アリス・イン・ワンダーラン智子ド』

December 11 [Sun], 2016, 16:37
この映画には無数の夢が詰まっている. たった14分の世界に無限の夢が詰まっている. 世界初のSF映画として、映画史を語るうえでは絶対に外せない、娯楽映画の父であり世界初の職業映画監督でもあるジョルジュ・メリエスの代表作. 「始まりの中の始まり」と言われるこの映画は、映画ファンなら必見の一本でしょう. 『ヒューゴの不思議な発明』にジョルジュ・メリエスが登場していると聞いて改めてこの偉大なる監督のことを調べてみましたが、この方は元々マジシャンであり劇場経営者だったとか. そんな彼が映画を発明したリュミエール兄弟に刺激を受けて映画製作に乗り出したのが1895年. そしてその7年後の1902年にこの世界初のSF映画を完成させているんですよね. そもそも1902年といえば、日本では明治時代. 八甲田雪中行軍遭難事件が起きた年. そんな時代にストップモーションやフェードアウト・フェードインといった映像編集などを駆使して観客にこんな凄い映画を見せていたとは、いやはや驚きです. 特に驚いたのはこの映画が舞台の面白さと映画の面白さを兼ね備えているところ. 例えば月に到着した直後に地平線から上がってくる地球を眺めるくだりはセットを動かす舞台ならではの、月人を倒すと煙を出して粉々になるくだりは編集を駆使した映画ならではの面白さ. これらが終始定点カメラで見せられているとはいえ、見事なアンサンブルを奏でているのが素晴らしいこと. とはいえ、宇宙へ行くことが夢のまた夢だった時代に作られた映画ですから、お話はシンプルなんですけど荒唐無稽なものばかり. 要は天文学者たちが巨大な大砲で打ち出された砲弾型宇宙船に乗り込んで月に旅行に行くだけなんですが、月には傘を巨大キノコに変えてしまうジャングルや月人の王国が存在したり、また月の崖から砲弾型宇宙船を引っ張り落として脱出すると地球の海に着水し無事に帰還できたりと、1902年という時代だからこその無数の夢がこの映画には詰まっているんですよね. 映画ファンなら誰しもが一度は目にしたことのある、人面模様の月に砲弾が刺さったあの映像. それがこの映画の未来が詰めこまれた世界初のSF映画. 映画は観客に夢を与える偉大な娯楽であるという原点を改めて実感できる偉大な名作でした. 深夜らじお@の映画館 は月王国にムダにバック転をする月人がいるシーンが好きです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう. 戦う二宮クンが格好いい! ただそれだけの映画でした. 既視感だらけのアクションに葛藤のない人間ドラマ、何一つ謎が解かれていない世界観に、先の読めなかったアクションから一転落ち着くところに落ち着いただけの原作とは異なるラスト. 本当に 前編 と同じく、二宮和也という俳優の魅力とアクションしか見所のない映画でしたよ. 死んだはずの加藤が実は生きていた!?山田孝之演じる重田はいったい何者!?という 前編 のラストで味わった気持ちの昂ぶりをあっさりと黒服星人が偽加藤で、重田は記者ではなく警察関係者ですねんと見せてしまうこの映画. しかも玄野が100点を取って加藤を生き返らせるのかと思いきや、いつの間にか100点に到達していた鈴木が加藤を生き返らせてしまうわ、玄野は玄野で生き返らせた小生意気な西丈一郎から大した情報も得れてないわと、何か 前編 以上に脚本にパンチが効いてないなと思える展開ばかり. ただそんな中でも地下鉄で無差別に殺戮を行う黒服星人とGANTZ卒業生たちの戦いはかなり面白かったです. 映像的には 『スパイダーマン2』 のように狭い空間でも飛び跳ねたり、 『マトリックス』 のような近接戦闘を繰り広げたり、 『キル・ビル』 を早送りしたような日本刀での戦いだったりするのですが、休む暇を与えないアクションシーンとこの時点ではまだ先の読めない展開に加え、小島多恵を守るために走る地下鉄に舞い戻った玄野を演じる二宮クンの格好良さに結構興奮するんですよね. その後の玄野と生き返った加藤が偽加藤と戦うシーンも『リーサル・ウェポン4』をどこか意識してませんか? な感じでしたが、ここでも一人二役演じる小雪's旦那よりも二宮クンの方が格好良く見えるんですよね. 