ごあいさつ 

2007年02月02日(金) 11時30分
ようこそ。しいまのブログへ。
ここは、デスノ二次創作小説ブログ。
間違ってここへ来てしまったというお姉さま、お兄さま方はお戻りを。二次創作・同人など理解できない人、現実と想像の区別がつかない人、以下の文の理解ができない人・趣味が合わない人などはごめんなさい。ここでは、おもてなしできません。

しいまはデスノに一時期はまっていて、最終回の悲しさに自分で続きを書いてみる。
そのあとデスノ二次創作にどっぷりはまる。
そのときの赤面物の駄文を公開したいと思いブログ作成。


しいまは月が好き。また、オリジナル設定オリキャラ登場も有。
そういうのはちょっと・・・という方はお戻りを。

文の最初に注意書きがある場合は必読。
また、小説を読んだあとの苦情は一切受け付けません。


当然のごとく原作者・作者・会社・関係者とは一切関係なし。報告御免。
個人が個人で楽しむために作ったもの。

私そういうの好き、というお仲間のかたは一緒に楽しみましょう。よろしければコメントに感想を入れていただくと、しいまは泣いて喜びます。

ようこそXX空白の電子回路XXへ!!

漆黒の蝶1 

2007年02月02日(金) 12時05分
注***
このお話ではオリジナルキャラ、オリジナル設定が出てきます。
後半はほとんどオリジナルキャラで進行します。
最終回その後、の話になりますがありえない設定が色々出てくるかもしれません。
またこの話では松田の扱いが酷いです。あと、グロい表現も出てきます。

この小説は紙に印刷すると40枚ぐらいあります。気長に楽しんでもらえれば嬉。
全部書き上げているので徐々にUPしていきたいと思っています。

では、どうぞ。



『約束だよ、リューク』
お前はそう言って、俺と指切拳万ってやつをした。そのときの顔が高校時代の出会ったときみたいな生き生きとした笑顔で、ああ、懐かしいなと頭の片隅で思った。

漆黒の蝶1

ふっ、と張り詰めていた糸が緩んだように誰もが息を吐いた。薄暗い倉庫の片隅、ピクリとも動かなくなった青年を見て、誰もが『終わった』と思った。
「リュークさん。」
「なんだ?」
「ノートを処分したいのですが、かまいませんよね?燃やしたり、破棄しても私たちに影響はありませんよね?」
「ああ、それは俺が書いた嘘ルールだからな。好きにしろ。」
まるで、先ほどまでの混乱はなかったような会話。
「では」
と、ニアはレスター指揮官からライターを受け取りノートを焼却した。ああ、本当に終わったんだなあと、誰もが、燃えていくノートを見つめていた。

その時である。


ブチブチと、思わず耳を塞ぎたくなるような、何かを引きちぎるような音が倉庫内に響いた。ノートに気をとられていた者全員が一斉に音のしたほうをみた。
そう、こときれた青年のほうを。
「月君の体に何をする!!!」
松田が、喉から搾り出すような、そして悲鳴のような声をあげた。



死神は、青年の左腕を力任せに引きちぎっていた。
予想もしなかった光景に誰もが唖然とする。骨が外れ、筋肉の筋が千切れていく。あまりの光景に、相沢は嘔吐していた。そうこうしている間に、死神は青年の腕を肩から引き千切った。もう死んでいるとはいえ、ほんの数分まで生きていた人間の体である。傷口からは血があふれていた。
「なんてことを!月君の体をどうするんだ!!」松田が再び叫んだ。赤とも青とも区別しがたい顔色を浮かべながら。
「もう死んだ人間の体だぜ?別にどうしたっていいだろ?さっきまで、怒り任せにこいつを撃ったお前が言えた台詞じゃないと思うけどな」
死神はあきれたように言った。
「俺が欲しいのはこいつの腕だけだ。別に残りの体はどうこうする気ないぜ。お前らの好きにすればいい。」
「その腕をどうするつもりなんですか?」ニアが問う。
「別に。死神界の掟でな。長年死神が憑いていた人間の体の一部は死神界にもっていかなきゃなんねぇんだよ。詳しくは俺もしらん。だが、死神は掟は必ず守るもんなんでな。」

