喫茶とまり木 営業中!

March 06 [Wed], 2013, 6:03
前作「げーむ部!」でファンになったかたせなの。
前作の傾向のままヲタク路線の主人公(前作は主人公とその相方のメインヒロインはアニメヲタクで同人イラストの作成に精魂を傾けている)が出てきて、今回はメイド喫茶。

高校生の主人公鳴海聡一は、(彼曰く)最高のメイド喫茶「ラディアノ」で働くことを目標に、他のメイド喫茶で1年間バイトして修業を積むもその店が潰れてしまい、どうしようかと町を歩いているうちに、喫茶店の前で開店準備をする「いかにもメイド服が似合いそうな」美人店長を見かけ、彼女(鷹原つぐみ)「一目萌え」した彼は早速そこでバイトをすることになる。しかし、そこにはつぐみの妹で超絶ドジッ娘の鷹原つばめ(表紙の女の子。今作のメインヒロイン)がおり、彼女に振り回され、足を引っ張られる主人公のドタバタコメディー。一方で、彼自身もメイド喫茶への執着が何より大事で…

毎回のことだが、作者(かたせなの)の描く女の子はかわいい(あくまで私個人的には、前作「げーむ部!」の若宮千里が全漫画の女性の中でもトップクラスに好きだ)。この作品には、時々「とまり木」の手伝いをする三女の小学生「こるり」も出てくるが、これがもう・・・。この可愛さは反則級というやつ。メインヒロインのつばめも時々女捨ててるんじゃないかと思わせる時があるキャラですが、表紙の通り、相当な美少女。つぐみさんのあっけらかんとした性格も良い。

内容自体は、どうやら前作より面子が少ないので(前作も面子自体は固定的だったが)、とまり木でのバイト話がメインになるならやや一本調子になるのかなと思って読んでいたら、途中から主人公の憧れる「ラディアノ」訪問回が出てきて(主人公自身は、バイトの夢がかなわなくなった今も客として足しげく通っている)、そこで彼が神とあがめる美稀さんも出てき、これは面白くなりそうだと思った。美稀さんも超絶美人だが(なぜかかたせなのの描く美少女は恐ろしい美人でも変に生気が抜けたり人形のような見た目の描かれ方をされることが少ない)、なにより、舞台が広がったのがいい。前作は「ゲーム制作部(兼手芸部)」にヲタク主人公のコンビの他にも個性的な面々がそろっていたが、やはり、(基本部活漫画のため)学校内での話で完結するためやや閉鎖的になったが、今回はメインの喫茶とまり木の他、ラディアノなど、町が舞台なので、開放感が全然違う。とまり木での三姉妹の固定的なメンバー構成も、主人公らが美稀さんはじめ、ラディアノのメンバーとメイド喫茶外でも絡むことが予想され、これは話に期待できる…というより前作「げーむ部!」より上の作品になるかもしれない…

と、期待して2巻を買って読んでいたら、何やら急に作品の諧調が変わってくる。作品テンポが急に変わった感があり(これは漫画ヲタクなら読んでいてどういう点かはわかると思う)、展開が早い。これは打ち切り前の特有の現象で、嫌な予感がするので帯を見てみたら…ガーン、2巻で完結。これは泣くしかない

一応きちんと終わっているし、作品としてはこじんまりながらまとまっているので、前作が4巻まで行ってきちんと完結したことを知らなければ、先に言った2巻からの作品テンポの急な変化に気づくこともなく、違和感なく読了するかもしれない。しかしこりゃもったいないよ。せっかくのかたせなの作品でヲタクの王道ともいえる「メイド喫茶」が主題の作品なのに(今やメイドやメイド喫茶がメインの漫画はたくさんあるが)2巻で終わらせてしまうなんて。この作品完結は相当ショックでした。次回作はちゃんと頼みます、双葉社さん。

実は上に偉そうなことを書いていながらも、私自身もこの作品知ったのは最近で、「げーむ部!」の作者の次回作が出ているとは知らなかった…。しかも完結巻の2巻が出たのは去年の6月でにもかかわらず、今に至るまでアマゾンレビューが一個もないとは…。この無関心さが寿命を縮めてしまったのでしょうか。もっと早くに知って1巻発売の時にでもレビューを書いておけばと臍を噛んでいます。