多分玄野の小島多恵を想う優しさと彼女を守ろうとする強さが二宮クンのヴィジュアルと巧くリンクしたからなんでしょうけど、 前編 とはまた違った二宮クンの魅力を感じましたよ. てな訳で黒服星人の言っていた「復讐」って結局何でしたん? とか、人間の玄野がGANTZの身代わりって安易な落し所を選んだねとか、さらにみんな生き返るって都合のいいラストやわとか、なのに玄野がみんなから忘れ去られるってそれでいいの? とか、本当に希薄すぎて小島多恵を狙うGANTZ卒業生を通して人間の汚さも描かれていなかったねな脚本でした. 特に個人的には期待していた豊満なところ要員の夏菜さん演じる岸本恵の出番もあれだけって、サービス精神まで希薄なんかい! 深夜らじお@の映画館 はこの内容では満足しきれないので出来れば第3弾を期待したいです. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう. 猿の惑星』よりも酷い. 映像以外にティム・バートンのヲタク魂が全く感じられない. ゴールデンラズベリー賞級の脚本の酷さに3D映画ブームの恐ろしささえ感じる. そんな映画でした. 正直こんな映画を作っているようではディズニーのお先は完全に真っ暗ですよ. この映画のことを知った時から疑問だったのはディズニーとディズニーの元アニメーターだったティム・バートン監督がタッグを組んでいるということ. そもそもティム・バートン自身がディズニーでは自分が思うような映像を撮らせてもらえないという理由で出て行ったはずなのに、なぜ今になってタッグを組むのか. これは映画ファンとしては大きな疑問だったんですよね. そんな疑問を解決すべく映画を見ましたが、まぁOPから全くティム・バートンらしからぬ、中途半端なダークファンタジーっぽい世界観. しかも行き当たりばったりという言葉が似合うような酷い脚本に全くどのキャラにも感情移入どころか、魅力さえ感じないんですよね. 特にジョニー・デップ演じるマッド・ハッターが全く狂っていないのは非常にがっかりで、ティム・バートン作品でジョニー・デップに魅力がないなんて初めてだっただけに、いったいこうなる原因は何か? と考えると、ふと気になったのがハッターたちが次々と赤の女王に捕まるというくだり. というのも、このいろんなキャラが次々と悪王に捕まるくだり、どこか見たことありませんか? そうです. ディズニーにとって憎き存在である、あの 『シュレック』 でディズニーキャラたちが捕まるくだりです. ここからは個人的な裏読みになりますが、恐らくディズニーは第1回アカデミーアニメ作品賞を憎き 『シュレック』 に奪われて以降、このディズニー史上最大の汚点を 『シュレック』 と同じような世界観を持ち、子供にも好かれるダークファンタジー映画という土俵で晴らす機会を探していたはず. でもアニメという分野でドリームワークスに対抗するのは露骨すぎますし、老舗大手としてのプライドもあります. そこで実写映画でならとなった時に白羽の矢が当たったのが元仲間でダークファンタジー映像に精通しているティム・バートンだったのでしょう. しかしディズニーといえば制約の多いことで知られるスタジオ. もちろんティム・バートンであっても全て好き勝手させる訳にもいかないということで、脚本以外は好きにやっていい、もしくはヲタクであるティム・バートンに何か映像分野でのエサをぶら下げて脚本から手を引かせるという交渉でもしたのでしょう. 今回の脚本にティム・バートンが参加していないのも、これなら納得できます. またファミリー向けを意識する、3Dという流行に乗るというディズニーの思惑もティム・バートン流の映画作りをジャマする要因となったのではないかと思うのですよね. だって通常のティム・バートン作品ならこの手の題材は上映時間が2時間半くらいの大作になるはずですし、また3D作品にする必要もない内容なのにわざわざ3D映像にするのも全く腑に落ちないんですもん. ですからティム・バートンもたくさんの制約の中で自分の色を最大限出すためにジョニー・デップやヘレナ・ボトム・カーター以外に、ダニー・エルフマン、クリストファー・リー、そしてアラン・リックマンといった「ティム・バートン組」と言われても過言ではない仲間を招集したのでしょう. てな訳で奇しくもディズニーを追い出されたドリームワークスのジェフリー・カッツェンバーグが3D映画に対する「脚本の質」について言及していた矢先に日本でこの映画が公開されたことも何か悪縁を感じましたが、果たしてこの先ディズニーは再び迷走を始めるのでしょうか. 『パイレーツ・オブ・カリビアン4』も心配になってきました. 深夜らじお@の映画館 はディズニー映画にはより一層の注意を払って見ています.