スケープゴート 2

2007年12月15日(土) 15時41分




































その後は土方さんがやたら口煩かった。ちょっとお前喉見せてみろ。言うとおりにした俺の扁桃腺をジロジロ眺めてみたりだとか。んなのアンタに見てもらったって分からないだろうよ、これ風邪じゃねえんだもん。

「明日には病院行っとけよ」
「そんなたいしたこと、」
「は、馬鹿やろ、なにか異常があったらどうすんだよ」
「んー」

言葉を濁した。この男は既に姉の件を忘れてしまったのだろうか。まるで彼女と同じ症状だというのに。

「嫌でさあ、めんどくせえ」
「じゃあ謹慎だな」
「は」
え、なに、なに言ってんのこの人。話飛躍しすぎだって。
「闘争ん時あんなふうになったらどうするよ」
「馬鹿にしねえで下せェ土方さん、俺はそんなヤワじゃねえよ」
「ほお、根拠は?」
(このやろ、いちいち痛い事ばっか突いてきやがって)
俺は口をつぐんだ。バツの悪そうな顔をしてるってことも、土方さんと目も合わせられないことも自覚していた。
「いいか、必ず病院行っとけよ」
「………」
「、おい」
「………」
「返事しろや、総悟」
「ん」

こんな生返事で満足したのだろうか、沈黙のままのそりと立ち上がると奴は部屋から出ていった。と、すぐ煙草に火をつける匂いがした。(部屋で吸わなかったのは奴なりの配慮だったのだろうか)



「もう平気なのか、総悟」
「あー、大丈夫でさあ」
「本当か?無理はしてくれるなよ」
「へいへい」
近藤さん、眉間にシワが寄ってる、怒ってるのか?いや、俺は怒られるような事はしていな、い、はず、多分。
発端は攘夷派テロの兆候を山崎が見つけてきた。あの男は普段ミントンばっかやってるくせに、ヘラヘラしやがってるくせに、何処からかそんな情報を仕入れてくる。全く性格すら語れず侮れない、よく分からない男だ。

何処からか土方の怒号が上がった。今日こそ過激な攘夷志士達と斬りあいになるかも知れない。さっきまでだらし無く肩にかけてあった上着を羽織ると、一人一人の目を眼光鋭く捉えていった。俺はドスの効いた土方さんの声を聞きながら、襟の毛玉を掃っていた。































つづきます
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