喜多方ラーメン事件
2010年03月17日(水) 21時27分
[まとめ]
・「喜多方ラーメン」(標準文字)という地域団体商標出願が拒絶査定・審決を受けた要です。
・論点は3条・4条あたりかと思ったのですが、7条の2第1項非該当のようです。
・同組合に、半数以上のラーメン店が加盟してないところがネックになっているようです。
■ 喜多方ラーメン 商標登録ダメ
わが県がまた商標権のことでトラブっているようです。
前は「会津のかおり」というそば粉の話でしたが、今回は「喜多方ラーメン」です。
毎日新聞の記事として、「喜多方ラーメン 商標登録ダメ 店主らが知財高裁に提訴」という見出しがYahoo!のニュースに出ていたので、記事を開く前に、その理由について考えてみました。
論文試験の訓練と言ったところです。
ま、今日からやっと意匠法にさしかかるところなので、まだ商標法までたどり着いておりませんが・・。
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・「喜多方ラーメン」(標準文字)という地域団体商標出願が拒絶査定・審決を受けた要です。
・論点は3条・4条あたりかと思ったのですが、7条の2第1項非該当のようです。
・同組合に、半数以上のラーメン店が加盟してないところがネックになっているようです。
■ 喜多方ラーメン 商標登録ダメ
わが県がまた商標権のことでトラブっているようです。
前は「会津のかおり」というそば粉の話でしたが、今回は「喜多方ラーメン」です。
毎日新聞の記事として、「喜多方ラーメン 商標登録ダメ 店主らが知財高裁に提訴」という見出しがYahoo!のニュースに出ていたので、記事を開く前に、その理由について考えてみました。
論文試験の訓練と言ったところです。
ま、今日からやっと意匠法にさしかかるところなので、まだ商標法までたどり着いておりませんが・・。
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■ 考えられるケース
ケース1 通常の商標として出願した。
3条1項1号〜3号に該当している可能性あり。
喜多方+ラーメンと分解して考えれば、前者は商品の原産地orサービスの提供場所だし、後者は製品の一般名称に他ならないので3条1項3号該当。
あるいは、「喜多方ラーメン」という商標が、一般名称化しているか、慣用名称化していれば、3条1項1号or2号該当で、自他識別能力が無いため拒絶される。
でも、これはあくまで普通に表示される方法のみの場合に該当なので、図案化したりすれば3条1項1号〜3号に該当しない可能性はあるし、使用したことにより自他識別能力を獲得していれば、3条2項該当として、3条1項各号の問題が解消される可能性がある。
ケース2 団体商標として出願した
出願人が7条該当の団体などであるならば、団体商標として出願可能。
でも、それ以外の登録要件はケース1と変わらない。
ケース3 地域団体商標として出願した
出願人が、7条の2該当の団体などで、かつ査定・審決時において周知性を得ているならば、地域団体商標として出願可能。
図案化しなくても登録可能(というか、図案化したら地域団体商標にできない。)で、メリットはあるが、一般名称or慣用商標ならば3条1項1号or2号該当で、やっぱり拒絶される。
もう1点悩むのは、
3条2項該当でありながら、「喜多方ラーメン」が他者の商標として周知性を備えている場合orそうでなくても他者の商標と混同を招くおそれがある場合、それぞれ4条1項10号・15号該当となる場合はありえるのか?
というところです。
自他識別能力ありならば、その裏返しとして、4条1項10号・15号非該当、逆に4条1項10号・15号該当が予想されるなら、自他識別能力を備えるはずがないから、4条1項10号・15号を論じるまでもなく3条2項非該当→3条1項該当で拒絶なのでしょうか?
