選挙の争点 

December 05 [Wed], 2012, 19:11
 「霞ヶ関解散」に補足しよう。野田首相は、解散宣言と同時に、選挙の争点を「消費税、原発、TPP」と言った。なるほど一見どれも重要なことに思える。いや、重要な論点には違いないが、国民にもさまざまな立場があり、必ずしもみんなの声が揃わないものばかりである。福祉の充実のためには消費税アップも仕方ないか、という人は少なくないし、原発は恐ろしくもあるが、代替エネルギーは大丈夫かと慎重な姿勢をとる人も多かろう。TPPに至っては、自分の仕事が何かによって立場も変わるから、一概にこうだと言うことは誰にもできない。現に、12党の主張を見ると、これらのテーマの賛否については、入り乱れていて、どの政党を支持したものかとの悩みの種にさえなっている。
 ちょっと待て、この数年、国民の関心事はこれだけだったか? 何か肝心なことが抜けてないか? あるだろう、それは社会システムの再構築、政治・行政改革、そうではなかったか? 年金問題から火が点いて、3年前に自民から民主に政権交代したはずである。民主党のパフォーマンスだったと言う者もいるが、事業仕分けにあれほど国民の関心が向いたのはなぜだ? 橋下人気の加熱ぶりは、大阪府政の無駄をそぎ落とし、公務員優先の現状を打破しようとしたから、そうではなかったか? ところが、霞ヶ関の「犬(失礼)」である野田首相は、これを争点とせず包み隠し、行政改革から国民の眼を逸らしてしまった。審判を迫られる現与党、現首相からこのように争点を上げられてしまえば、野党は他に論点を叫びにくい。小泉元首相が「郵政改革」のみを論点に勝利した例にならう、なかなか見事な悪知恵である。
 消費税が上がって、本当に福祉が充実するのか、国民の大半は半信半疑であろう。震災復興予算のように、財源が他に無駄遣いされる可能性もきわめて高い。原発にしてもTPPにしても、どちらの道へ進んでも、国民のプラスになる可能性もあれば、マイナスになる可能性もある。単に○×で決められるものではない。国民の血税と生命を守るために何をなすべきか、どれだけ政治・行政の無駄を省いていくか、国民が知りたいのは、政治家の確固たる覚悟であるが、このような争点では何も見えてこないし、選挙結果がどうあれ、霞ヶ関は安泰である。
 
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