何はともあれ、この作品はお勧めします。単行本余白ページの各キャラのかたせなの特有のデフォルメ二頭身画もかわいい♪

てるてる天神通り

February 12 [Tue], 2013, 4:10
 進学中学校からの高校受験に失敗して、寮から実家の天神通り商店街のケーキ屋に出戻った16歳の幸村天志(ゆきむら たかし)が、帰省したその日に行われた町内会のくじ引きで当たりを引いていきなり町内会長にされてしまい、真面目で堅物気味の常識人の彼が天神通りのお気楽、楽天的な面々に振り回され、メインヒロインの御菓子(みかこ)らとの絡み、さらにはちびっこい福の神など八百万の神まで出てきて…というお話。

 日常ドタバタコメディーに分類できる漫画ですが、ヒロイン勢が皆可愛く、性格にも特徴があって実に魅力的。隣に住む幼馴染みの天然美少女御菓子にしっかり者で元気印の冬子etc.・・・。

 ほのぼのした回あり、ドタバタ回に、ラブコメっぽい胸キュン回あり、最後は大きなアーチを描いてクライマックスを迎える物語全体の構成力など見事。

 この漫画は全5巻ですが、明らかに打ち切りで、10巻ぐらいの分量で息長く天神通りの人々を描いてほしかった。読んでみるにまだまだキャラや設定が十分に描き込まれないままで、消化不良の印象を与えます。そうはいっても最後のクライマックスを大きく描いてくれたのは見事。それだけの余裕を与えてくれた角川書店には感謝です。

 シックな装丁も素敵で(見た目ばかりでなく手触りも)、私がこれを買ったのも表紙買いで「これは100パーセント大当たりだ」と。本棚に飾っておくにも魅力的な作品です。

 これは色々読んだ漫画でもトップクラスに好きな作品です。お勧めします。

宇宙炉心ムーモ

February 11 [Mon], 2013, 23:52
この1巻は数か月前に読んでいましたが、この漫画に限らず、何事によらず漫画というものは性急に評価を下すのは危険で…というわけで2巻(楽しみに待っていました)を発売日に書店で買って、その上で感想を。

話の核としては、人類(数)の衰亡を食い止めようと宇宙炉心(大宇宙の意思?)の使者、また化身としてムーモが送り込まれ、成人男性のロリ、二次元への生殖対象の誤認、要するにロリコン嗜好こそが原因であると見なし、地球の人間社会に紛れ込み、ロリコン矯正にはげむというものですが、この作品のキモは、こういう「異界からの闖入者」ものでお約束の、来訪者(ムーモら)が地球で慣れない人類の文明や文化に触れることで驚きや疑問、感動を抱き、それに対する(一般人からしたら)過剰なリアクションによって事件を起こすというよくある要素に、来訪者本来の使命の対象であるロリ男性たちの異様ぶりがムーモ達にさらなる戸惑いや混乱、誤解を呼び起こすというところです。ムーモらは地球での人類生活の細部には無知ではあっても、それなりに人としての良識は理解しており、それゆえにロリコン達の異常ぶりについていけず、理解不能のまま混乱するか、彼らの嗜好、「生態」に対して誤解を抱いてしまい、とんちんかんな方向に思考と行動が飛んでいってしまう。つまりは、ロリコンを矯正するべく使わされてきたのに、肝心のそのロリコン「理解」自体が常にずれたままというわけで、この(「宇宙人」である彼らの人間性理解に対する、ある意味天然ともいえる勘違いから生じる)混乱と誤解のスパイラルのやりとりが作品に不思議なユーモアの空気を生み出しており、これがこの作品の味わうべきところでしょう。

