たくさんのキスをこめて――後日。 

September 29 [Fri], 2006, 8:14
 馴染み深い喫茶店の一角で、僕たちは午後のお茶をしている。


 黒羽君が先に行っててと言ったので、
それに従い喫茶に入ると工藤君が新聞をひろげながら待っていた。
「こんにちは、工藤君。
 パーティー以来ですね」
 僕の声に反応して工藤君が顔と片手をあげる。
相変わらずの無表情さに、すこしだけおかしくなる。

 僕をいま初めて見たかのように、そしていま思い出したかのように。

「よぅ…、どした?」
「いえ、なんでも。
 黒羽君は後で来るそうです」
 知ってるとばかりに工藤君は頷き、そういえばと新聞を折り畳んだ。
「こないだまじで浴衣で行ったのか?」
「……行きましたよ。着替えている時間がありませんでしたので」
 僕は声のトーンを落としながら
向かいの席に腰を掛け、ウェイトレスに紅茶を頼んだ。
その反応を今度は工藤君がおかしそうに、意地悪く笑っている。

「オメーって意外と根性あんだな、ちょっと見直したぜ」
 他人の不幸を甘い蜜のように舐る様子は、
黒羽君そっくりで僕は刹那言葉に詰まる。
「そうやって笑っていますけど、本当に大変だったんですからね…。
 血塗れの現場は歩きにくいし、
 ひらひらと裾は勝手に掃除してしまうし、
 しまいにはワトソンの爪が腕に食い込んだんですよ?
 ……って工藤君笑いすぎです」

 椅子から転げ落ちてしまいそうなほど、工藤君はげらげらと腹を抱えて笑う。
うっすらと涙さえ浮かべて。
「や、悪い悪い…ッ」
「全く反省していませんよね?」
「ぁあ、してねぇなァーおもしろすぎ」
「黒羽君の悪影響が工藤君にまで…」
 この世の終わりと言わんばかりに頭を抱え、黄昏ようとした瞬間
するりと細い腕が伸びてきたかと思うと、僕の頭はがっちりロックされた。

「ぐっ…」
「だぁれのなにだってええええ?」
 やけに間延びした声が耳元で聞こえ、やがて体重が僕の背中に圧し掛かる。
「快斗は悪影響を及ぼすらしいぜ?」
 工藤君は口端だけで笑むと、体勢を整えて僕の肩にある顔をみる。
 ふわり、微かにあまい香りが漂い、場の雰囲気がやわらぐのがわかる。
「新一はもとから憎らしいんですーっ」
「頭から珈琲被りたいのか?」
「マスター、珈琲じゃなくって俺ココアね〜」
 カウンターへ向かって黒羽君が声を投げる。
その隙を狙い、僕はようやく腕から抜け出した。
「プロレス技はやめて下さいと言ったでしょう?」
 しょうがないひとだ、と僕はひとりごちて紅茶を啜る。
ほのかな苦みがひろがり、するり喉を滑り落ちていく。
「白馬のおこりんぼ」
「写真、うまく撮れてたか?」
 まだ騒ぎそうな黒羽君を制するかのように、工藤君が既に落ち着いた声で尋ねる。
 写真。
それを取りに行っていたのかと、僕は今更気付いて心で苦笑した。
黒羽君はいつだって、僕になにも話してくれない。


たくさんのキスをこめて。 

September 26 [Tue], 2006, 22:18
 浴衣で行こうと言い出したのは快斗だった。
俺はスーツをクリーニングに出さなければなかったので、
浴衣ならば眠っているだけだからと賛成した。
そうしたものの、自分で着付けなど出来なかったから
どうしたものかと、快斗に打ち明けた。
すると快斗は慣れた手つきで浴衣を着せ、
足下の裾を揃え、苦しくもなくゆるくもない適度な具合で帯を巻き付けた。
「はいっ、できあーがり!」
 変装業もたまには役立つものだと妙に感心し、
得意げに笑う快斗を見て当日も任せることにした。
帯を蝶ちょの形にすることだけは、断固拒否したけれども。


 服部らしい賑やかで自然と笑みのこぼれるのパーティーだった。
両親に連れていかれる怠慢で見せかけだけのモノとは、
明らかに違うあたたかなそれは。
またもう一度行きたいと思える、そんなパーティーだった。

