「介護職員基礎研修ルート」は白紙撤回か? 

October 19 [Fri], 2007, 17:09
「介護職員基礎研修ルート」は白紙撤回か?






「介護職員基礎研修を修了しているものは、あらかじめ理論的体系的に必要な知識及び技能を修得した上で、介護等の業務に関する実務経験を経ることになるものであることから、2年以上の実務経験を経た場合に、(介護福祉士の)国家試験の受験資格を付与する仕組みとするべきである」

これは、介護福祉士取得制度見直しなどについて検討を重ねてきた、厚生労働省社会保障審議会福祉部会がまとめた意見書に書かれていた一文です。2006年12月に発表されました。これまでの「養成施設ルート(=2年以上の養成施設卒業)」「実務経験ルート(=無資格者、ヘルパー修了者で実務経験3年以上)」「福祉系高校ルート」に加えて、新たに「介護職員基礎研修ルート」を設ける案が提示されていました。

介護職員基礎研修は前述の通り、現時点では、受講者本人の意欲以外、受講を促すような目に見える受講メリットがありません。ヘルパー修了者では3年以上必要な実務経験が2年以上ですむという、この介護福祉士国家試験取得の新たなルートだけが、言わば、介護職員基礎研修受講を促す力となるメリットのはずでした。

ところが、2007年3月、国会に上程された「社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律案」には、この「介護職員基礎研修ルート」は盛り込まれませんでした。これまでの厚生労働省への取材では、「決定ではないが、その方向で検討が進んでいる」という話だったので、本当に驚きました。


外部の研修で学びましたか?  

October 19 [Fri], 2007, 17:06
外部の研修で学びましたか? 





現職の方、こうした新しい介護理念はどうやって学んでいますか? 
職場で研修を受けましたか? 


なかなか学ぶチャンスがない、というかたが多いのではないでしょうか。介護の現場にいると、意識して自分から求めていかないと、日々の仕事に追われて新しい情報を手に入れる機会がとても少なくなってしまうものです。

そこで、この介護職員基礎研修です。
この研修には、「2015年の高齢者介護」をもとにした新しい介護理念が盛り込まれています。研修を受講することで、新しい知識が身につく。新しい情報が得られる。より高度な介護技術が身につく。そして、「介護職員基礎研修修了」という、ホームヘルパー2級修了の上位資格を得ることもできる。

これが私の感じた受講意義です。

本当なら、もう一つ大きな受講意義をお伝えできるはずでした。
それは、介護職員基礎研修修了者の介護福祉士国家試験受験への新しいルート。ところが、この「介護職員基礎研修ルート」については、風向きが大きく変わってきたのです

自分レベルアップのために 

October 19 [Fri], 2007, 17:04
自分レベルアップのために






私が感じた受講する意義、それは自分自身のレベルアップのため。私は研修事業者の話を聞いていて、そう強く感じました。

介護技術、介護理念は日進月歩で進化しています。たとえば認知症介護ではバリデーションといった新しい認知症介護の手法も広まりつつあります。あるいは、自立支援という考え方、高齢者虐待防止の取り組み、ICF(国際機能分類)に基づいて障害をとらえたアセスメントなど、数年前とは大きく変わってきています。

こうした新しい介護理念は2003年に発表された「2015年の高齢者介護」という報告書に基づき、2006年4月の介護保険改正の際も盛り込まれました。介護を進化させていき、団塊の世代が全員65歳以上に達する2015年までに新しい介護を定着させたい。そういう意図でこの報告書は作られ、その考えに基づいて介護保険も改正されたわけです。
自分の意見をはっきり持っている団塊の世代が要介護者になるころには、確実により質の高い介護が求められるようになります。そして、その質の高い介護を提供していくためには新しい知識、技術を身につけていくことが不可欠だと思います。

介護職員基礎研修、スタートはしたものの…… 

October 19 [Fri], 2007, 17:04
介護職員基礎研修、スタートはしたものの……







しかしこのホームヘルパー2級研修では介護職の導入教育が不十分だということで、厚生労働省は、フルに受講すると500時間にも及ぶ介護職員基礎研修を新しい導入研修として2006年度からスタートさせました。全国的に最も早い研修スタートは2007年2月だったと思います。

厚生労働省としては、いずれはホームヘルパーの研修は廃止して介護職員基礎研修を介護職の入門研修とし、さらには介護職=国家資格の介護福祉士としていく考え。そのため、介護職として働くなら、まず介護職員基礎研修を受講してもらう体制を整えようとしています。

今回、複数の研修事業者に取材をして感じたのは、多くの事業者は新しく始まったこの研修を「新しい情報、知識、技術を盛り込んだ研修」「受講者にとって有意義な研修」にしていきたいという真摯な思いで、取り組んでいるということ。この新しい研修を充実した、質の高いものにすることで、多くの介護職に受講意義を訴えていきたいという意欲にあふれていました。

しかし、この介護職員基礎研修、現時点では受講しても、修了者のサービス提供に介護報酬の加算が付くなどといった目に見えるメリットがありません。そのため、介護職本人も介護事業者も今ひとつ反応が鈍く、受講申し込みが伸び悩む事態にどの研修事業者も頭を悩ませています。

私自身、介護職員基礎研修の導入が決まった時点では、厚生労働省が訴える介護職のレベルアップの必要性には共感するものの、なぜ働く側に大きな負担を強いるこのようなボリュームのある研修を受講させようというのか、納得がいきませんでした。受講生にとって何らかの目に見えるメリットがなくては、積極的に受講しようという人がそう多くないことも予想されました。


介護職員基礎研修、早く受講すべき? 

October 19 [Fri], 2007, 17:02
介護職員基礎研修、早く受講すべき?








神奈川県で、介護職員基礎研修がいよいよ始まりました。どんな研修内容なのか。早く受けるべきか静観すべきか。研修事業者への取材を通して得た情報をもとに考えてみました。