姫路城@  2006年3月3日mixiより 

October 18 [Wed], 2006, 19:47
自分は中学校の時に家出癖があった。

理由は違った世界を見てみたいから。今よりもあの頃はものすごく成長思考があった。ポポとの散歩の中でよくそんなことを思っていた。

で今回書くのは中学校2年の今日家出した時のことを書く。

ちょうど7年前の今日、俺は大規模な家出を決行した。行く目的先はなくとりあえず南で。できれば、九州に行きたかった。所持金は15000円一日500円で生活し、それで10日間すごそうと思っていた。後は交通費。




学校が終わり、その日は部活をサボって家に着く。昨日書いた母と姉への置手紙を玄関に置き、自転車に乗り、春日井駅へ。ポポがいつものように俺を見て笑っていた。おれはさよなら振り向きざまそのまま行く。「帰って来る時には何か変わっているから。ポポ、お前には話すから。」

で、春日井駅到着。140円の切符買い、とりあえず名古屋駅に向かう。時刻表から切り取った駅の路線図だけを頼りに俺は三重県の亀山行きに乗る。空は薄暗かった。これから先は見慣れない風景。けど、不安なんかなく期待しかなかった。

亀山駅で俺は突然家に電話した。「奏喜。帰ってきて・・・。」母親の叫びは悲痛だった。でも、俺は後戻りすることができなかった。半年も前からこの日と決めていた。「10日だけ待ってくれよ。俺を信じろよ・・・。」・・・テレフォンカードが無常にも鳴り響く。強制終了。このテレカも母親からもらったんだっけ・・・。

京都市の加茂駅に着く。ここでその日の夕食、メロンパンを一個買った。次の電車まで1時間30分待つ。もう一回電話する。うちらの学年主任西尾もそこにいた。母親はさっきから同じ事を言っていた。今回はこっちから一方的に電話を切った。「理解してくれない。言っても意味がない。」

で、大阪に向かった。みんな関西弁を話している。ネオンが眩しい。大勢の人とそれと同数の黒い影。

ここで俺は遠回りしても長尾駅を通っていった。その駅の近くの墓地には俺の親父がいるから。で、俺の今回の出来事を許してほしかったから。

ここら辺で俺の目的地が決まった。尾道。母親が初めて一人旅をしたところがここだった。後、九州はむりかなー、金銭的にも、時間的にも無理だと思えて。




続きは明日書くがここまで書いて気づいたことは
俺、あの時の出来事一瞬、一瞬全部覚えているような気がする。どんな景色だったか。どんな気持ちでいたかも。

姫路城A  2006年3月4日mixi日記より 

October 21 [Sat], 2006, 23:54
姫路に着く。これが最終電車だったらしい。この先マイナーな駅で降りても何もないと判断した。駅に着いた後、俺はタウンページを見て、カプセルホテルを探す。が、やっぱりやめる。一日500円のノルマを守るため。そうじゃないとこの旅は終わってしまう。

お風呂にはいりたかった。お腹も空いていたがそれよりもお風呂にはいりたかった。体をお湯浸し、無性に普段の生活と同じ事をしたい。けど、それもさっきの理由でやめた。

時間はもう1時ぐらい。町の明かりがほとんどない。ローソンがその日は深夜営業してなくてなかった。その分エジソン生命の看板がやけに明るかった。

少し歩く。誰もいないアーケード街。明かりはついているのだけど、誰もいない。その明かりは人を呼んでいないような明かり。明るいといえば明るいんだけど、暗くみえる。

俺は虫が明かりを求めるようにライトアップされている姫路城へ。間違えた。たぶんその時にはされていなかった。電車から降りるときにとてもきれいに見えたから。黒の中に真っ白に浮かぶ姫路城。たぶんその時の明かりが俺の頭に焼き付いていて。それで・・・。

姫路城のもとへ着く。ベンチが3つあって、俺はその真ん中に寝袋をひいて寝た。背中がゴツゴツしていて痛くて眠れない。おそらく寝付いたの2時半頃。でも眠ったのは30分ぐらい。とても眠れる状態ではない。緊張する。この期に及んで今まで体験したことのない高揚感、達成感。

