Tambour Frame とHook

February 28 [Sat], 2009, 13:28
今回は 話が飛びますが お付き合いください・・・

ボビンレースの道具の一つ かぎ針、
皆さん 手作りの柄を工夫されたり 使い易く可愛いものをお使いですね
アンティークにも美しい装飾の金銀 象牙 半貴石などいろいるなかぎ針があります。



あら 画像にすると蜂みたい(笑) 私のは角閃石です
付属のかぎ針はお店に引き取っていただき レジースーザンとして愛用しています。



お馴染み 洋風だしの素『LIEBIG』のオマケカード、題は『LA TAPISSERIE』です
右の女性の 刺繍の枠が Tambour Frame です。

《タペストリー。女性の芸術。
キャンバス地にウール・絹糸・金糸・銀糸を使い 針により作られた絵です
ルイ15世もと 上流社会の婦人服紳士服に愛され 中世の詩にも数多く賛美されました。
男性の礼装は 常に華麗な刺繍がほどこされていました。
この時代の文化財 おどろくほど豪華で価値の高いタペストリーは
ベルサイユ宮殿 トリアノン フォンテンブロー宮殿などで 今も 見事な作品を見ることができます。》

裏はたぶん こんなことが書かれていると・・・思います(^^;)
ちなみに この文のタペストリーは壁飾り布だけでなく 刺繡も含みます。

話は飛びますが 
2月中旬、目黒美術館の「祝祭の衣装展」を見てきました
ロココの美しい宮廷衣装と 思いがけず見事な扇がたくさん見られて嬉しかったです〜
3月29日まで開催されてます 扇好きな方も 見に行かれてはいかがでしょうか。

ロココと言えば ポンパドール婦人。
ポンパドール夫人と云えば スコットランド国立美術館の肖像画ですが
私が思い浮かべるのは ロンドン国立美術館の肖像画です。
描かれた時は 42歳ぐらい・・・二重あごも愛嬌があって 私の好きなお顔です。
どこかで <夫人が生前 Tambour freme 刺繍を楽しんだという記述は無い>と 読んだ気がしますが
まだ彼女が亡くなる前に描き始めていたことから 周りにそれに近い生活をがあったのだろうと思います
肖像画の彼女が右手に立てるように持っているのが Tambour Hook(かぎ針)です
下に添えた左手に糸を持ち かぎ針で引き出し チェーンステッチに似た刺繍ができます。
とても人気があったのでしょう 古道具のお店でもよく象牙のTombour Hookをみかけます
多くは 美しい装飾を刻んだ柄で、針側にもキャップがあり
先端は 画像のカギ針(蜂)と同じように サイズの異なるかぎ針を付け替え 
柄のネジで留めるようになっています。

1800年代 機械編みチュールレースが大量生産されるようになると 
同じようにチュールに刺繍する Tambour Laceが盛んに作られました。
機械ネットの産地であるノッティンガムでは特に盛んだったそうです。

こちらのサイト 下のほうで Tambour Lace 作業の画像がみられます
ポンパドール夫人の肖像画が描かれたのは1764年頃ですし 
もちろん Tambour Lace ではないのですが 同じ道具と作業なので 
Tambour Lace や Hook を見るといつも ポンパドール夫人がタンバーレースを楽しむ姿が思い浮かびます。

追加です

 肖像画のタイトルは ポンパドール夫人とタンバーフレーム ですが
 絵にある四角い枠を ストレートフレーム
 太鼓の胴のような枠を タンバーフレームとわけて呼ぶこともあるそうです。


  
 家の修理などで しばらくブログをお休みいたします
  落ち着きましたら また書き込みますので よろしくお願いいたします。

                 

Mirecourt-Jingle

February 15 [Sun], 2009, 15:14
Mirecourt は フランス北西部の町 Nancy から 約50km南にある町です,
  以前紹介した"Sonnette" と同じ Alsace-Lorraine 地方です。



  ボビンp  11.5 x 1.2

1760〜1830年代の第一次産業革命によってヨーロッパの市民階級は非常に裕福になり あらゆる贅沢産業が潤いました。
1830年代から産業博覧会がヨーロッパ各地の大きな都市で盛んに開かれ それにより 
時代遅れとなっていた貴族的装いの 高い芸術性や様式美の魅力が再認識され レース製造の分野も再び活況を呈します
ミルクールとピュイ地方の製造業者も 博覧会に 古いレースとともに 非常に魅力ある新しいパターンを展示し
高い評価と熱狂的讃辞を受けました。

ミルクールでは ブリュッセル ブリュージュレース、特にデュシェスレースなどの模造品、
アップリケ 家具用のギピュールを製造しました。

今日 レースの町としてはすたれてしまいましたが
この デュセスやブリュージュに似たデザインで 太い糸でくっきりと縁取られたレースは
この町の名を冠し“Mirecourt lace”と呼ばれています。

