なんかといっしょにして「ああ、あのうるさい音楽でしょ」てひとまとめにしてしまうようにさ、何をどう見るかとか聴くかなんてのは人それぞれで。
僕に見えるこの世界と僕に響くこの音と。
君の生きる世界とは、

やっぱりどこか違ってるみたいだ。


ほんとに違ってるかどうかなんてこともわからないけれどね。
もしかしたら一緒だけれど、お互いその世界をうまくあらわす言葉を知らないだけかもしれないね。

でもまあ、そんなことは

今はいいさ。

学者にでも任せておこう。それかいつかまた今度考えてみるよ
いつかていつだろうか。て事もよければまた次の機会に話そう。




どこまで話したっけ?
ああ、蒼だ
蒼のセカイで僕たちは歩いていたんだ。
勿論ねこなんて歩いていやしなかったよ
だって寒いもの。

だけど時折犬はみかけた。僕たちをみてワンワンと吠えてた。
何で彼らは芸もなく、馬鹿の一つ覚えみたく、いつもワンワンとしかいわないのだろう。
無論ワウ。とかバウワウとかちょっとしたバリエ―ションはあるけどさ。
「ようこそ蒼の世界へ」とか「今日も寒いですね、お嬢様」だとかそんな気の効いたセリフの一つでも言えばいいのに。

ダガシカシ、
それこそ僕らが彼らの言葉に仕草に音に耳を目を向けてない証拠かな?

僕には一様に聞こえたワンワンもあんな意味やこんな意味が含まれていたのかもしれないや

そして僕たちの悪い癖はなんにでも意味を求めたがるって事かもしれない



それでも、
意味を求めたがる僕にも、意味なんて気にしない僕にもどっちにしろ意味なんてないのだとしたら。

僕は、僕のやりたいようにするさ。
君は君の思うようにすればいい。


その先に重なり合う何かがどこかがあればいいね

そしてもう交わらない軌跡だとしてもそれはそれで。美しいかもしれない








何だか僕は、

でも
だとか
だけど
とか
けれど
とか
しかしながら
なんてことばかり言っているな


しかしながら、しかしながらは今初めて使ったっけ?


なんだかんだいっても結局僕は僕の思う所をただぶちまけているにすぎないね
きいてくれてありがとう。
別に誰かに聞いて欲しいなんてこともさほど思わないけれど、言葉にする。ということは何かしらの効用はあるかもしれない

僕の言動が誰かを傷つけてなければいいけれど。
シカシナガラ(今度は2回目だ、たぶん)、我々が何かの生を食いつくして踏みつぶしてしか、自らの生の終焉を延ばし得ないように。

皆が皆全て満足して暮らし得る世界もありえなさそうだからさ。


出来るだけ、気をつけてはいるつもりだけど、どこかで誰かを何かを傷つけていたとしたらごめん。振り返らずにいくよ
そんな一時の感傷による干渉なんてきっと誰も救いやしないだろうから
そもそも僕は君は、お前は、誰かに救ってなんてほしいのだろうか?







さて、このとりとめのない独白はどううまく終わるのかって?
だけど、この世で何か納得のいく終わり方がどれ程あるっていうんだろう

きっと誰もが思う美しさなんて、吐き気を催すようなものにちがいないさ
少なくとも、
僕はそう思うから

僕の道を歩むよ








あの空
蒼たちに


また会いにいくんだ



誰も行きたがらないようなところだけどさ、僕には素敵に見える

そこで生きるよ








滑らないように滑らないように。






でも時には足をすべらせて派手に転倒なんかしたりして、でも





あの欲した空の下を





















歩いて行くんだ









20061018

kitten. 

2008年11月03日(月) 14時49分
急に叫び出したあの猫たちは、その壮絶な声ととともに突進。
無論統一感などまるでなく、四方八方、森の中を駆け抜けて行く。
見下ろす月と星たちは、突然の絶叫に飛び起き、散り散りに飛び跳ねる幾千の影たちに目を丸くする。
轟く音は、はるかはなれた海までも届く。
ゆらゆらと波とともに漂うラッコもその響きに目をさまし、何事かと身を起こす。
しばらくのち、くろいかたまりたちが海へ突入、激しき水飛沫にラッコはバランスを失う。
次から次にと、ねこたちは飛び込む。そしてまるで水がそこにあることに気付かないかの如く、直進。
どこまでもどこまでも進む。
同じ頃、山にも丘にも、街にも、ねこたちがその姿をみせる。
そして風のように通り過ぎて行く。
月と星たちは、いまだ茫然とながめている。
いつしか太陽も起き出し、呆然と、そんな月と星たちとそしてねこたちを眺める。