 それなのに、快斗の様子がおかしい。
リビングのソファーで両足を伸ばしながら、お土産の包みを開ける。
やはりあの時
―――照明が落ち、スクリーンの光を受けて濡れる頬を―――
見たのは、気のせいではなかったようだ。
 感情豊かな快斗のことだ。
あの場に飲まれて泣いているのだろうと思って
何も言わなかったのだが、帰り道はどことなく上の空というか。
白馬の話なんて全然きいてなくて、淋しげに俯いた様子を見てほくそ笑んだ俺だけれども。

 缶ビールと肴を持って快斗がキッチンから戻ってくる。
いつものようで、いつものようでない彼を
俺はソファーに凭れながら、視線を投げた。

「……元気ねーな」
 快斗は一瞬ぴくりと身動きすると、俺の方へ顔を向けた。
いまにも泣きだしそうな、落胆したような表情を見せると
すぐに俯いて、前髪をくしゃりとつぶした。
「あはは…、なんでバレちゃうの?」
「なんでって、どんだけ長いこと付き合ってると思ってんだよ」
 果たしてどのくらい快斗の仮面を見てきたことか。
あきらかに嘘とわかる笑い声。俺は誤魔化されなどしない。
快斗の頭にそっと手を置いて、やわらかく頭を撫でた。
浅く呼吸をする音が聞こえ、俺は静かに発せられるだろう言葉を待つ。

「…なんか、さ。なんかね…?ん、と……なんか」
 快斗はただ、なんか、とつたなく繰り返す。
まるで覚えたての言葉みたいに。
他の言葉を一切失ったかのように。
窓の外からは遠く、鈴虫や蟋蟀の声が聞こえている。
「平次に…、友達がたくさんいるのって。いいこと、なのに。
なんか、なんだろ…うまく、言えないけど…なんか」
 ああ、と俺は何処か奥のほうで納得し、
それと同時に、快斗が苦しげに胸元を握り締めることに
どこか懐かしい感情を思い出す。決して忘れたわけではないが。

「…独占欲じゃね」
 快斗の頭に手を置いたまま、ぽつりと呟いた。
「……俺だけのもんじゃないって、ちゃんとわかってたんだ。
でも、いざ目の当たりにすると…さ、
うれしいのと、色々がごちゃごちゃになって、動けなくなって」
 俯いた快斗の目尻に朱が帯びていく。
いったい幾つ、幾つコイツには必要な人間がいるのだろうか。
突然いたたまれない気持ちになり、俺は視線を外して床へ落とした。
恋心ではないと知っている。
厄介なのは、それ以上の想いが。
快斗と平次の間にあるということ。
「そんな風に素直に喜んであげられねぇ自分が、
厭だと、…醜く思えたり」
「誰よりも、しあわせを願ってるのに、でも。
うれしい気持ちだけじゃなくって、そう、…俺って汚い」
 視界に映していた隅に、ぽたり、雫が落ちた。
「いちばん、喜んで祝福してあげたかったのに、余計な気持ちが邪魔する…」
 快斗がふるえながら言葉を紡ぐたびに、
ひとつ、またひとつ。涙がこぼれて広がっていく。

たくさんのキスをこめて。 

September 17 [Sun], 2006, 22:44
 きょうは平次の結婚式だった。
天候は良くなかったけど、雨が降らなかっただけマシだろう。
晴れ男の称号は、もらえなかったけれど。

 台風をよぶ男なのだ。あいつはいつも。
どこかへ旅行するときや、イベントのある日。
まるで狙いすましたかのように、台風はやってくる。
それはそれで、俺はたのしいと思っている。
彼のやんちゃな部分とか、見返りを求めないまっすぐな部分とか、周りに影響を与える部分。
そういう良いところが、台風に似ている。

 挙式は大阪で行われた。
それは当然のことで、東京からは俺と新一と白馬が参戦した。
普通はスーツを着ていくのだろうけど、俺たちは浴衣を着ていった。
季節はずれだったけど、みんなと同じはなぜかいやだった。
もしかしたら、何か特別な意味を持ちたかったのかも知れない。
平次にとって大阪の人たちとは違う。特別な存在なのだと。