そうなってしまうと、別々に規定されている意味が何なんだろうかということになるので、とりあえず3条2項該当でも、4条1項10号・15号に該当する場合はありというように考えておきます。
詳しい方、どなたか教えていただけるとありがたいです。
そんなところでどうかなと思って、記事へのリンクをクリックしたのですが、論点は3条・4条じゃないところにあるようで・・・。
■ 「自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして」
経緯としては、
@以下のような出願をしたら、拒絶査定を受けたので、
出願人「協同組合蔵のまち喜多方老麺会」
出願種別 「地域団体商標」
商標「喜多方ラーメン」(標準文字)
指定役務「福島県喜多方市におけるラーメンの提供」
↓
A拒絶査定不服審判を請求したら、査定維持審決がでたので、
↓
B審決取消訴訟を知財高裁に提起した
というものです。
記事によれば、拒絶理由は、
「老麺会の加盟店は市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店も『喜多方ラーメン』の文字を使用している」として「喜多方ラーメンは、老麺会や加盟店の商品として認知されているとは言えない」
というものらしいです。
要するに、「その商標が使用をされた結果自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている」(7条の2第1項)に該当しないので、そもそも地域団体商標としての登録要件を満たしていないという意味みたいです。
「喜多方ラーメン」は、かなり有名だと思っていたので、周知性には問題無いと、完全にスルーしていました。
実際は、その内容として、「自己(又はその構成員)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして」という部分が重要なんであって、「○○協同組合の」喜多方ラーメンであることが周知じゃないといけないんですね。
その部分がすっかり抜け落ちていたなと反省しました。
■ 審決取消の可能性
ともあれ、この審決に対して組合側は「市内のラーメン販売食数のうち、加盟店が78%を占め発祥の店もその一員。商標登録は地域全体の財産を保護するのが目的で、非加盟店舗の賛同も得ている」という反論をしているとのことです。
少なくとも「非加盟店舗の賛同も得ている」ということは、決定的なものではないでしょうね。
周知であるかどうかというのは、あくまで需要者との関係ですので、「加盟店以外の商標使用者がいいといっている」ことは、何の抗弁にもならないです。
論点は、「実際に地域内で喜多方ラーメンという商標を使っているラーメン店のうち半数以下しか加盟していない組合に、排他的独占権を認めてしまってよいのか。」というところだと私は思います。
第一に、「市内のラーメン販売食数のうち、加盟店が78%を占め」ているという事実(真偽のほどは定かではありませんが。)が、商標の品質保証機能とか、出所表示機能を十分機能させるに足る指標として採用されるかどうかというところが争点になるでしょう。
もっといえば、地域団体商標の立法主旨って、「○○を地域ブランドとして、関係者一丸となってもり立てていこう。」という当地の切実な思いを実現するために、3条1項というとても商標法の根幹をなす登録要件を無視するという特例中の特例を認めて登録を認めましょうということですよね?
でも、状況を見ると同組合に入っていないラーメン店の方が多いわけで・・。
それって、地域ブランドとしてもり立てていこうという、関係者一丸となった盛り上がりがある状態とは到底言えないんじゃないすか。とも考えられます。
やっぱり特許庁さんの言うことも正しいように思えてきます(当たり前か・・・・。)。
いずれにせよ今後が気になる事件です。
ケース1 通常の商標として出願した。
3条1項1号〜3号に該当している可能性あり。
喜多方+ラーメンと分解して考えれば、前者は商品の原産地orサービスの提供場所だし、後者は製品の一般名称に他ならないので3条1項3号該当。
あるいは、「喜多方ラーメン」という商標が、一般名称化しているか、慣用名称化していれば、3条1項1号or2号該当で、自他識別能力が無いため拒絶される。
でも、これはあくまで普通に表示される方法のみの場合に該当なので、図案化したりすれば3条1項1号〜3号に該当しない可能性はあるし、使用したことにより自他識別能力を獲得していれば、3条2項該当として、3条1項各号の問題が解消される可能性がある。
ケース2 団体商標として出願した
出願人が7条該当の団体などであるならば、団体商標として出願可能。
でも、それ以外の登録要件はケース1と変わらない。
ケース3 地域団体商標として出願した
出願人が、7条の2該当の団体などで、かつ査定・審決時において周知性を得ているならば、地域団体商標として出願可能。
図案化しなくても登録可能(というか、図案化したら地域団体商標にできない。)で、メリットはあるが、一般名称or慣用商標ならば3条1項1号or2号該当で、やっぱり拒絶される。
もう1点悩むのは、
3条2項該当でありながら、「喜多方ラーメン」が他者の商標として周知性を備えている場合orそうでなくても他者の商標と混同を招くおそれがある場合、それぞれ4条1項10号・15号該当となる場合はありえるのか?
