放射能ってなあに?
2011.03.17 [Thu] 17:55

皆さん、「放射能 放射能」といいながらただ怯えてるだけで実態を知らないんじゃないですか?
未知のものにただビビってるだけじゃ、本当の対策も立てられなくね???

「放射能」って一般に言われてるものの、何がやばくてどうすりゃいいのかを書いてみました。長文です。



<放射性物質・放射線ってなに?>

今一般に言われている「放射能」ってのは「放射性物質」と「放射線」を総称したものだと思います。

何が違うのか?「放射性物質」はいわば電球、「放射線」は電球から出る光です。

放射線というのはものすごーーーーーく波長の短い波である、っていうのは多分どっかでみんな
習ってるとは思います。光とおなじようなもんです。波長が短いということは分子と分子の間をすり抜けて、物を透過しやすい。この性質を使ってるのがレントゲン写真やCTスキャンです。

同時に波長が短い=エネルギーが強いので、透過せずに細胞にあたるとさまざまな影響があります。

じゃあ放射性物質とは?電球、つまり放射線を供給し続ける「光源」です。
こいつは放射線を出すたびにちょっとずつ壊れていきます。その壊れやすさを「放射線を出す力が半分になるまでの時間」とし、その物質の壊れやすさの指標とします。これを「半減期」といいます。
物質の種類によって壊れやすさは様々です。短いものでは数秒、長いものでは数十億年にもおよびます。


<被曝って何?>
放射線を身体に浴びれば、それがたいしたことない線量でも「被曝」と呼びます。
ちなみに俺は毎週患者さんのレントゲンを撮るたび被曝してますよw まったく元気だけどw


<放射線でなんで死ぬの?>
まず放射線がヒトに当たるとヒットした細胞のDNAが壊れます。
DNAが壊れるとひとの細胞はそれを修復しようとします。しかし修復できないほど壊れたものに関しては細胞の自爆装置が働いて細胞が自殺します。これをアポトーシスといいます。

一度に大量の強い放射線を浴びると一度にたくさんの細胞が修復できないほど壊され、その細胞たちが次々に自殺していきます。それが全身で起こったら・・・当然死に至ります。

また、死に至らないほどの強さの放射線であっても、造血系の組織で大量のアポトーシスが起これば血球数の減少に至ります。大量に目に浴びたら失明だってするでしょう。エネルギーが強い=当たれば熱エネルギーにも変換されるってことを考えれば火傷にもなるでしょうね。

線量が強ければ強いほど死ぬ細胞は増えて死に至る。
でも薬の致死量とイメージは近いのですが、ある一定の強さの線量を超えないと「死」という現象は起きません。


<なんで癌になるの?>
癌というのは細胞の遺伝子変異による無限増殖状態、というのが主な病態です。
放射線による遺伝子のダメージにおかしな修復が行われると癌になります。
「おかしな修復を認識して細胞を自殺に持ってく機能」というのも細胞は持ち合わせていますが、
その機能すら放射線によって壊れてしまうことがあるのです。
ただそういったおかしな細胞は基本的には人間に免役によって排除されますが、数が増えると
免疫系の気付かない細胞が残ってしまう確率が増える、これが増えて癌になります。

癌になる確率は上がるけど、癌に必ずなるとは限らない。
必ず癌になるのではなく高線量であればあるほど比例的に「確率が上がる」のです。


<なんで奇形発生率が上がるの?>
生殖細胞である卵および精子に変異が起きてしまう場合がまずひとつにあげられます。
また細胞分裂期に特定して遺伝子の変異は起きます。もともと親の遺伝子に変異ができる可能性がある、そして受精卵や胎児が放射線を浴びた場合、分裂の活発な受精卵および胎児ではかなり高い確率で遺伝子変異が起きる可能性が高い。

<子供が危ないってどうして?>
放射線によるDNA変異は細胞分裂時に現れます。
子供って成長してますよね?成長してる、つまり細胞分裂はすごく活発です。
確率が上がります。同時に年寄より若い人のが影響が出やすいといわれているのもこのためです。放射線感受性が高い、ってやつです。


<放射性物質飛んでたってちょっとなら平気じゃね?>
吸い込んだ場合、物質がくっついた粘膜にある上皮細胞がその放射性物質から出る放射線にダイレクトに曝露されることになります。局所的な影響がおおきくなり、確率的影響が劇的に上がります。
またヨウ素の放射性同位体などはニュースでもご存じのとおり甲状腺に集積します。腺組織、免疫系組織は非常に影響を受けやすいです。

先ほども書きましたが若い人・子供は特に。
ジジィババァがマスクにメガネは意味がないかもですが、特に小さいお子さんのいる家庭では家の中に放射性物質を入れない努力は最大限にしてください。

飛んでないに等しい濃度(通常濃度の3ケタオーダー以内ぐらい?)ならぶっちゃけ成人ならいらないでしょう。


<放射性物質壊す方法ないの?>
残念ながら放射線をだしきって壊れるのを待つしかありません。
原子炉を止められないのと同じで、核分裂・核融合の類は人間が完全に「止める」ことができないのです。
先ほど上にも書いた半減期ですが、核反応の副産物のヨウ素であれば半減期は8日程度、セシウムは30年程度といわれてます。


<じゃあ俺らどうすりゃいいの?>

【今後高線量の放射線が検出された場合の対策】
以下、15日のように原発付近で400mSvなんちゅう高線量の検出が現地で発表された場合の
対処法。放射性物質が大気に飛散してることを前提にした防御方法です。

・できるだけ外出は控えてください。
・どうしても外出する場合防止・メガネ・マスク着用。
・外出先から帰宅したら上着は玄関で脱いでつるし、ビニール袋をつるしてる上からかぶせる。
・履いていたズボンも玄関で脱ぎましょう。そのままビニール袋へ。
・帽子靴メガネを取り帽子とはビニール袋へ、メガネはよく拭いてください。
 拭いたティッシュはビニールに入れて捨てましょう。
・最後にマスクを外しビニールに入れて捨て、顔を濡れティッシュ等で拭って
 それもビニール袋に入れてポイ。ビニールの口はきつく縛ってね
・すぐシャワー浴びるのがいい

家の中に放射性物質をできるだけ入れないようにするのがポイント。

TVでもさんざん報道されてこの対処法が過熱気味だってこと、さっきツイッターとか読んでて
知りました。ただ、高線量の飛散が確認された場合は絶対にやってください。
これは正しい対処法です。ただ発動するタイミングはみんな考えてねw


【低線量の場合】
放射性物質が飛散してる事実がある以上、お子さんおよび若い人のマスクの着用は
個人的には必須だと思ってます。放射線感受性が極端に高いですから。

今後出産を考えている方でこの話読んで心配になった方いらっしゃるかと思いますが、直接に生殖器である卵巣睾丸まで放射性物質が到達することは、性器を露出して歩かない限り考えにくいのでw、基本大丈夫だと思っていいでしょう。
妊産婦さんに関して、詳しくはhttp://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110316.pdf参照。

高齢者は3/17現在の都内の状態ならマスクイラネ。細胞分裂活発じゃないからまず大丈夫。

長くなりましたが、こうやってざっくりでも原理を知ってて考えると、今何が重要で何が重要でないかはおのずと見えて来る気がします。

特にお子さんの放射線感受性はあんま報道されてないようですが、親御さん注意なさってください。過剰に心配する必要はないですが、できる限りのケアをしてあげてください。

以上、自分なりに分かりやすく書いたつもりです。