「月の体は、勝手にすればいい。俺はもう興味がない。いるのは腕だけだしな」
死神はそう言うと、漆黒の翼を広げ、倉庫から夜空へと飛び立っていった。
死んだ青年の、瞳を閉じさせることもなく。
大切そうにその腕を、かかえて。

皆、死神を止めることもできず呆然とその姿を見送った。

漆黒の蝶2 

2007年02月02日(金) 12時19分

『リューク、話がある』
雨の降る、4月の半ばぐらいだっただろうか?Lを倒し、相変わらずキラとして動いていた月が唐突に俺に話しかけきた。
『なんだ?』
『僕はLに勝った。』
『ああ、そうだな。なかなか面白だったぜ。』
『僕は頭脳明晰品行方正容姿端麗大抵のことはこなせる自信がある』
『・・・相変わらずだな・・・お前。』
ほとんど一息で言い切った月に思わず感心とも、嘆息ともとれる反応を返してしまう。こういうところは月らしくて好きだと思う。
『だから、この先どんなことがあっても勝つ、やりこなせる自信はあるんだ。
・ ・・・ただ。』
月はそこで一呼吸置いた。しばらく、顔をふせていたが、すっと顔をあげると真っ直ぐに俺の目を見て言った。
『ただ、万が一にも、いや、億が一にも僕がキラとして殺されるようなことがあったら』

『そのときは、僕を殺してね、リューク』

目をそらさず月は言った。
続けて、時計をはめた左腕を俺のほうにのばし、言った。

『そして、僕の腕を、左腕を引き千切ってある場所へ届けてほしい。』

『僕の最初で最期の頼みだ。やってくれるか』
その表情は、今まで誰にも見せたことのないような顔だった。友人にも、いや、親にすら見せたことのない顔だっただろう。少なくとも俺は月に憑いてから今までのあいた一度も見たことのない、真剣だがどこかすがるような寂しい子どもの顔。
俺は、予想もしていなかった月の表情に気圧されてうなずかざるを得なかった。それほどの、空気をまとっていた。
うなずいた俺を見て月は嬉しそうに笑った。本当に心の底からの笑みだったんだろう。そして、月はいつぞや妹にせがまれてやっていた指切拳万というやつを、俺の指に己の指を絡め、やってきた。

『指切拳万。嘘ついたら針千本飲――ます。』

そのときの顔が高校時代の出会ったときみたいな生き生きとした笑顔で、ああ、懐かしいなと頭の片隅で思った。

『約束だよ。リューク』

漆黒の蝶3 

2007年02月02日(金) 12時23分

目的地が見えてきた。俺は高度を落とした。うん、間違いない、この場所だ。月と一度来たことがある。

まあ、来たといっても俺は月に憑いていたわけだから一緒に行かざるを得なかったんだけどな、と数年前のことを思い浮かべながら一直線に下り立つ場所を目指す。



漆黒の青年がいた。

『こんばんは。初めまして。リュークさん』
『よお、ゼロだったけか?一方的には会ったことあったんだけどな』
頭上に浮かんで見えている実際の名前と、ここで呼ばれている名は違うと月に言われていた。月に教えられた名で呼びかけながら、俺は地面に下り立った。月も結構神経が図太いやつだったがこいつもそうみたいだなと思った。
『普通俺みたいなのを見たら、大抵のやつは腰ぬかすもんなんだぜ』
そういうと、ふふっ、と可笑しそうに笑い
『あなたを見て腰を抜かしているようじゃ、私はここの管理人をやっていないわ。』
『それにあなたは人間よりずっと優しいし』
『神様だもの』
『怖くなんかない』
一言一言、何かを確かめるようにゆっくりゼロは言った。
『よく、今日だって分かったな』
率直に浮かんできた疑問を口にする。
『わかるよ、この子のことは』
ゼロは、俺が抱えていた月の左腕を受け取りながら答えた。
『この子は私の半身だもの。』
『それに私は「視ていた」しね』
にっ、といたずらっ子のようにゼロは笑った