目は閉じていながらも、耳だけはさえていて、隣の人が歩く音。ここから30メートル先で車がスピンする音。冬の風の音。全の音が俺を陶酔させる。


この時、母親のことをもう一度も考える。どこから湧き出すのかわからないが感謝の念が出てきた。彼女に対して「ありがとう」と。理屈は自分にはわからないが。何度も何度もそう思った。


起きて町を徘徊する。長い陸橋があって、そこには近日中に行われる文化祭のポスターがあった。そこを抜けると、コンビニがあって、そこでまたメロンパンを買った。おそらくこの時の時刻は3時半。人がいた。マガジンを読んでいた

で、また陸橋に戻る。さっきと違ってポスターの能の顔が恐く見える。少し早歩きになる。

いつのまにか、姫路駅にいた。そこで駅が開くまで待つことにした。夜が明けるのがものすごく遅く感じる。交通安全の鯨の標識が闇に不気味に浮かぶ。この空間と鯨のキャラクターの笑みが異様なほどのコントラスト。

駅員さんみたいな人が近づいてきた。俺はその人に何時に駅に開くか聞こうとした。逆にあっちからしゃべりかけてきた。「君何をやっているの?」

連行された。交番に着いた。名前を聞かれる。俺は慌てて竹森の名前をだす。よく遊びに
行った友達の名。こんなところでこの旅を終わらしたくないから。



で今日はここまでにする。
ここまで書いて思ったことは竹森、ワリィな。

姫路城B  2006年3月5日mixiより 

October 23 [Mon], 2006, 21:58
名前を話したら、警察官が3人奥まって話しあった。電話番号も聞かれる。「0568-78・・・」その一人が電話し名前と電話番号を照合している。

「何しにいる?」俺は家出したこと、今は眠れなくてフラついていること、全て正直に答えた。もう一度名前を聞かれる。

ちょうどこの時間帯に俺と同年代の奴が悪さをしていたらしく、それと勘違いされた。そいつは金髪で俺は黒髪。根本から違っていた。

警察官が急に緊張感を解した。「ここは危険だから明日にでも帰りなさい。」

俺は何も考えずにはいと答える。


何かの糸が切れた感じ。今まで自分の中で勝手に張り詰めていた奴。そいつのおかげで今回の旅が実行できたが、いなくなると今の自分のいる場所に何も意味がない。


急に外の黒さが恐くなる。体温が下がる。一度その糸が切れるとどんどん落ちていく。俺は駅が開く時間帯までこの交番にいさせてもらうことにした。が、警察官は見回りのため俺も一緒に外に出なければならない。

さっきと比べて少しだけ明るくなっていた。それだけで結構救われた。

駅が開いた。駅のベンチで座る。福岡から釜山行きの船のポスターを見ていた。俺のほかにこの広い駅の中で3人ぐらい待っている。みんなスーツ姿。ここで30分ぐらい待つ。

やっと改札口が開いた。無意識に名古屋行きの新幹線の切符を買っていた。

ホームで多少待っていたと思うがここでの記憶はない。

新幹線の中へ。席はもちろん始発なので誰も乗っていない。自由席の窓側に座った。空が明るくなり、赤味を帯びてきた。この旅ではじめてみる朝。けど、最後の朝。

動き出した。俺はずっと外の風景を見ようとしていたが、外と違って暖かい。椅子がやわらかい。すぐに睡魔に襲われた。明石海峡大橋を見たらへんで眠りだした。

名古屋駅に着いた。あまりなれてはないと言っても見たことのある風景。変な安堵感。多治見行きの普通に乗る。

春日井駅に着く。その日は春模様。自転車で家まで帰宅する。途中、今度はカレーンパンを買う。

家に着く、その日は特別で家に母親がいた。で、別に何も言わず「お帰」と。




これで俺の旅は終わった。

と同時に、俺の思春期も終わった。




母親は何も言わず、何も聞かず、朝ごはん食べる?的な事を聞いてきた。俺も無性にお腹が減っていたので二つ返事で答えた。

母親は今から仕事に行くと言い、何事もなく家を出た。
家には俺一人。飯を食って、シャワーを浴びて、そのまま寝た。




本当は10日やる予定だった。が、無理だった。
無理という言葉適切ではないか。
1
日で良かった。この旅で変わったことなんて何一つなかった。でもこの旅を振り返ることで俺は成長できる。
違った世界なんかなかった。違った世界は日常の生活の延長。

