FREAK

2007年12月06日(木) 0時40分
何事にも動じないような面構えで煙草を加えたら、それは生臭かった。微かに血の味がした。

武士道がなんなのだろう、近藤さんや、なあ俺達の武士道とはなんなのだろう。俺達は幕府の言うとおりにしただけだ。それだけで良いのだ。幕府と世の秩序を守ることが俺達の武士道とやらのはずだ。はずだった。少なくとも今まではそうだったのだから。

しかし土方の腹は煮え切らなかった。沖田は眩しい笑顔を何も知らない隊士に向け、近藤は大きく口を開いて笑うのだ。ああ、俺だけだ、俺だけが拭い切れていないのか。俺には自嘲を含んだ笑みしか浮かべられない。何と愚かな生き物だろう。

土方は煙草に火をつけずに味わった。血の味を確かめるかのように舌の上で転がした。
(この味を忘れたら俺は人間じゃなくなる)
微かな焦りが芽生えた。

皮肉なほど空は晴れ渡っている。俺はずぶ濡れだった。ああなんて皮肉なことだろう、また自嘲気味に笑った。

(俺も人間じゃなくなったら武士の魂も失くなってしまうだろうか)

(教えておくれよ)


この答えを知る者はもう一人しか居ない。居なかった。もう今となっては居ないのだ。
(あんたは俺らに斬られる瞬間なにを見た?)


(なあ芹沢さん、)



もし彼が鬼を見たのならば俺はもう既に人間ではない。俺にはもうかつての武士道などない。


(芹沢さん、)


沖田は何も知らない隊士とじゃれ合い、近藤は何も知らない隊士と盃を交わした。


(芹沢さん!)






































芹沢さんわ出てこないのかな
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