ねこたちは疲れも見せずに声をあげ、走りゆく。
不協和に幾層にも幾層にも重なる叫びは、不調和のあまり、その音の渦で何かを訴えかけるような調べを築き上げる。

ねこたちとともに。

歌が、

響き渡る。









そして

いつか
引き裂くように
包み込むように




この世界を
激しく吹き飛ばすように
ゆるやかに抱きしめるように




旋律が
ねこたちとともに駆け巡る。















ねこたちは叫び、走り、そしてめいめいに踊り出す。
狂乱の宴のように。
至福の祝祭のように。
あるいは鎮魂の舞いのように。
そして踊らない謡唄いたちもその心でもって、踊る。

猫と
謳が。













そして。
そんな「世界」を冷ややかに傍観する木星。





















































気がつけば。

ーねこたちは大気圏を突破。


081102

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「もしも自分の中に強く感じる何かがあるなら、それにしがみつくんだ。
音楽を作りたい、物を言いたい、人の気持ちを動かしたい、そう思ってるなら、やり続けることだ。・・・」




Keith Richards

[AERA]
08.04,07 No.15ー

-王国- 

2008年09月29日(月) 15時28分
色んな事があったこの数日間。
出来事としてよりもオレの中で色んな事があった。
考える考える。
いや、考えると言うよりは巡る馳せる。
何度も外へ出て夜空を見た。
何度も何度も。
宇宙との、オレと宇宙との距離を感じながら。
何度も何度も。
どこへも行かない。
ここから発するのだ。
ここへ行くのだ。




                  高野 哲 from nil


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王国は、どこにあるのかわからないので、探しまわりました。
探し疲れた後にも、どこにもみつからないので、自分で築くことにしました。

どんな王国にしようか、なんてことを考えました。
よくわかりませんでした。
でも漠然と何かは浮かびました。

この場所。とかあの大陸だとか、そんなことはもうどうでもよくて、
ここで、王国を築く事にしました。

別に王になんてなりたくないから、共和国でもいいな。なんて思ったりもしました。
でも民主共和国だとか、なんだとか、長くなると呼ぶのが面倒なので、やっぱり「王国」でいくことにしました。

「国民」なんてのも集めるのがめんどうだし、とりあえずじぶんひとりでもいいや。と思う事にしました。
あるいは、じぶんが国民兼国王。て方向で考える事にしました。

この世の中にはいろんな世界があって国があって。
でも誰かが決めた何かに疑問を抱かず従うほどには従順でなく。
かといって、この世界を変えてやる。という程の野望もなく。

そんなこんなで、世界が変わらないならば、自分を変えるのさ。
というような意気込みもやっぱり疲れるので。

しのごの文句を言う前に、あるいは既に言った後かもしれないけれど。
世界がどうあっても、それは現実としてとらえて。
でもまわりがどうあっても、この世界を感じるこの感覚は自分のものだから。

王国を創ることにしました。

国民は特に募集していないようです。でも拒絶しているわけでもないようです。
鎖国しているわけではないような気がします。

自国だけで生きて行くのは大変です。
食料自給率がまずもって低いようです。

それでも王国を選ぶことにしました。

王国の定義て何なのだろうか、と考えてみました。
よくわかりませんでした。
そもそも考えてみただけなので、調べてません。
けど自分が王国。と思えばそれは少なくとも自分の中では王国だから。

王国をこの手に掴みとる。ことにしました。
この手で切りひらくこと。にしました。

事。にしただけでまだ何もしてないじゃないか。と言われました。
たしかにその通り。

ただ、決める事。はきっと大切なもののように、決めつけてみました。

王国を。






焦げ付いた回路と、明確な事実。
仮定を仮定しつくした過程はいまだ過程で終着点を探している。
全ては複雑でいて至極簡潔にある。
この現在を否定する、それは存在を無に帰す。
拡散する興味と散乱する感情と錯乱する朝に
受け入れる今と、決断する先を。





王国を。










王国を、築くことにしました。







王国を、気付く事にしました。

この王国は、今すでにこの手にあって。











積み上げて行く、今を。



王国を。


L's words. 

2008年06月29日(日) 19時57分


I know.

I know.

I know?


Finally, i agree with you.

At last-






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And when I got back that night, I rememberd that line my grandmother told me:
"Always keep your dignity and be true to yourself!"