それを知れただけ十分だった。






母親。あの時の声は今でも鮮明に覚えている。狂叫の中にも俺の事をマジ愛していた。


あのベンチでなぜ俺が彼女に感謝していたのはたぶんそれだと思う。

Midnight 〜プロローグ@〜 

October 24 [Tue], 2006, 0:30
当時僕は小学校6年生だった。授業が終わって、そのまま帰宅して、夕飯を食べている時に電話がかかってきた。僕が受け取ったわけでもない。多分母親だったと思うが、そのまま受け取った後、直ぐにタクシー会社に電話した。

20時20分に家を出た。なぜ覚えているかと言うと、口音として20時20分というのは覚えやすく、当時好きだった番組の途中で俺はシブシブで家を出たから。行く先はもうすでに知っている。が、何も言わされずに車の中に乗った。

タクシーは物凄い勢いで、多分僕が乗ったタクシーの中で一番スピードをだしていた。だから、止まる時にかかるGが強くて俺は軽く目眩を覚えた。

県道155線。いつも見ていたガソリンスタンドのポスター。グラビアアイドルが笑顔をこっちに向ける。
もう何回見たのだろう。愛着というかそのポスターに俺は変な感覚を抱いていた。恋愛に似た。自分でもなんていったらいいのかよくわからない。
いつもこの道を通ると、必ず会う。当時僕は好きな子がいたがそれとは違う感覚。

赤信号から青に変わる。5人がその時だけは同じ動きになる。ドライバーは自分で操作しているから予測できるはずだが、それでも他の4人と同用にシートに身体が着き尽きられる。僕が一番軽かったから、そんなにもあの瞬間を覚えているのだろうか。

黄色い看板を左に曲がる。この道は交通量のわりに道が細い。道脇にきれいな花が咲いている。パンジー。暗闇の中にその黄色は黒という色の対色に見える。本当は白色かもしれない。。

目的地に着いた。小牧市民病院。そこに僕の親父がいた。言い間違えた。当時にとっては僕のパパだ。

Midnight  〜プロローグA〜 

October 26 [Thu], 2006, 13:21
親父は入院していた。今日がガンを申告されてから9日目。僕らは7階に行く。

部屋をあける。日に日に僕が知っている親父とかけ離れてく。透明なタンクの中に大量の血が詰まっていた。タンクと体をつなぐ管。木にツルが巻きついてるように見える。多分そのツルは食虫植物。濃い黒じみた赤と白濁色がまぜってさぁ。

鼻血が止まらなかったから僕らを呼んだ。でも、もう今は止まっている。先に来ている叔母と祖母が連絡をよこしたのだ。もちろん親父は僕らが来たのは知らない。知る事ができない。陶酔状態だから。親父は横たわっているだけ。今何だか、俺の中で「lay」という単語が思い浮かんだ。

親父の鼻の回りに乾燥された血がついていて既に黒ずんで固まっている。見る限り、相当な時間が過ぎている。僕が知っているより断然に白く、やせこけている。だけど、肌質は柔らかった。何でこの人は肌だけきれいなんだろうと疑問に思った。こんな時に。女性みたいな肌質に。


僕は親父を一目するともう部屋からでなさいみたいな事を言われた。それでもさっき見たよりもタンクのメモリが微妙ながら嵩が増えている。いや、実際は鼻血は止まっている状態だったから僕がそう見えたのは嘘になる。



僕は休憩室いた。この日が俺にとって特別な日になるとは全く思っていなかった。

正直、こんな状況でも親父は治るだろうと思っていた。死んでしまうという選択肢は僕の頭の中には存在しなかった。死ぬと言う事はなくなることに想像できないから。

だから、死を直面した時の緊張感というものは僕にはなかった。暗闇の病室で週刊誌を読んで変な興奮を覚えている。で、今度は自転車でここに来てみようかなってそんな事を思っていた。でもそれは無理な事。

僕の周りにある死が全部かき消されていて、この世には生きる事しか残ってない。生と死は連続してあるものなのに、別々のものであるかのように僕に見せるから。

ウトウトしながら3時間ぐらいソファーで転寝をしていたら、誰かが僕の頬を叩いた。
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