抜き取り式御題[台詞]・[弐] No.3(上)

July 24 [Mon], 2006, 13:05
命の危機を感じるので、六合の秘密の小部屋に逃げ込みました。


「あー・・・・」
「どうした、やけに疲れているな」
 コトリとテーブルにコーヒーを置いて六合は、上体を伏している紅蓮に尋ねた。それに、くぐもった声で返答がある。
「疲れもする・・・・。朝から教頭に呼び出されて何かと思えば『売春って本当?』と聞かれて、せめて買春の方がよかったとか思いつつそんなこと言えるはずもないからきっぱり否定したんだが、あのバーコード頭信じてないんだ」
「それは教頭がお前をどういう目で見ているのかよくわかるな」
「やめろ、気色悪い。いやそれ以前にそんなことを言われた方がショックで・・・」
 紅蓮はぐったりと息をつき体を起こすと、目の前に置かれたコーヒーを見る。ここで出されたものは口にしないと、一年前痺れ薬を混入されてから決めた。
 六合はテーブルに寄りかかりながら、ズ・・と一口コーヒーを飲んだ。それで、ああお前自分で実験する気はないんだなと思う。

抜き取り式御題[台詞]・[弐] No.3(下)

July 24 [Mon], 2006, 12:56
「ちょっとした悪ふざけだったんだがなぁ・・・・」
「お前今すぐ『ちょっとした』を辞書で引け」
「それでな、教頭の呼出だけじゃなくて授業でも『千人切りの伝説を持っているって本当ですか?』『暴走族の頭の女に手を出して奪い取ったことがあるって本当ですか?』とか聞かれて」
「無視か。俺の言った言葉は無視か」
「それでさすがに俺は青龍に直談判に行ったんだが」
「俺はもうお前と縁が切りたい」
「そうしたらあいつ何て言ったと思う?」
「無視した上に質問するか。いい根性だな」
「いいから愚痴ぐらい付き合え。じゃあお前、究極の二択って何だと思う?」
 どこに『じゃあ』がかかるのか、いやそれよりもこれは愚痴なのかと言ってやりたかったが、もう何もかもが面倒になってきて六合は投げやりに、
「知らん」
「・・・・お前全く考えていないだろ?」
「気のせいだ」
「・・・・・・・・・・・」
 胡乱気な目にそしらぬ顔を向ければ、紅蓮はため息一つで受け流す。長年腐れ縁をやっていると達観するのだろう。
「で、直談判しに行った俺に青龍がな、これ以上の究極はないだろっていう選択を突き付けたんだ」
「どんな?」
「・・・・殺られるのと犯られるのと、どっちがいいか、だと・・・・」
「・・・・・・・・・・・」

 何かもうどうでもいいからさっさと出て行ってくれないかなぁ・・と、青龍のおそらく冗談きっと冗談を真に受けて本気で悩む紅蓮を見ながら六合は思った。
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