開院 

2008年08月28日(木) 19時07分
ようやく・・・

長い道のりでしたが、私もようやく自分の理想の獣医療を目指して開院することとになりました。2ヵ月後にオープンの予定です。
獣医療のスペシャリストとして治すのは当たり前の時代!
私はやさしい動物病院を育てて生きたいと思います。

猫のリンパ腫A 

2008年06月01日(日) 18時48分
そのA 腎リンパ腫
猫の腎臓にできるリンパ腫だ。臨床症状は慢性腎不全と非常に良く似ていたが、触診により腎臓が大きくなっていることが認められた。エコーで確認すると腎臓の構造もいびつである。診断は麻酔下での穿刺吸引で行った。
腎リンパ腫は抗がん剤への反応は乏しいという記載も見られたが、本症例は運良くよく効いたと思う。症状、検査値ともに正常化し非常に良好な生活を送っている。友人に聞いても意見は分かれた。腎リンパは治療に反応すると言う意見もあれば乏しいという意見もある。ともあれ、効いたことはうれしいし、可能性のある治療として今後も選択肢の一つとしたい。

猫のリンパ腫@ 

2008年06月01日(日) 16時29分
猫にも犬にもリンパ腫という病気がある。もちろん人にもある。私の幼少時代を笑い一杯にしてくれたいかりや長介さんも確かこの病気であったと記憶している。私が獣医臨床の現場で初めて抗がん剤を使用したのもこのリンパ腫であった。猫の腫瘍のうち約30%を占めており腫瘍の中では一番発生が多いといえる。猫では抹消のリンパ節症としての発生は稀で、大体の場合は内臓を巻き込んでいる。そのため発生部位により様々な症状が出ることが印象的である。

その@ 前縦隔リンパ腫
 前縦隔リンパ腫とういのがある。心臓の2〜3cm頭側に発生するリンパ腫だ。Felv陽性の若い猫に多い。
「呼吸が速い」、「食欲がない」「うずくまっている」などの訴えで来院することが多い。
多くのケースで胸水を貯留していて心音や肺音が聴診しづらい。X線検査では胸部が真っ白なこともよくある。エコーで腫瘍を確認し、胸水の検査で腫瘍細胞を確認することで診断する。
私がこの病気に遭遇した場合は、呼吸状態を改善するために胸水を抜くとともに、抗がん剤治療の開始することを提案する。決して未来の明るい病気ではないが、抗がん剤には比較的反応する。私の経験上、抗がん剤治療を行うことで「ご飯を食べるようになった」、「ソファーに飛び乗った」など一時的とはいえ飼い主に元気な姿を披露してくれることが多いと感じている。
 「もう一度元気な姿をみたい」というのはどの飼い主さんも思うことだと思う。残念ながらこの病気が見つかった時点で、その猫の残り時間は短いといえる。しかし、短い時間を猫も飼い主も密度濃く過ごすには抗がん治療が力を発揮すると私は感じている。

いぼ 

2008年05月29日(木) 17時26分
私は足の裏にイボができやすい。イボの治療は6箇所目だが、全て足の裏にできている。皮膚科の先生の話ではウイルスによるものらしい。治療はいつも液体窒素で行うが、3回で治ったこともあれば20回近くも通ったこともある。イボの大きさと液体窒素の塗布の仕方によると思える。できれば早く治したいし、私は痛みに対して鈍感なほうなので思い切って塗ってもらっている。
さて、動物にももちろんイボはある。ただし、便宜上「イボ」という言葉を用いるが病理検査の結果を診ると良性腫瘍や過形成と帰ってくる。皮脂腺腫や皮脂腺過形成という結果が一番多いが、アポクリン腺腫や毛母腫、上皮ポリープなどの診断結果もあった。本当に様々だ。
私はこれらの出来物は手術やレーザーによって取り除くようにしている。
話によると、どうやら私のイボもレーザーで取り除くこともできるらしい。万が一またできる事があったら、今度はレーザー治療に挑戦してみようかと思う。

獣医療 

2008年05月28日(水) 22時01分
尊敬する獣医師でもある友人と食事をした。やはり話は獣医療におよぶ。年々ニーズが高度化する中、それでも全分野を網羅するのが獣医療の主流だが、年数を重ねるとやはりそれぞれ得意分野ができてくる。かといって専門医ではない。やっぱり獣医師は何でも診れるように努力はすべきだと考えている。「何でも診るが得意なのはコレだ。」という形が、これからの獣医師のあり方なんじゃないか。私も自分の仕事内容にだいぶ自分のカラーがでる年齢になってきた。今後は自分の治せる病気をより正確に診断し、より早く治すことに力を入れようかと考える良い機会になった。尊敬できる獣医師に出会えた私は獣医師として幸運だと思う。良い食事会だった。