 パーティは、とても素晴らしかった。
平次と和葉ちゃんがキャンドルサービスで、各々のテーブルをまわり、
あちこちからクラッカーの軽くて高い音が響いていた。
「平次和葉ちゃんおめでとーっ!!」
「オメーが結婚なんてなァ。おめでとう」
「服部くん、和葉さん。本日はおめでとうございます」
 俺たちは交互に声をかけて、キャンドルに火を灯してもらった。
あかるく揺れて、平次はうれしそうにくっきりと笑った。
別のテーブルに行ってしまって、俺たちは口々に
意外とタキシード似合ってる。和葉ちゃん綺麗になったな。ワイン飲もうぜ何年モノだ?
好き放題ひそやかに騒いで主席へと、戻るふたりの背中を見送った。
 しばらく平次は友人らに囲まれていたので、
俺たちは身を寄せずに向こうから来るのを待っていた。
そう、待っていたのだ。
すると平次はやっぱり自らやって来てくれて、
俺たちは写真を撮りまくり、タキシードをぺらぺらめくり散々笑いあった。

六華んち襲撃 

September 03 [Sun], 2006, 13:01
玄関ひろwwwwww
とりあ家捜しする⊂ニニニ( ^ω^)ニ⊃


こっこらいぶ 

August 10 [Thu], 2006, 10:29
想いはじめてから、絶対に逢うことは出来ないと決めつけていた。
そんなつよく想い続けていた人に逢えたとき
何度も繰り返し聴いて、すっかり自分の一部になってしまっている唄をきいたとき
意志とは関係なしに涙が零れるということを知った。


こっこライブ。
神戸と大阪に参戦してきました。
うれしかったのは、れいにんぐと樹海の糸とポロメリアとどらいぶと焼け野が原。
特に想い入れのある唄だから、序奏が流れたとき。
ぅあああ…と声を上げ、両腕がざわつき、ライトの向こうに見える彼女の姿が滲んだ。
病的に細い身体。白く長い手足。全身で唄をうたう。

そしてMC。
かなり訛ってて、つたなくて、
かわいいと言われればうるせぇって照れたように言葉を返す。
神戸では震災の話がでて、こっこがずっと来たかったって終盤らへん泣きながら唄を紡いでた。
なにもしてあげれなくて、いまも大層なことが出来るとは思ってないけど。
連れていきたい唄が出来たから、やっと来ることができた。

大阪では、安心して出来る場所だと言ってくれた。
誰かが「関西弁おぼえたー!?」と叫ぶ。
こっこは「なんでやねん」と右手でツッコミさえ入れて返してくれた。
おかえりーと誰かの声。
はにかんだように、ただいまと呟くこっこ。
その言葉を聞けただけで、崩れ落ちそうになった。

どちらもくじびきによる選曲は無く、神戸ではその場で音楽を作り上げていた。
こっこがうたう。
メンバーがそれに合わせて、楽器を鳴らす。
こっこの指示。
それらが何度も重なり、唄として完成する。
大阪でもそれをうたってくれた。
神戸で聴いたときよりもメロディに重厚が増し、昨日の今日でここまで成長するのかと驚いた。
すごいなぁ。
もうひとつは、ひよこぶたやがじゅまるに似たアップテンポでかわいらしい唄だった。
きみのほっぺのほくろにくびったけ。

高らかに声を上げたり叫んだりバレエをしたり頭を振ったり裸足がまぶしかったり泣いたり。

一生わすれることのない二日間でした。

ゆめみがち 

July 02 [Sun], 2006, 15:46
ごちゃまぜな夢をみたので、メモメモ。


・ルフィとゾロとサンジが出てきた
大型スーパーで食材の買い出しぽかった
ル「すんげーっすんげーっ!肉いっぱいだァアアア!!!」
ゾ「すこしは静かにしろッ。とっとと終わらせて帰ンぞー」
サ「これはナミさんとロビンちゃんの分、と…
ぉ、なんだこれ?」
余計な出費を心配するゾロ
お構いなしに食べたいもの(寧ろもう口に含んでる)が欲しいルフィ
女子とペット専用のフルーツを買い込むサンジ、新商品にメロメロ

原因:ゾロの9刀流云々をスレで見たせい。
あと映画の見過ぎだな、うん。

・でっかい鉄道の線路を巨人が、ジャイアントスウィングの要領で、軌道修正してた
原因:めちゃイケで久し振りに爆裂お父さんをやっていた為。

・学校のグランドでブランコに乗りながら、やっこちゃんを待っていた
しかも手紙のやりとりしてる
内容は詩的表現で、詳しくは覚えてないけど
やっこちゃんからの手紙の右下に
日向ふ→日向う
と解釈が書かれてたのをすごく覚えてる。
原因:もうすぐストーカーにジョブチェンジします。