こういうロリコンなどの「異常系」は萌え漫画などで属性として多く取り上げられていますが、まともに作品の主題対象として取り上げられることは多くなく、「異世界からの闖入者」も大抵は作品中であっさり順応するか、変キャラの一属性、単なる背景設定としてスルーされることが多いので、こういう風にムーモらが(しかも彼女ら自身人間としてはロリっ娘の外見をとっており、性欲対象として見られる当事者でもある!)まともにこういった事態に関わり、人間生活に二重に戸惑わさせられるというものは珍しい。結果的に、よくある作品展開設定にもう一つテイストを加えて(文字通り)ひとひねりしたものとなっており、これは非常に興味深い。

そういったわけで、作品内容はムーモら本来のロリコン矯正の作業の他に、人類生活、また、ロリコンの異様ぶりに理解をいたさず、天然ぶりな事件を起こしていくというちょっと不思議系なドタバタのコメディー(?)といったものに分類できると思います。なんかちょっとふわっとした作品だ…。また、ムーモらを受け入れるJKのあるなが実にいい味出している。

この作品の難点としてはストーリー展開の大きなアーチが見づらいこと、独白や状況、心理描写がややくどすぎるか、あと、時によってコマごとの構図転換が唐突すぎてとっさには脈絡を理解できないばかりか、誤解までしてしまいそうになるところ。恐らく漫画鑑賞に長けた人(ネームの「様式」といったものをよくわかっている人)にはそういった点非常に目につくかもしれません。

そういったわけで客観評価として3としましたが(他の人のように1、あるいは2とする人がいても仕方ないとは思いますが)、私個人としてはこの作品の、上に挙げた不思議な、ふわっとしたテイストは非常に気に入った。私の個人評価としては4ぐらい行きます。私は今現在新刊を楽しみにしている作品はいくつかありますが、その中でも真っ先に読みたい部類に入っている…。よほどの事情がなければ3巻も発売日近くに買うでしょう。できれば打ち切られずに続いてほしいものです。

「しなこいっ」「竹刀短し恋せよ乙女」

December 19 [Wed], 2012, 5:26
          

 通称「跳ね馬桜」と呼ばれる、短剣道の天才女子高生遠山桜が、これも天才剣術家の榊龍之介と出会うことにより、彼と、自身の過去の結びついた因果因縁で強力な他剣術家達と闘う話。

 この漫画、アマゾンレビューなどを読むと「表紙だけ見て買ったがいい意味で期待を裏切られた」とのレビューが多くありますが、要するに、「萌えな女の子がなんちゃって剣道漫画やるかと思ったらガチバトルでストーリー構成もしっかりしていて驚いた」というもので、たしかに今時(というより昔からそうだが)可愛い女の子が主人公で真っ当な(しかもファンタジーなどではない)ストーリー格闘漫画をやるというのは珍しい。

 この漫画、キャラがそれぞれ個性的なうえ(特に女の子は可愛い)、剣道漫画とはいえ、それぞれ得物が違い(主人公からして全長40センチの「短竹刀」ですから)、校内での不意打ちなどサバイバル要素も含む様々なシチュエーションでの戦闘が起こるため、戦いが単調にならずに面白い。

 上でも少し触れましたが、この漫画、格闘というか武道というかの漫画ですが、戦闘シーンになんちゃって感がなくて、まともに戦闘描写をしているのが実に良く、読み応えがあります。私自身も武道をし、漫画では割と意識するほうなのですが(とはいえ、やっぱり漫画ですから、それほど細かいところを気にすることはなく、よほどのことがない限り文句をつけたくなるようなことはない)、これは充足感を与えます。この作者は解剖学の知識もあるようで、そこらへんも面白い。

 本編や(割とシリアス)戦闘シーンとは別に、桜の交友関係を中心としたサブキャラの性格描写やちょっとしたドタバタも面白く、特に桜の親友の玲子(レイコ)と美子(ミーコ)の二人は可愛くて、しかも彼女らが絡む話は面白い。

 この漫画、最初は「しなこいっ」としてJIVEの雑誌に掲載されていたようですが、途中から角川の雑誌に移籍。それとともに題名も「竹刀短し恋せよ乙女」に変わっていますが、純然たる「しなこいっ」からの続き物。

          