Doilyさんのブログで 素敵な Mirecourt lace が紹介されています   ぜひご覧ください。

   参考図書  ANN KRAATZ 著  『Lace』 HISTORY AND FASHON

ル・ピュイのカード (裏)2

February 10 [Tue], 2009, 1:00
勇神ママさん ご指摘ありがとうございました。

教えて頂いた本の表紙のレースを見て ようやく思い違いに気が付きました
私は ギピュールがどんなレースかよく分からず 英和辞典の訳のまま<別々に作った模様と模様を・・・>としましたが
これは現代のファッション用語で、このカード(表)の Guipure du Pyu を説明できる言葉ではないようです。

 手持ちの 本を読み直したところ、

ANN KRAATZ の 『Lace』HISTORY AND FASHON 120ページに
《部分的に太い絹糸で作った家具用のギピュールを製造した・・・
       アラブのギピュールと呼ばれた・・云々》 とありました

また 同じころ同じように栄えたミルクールレースの ボビンのページに
   http://www.dentellieres.com/Collection/Noel/Lace-noel4.htm 
Arab lace
とそれに使われるcordonnetを持つ手元の画像がありました。

カードのGuipure du Puy(ピュイのギュピュア)は guipure arabe (アラブのギピュール)と呼ばれるレースと思われますので 
 安易に 「別々に作った模様と模様をつないだレース」 と訳してはダメですね。

カード裏の文と同じレースだと思われる 深井晃子さん監訳を 書き写しておきます
 『部分的に太い絹の紐で作った家具用のギピュール・・略・・
   このレースは、フランスが植民地化に着手した北アフリカの国々の
    飾り紐の刺繡からヒントを得ていたので、〈アラブのギピュール〉と呼ばれた。』

教えていただかなければ 間違えたまま思い込み
  読んで頂いたかたにも ご迷惑をかけるところでした。 
おまけで <何?>だった ミルクール画像の Arab lace も わかりました♪ (^^)
     
  勇神ママさんのおかげです              
                    ありがとうございました。   

ル・ピュイのカード (裏)

February 09 [Mon], 2009, 14:42
フランス語で全く解らないのですが 無料翻訳を使って 裏の文を訳してみました
『たぶん こんなことが書いてあるんじゃないかなー』 という程度で・・・
 間違い満載は 大目に見て下さいまし (^^;)


    レースの歴史

ル・ピュイ. Auvergneの ギュピュアレースの古典的な地として残っています
公文書によると、1851年 ここは13万人のレース・メーカーがいました
ファッションの栄衰と機械工業の発展にもかかわらず 何がこの産業の繁栄を維持したのでしょうか、
それは、時代の求めに応じた仕事のできるレース・メーカーの素晴らしい技術と能力でした
彼らは 使用する糸のサイズや素材をかえ リネンだけでなく 
シルク ウール アンゴラ山羊 アンゴラ兎の毛もためらわずに使いました。 
ウールのギュピュアレースはAuvergneでしか作られていません。
この糸は 密集したレースをボビンで編むのとはちがい 細かく丁寧な製図に頼ることを 少しも必要としなかったのですが 
家具を飾る敷物にとてもよく合いました。


HISTOIRE DE LA DENTELLE.

Le Puy. L'Auvergne est restee la terre classique de la guipure;
d'apres des documents officiels, on y comptait 130000 dentellieres en 1851.
Ce qui maintient la prosperite de cette industrie malgre les vicissitudes de la mode
et le progres de l'industrie mecanique,
c'est la merveilleuse aptitude des dentellieres du pays a conformer leur ouvrage aux exigences du moment,
a changer la nature ou la grosseur du fil a employer;
elles travaillent alternativement et sans hesitation le lin,
la soir, la laine, le poil de chevre ou de lapin angora.
Les guipures de laine ne sont faites nulle part aussi bien qu'en Auvergne.
Ce fil un peu rebelle aux croisements des fuseaux donne une dentelle epaisse a laquelle
il ne faut demander aucune delicatesse de dessin,
mais qui s'harmonise parfaitement avec les robes en drap auxquelles elle sert de garniture.