避妊手術A 

2008年05月26日(月) 17時34分
避妊手術は日常的に行う手術である。1日に数件行う日も珍しくない。手術方法は大きく分けて2種類あり、卵巣子宮摘出術および卵巣摘出術だ。誤った繁殖を防ぐという観点にたてば、確実な卵巣摘出術によって目的は達成される。繁殖の専門家の先生によれば卵巣がなければ子宮疾患も心配ないらしい。しかし、現実的には卵巣摘出後の子宮疾患の報告はある。まとめると下記のように言えるのではないか。

卵巣摘出術 
 良いところ:傷口が小さい。
        手術時間が短い。

 悪いところ:子宮疾患の可能性が残る。

卵巣子宮摘出術 
 良いところ:卵巣および子宮疾患の予防になる。
          
 悪いところ:手術時間が長くなる。
        傷口が卵巣摘出に比べると大きい。

どちらの手術がベターかというのは議論の必要なところであるが、私は卵巣子宮摘出術を推奨している。ごく僅かであるとしても、現実として避妊後の子宮疾患があるからである。9割近くは卵巣細胞の取り残しが原因となっている。私が想像するに獣医師がいい加減な手術をしているとは考えにくい。みんな細心の注意をはらって、確実に卵巣を摘出していることを確認して手術を終了していると思う。それにもかかわらず卵巣細胞の取り残しの事故が発生しているのだ。つまり私がどんなに細心の注意を払って丁寧な手術を行ったとしても、取り残しを完全に否定することはできないと考えている。さらに考えると、残り1割は取り残しが原因でない子宮疾患があるということだと言える。これらの理由から私はいわゆる全摘出がよいと思っている。   


本日行った猫の避妊手術で取り出した卵巣および子宮である。右の一枚は室内飼育のため意義のない発情を繰り返し左側の卵巣だけ過剰な排卵跡が見られ、右側は萎縮している。子宮も通常の3倍程度に肥大している。下の一枚の写真ではソーセージのように子宮水腫を起こしている。蓄膿してなかっただけまだ良かったが、こういう動物たちを見るにつけて、早めに手術を受けさせたほうがいいんじゃないかと感じてしまう。


      

我が家のハイブリッドドッグ 

2008年05月23日(金) 22時55分
 我が家には犬もいる。名前は「たぬ」という。拾った当初、なんとなくタヌキっぽかったのでこう呼び始めた。実に愛嬌があり、よく懐き、それでいてマイペースでかわいい存在だ。
 何年前になるだろうか・・・茨城県のとある町を車で走っていた。確か獣医学セミナー会場への途中だったと記憶している。ギリギリまで診療を行ってからの出発だったが、まあ遅刻することはあるまいと思っていた。しかし、少し走って大通りへ出ると、今まで見たこともないような大渋滞。こんな片田舎でどうしたんだ??工事か??なんて思いながらトロトロ運転を続けていると、やっと到達した渋滞の先頭に一匹の仔犬だ。「これが原因か」と、助手席に座っていた私はすぐさま車を降り、さらうようにその仔犬を拾って車に戻った。さてどうしよう・・・と思いはしたが仕方がない。拾っしまったものは後戻りできない。念のため保健所や警察、動物指導センターなどに問い合わせたが、捜索願などは出ていなかった。そんな縁でうちで飼うことにした。「たぬ誕生」
 よく「どんな犬なの?」ときかれる。これはとても回答に苦労する。明らかに雑種なのだがいわゆる雑種のイメージではない。写真の感じだ。テリア系の雑種かな?という見た目もしているが、そんな証拠はどこにもなければ、誰がそんな交配をするだろうかとも思う。実際よくわからない。考えてもしょうがないことだからハイブリッドドッグと答えることにしよう。当たらずとも遠からずだろう。いい単語を見つけた。

猫アレルギーの皆さん 

2008年05月22日(木) 23時16分
実用化が待ちどおしい 
 公私共に動物だらけの生活をおくっている私の周りでさえ、猫アレルギーの方は意外と沢山いると感じる。家族にもいるし、同僚にもいる。彼らは猫の患者を扱う時にはマスクを欠かさない。「猫飼いたいんだけど家族にアレルギーがあって・・・」なんて言葉もしょっちゅう耳にしている。そんな猫好きの皆様には朗報となる知らせがあった。

APFBB Newsによると 「【1月5日 AFP】ネコアレルギーに対するワクチンを開発中のスイスの科学者らが「敵の敵は友」の格言を生かし、ネコのライバルであるネズミを使った試験に成功した。」と。
 Swiss asthma and allergies research institute(SIAF)(スイス喘息・アレルギー研究所とでも訳すのだろうか?)の研究チームは、タンパク分子に基づいたネコアレルギーのワクチンをまずマウスに投与して成功した。新ワクチンは現在の天然抽出物を使用した治療法より100倍以上も効果的だと述べた。らしい。

