無題 

June 11 [Sun], 2006, 17:05
「あ、すみませーん、コーヒー二つ」
席に着くなり女が注文をとる。
「で、用件は?」
「・・・あ、うん、さっきは助けてくれてありがとう」
「何のことだ」
「え、助けてくれたんじゃないの?」
「助けた覚えはないが」
「あ、そっか・・・実はあの男につけられてたんだ」
手をもじもじさせながら女は話す。
「だから、色々と困ってたんだけど振り向いたらあなたがやっつけてくれてたの」
「・・・・・」
「だからお礼がいいたいなー・・・なんて」
「礼ならいらんさ、勝手にあっちが因縁つけてきただけの話だ」
「ははは・・・あの名前は?」
「人に名乗る名なんてないさ、好きに呼べ」
「ふーん、変わった人ね」
「それは俺が一番自覚している」
「ふふふ、じゃあ・・・ロストって呼ぶよ」
「構わない、お前の名前は」
「私はリサ、よろしく」
そういって手を差し伸べてきた。

第一話 雨の色 

June 11 [Sun], 2006, 16:36
ザーザーと言う雨の音で目が覚める。
木陰と言っても完全に雨は防げなかったようだ。
着ているボロボロで色褪めたコートが多少濡れている。
「・・・そろそろ街へ行くか」
そう呟くと食料調達のため街に向かうことにした。
帽子を深く被り直し不敵に笑ってみる。
が、水溜りにうつった不器用な作り笑いが不気味だったのですぐに無表情な顔に戻る。
風の流れを感じながら街の方向へ歩き出した。

たどり着いた街はビルが立ち並んでいて空気が悪かった。
人々は皆派手な衣装に身を包めていて、それでいて不健康そうだった。
ドンッ
表面からきた男と肩がぶつかる。
「てめぇ気をつけろ!」
「・・・・」
「んだ!その目つきは!」
「それについてはお前も同じだと思うんだが」
「・・・・ってめぇっ」
拳が飛んでくる。
こんなのいつもの事だ。
「っ、おらぁ!避けてんじゃねぇ!」
「じゃあ、その右手を止めてくれないか」
「んだとぉ!てめぇを殴らなきゃ気がすまねぇ!」
「それじゃ、後悔するなよ」
そう言うと俺は男のみぞおちに膝蹴りをかます。
「くっ・・・かっ・・・」
ドサッと音を立てて崩れ落ちる。
ちょっとやり過ぎたか、男は泡を吹いている。
人目につくのがなかなかめんどくさいので、早足にその場を去ることにした。
そう思った瞬間腕をつかまれる。
「・・・・」
「あ、急にごめんね」
女か。
「何か用か?」
「うん、ちょっと話をしたくてね、良い?」
「別に構わないが」
近くの喫茶店に入ってくれと女に言われ入る。



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