ザンサイアン 

June 28 [Wed], 2006, 1:35
こっちでは久し振りの日記更新。
近頃mixiばかりでお留守だ。
***近況報告**
友人の手助けにより、チケ入手した。
こっこのライブに行くぞー!
大阪と神戸。
ずっと、ずっと好きでたまらない。彼女に。
はじめて逢える。
きっと、泣くとおもう。
こっこのうたを聴いて、
生きてきたといっても過言ではない。
風化風葬、唄ってくれるかなあ。
ぁああ…
いまはアルバムを聴いて、ただひたすら空想に身を委ねる。

ナメック星人の神様 

May 31 [Wed], 2006, 23:09
待ちわびていた間宮兄弟の映画化!
されたら面白いやろうなって話してた作品だったから、すごく嬉しかった。
間宮兄弟は江國シリーズの中で、他のとは明らかに何かがちがうと思う。
文章や雰囲気はしっかり江國さんなのに、コメディチックなところ。
彼らのありのままを綴っているだけなのに、くすっと笑えてしまう。
敢えてモテそうにない主人公(兄弟)を選んだところ。
現実味がとても濃いところ。生活臭がすごくする。

キャスティングが素晴らしいじゃありませんか。

レディースディはお得だわ(`ω´*=*`ω´)
と仕事中わくわくしてて。
某部長との会話
「きょう映画観に行くんッスよ(*`ω´)」
「ダヴィンチ・コード?」
「間宮兄弟ッス!」
「へぇ…(´∀`)」
明日黒幕が誰かバラすので覚悟しといてください。


貞子に電話してたら遅刻した。デフォ!
六華といそいそ浮き足立って映画館に向かう。
同じビルに入る人をみて、あのひとも間宮兄弟(`ω´*=*`ω´)?なんて勘違い。
たのしみやねーっノリチチ出るかな?あの科白言うかなぁー!
しゃべっていると劇場に着いた。













チケット売り切れでした。
立ち見も満杯でした。
泣く泣く諦めて、KYKで食事しました。
六華の背後(俺の正面)にえらいモンがあって、
これが運命の出逢いなんだって…そう思ったんだょ♪






来週にリベンジするっちゅうねん!ふがーッヽ(`Д´)ノ
いいや、読み返す時間出来たと思うんだから!

脳内メモ 

May 28 [Sun], 2006, 1:53
ねじまき島の冒険
見た気がする
ナミの乳が年々成長していってる件
ゾロの着物やべー
サンジ健気だった
ウソプがんがった!

デットエンドの冒険
サンジが「そのオニーサン方向音痴だからさ」と言ったときに赤くなったゾロもゆす!!
あと、ルフィの「オレ、あいつ嫌いだ」科白。
何 か に 使 え る !


寝よう。妄想しつつ。

バイトもしてる。 

May 14 [Sun], 2006, 1:51
鳴神が手伝いに行っている居酒屋さんは、【銭屋】ってとこで。
チャイナ君(雀荘)で働いてたときのお客さんが店長で、
部屋から徒歩3分もかからないところにあり、
居酒屋で働いてみたい気持ちがあったのでバイトしに行ってるのです。
タダ飯とタダ酒(`ω´*=*`ω´)!!


土曜日と雨だということもあり、暇ですた。
オススメめにゅうのポスター作るのに、部屋からわざわざコピック持ってきて描いてました(・∀・)ィェア。


よっしー(店長)が友人さんに『赤霧島』というお酒をだしたので、なんだそれ俺にもよこせ、と絡んで飲んでみたものの
芋は…芋は駄目だって言ったじゃないかあああああああ!
飲めないってことはないんだが、後味つうか咥内に残るのであんまり好きくないなァ('A`)
えいひれと生レバとチャンジャ食べながらビールで口直し。
赤霧島をレアだレアだと言ってたらレアはコレだ!と出された。
「森仔蔵…?」
「森伊蔵(#´_ゝ`)
いくらぐらいやと思う?」
「えー?3万ぐらい(`ω´*=*`ω´)」
「7万円でした(*´_>`)」
「ばッ……高い!!」
ばっかじゃねーのって言いかけてないよ。