新生活 

April 11 [Wed], 2007, 21:00
その日は風呂に入ってそのまま寝た。
翌朝目が覚めると、“ザァー”と微かに雨の音が聞こえる。
「今日雨かぁ・・・」

時計に目をやるとまだ午前5時だった。セットしていた目覚ましを止めベッドから出る。
今日から高校生活が始まる。よく高校時代の思い出が鮮明に残るという・・・。
期待もあったが周りに流されるという不安もあった。

下へ降りるとキッチンに立っていた母さんが気づいて話しかける。
「あら、珍しいわね、昨日早く寝すぎたの?」と、よほど俺が早く起きるのが珍しかったのか微笑みながら言っている。

「母さんこそ、いつもこんなに早いの?」驚いたように訊く。

「もう、慣れたわよ」また笑いながら作り始めた。
そのままテーブルに着き何をするわけでもなくただ、母さんの後姿を眺めていた。

「ちょっと・・・暇なら手伝いなさい」困った顔で言う母さん。
「なにを手伝えばいい?」
「向こうでテレビでも見てなさい」
言われるがままにリビングへ向かいテレビを見始めた。と、いってもこの時間帯だ天気予報をただぼんやりと見ていた。

しばらくすると、親父が起きてきた、やはり母さんと同じ反応。「熱でもあるのか?」と定番の言いつけだ、其れに付け加え「今日は雨かもな」
親父もその場でテレビを見始める。

「ご飯の用意が出来たわよ」とキッチンのほうから母さんの声が聞こえる。
親父は耳が遠くなったのか、テレビに集中しているのか気づかない。
「親父、飯の用意出来たって」そういうと、俺の顔を見て無言で立ち上がりテーブルにつく。

母さんが妹の“真奈美を起こしてきて”と俺に言う。
少し拗ねたように口を尖らし二階へ向かう。

真奈美の部屋のドアの前で呼ぶ、返答がないので勝手に入る。

「おい、起きろよ」
布団がもぞもぞ動く。

「今日からだろう、起きないと遅刻するぞ」
真奈美が起きる。俺部屋を出る。

妹といっても一応女性扱いはしなきゃならない、部屋に長く居るのも嫌だっただけだったけど。
下へ降り食べ始める。着替えてきた真奈美も食べ始める。

その頃には親父はもう食事を済ませていて、出掛ける支度をしていた。

頑張るってなんだろうって考えるたびに親父が思い浮かぶ。
家族の為に働いて金を稼いで、生活をまかなっている。もし、この存在が居なかったら今の自分は居ないんだろうなと思った。

月曜日は仕事に行くまでが辛い、俺たち学生もそうだろう。
どこかで聞いた話だと、国民的アニメサザエさんを見ていると明日から仕事なんだって思い知らされるそうだ。サザエさんを見ることによって“日曜日”って事を思い出すのだろう。

「じゃ、行ってくるな」
そういい残し親父は仕事へ向かった。
俺も今日から高校生、気を引き締めたいけど、いつもとなんら変わりない。でも逆にそれでいいのかも。

幼なじみ:同じ名字 

April 07 [Sat], 2007, 23:03
「はぁ・・・4月になったのにまだ寒いな」
高校の入学式を終え、同級生の上村の家で遊びに来ていた。

「ああ、確かに寒いな」
テレビ画面を見ながら答える。

「そういえばさ、入学式のとき御前と同じ名字の奴居たよな」
突然思い出したかのように、睦月に訊く。

「え?そんな奴居たっけ?」
読んでいた雑誌を足元に置き上村の言葉に耳を傾けた。
自分で言うのもなんだが、睦月という名字はそうないと思う。居るのなら一度は見てみたいそう考えていた。

「見てないんなら仕方ないか。確か女だったぞ」
「女ぁ??」
その言葉に反応したのは俺ではなく遅れて部屋に入ってきた孝文だ。

「タカ〜御前興味あんの?」
上村が少しニヤついた顔で部屋のドアの前に立つ孝文に訊いた。
孝文は上村の横に寄り添うように座り、上村の耳に口を近づけ何か言っているようだ。