空の月が雲に隠れる。闇がさらに濃くなる。
ふと、俺はさっきのゼロの科白が気になり聞いてみた。

『さっき俺のこと怖くないって言ったよな。神だからって。神様って言ったて俺は死神だぜ?お前らの寿命を食って生きてんだぞ。人間がよく苦しいときに祈っている奴とは違う』
そういうとゼロは目をまん丸にして不思議そうな顔をした。そして、まるで聖母のような微笑を浮かべ答えた。
『死、は、ある意味救いだからね。すべての苦しみから解き放たれ、無、となる。
あなたは、それをして「くれる」んだもの、怖くなんかない』
『人間のほうがずっとずっと残酷で醜いの』
『だからこそ、この子は神になりたかったんだと思う』

俺は思った。

この目の前に立つ青年は月の「すべて」を理解している、と。
何が、どこが、と訊ねられると言い表すことはできないが、直感に近いもので感じた。
まぎれもなくこの青年は、6年間、自分が片時も離れず憑いていた青年の半身だと。

『ありがとうね、リュークさん。日本から遠いこの土地までこの子の腕を大急ぎで運んできてくれて』
『さあ、細胞が死んでしまう前に早いこと取り掛からないと』
ゼロは俺に背を向け建物の入り口へと向かっていく。
俺もここにはもう用がない。約束は、果たしたしな。
羽を広げ、空に飛び立ちながら俺はずっと思っていたことを口にした。きっと、彼とはもう二度と会うことはないだろうし、言ったところでこの先のことが変わる訳でもないしな。
ただ、純粋にそう思ったから言うだけだ。
『ゼロ』
『なあに?』
『俺はこれまで、数え切れないほど、それこそ気の遠くなるほどの人間を見てきた。』
『お前達を「視て」純粋に思った。月の「本名」もお前の本当の名も、綺麗な名だと思うぜ』
ゼロは振り返り、柔らかく笑った。
そして、小さくありがとうと言った。

月を覆っていた雲が晴れ、あたりを優しく照らしていた。

高田嬢の秘密 

2007年02月02日(金) 12時54分
ギャグ。ブログの許容量を超えたので、半分は【続き】に記載。


ああ、夜神くん・・・。

私は夜神くんからの電話を切ると、ほう・・とため息をついた。
明日は、夜神くんとホテルで密会。数年ぶりの再会。
私は大学時代に思いをはせた。


わたくしは、高田清美。23歳。現在NHNのアナウンサーをやっているわ。この前のアナウンサーランキングでは、惜しくも2位でしたけども、これでも、大学時代はミス東大候補として、名を馳せてたのよ。え、アナウンサーランキングで1位だった子が、この前海で浮かんでるのを見たですって。毛を刈られて?まあ怖い。おちおち、夜道を歩けませんわね。わたくしも、気をつけないと。をほほ。
当然、才色兼備のわたくしには言い寄ってくる男も多くて、毎日毎日あしらうのに大変よ。でも、わたくしが思いを寄せるのはただ一人だけなのよ。

わたくしが、大学時代付き合っていた彼はとても素敵な人だったわ。東大に主席入学だし(このとき竜崎ももちろんとなりにいたが彼女の視界には入っていなかった)、物腰や言動は紳士的だし、もう素敵。
髪の毛は染めているのかと聞いたら、天然色ですって。綺麗な蜂蜜色だったのよ。あとで気付いたのだけれど、目の色が独特で、髪の色に似て薄い色なんです。遠い親戚に、海外の方がいらっしゃるのかもしれないわね。とにかく、美しかったわ。

わたくしの、通う東応大学は超有名大学で、学校行事のたびにそれはそれは盛り上がりますの。やはり、その中でも一番盛り上がるのが学園祭ですわ。
校内には沢山の出店が出るし、出し物もあちこちでされているわ。そのなかで、ミスコン、ゲストライブとならんで人気のイベントが、アート部によるファッションバトルですの。
どういうのかと申しますと、当大学にはアート部というのがありまして、絵や工芸など、美術などを主に制作研究しているサークルなんですが、その一つにデザイナーの分野がありましてね。将来、デザイナーや服飾関係を目指している方たちが日々製作に励んでますの。そのメンバーの方たちが小人数のチームに分かれて、毎年テーマに応じた服を製作し戦うって言うのがファッションバトルですわ。どうです?わかりまして?をほほ。