I finally understood what my grandmother meant.
If I wasn't comfortable with myself, I would never be comfortable.

p.41&43




―[PERSEPOLIS 2 The Story of A Return]
Pantheon Books; Reprint版 (2005/8/2)
ISBN-10: 0375714669
ISBN-13: 978-0375714665 ー

再考/採光/再光 

2008年05月01日(木) 0時00分
揺れ動く感情の波は時として襲い来る不安となって心をえぐりとろうとする。けれどまたその波はいつか高みへとのぼり静かなる喜びで満ち溢れる。その奥底でたゆたう炎を絶やさぬように焦げ付かせぬように。るうはそっとかかげた手にもつ小さなろうそくで、この寒空に拡がる闇をぼんやりと照らした。頼りない光だけれども、ここに浮かび上がるのは紛れもない現実。そして小さな光だからこそ、このちっぽけなるうの手には綺麗におさまって。焦がさぬように。絶やさぬように。拡がる闇の中、ゆらめく炎と今よ
20051219






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二人はここで宇宙船を見てた

闇が人を埋めつくしてもまだ

鹿の群れが撃ち殺されても

二人は逃げるつもりはなかった






聞こえるだろう



―”星のメロディー” チバ ユウスケ (ROSSO) ―

-kill your silence- 

2008年03月23日(日) 22時22分
すべてが幻想ですべてが抽象ですべてが夢でこの腕がこの心がこの言葉がこの無音が閉ざしたありえた先は現実に辿り着かず霧散する流れ出た雫は溢れ出しその胸を焼き尽くす無条件に身勝手に信じた糸は明確な意図なくふらふらと漂っている仮初めの配慮はいつか逃れ得ぬ壁となり毒牙をなす時を逸した言葉は宙を舞い砕け散る空回る空回る絡まり合う思考はこの足を絡めとる記憶は鮮明に鮮明に打ち付ける鮮明に鮮明に鮮明に何度も打ち付ける繰り返し繰り返し繰り返し打ち付ける可能性と名付けた塊はその姿を見せる事無く言葉遊びのように言葉遊びのように言葉あそびかのように築き上げた約束事はいつしか膨れ上がり感情を締め上げる約束されることすらなかった約束たちは望んだことも望まれたことも気付かないふりで背景に隠れたすべてが幻想ですべてが抽象ですべてが夢でこの腕がこの心がこの言葉がこの無音が閉ざしたそれでもそこにあったという事をここにあったという事をそれだけはあったという事をせめてそれだけはすべては幻想に抽象に夢に溶けていくすべては現実に具体に世界に直面するこの腕がこの心がこの言葉がこの無音がこの無音がこの無音よこの無音を無へとこの無音を消し去るように進化を深化をぬくもりは今も広がっている真価をそしてこの心よすべての幻想をすべての抽象をすべての夢をこの心で滴る水は最初で最後で開けた事は開いた事はそこに意味をなすここに意味となす此処で此処で今現実と

-する-


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現実が変わらないなら



僕が変わる



―”悲しみの果て” 鈴木由紀子  (BUGY CRAXONE)―

進化を。深化を。真価を。 

2008年03月21日(金) 2時22分














――――――――――――――――――――――――そして心火を。

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「・・・でも、もうすこしちゃんと人のことを見た方がいいと思います。好きでも嫌いでも、そのどっちでもなくても。橋田さん、いつか、そうじゃないと 「   」すると私思う・・・」
p.102







―『一瞬の光』  白石 一文
角川書店 (2003/08) ISBN-10: 4043720017 ISBN-13: 978-4043720019ー

fairy taIl 

2008年01月01日(火) 23時50分
「一度会っただけだから、はっきりとは言えないけど、彼はいい人なんだと思うよ」
明美は何も言わず、微笑を浮かべただけだった。
「じゃあ、さようなら」
「さようなら」
歩きだして、すぐのところで、背中に声が聞こえた。振り返ると明美が笑っている。
「私ははっきりと言えるけど、あなたは間違いなくいい人よ」
僕も笑顔を返した。彼女が大きく手を振っている。僕も大きく手を振った。
そうやって僕たちは別れた。
p.326-327

―『僕のなかの壊れていない部分』 白石一史
光文社 (2005/3/10) ISBN-13: 978-4334738396―

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ネコが歩く。
僕も歩く。



僕が止まる。
ネコも止まる。





僕の影が進む。
ネコの影も進む。





僕の影が止まる。
ネコの影も止まる。





―サヨナラ。





僕は手をふる。
ネコはかわりにしっぽをふる





ネコはしっぽをふる。
僕はかわりに手をふる。





僕の影は手をふる。
ネコの影はかわりにしっぽをふる。





ネコの影はしっぽをふる。
僕の影はかわりに手をふる。











日が暮れて、僕らはわかれた―








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