寺内町「とんだばやし楽習舍」

2008年10月09日(木) 22時54分
 みなさん、こんばんは。
 みなさんは、近鉄「富田林」駅前にある「寺内町(じないまち)」をご存知ですか?
 永楽年間に誕生し、江戸時代は幕府の直轄地として栄え、現在も大商家や町家が昔ながらの姿を残している貴重な地域で、大阪府内唯一の重要伝統的建造物群の保存地区に選定されています。
 歩いて回れる地域に、古民家が何と150も残されているそうです。
 本日は、その中の旧田中邸で、この10月の5日から11日まで催されている「とんだばやし楽習舍」の中の、「初心者のためのお能手習い」で、山本章弘が講師をさせて頂きました。



 最近よく目にする寺内町の写真、、、
 中でも毎年8月の末に、800基の行灯が飾られる、「寺内町燈路」の写真はとてもキレイで、今回のイベントもひそかに楽しみに致しておりました。

 「あべの橋」から近鉄にのって、古市で乗り換え約30分。
 以外に近かったです。(能楽堂のある谷町4丁目からはちょうど1時間です)
 駅前は、普通の駅前の街並で、どこかな?と思っていると、「本町通り」がありました。
 入口もそれらしき雰囲気で、少し歩くと大きな古いお宅が!

 

そして、その側には、織田作之助の碑のある、美しい公園が!
 きちんと手入れされ、お花が咲き乱れ、ちょうど夕方散水された後で、気持ちがよく、つい中まで入ってしまいました。
 初めて訪れる街が、美しく整備され、そこにお心入れを感じると、やはり街全体からwelcomeの気持ちを感じます。
 大切な事だな、と思いました。



 そこからすぐの所に、本日の会場「旧田中邸」がありました。
 打ち合わせにお越し頂いた時に、手入れができてなくて、古くて申し訳ありません,,,というような事を、御担当の方が仰っていましたが、あまりの美しさに驚きました。
 そしてちょうど、「後の雛」が沢山飾られていました。



 「後の雛(のちのひな)」とは、3月3日のひな祭りが、こどものためのお祭りであるのに対して、夫婦の健康を願うためのものだそうです。
 虫干しをかねて、お雛様を飾られるそうですが、お内裏様とお雛様だけ、出しても三人官女くらいだそうです。
 そして、桃ではなく、菊が沢山飾られています。
 生菓子で「着せ綿」という銘のものがありますが、これは中国の重陽の節句が伝わったもので、重陽の前の夜、菊の花を真綿で覆って夜露と香りを写し取り、翌朝その綿で体や顔を拭うと長寿になるというものだそうです。
 そして、黄色い菊には赤い綿、赤い菊には白い綿、黄色い菊には白い綿をかぶせるそうです。



 私は今まで「着せ綿」のお菓子は頂いたことがありますが、実際に菊の着せ綿を拝見するのは初めて。
 しかも何十本も!圧巻でした!
 そして、お飾りしてあるお雛様が、どれも本当に素晴らしいお雛様ばかり、、、
 幕末のお雛様、享保のお雛様、明治のお雛様など、本当にかわいらしく立派なお雛様が、大切に保存され、旧田中邸全室に飾られています。


(これは珍しいはさみ雛。掛け軸にはさんでお飾りするそうです)

 そのお雛様に囲まれて、いよいよ能のレクチャーがはじまりました。
 ちょっと薄暗い、あたたかい電燈の中での能のお話は独特の雰囲気がありました。
 能楽堂はよく場の持つ力がある、と皆さんに仰って頂きますが、本日のお家もまさしくそんな感じ。
 明治時代から大切に使われてきて、思ったより手入れも行き届いています。
 山本章弘の謡の声も、建物とすごくマッチしていました。
 格子窓の縁側から、時折、近所のこども達の話し声が聞こえ、ひどく懐かしい気持ちがしたのは気のせいでしょうか、、、、



 本日の能のお話も、ご参加頂いた皆様に、能がよくわかって面白かったと仰って頂きました。
 ありがとうございました。
 
 この「じないまち楽習舍」、明日のお昼はお琴の演奏会が午後1時からあります。
 そして、明後日土曜日は、「懐かしい、楽しい芋煮会」、「タナカさんちのゆるカフェ」があります。
 皆さんも、行かれたら、きっと楽しまれる事と思います。



(とくい)
 

 

能 の い・ろ・は 「桜の庄兵衛」

2007年10月23日(火) 21時38分
みなさん、こんばんは。
 今日は先日 豊中の「桜の庄兵衛」さんで開催された「能のい、ろ、は」体験講座のご報告をさせて頂きます。
 「桜の庄兵衛」さんは、阪急宝塚線「岡町」駅下車、徒歩10分のところにある、江戸時代から続く大庄屋さんのお宅を改装され、古民家保存、伝承のためギャラリーやコンサート会場として貸し出されています。
 原田神社の裏手で、住宅街にあり、初めての方はわかりにくいかもしれませんが、立派な御門を入ると、その広々とした空間に圧倒され、また、玄関を入ると太い柱と天井の梁に、驚かされます。
 もともと民家として使われていましたが、震災で随分破壊されたのを機に、大修復をされました。
 当日は、その設計をなさった藤岡先生の講演もあり、改修前の映像を見せて頂きましたが、改修されて大正解!と思いました。
 とにかく広いです。
 蔵だけでもたしか8棟あると仰ってました。