そしてその年のテーマは「DOLL」。
このテーマで、争われたの。このバトルで大切なのはモデル選び。学園祭は、2日間あるんですけども、1日目は学内を歩き回り、アピールをいたしますの。そして2日目に投票という流れですわ。
当然、見目麗しいモデルのほうが衣装もたつってもんですわ。そこでA.B、C3チームのうち、Aチームのモデルとして、白羽の矢が立ったのが、夜神くん・・・!
本人は、当初渋っていたらしいが、チームのメンバーに旧友がいたらしく、結局その子の頼みもあり了解をしたらしい。
ああ、なんてことでしょう。わたくしの夜神くんが(注:このときまだ付き合ってはいない)モデルだなんて。絶対にカメラ用意して写真を収めなくては・・・!!永久保存よ・・!校内、どこでも追いかけてみせますわ・・!這ってでも!(人はこれをストーカーという)

そして、待ちに待った文化祭当日。
わたくしは、朝から夜神くんに張り付く(!)つもりでいたのですけども、残念なことに、実行委員のメンバーでしてね、しばらくは、本部から動けませんの・・。なんてこと、こんな、大事な日に!!委員長待っていなさい・・!あとで、痛い目に遭わせてあげるわ!(やつあたり)

いらいらと、仕事をこなしながら待ちに待った交代の時間。
「委員長、わたくし交代の時間ですのであがりますわね」
「あ、待って高田さん。悪いけどあと一時間だけ・・・」


漆黒の蝶4 

2007年02月03日(土) 11時40分
注:長いので【続き】にも記載しています。


私はいつも大学ではライト君のそばを離れない。それは、彼がキラ事件の第一の容疑者であるからだ。いつ、キラとしての片鱗が出てくるか分からないし、「夜神月」という人物を知るためには観察が一番なのだ。ときには、キラの話もする。だが結局は言葉遊びになってしまい、平行線のままであったが。
それに彼は人を惹きつける何かがある。見た目は言うまでもなく、人の視線を集める容姿をしているのだが、私が言いたいのはもっと彼の内なる部分である。
私もLであるがゆえ、違う雰囲気を持っている者の1人だと自分で思う。
だが、彼は私の「異質」とは違う「異質」さ、があるのだ。まるで、それに触れてしまったら深い深い闇に引きずられるような。




その日も私は、彼の後ろを相変わらずの猫背でついて行っていた。ライト君は別段私を気にするでもなく、普段どおり次の講義の教室へと移動するため足を進める。整った容姿ゆえ、人に見られることにも慣れているのだろう。もう、不躾な私の視線にも慣れているようだった。

大講堂へ行くため、中庭を横切っていたときだった。

「きゃああ!!」
女子学生の甲高い悲鳴。驚いて声のほうを見るとベンチの傍にあるゴミ箱のところで女の子が二人腰を抜かし震えていた。
何事だろうと思いつつ、再びライト君へと視線を戻すと、彼も悲鳴に驚いたらしくそこを凝視していた。だが、正確には、女子学生の足元、布にくるまれた「何か」を見ていた。

「なんだろうね?」「さあ?」ライト君は私に疑問をぶつけてきたが私も分からなかったのでそのまま疑問で返す。
「行ってみますか?」若干めんどくさい、関わりたくないというう感情もよぎったが、元来私の中にある探偵(といえるかはわからないが)Lとしての好奇心のほうがそのときは勝っていた。
ライト君も「うん。」と答えたので、傍によってみることにした。

「ねえ、どうかしたの?」
他の生徒も遠巻きにそこを見つける中ライト君は女の子に話しかけた。
依然女子生徒は腰を抜かしたままである。
「あ・・・夜神君・・・流河君・・・」
顔色がひどく青ざめている。恐怖に震える二人を間近にみて、わけの分からない私とライト君は思わず顔を見合わせる。
「あ・・・それ・・・・赤・・・赤・・」
「赤・・ですか?」
「赤?その布は青色だけ・・・」

おそらく、私もライト君も同時に『理解』をした。布にくるまれた「それ」に同時に駆け寄りながら、流石、私と同レベルの頭脳のもちぬしだと、場違いなことを頭の片隅で考えた。

ライト君の抱えたその布の固まりを覗き込む。そして、ゆっくり、その布をめくっていった。
「!」
「!」
「いやあああああ!」
女の子が再びけたたましい悲鳴をあげる。