それを聞いた上村は、躊躇なく俺にすぐに言った。
「なんか、その睦月って女と御前をくっつけたら面白いんじゃね?ってさ」
俺は軽く鼻で笑った。

「でもなぁ、見たって言っても、本人を見たわけじゃないからさ」
その場でその話は流れた。孝文と上村はゲームに夢中。
あまりゲームは得意じゃないせいもあり、興味は全くない。

人の家だというのに勝手に冷蔵庫を開け、ジュースを取り出し飲む。
すると上村も喉が渇いたのか「俺にもくれー」とリビングから顔をキッチンに覗かせた。

それから10分経過し、俺は本を読んでいた。上村達は相変わらずゲーム中。
見かねて言う「御前等よくそんなにゲームして飽きないなぁ、逆に感心するよ」

「んー面白いぞ、やってみろって」
上村が誘うが断る。

孝文の携帯が鳴り出す。
メールらしい、孝文は携帯を開きメールを確認すると「じゃ、俺帰るわ」と言い残し部屋を出た。

上村は相手が居なくなり俺の腕にすがりつく。それを払いのけ、小指を立てて言う。
「なぁ、タカって、コレいんじゃね?」

上村はあまり興味はないらしく「さぁ?」と言ってゲームを始めた。
それから俺も帰ることにした、上村の母親に「あら?帰るの?晩御飯食べていかない?」と呼び止められたが、妙に気まずさがあって、断わり帰った。

帰る途中携帯が鳴る。見知らぬ番号だ・・・。
「はい、もしもし」
「あ、雅人?うちだよ、うちー!わかる?」

見知らぬ番号を出てみると、相手は女性でしかも自分の名前を知ってる、妙な恐ろしさを感じた。

「ごめん、わかんない」苦笑いで答える。
もう、“うちだよ、うちー!”って言われて一瞬の考える余地さえなかった。

「えー!?マジ忘れたの?麻美だよ?」

歩いていた足が“ピタッ”っと止まる。

確認するように訊く。
「え?中2のとき引っ越して行った?」

「そうそうそうそう!憶えているじゃん」

麻美とは幼稚園からの幼なじみだ、話もかみ合わずこれといって気にかけるような相手でもなかった。中学2のときに親の仕事の都合で転校して行った。

ここでまた疑問が生まれた、麻美からなんで掛かってきたか?でわなく、なんで携帯の番号知っているんだ?
「え?でもさ、なんで俺の携帯の番号知ってんの?」

「あのね、家にかけたらお母さんがでたのね、それで聞いたら携帯の番号教えてくれたの」
ああ、そういうことか、と納得していた。

「ねえ、聞いてる?」

疑問が解決されてスッキリして少し上の空だった。
「あ、え?うん聞いているよ、で?」

「で?って・・・相変わらず素っ気ないねぇ」
ため息混じりに麻美が言う。

「用があるから掛けてきたんじゃないん?」

それを聞いてまたため息を一つつき
「もっと友好的になろうよ!同じ名字になったんだからさ!」

そのときは気づかなかったが後からになって気づいた。
麻美との電話を終え、家に帰り着き、玄関のドアを閉めた瞬間思い出した

「あつ!!」
玄関で突っ立ったまま大きな声を出したため慌てて母さんが駆け寄ってきた。
「どうしたの!?急に大きな声出して」
苦笑いをしながら「なにもない」と言い残しその場を後にした。

部屋に入ると状況の整理に入った。
上村が言っていた入学式のときに居た俺と同じ名字の女の子。麻美が電話で“同じ名字”と言った。まさかとは思ったが、麻美だ。
プロフィール
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  • アイコン画像 ニックネーム:アベクン
  • アイコン画像 性別:男性
  • アイコン画像 誕生日:1988年
  • アイコン画像 血液型:A型
  • アイコン画像 職業:小中高生
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ケータイ小説など読んでいて、自分も書きたくなりました。よかったら読んでいってください。
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