というところです。
自他識別能力ありならば、その裏返しとして、4条1項10号・15号非該当、逆に4条1項10号・15号該当が予想されるなら、自他識別能力を備えるはずがないから、4条1項10号・15号を論じるまでもなく3条2項非該当→3条1項該当で拒絶なのでしょうか?
そうなってしまうと、別々に規定されている意味が何なんだろうかということになるので、とりあえず3条2項該当でも、4条1項10号・15号に該当する場合はありというように考えておきます。
詳しい方、どなたか教えていただけるとありがたいです。
そんなところでどうかなと思って、記事へのリンクをクリックしたのですが、論点は3条・4条じゃないところにあるようで・・・。
■ 「自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして」
経緯としては、
@以下のような出願をしたら、拒絶査定を受けたので、
出願人「協同組合蔵のまち喜多方老麺会」
出願種別 「地域団体商標」
商標「喜多方ラーメン」(標準文字)
指定役務「福島県喜多方市におけるラーメンの提供」
↓
A拒絶査定不服審判を請求したら、査定維持審決がでたので、
↓
B審決取消訴訟を知財高裁に提起した
というものです。
記事によれば、拒絶理由は、
「老麺会の加盟店は市内のラーメン店の半数に満たず、非加盟店も『喜多方ラーメン』の文字を使用している」として「喜多方ラーメンは、老麺会や加盟店の商品として認知されているとは言えない」
というものらしいです。
要するに、「その商標が使用をされた結果自己又はその構成員の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている」(7条の2第1項)に該当しないので、そもそも地域団体商標としての登録要件を満たしていないという意味みたいです。
「喜多方ラーメン」は、かなり有名だと思っていたので、周知性には問題無いと、完全にスルーしていました。
実際は、その内容として、「自己(又はその構成員)の業務に係る商品又は役務を表示するものとして」という部分が重要なんであって、「○○協同組合の」喜多方ラーメンであることが周知じゃないといけないんですね。
その部分がすっかり抜け落ちていたなと反省しました。
■ 審決取消の可能性
ともあれ、この審決に対して組合側は「市内のラーメン販売食数のうち、加盟店が78%を占め発祥の店もその一員。商標登録は地域全体の財産を保護するのが目的で、非加盟店舗の賛同も得ている」という反論をしているとのことです。
少なくとも「非加盟店舗の賛同も得ている」ということは、決定的なものではないでしょうね。
周知であるかどうかというのは、あくまで需要者との関係ですので、「加盟店以外の商標使用者がいいといっている」ことは、何の抗弁にもならないです。
論点は、「実際に地域内で喜多方ラーメンという商標を使っているラーメン店のうち半数以下しか加盟していない組合に、排他的独占権を認めてしまってよいのか。」というところだと私は思います。
第一に、「市内のラーメン販売食数のうち、加盟店が78%を占め」ているという事実(真偽のほどは定かではありませんが。)が、商標の品質保証機能とか、出所表示機能を十分機能させるに足る指標として採用されるかどうかというところが争点になるでしょう。
もっといえば、地域団体商標の立法主旨って、「○○を地域ブランドとして、関係者一丸となってもり立てていこう。」という当地の切実な思いを実現するために、3条1項というとても商標法の根幹をなす登録要件を無視するという特例中の特例を認めて登録を認めましょうということですよね?
でも、状況を見ると同組合に入っていないラーメン店の方が多いわけで・・。
それって、地域ブランドとしてもり立てていこうという、関係者一丸となった盛り上がりがある状態とは到底言えないんじゃないすか。とも考えられます。
やっぱり特許庁さんの言うことも正しいように思えてきます(当たり前か・・・・。)。
いずれにせよ今後が気になる事件です。
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