 猫のすばらしさを1人でも多くの人に実感してもらうためにも、本当に実用化が楽しみだ。 

避妊・去勢手術について 

2008年05月22日(木) 17時12分
ライフスタイルに合わせて入念に検討
 毎日のように様々な病気や怪我の動物に出会う我々だが、実は健康な動物にも毎日出会っている。予防医療や健康診断である。健康な動物と触れ合うことは、緊迫した診療業務の中で一時の清涼剤のような感じもする。しかし決して侮っているわけではない。動物の健康な生涯のため、いまや予防医療は欠かせないものとなっている。今回はそのうちの避妊・去勢手術について述べたいと思う。
 なぜ避妊や去勢が予防医療?とお思いの方もいるかもしれないが、これらの手術は繁殖の防止だけでなく、様々な病気の予防になることから予防医療の一環として早期に行われることが主流になりつつある。
 しかし、これらの手術に際して「やった方がいいですか?」という質問を受ける機会は少なくない。健康な体にメスを入れるわけであるから本当に必要かどうか迷ってしまうしまうのも当然だ。これに関しては私も決まった答えを提示できない。やはり、メリットとデメリットがある。これらを踏まえたうえで、飼育目的やライフスタイル、飼い主さんの方針を考慮して決めるのが良いだろう。
避妊・去勢手術の目的は
望まない妊娠の防止
ホルモン関連性問題行動の抑制
ホルモン関連性疾患の予防

具体的には発情出血やマーキング、逃避癖、あるいは乳腺腫瘍や子宮疾患、精巣腫瘍、肛門周囲腺腫などが予防できるのである。もちろん手術の時期やその個体によって効果に差は見られるが、乳腺腫瘍の予防などは明白にその効果が立証されている。

避妊・去勢手術のデメリットは
手術や麻酔のリスク
縫合糸などに対するアレルギー
術後の肥満傾向
子孫がつくれない

手術である以上、全てメリットだけではないのが事実だ。これらの手術の特徴と飼い主さんの思い描く飼育スタイルを考慮して手術を決断するのが最善と考えている。

うちの猫は3本足 

2008年05月21日(水) 15時06分
 我が家にいる3匹の猫のうち一匹は3本足だ。前足を一本断脚手術で失っている。前脚の腐りかけた仔猫をあるおばさんが病院に投げ込んでいったのだ。その場を見たわけではないが、スタッフの話によると文字通り「投げ込まれた」らしい。いまだに動物に対してそんな心無いことをする人がいると驚くかもしれないが、私もその当時は驚きとともにかなりの憤りを感じた。今となってはカワイイ猫が手に入ったんだからいいじゃないかと思えるようになったが・・・。
 今まで事故や癌などで数々の断脚手術を行ってきた。しかし、自分のペットを断脚したのは初めてだ。(正確には断脚後、我が家に貰い受けることとなったのだが・・)。獣医学上正しいと判断して手術に踏み切るのだが、ひとりの飼い主としては手を失った愛猫を見ると涙ぐんでしまう。
 ほかの猫達以上に俊敏で元気一杯なだけに今のところ何の心配もないが、疲れるんではないかと思い残った腕の周りの筋肉をマッサージしている。ほかの猫や犬はえこひいきだと感じていることだろう。
 
私が断脚を判断するときは以下のケースだ。
脚に癌ができてしまい断脚による摘出を行わなければ転移により寿命を縮めてしまう。
麻痺した脚が邪魔になって日常の歩行などの妨げになる。
・麻痺した脚に繰り返し擦り傷などを作ってしまい、傷口から感染を繰り返してしまう。
・交通事故などによる修復不可能な骨折
 
 これらを断脚を考える上での基準としているが、臨床の現場では飼い主さんの気持ちや方針が最も大切となる。脚を一本失うというのはやはり大きなことだ。
 前述したが、うちの猫は幸い元気である。走るのもキャットタワーに登るのもほかの猫には負けない。グルーミングも上手にやっている。ただ、少しは心配事もある。このコも将来何らかの病気になったりもするだろう。その時に脚が3本では点滴治療をできる期間が4分の3になってしまうなあ。この心配が取越し苦労になってくれればと願ってやまない。
プロフィール
  • プロフィール画像
  • アイコン画像 ニックネーム:ねこまる先生
  • アイコン画像 職業:専門職
  • アイコン画像 趣味:
    ・テレビ-海外ドラマ、お笑い
    ・ペット-犬、猫、フェレット
    ・語学-英会話
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