 上に紹介した「完全版 しなこいっ」は角川に移ってから、それ以前のJIVEで単行本化されずに宙ぶらりんに浮いたものも含めて(それらの数話は下巻に収録されている)角川書店がまとめて大判コミックスすとして出したものですが、それ以前のJIVEで出ていた「しなこいっ」の単行本も表紙がシックでなかなか魅力的。表、裏表紙とも一巻につきキャラ一人の全身像なのが特徴で、特に2巻の鳴神虎春と3巻の佐東鯨の一枚絵は可愛くて良い。先に触れた通り、こちらで集めてから「竹刀短し〜」に移ると数話吹っ飛んでしまいますが…。


ぼっち日和。。

December 19 [Wed], 2012, 3:27
          

 「長身なため、威圧的に見られます。無表情なのため、怖がられます。極度の恥ずかしがり…」という主人公、高校一年生神谷詩春さんの友達が欲しいという空回り気味の願望と頑張りの日々の物語。

 長身できりっとした顔立ち、黒髪ロングのすらっとした体型と、(傍から見たら)群れるのを嫌う(ように見える)立ち居振る舞いのため、実は男子女子問わずに隠れファンが多く、ひそかに憧れを抱かれる存在ではあるのですが、そのように姐御肌にみられる詩春さんは実は「可愛いものが大好き」で、外見とのギャップを誰も理解してくれず、しかも一方でそういう趣味を人に知られるのを恥ずかしいと思うため、葛藤からテンパりが高じてますます人付き合いを恐れるように。そして彼女の唯一の癒しは可愛い童話系キャラとのほんわかした妄想のうちに遊ぶことで…。

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 この漫画のジャンルはほのぼのコメディーといった感じで、私は最初、タイトルの「ぼっち」は主人公の神谷詩春のことかと思ったのですが、詩春が物語の中で出会っていくやはり「ぼっち」の女の子達も含めての日々の生活のことだと読んでいるうちに理解しました。

 詩春が出会う一人ぼっちの女の子達はやっぱり友達を求めていたり、自分なりの楽しみを見つけてもいたりと色々なのですが、彼女らは実に個性的、というより強烈なキャラである。こういうほのぼの系でコミカルなタッチの漫画は多くあるのですが、まともに吹き出してしまうような場面がある漫画はそう多くはない(もちろん笑えればいいと決まったものでもありませんが)。しかしこの漫画、特にキャラが出そろい、1巻でキャラ立ちの説明もはっきり終えた2巻で個性的な彼女たちが天然で織り成す有様はめちゃくちゃに面白い。2巻では何度も吹き出してしまいました。これは単純にコメディーというかギャグ漫画としても超秀逸。

 ただこの漫画、2巻で完結と分量が少なく、明らかに打ち切り臭がし、キャラ達の織り成す物語が存分に描き切られなかった気がします(キャラも本来まだまだ出たのではないか)。まあこれの連載されていた(私はコミックでしかそれらの作品を知りませんが)REXの雑誌は神ともいえる「かんなぎ」他強力な連載陣があり、しかもこういった漫画は雑誌映えしないので仕方ないのかとは思いますが、それにしても最低でもあと一巻、3巻ぐらいまでは出てほしかった。ざっと見たところ作者にはまだまだネタがあった感がし、打ち切りがなければ5巻ぐらいまではいけたのではないか。私も気に入った漫画が買い集めた単行本の途中で明らかに打ち切りで先を急いだ終わり方を見てがっかりしたことは何度もありますが、それにしてもこれの2巻という分量でのショックが一番きつい・・・。楽しみにして買った2巻で完結巻と知った時は本気で一日落ち込んでしまいました。

 しかしまあ仕方ないのでこの作者さんには次回作をぜひぜひ期待します。

 あと許せないのは2巻の背表紙でのキャラ説明にあった明らかな誤り。その後修正されているかは知りませんが、なんとなくこの漫画がないがしろにされているようでやっぱりショックを受けた。作者さんが傷ついていなければいいけど…

 この漫画は超お勧めします。
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漫画とゲームの感想を書いていこうと思います。
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