そう。そこに、いたのは赤ん坊だった。
そう、人間の赤ん坊。
まぎれもなく、人間の赤ちゃん。
只一つ。
「一つ目」だということを除けば。

漆黒の蝶5 

2007年02月03日(土) 11時45分
てっきり、私は応急処置をしたあとは近くの病院・または警察にでも連れて行くものだと思っていた。だが、ライト君は校内で国際電話をかけれるスペースへと向かっていった。東応大学は海外からの留学生も多いので国際電話も多数置いてある。
ライト君は硬貨をいれると迷うことなく番号をプッシュしていく。
「どこへ掛けるのですか?」
「ん。ちょっとね。」
彼は微笑みながら答える。そこにはほんの少しだけ懐かしそうな表情が浮かんでいた。

「やあ、ゼロ、僕だ。ふふ、わかるかい?」

フランス語だ、と私は、思った。英語は堪能なことは知っていたが、フランス語も話せるとは。綺麗な発音だった。彼はいったい、いくつの言語を話せるのだろう。

「久しぶりだね」
「実は今、赤ん坊を拾ってね」
「そう、さっきまでへその緒が付いていたんだ。」

「そっちに連れて行ってもいい?」
電話の相手が何か問いかけたのだろう。うんうんと頷きながら、返事を返す。
「・・ん。わかった、じゃあ今からそっちに向かうね」
じゃあまた、と言ってライト君は電話を切った。
「どこか行くんですか?」
「うん。フランスに」
「今からですか?」
「そうだよ。早くこの子連れて行ってあげたいし」
腕の中の赤ん坊にほお擦りし、そして私を見た。
「流河も一緒に行く?」

「どうして、日本の病院では駄目なんですか?警察に連れて行けば保護してくれたのでは?」
フランスへ向かう飛行機の中私は、問いかけた。
あのあと、すぐにパスポートなど出発の仕度をし、3時間後私たちは飛行機に乗った。私は例外として、一介の大学生が、赤ん坊を拾い、応急処置をし、そして、今フランスに向かっているという現実は、私の頭脳を狂わせた。
私の問いかけに赤ん坊を抱えて隣に座っていたライト君は「ん」と答えた。腕の中の赤ん坊は布を深く被り、表情はあまり見えないが、どうやらすやすや眠っているらしかった。
ライト君は赤ん坊の布を直してやりながら答えた。
「だって、一つ目の子どもが大学内で見つかったって分かったらマスコミが大騒ぎすると思ったんだ。ただえさえ、子どもが捨てられていたという事件は必ずニュースになる。」
「この子は、一つ目だ。きっと好奇の目にさらされる」
「たとえこの子が元気に大きくなったとしても『まともな人間』としてみてもらえることはないと思ったんだ。病院に連れて行ったって安楽死させたほうがこの赤ん坊のためです、とも言われかねない」
「人間は、自分と違うものを受け入れきれるほど強くはないからね」
そこまで言うと、ライト君は、ふ、とため息をついた。

キラがLを受け入れることがないように。
Lがキラを受け入れることがないように。

ひとはじぶんとちがうものをうけいれきれるほどつよくない。

「どんなにナカが普通でも、結局は見た目なの。悲鳴をあげた人たちがいい例だよ。」
「ただ、一つ目ってだけなのに」
「それだけ、なのに」
そこまで言うと、柔らかな赤ん坊の頬なでた。
「かわいい」

あと、一時間ほどで目的地に到着しますという機内アナウンスが流れた。

空港からバスに乗り継いだ。三十分、一時間と揺られるうちにだいぶ田舎の方まで来たらしい。初めは埋まっていたバスの席も今は私たちだけとなった。
「ここで降りるよ」
「わかりました」
下り立った場所は小高い山のふもとといえるような場所だった。あたりを見渡してみると先ほどバスが通ってきた道以外何もないところだった。
「なにもないんですね」
「そうだね。ここからちょっと歩くよ」
そういってライト君はスタスタ歩き出す。相変わらず姿勢いいなあと思いながら、その背を追いかけていった。