 玄関を入ると(玄関の土間もすごく広いです)、奥にお座敷がありそれがこの写真です。
 その手前に同じだけの広さの板の間があり、公演の時は襖を取り外されます。
 今回も120名様がご参加下さいました。
 最初に、簡単に能の歴史をお話しさせて頂き、あと能面のお話、そして「醒々」の謡を皆でお稽古しました。
 みなさん、広いお庭を背景に、普段出されない大きなお声を出され、とても気持ち良さそうでした。
 そして、能面のお話をさせて頂きました。
 ユーモアあふれる講師のお話に、みなさん笑顔が絶えず、能の堅苦しいあるいは取っつきにくいというイメージを払拭して下さったようです。
 最後に、参加者の中からお1人に、能装束をお付けさせて頂きました。
 ここまでブログを読んで下さった方で、「まっちゃまちサロン」にご参加頂いた方は、「まっちゃまちサロン」と同じ!と思われたと思います。
 そーなんです。「まっちゃまちサロン」を出張で能楽堂の外でさせて頂きました。
 最近、このような機会がすごく増えてきています。
 もしみなさんも、「出張してほしい!」と思われたら、お気軽に山本能楽堂までお問合せ下さい。
 こんなに広い会場でなくても、会議室のようなところでも、開催させて頂きます。

 「桜の庄兵衛」さんでは、2ヶ月に1度、この素敵な会場を利用して、様々なジャンルのコンサートを開催されています。
 次回は12月9日(日)、「サクソフォンとピアノ」のコンサートです。
 大きな会場では味わえない、生の演奏をお楽しみ頂けます。
 また、11月3日(土)〜11日(日)は「林源太 秋の漆展」があります。
 プランターテーブルやさまざまな家具、手捻りの器等、こちらの空間で拝見できるだけでも楽しみです。
 詳しくは「桜の庄兵衛」さんまでお問合せ下さい。(電話06−6852−3270)

(とくい)

19世紀のフランスのズボン!?

2007年08月27日(月) 19時55分

 昨日の公演の余韻がまだ残っています。昨日御出演された、詩人の高橋睦郎先生がお召しになっていた19世紀のフランスのズボンってどんなんでしたか?と多くの方から尋ねられました。
 生地は麻で、やはり19世紀のものですから、色はナチュラルな麻本来のEcruな色でした。先生は「ドンゴラスみたいでしょ」と仰ってましたが、なるほど元はごわごわしていた分厚い布が、長い年月の間にいい感じに肌になじむようになっていました。「たぶん囚人がはいていたみたいなんですよ」と仰ってましたが、高橋先生がはいておられると、とても清らかな布にみえました。
 建畠先生は対照的に、都会的に黒一色にまとめられて、それぞれ違う素材であわせておられ、とてもおしゃれでした。
 英大夫先生は、白紋付に麻の袴をお召しでした。
 みなさん、白紋付ってご存知ですか?能楽師は舞台の上でもちろん一年中紋付を着ます。季節により、袷(裏地つきのもの)、単衣(裏地なし)、絽(絹ですかしておってあるもの、夏用)に変えますが、地謡で出演する時は年間を通してだいたい黒色の紋付を着用します。ただ7、8月に「白紋付でお願いします」といわれると、地謡、後見はみな白い麻の紋付で出演し、舞台は夏らしく涼やかな雰囲気となり、きりっと暑気がはらわれるような気分になります。「たにまち能」でも毎年7月の公演は白紋付です。
 本日英大夫先生の白紋付を拝見すると能の白紋付とどこか違います。能の白紋付は紋が青色で抜いてありますが、英大夫先生の紋付は黒色の紋です。そして紋の線が能より細いような、、、同じ白紋付でも能と文楽では違いがあってびっくりです。あと能では袴は年間を通して同じ袴ですが(絽地になったものもありますが、色は大体同じです)、先生はキレイな薄小豆色の麻の袴をはいていらっしゃいます。
 その袴の色、先日のパントン社の色見本にもありました。 PANTONE15-2705 TPXという色です。
 能楽堂の外は、厳しいお暑さでしたが、司会の伴野さんも白一色のさわやかなお召し物で、御出演の皆様より心地よいさわやかな風を頂きました。

山本能楽堂公式HPをご覧になる時は「山本能楽堂公式」で検索して頂くか、
http://www.noh- theater.com/とアドレスを御入力下さい。
(とくい)
プロフィール
  • ニックネーム:山本能楽堂
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大阪の谷町4丁目にある大阪で一番古い能楽堂です。
2006年に国登録有形文化財になりました。
昭和25年から続く定期公演「たにまち能」、初心者向けの夜の公演「とくい能」、初心者向けの体験講座「まっちゃまちサロン」、4種類の伝統芸能のいいところだけを一度に楽しめる「初心者のための上方伝統芸能ナイト」などを開催しています。
「初心者も楽しい能楽堂」をめざしています!
ぜひお気軽にお越しください。
詳しくは山本能楽堂公式ホームページをご覧ください。
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