ル・ピュイのカード (表)

February 08 [Sun], 2009, 22:44
LIEBIG の HISTOIRE DE LA DENTELLE
  洋風だしの素のおまけ <レースの歴史>シリーズのカードです



     7cm x 11cm

左上のレースに Le Puy、 下に Guipure du Puy,
  (Guipure→地のネットがなく 別々に作った模様と模様を直接つなぎ合わせたレース)←(追伸 間違いです)
右下に 16世紀 ル・ピュイのレースメーカー とあります。
この女性も 黒い小さな帽子を被ってますね

カードの男性は スペイン風のひだ襟と 詰め物で膨らませた上着(タブレット)を着ています
外出から帰宅したところでしょうか?  皮手袋を持ち 椅子にはケープかクロークが掛かってます 

16世紀、男性ファッションはスタイルも形もバラエティーに富んでいました
ドイツスタイルの鮮やかな色合いとスラッシュが広く浸透し、その後 スペインルックの登場で縞柄とケープが流行、
新しい中産階級の実業家やその妻たちも 上流階級を真似て着たそうです。

自慢のファッションに身を包み 決めポーズの旦那さま、ハイハイと聞き流しレースを編む妻、
  旦那さんの自慢話は 長そうですね(^^)

 参考図書  <同朋社出版 ビジュアル博物館 服飾> 

Le Puyの絵葉書

February 08 [Sun], 2009, 0:28
パリのチョコレート LOMBART のカード(絵葉書)です



     9cm x 14cm

左は Le Puy の遠景、右の女性の黒い小さな帽子はこの地方の民族衣装のようです。
猫好きのレースメーカーさんは いつも こんな感じで編んでらっしゃるのでしょうねぇ
 ほのぼのとして いい感じです
猫のとろんとした表情も可愛いので  アップも 見て下さい。

patina

January 29 [Thu], 2009, 13:05
木のボビンは使い込むと締まって艶が出、材によっては青味がかった金属のようになりますが
boneは 飴色になると聞き どんなかな〜♪と nice patina なボビンを入手しました。



ボビンp 9.8 x 0.6
ツヤツヤでとろ〜んと滑らかな手触り・・・
画像では汚く映ってますが ほんとは透きとおる飴色です。 
あんまりいい色なので もしかして何か(油とか?)で染めてあるかも と思い、
根付けのサイトにいきました。

《磨かれた面(偽物)は表面の上に(on the surface)、古色は表面の内側(in the surface)にある。
磨かれた面は光を反射(reflects light)し古色は光を吸収(absorbs light)する。
磨かれた面は金属質(Metallic)で、古色は油を塗ったようにツルツル(Greasy)する。
そして、磨かれた面は眩しく(Bright)、古色は温かい色(Mellow)だ。》

う〜ん ぴったり♪ やっぱりコレ 使い込んだ艶のようです。
それに 考えてみれば 骨ボビンに古色をつけても儲からないから 手間をかけるワケないよね
  安かったんだもの〜(笑)考えすぎでした。
 
参考にしたのは 根付けのサイト「象牙と真贋」です
 偽物の歴史や見分け方など 判り易くて面白いです。

small dots?(name,message,motto,)

January 27 [Tue], 2009, 17:45

ボビンp 10.4 x 0.7

こういうボビンは何て呼べばいいのでしょう?
Name Bobbin? Message Bobbin? Memoey Bobbin? では格言は Motto Bobbin?
何か このタイプ全体を示す呼び名はありませんか

これは MARY GOOD MAN A FRIEND OF MINE と刻まれています
1840年 Jesse Compton のボビンと思われますが ネックから上は別のが本体に挿さってます
よく見ないと気付かない上手な修理ですが こいうのは コレクターさんの収集対象にならないでしょうね
でも 古モノ好きの私にはそこが魅力 (^^
修理してでも愛用した 大切なボビン・・・そんな風に思えます

ヘッドもかなり使い込まれてます 修理したのは Mary さんでしょうか? 

Bitted 2.

January 24 [Sat], 2009, 13:03


1850年頃、 Bitted と呼ばれるボビンです
ボビン p  9.1 x 0.6  模様 1.3 x 0.5

Plum Pudding と異なり こちらは切り込みで 暗い木に明るい木のピースを入れたボビンです
ボビンは 拍子木のような木材を旋盤にかけて削りますが
ビットは その拍子木のときに 切り込みを入れ別の木を入れます。 
この銃弾のような形や 以前紹介した斜めの線は 作業が楽なのか 割とよく見かけます
ですが 端が浅くなるからでしょうね 古ボビンでは よくピースの角が脱落しています。

Plum Pudding

January 22 [Thu], 2009, 16:40
19世紀 South Buckinghamshire のボビンです


 ボビンcm 9.2 x 1.2  丸は5mmです

暗い木に明るい木 または 明るい木に暗い木で丸い模様を埋め込んだ装飾のボビンを Plum Pudding と呼びます。
この 丸の部分ですが セラーさんの説明は inserted 3 "dowels" です
私は 浅い穴にピースをはめたものと思っていましたが
ボビンの6つの丸は 反対側まで突き通った三本の目釘なんですねぇ (@₀@)
ピースが脱落する心配は無くなりますが よく割れないものだと 驚きました。