漆黒の蝶6 

2007年02月03日(土) 11時48分
30分ほど歩いたところでライト君がふと足を止めた。だいぶ、周りの木の背も高くなり、うっそうとした森の中という感じだ。
ライト君は上を見上げ何かを探しているようだった。私も、彼の視線を追う。するとライト君が唐突に声をあげた。
「あ、いたいた。ベルダ、カム」
最後のほうは大声で叫んだ。
ばさばさと、風をかく音を響かせながらそれはやってきた。
大きな鷹だった。鷹をこんなに傍で見るのは初めてだった。ライト君は、赤ん坊を抱えているのとは逆の腕を伸ばすとそこに鷹を止まらせた。爪が食い込んでしまうのも別段気にしていないようだった。
「いいこね、ベルダ」
「プリーズ・ゴー・ゼット」
その言葉を聞いた鷹は大きく羽ばたいた。
「さあ、行こう竜崎」
「彼が道案内してくれる」

道なき道を進んでいくと、やがて大きな柵と門、大きな屋敷が見えてきた。いや、屋敷というのは間違っているかもしれない。建物の塗装は剥がれ、窓ガラスもところどころ割れていて、見ようによっては廃墟とも呼べるのではないだろうか。
私たちが屋敷を視認できたと確認したのか、鷹は、一足お先にといわんばかりにすいっと屋敷の敷地内へと飛んでいった。

門の前でライト君は立ち止まる。私も、それに習う。彼は、じっとそこから見える建物の入り口を見つめていた。
キィッと静かに扉が開く。
黒を身にまとった一人の男性が出てきた。
頭から被ったベールを引きずりながら彼はこちらへと歩みを進めてくる。入り口から門まで大体10mぐらいだろうか。彼はゆっくり歩いてくる。
顔が確認できる距離まで来たところで私は思わず息を飲んだ。衝撃を受けるのは今日はこれで3回目だ。
一つは、もちろん一つ目の赤ん坊を見たこと。
もう一つは、ライト君がフランス語を話せたということ。
だが、今、目にしているものを前にすると先の二つは対したことの無いように思える。
それほど、私にとって「それ」は驚きを隠せないものだった。

青年は、頭から足元までの長いベールを被っていた。
左目には黒い眼帯を。
左腕はなかった。
特筆すべきはその顔だった。
静かに私たち二人を見つめる彼の顔は。
ライト君と瓜二つだった。

漆黒の蝶7 

2007年02月04日(日) 13時59分

「やあ、ライト、久しぶり、いらっしゃい」
「久しぶりだね、ゼロ。」
門の鍵が開けられることは無かった。門の柵越しに二人は言葉を交わす。青年はしばらくライト君を見つめたあと、ちらりと私に視線を寄こす。そしてすぐ、ライト君の腕の中の赤ん坊へと視線を戻した。何か言われるかと思わず肩に力が入ったが別段気にした風でもない青年の態度に力を抜く。
「道には迷わなかったかい?」
「うん。ベルダに道案内頼んだから」
「この子が、電話で言っていた子ね」
「そう。可愛いでしょ。男の子。生まれたばっかりだよ。」
そう言ってライト君は門の柵の間から赤ん坊を渡す。青年は唯一ある右腕で赤ん坊をしっかりと抱く。
「可愛い子」
そういってほお擦りする姿は、さっき飛行機でしたライト君の仕草と同じだった。
「ライト、あなたが名前をつけてあげて」
「いいの?」
「ええ、今日から私たちの子ですもの」
しばらく、ライト君は何かを考えるように空を見つめた。
そして、赤ん坊を見つめ
「では、この子に名を」
「チャロ」
「チャロ・ムーン。僕達の子ども」
そう言いながら、優しく赤ん坊の頬にキスをした。
その光景はまるで洗礼の儀式のように幻想的だった。
ライト君は、そののち、「少しでも足しになれば」と、いくらかの紙幣を渡し別れの言葉を告げた。

また、鷹に道案内を頼み、帰りのバスを待っているときに私は尋ねてみた。
「よかったのですか?」
「何が?」
「久しぶりの再会のように見えましたが?もう少しお話されてもよかったのでは?」
ライト君は、ちょっと返答に迷っているようだった。
そして、私の目を見、言った。
「あれでいいんだ。」
「僕は、あの門をくぐることは許されない。僕が今の僕である限り。」
「あれでいいんだよ。」
そう話すライト君は、私に答えているというよりも、自分に言い聞かせているようだった。
ライト君の闇の部分をほんの少し、かいま見た気がした。本当は、あのライト君と瓜二つの青年は誰なのか、とか、あの廃墟のような施設はなんなのか、ライト君はなぜ日本から遠く離れたこの地と繋がりがあるのか、聞きたいことは沢山あった。
(もしかしたら、そこからキラとしての証拠が掴めるかもしれない)
そう思うのだが、ライト君が自分から話さない限り、知ることはできないだろう。
ライト君は頭がいい。彼は私と似ている。当然私が、先ほどのことについて聞きたがっているのは分かっているはずだ。でも言わない。
「竜崎ごめんね。」
きかないで。
「ありがとう」
きかないでいてくれてありがとう。
言葉の裏にそう言っているのが分かる。
結局私は、真実を知ることができなかった。

その後私は、Lは、キラに殺された。
薄れていく意識の中、夜神月がやはりキラだったという、答えを知ることができてよかったと思いつつも、人間、夜神月の闇の部分を最期まで知ることができなかったことが少し残念だと思った。

漆黒の蝶8 

2007年02月04日(日) 14時03分
「うう〜〜怖いよう〜〜やっぱ1人で来るんじゃなかったかなあああ」
「でも、気になったし、模木さんや、相沢さんは、仕事が忙しそうだったし、井出さんは男二人でフランス旅行なんて嫌だって言うし〜有給取れたの僕だけだったんだよね〜」(それは、いてもいなくても大差ないという理由からだということは、この呑気な男は知らない。)
「うん、でも、気になったまんまじゃ仕事にならないしね。うん、男松田頑張るぞー」
と、僕は自分に気合を入れた。
大丈夫大丈夫、あの野犬にみたいに見えるのは草が茂っているだし、なんにも無いところだけど、のどかで綺麗なところじゃないか、うんうん。

僕は今フランスの片田舎にいる。
どれくらい田舎かというとフランスの空港からバスに乗って一時間ほどかかるところだ。最初は満席だったバスも僕が降りるときには僕だけで、バスの通ってきた道以外何も無くて。
流石に引き返そうかな〜という考えが頭をよぎったけど、ここで帰ったら男が廃る!と思ってね。いや、せっかく来たのに飛行機代とかもったいないというのもあったんだけどね、ははは。

でも、怖いとか飛行機代とかそういうの抜きにしても僕には引き返せない大きな理由があった。

年も明けて寒い1月の末のことだ。いつものように仕事を終わらせ1人暮らしのボロアパートに帰ったときだ。
僕は、まず部屋に入ったら郵便チェックをするのが日課だ。結構マメなんたぞー、もてないけど(涙)
その日も、広告やら葉書やら要るのと要らないのとより分けていた。
「お、あのピザ屋移転したんだ〜、今度、たーのも★」
「『幸運の財布☆あなただけにご紹介』、いらんいらん」
独り言を言いながら郵便を見ていっていたそのときである。
「ん?」
『それ』はあった。
それは、葉書よりも一回り小さいサイズで、よく言うメッセージカードみたいなやつだった。白いシンプルなデザインだった。
「クリスマスカード?いや、違うなあ、年賀状でもないし」
どちらにしてもこの時期には遅すぎだろう。
英語の文面を呼んでみることにした。
「なになに、France,XXXXX−XXXX  ●●a bus stop、なんだこりゃ?」
いたずらかと思い、棄てようかとカードを裏返したときである。
「―――!」
僕は息を飲んだ。カードの裏には綺麗な絵が描かれていた。ただの綺麗な絵だったらここまで驚きはしなかっただろう。
そこには。
夜空に浮かぶ綺麗なまん丸の『月』の絵が。
その満月の中心には『light』の文字が。

思わず、背中側にあるカレンダーを振り返る。

1月28日。

携帯でも日にちを確かめる、どうか自分の勘違いであってほしいと思いながら。手が震える。
液晶画面に表示されているのは

1/28

携帯が手から滑り落ちる。
間違いない。
今日は。
2年前。
キラが。
いや、夜神月が。
死    ん     だ     日。
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最盛期に作った恥ずかしい小説をUPするためブログ作成。
しいまは月が好き。
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