sea,summer...... 

April 04 [Tue], 2006, 14:26
故郷は、海辺の町。
潮風のにおいとか、波のさざめきとか、典型的な情景にまつわる記憶ほど意外と記憶に残っていないものですね。
思うに、自分は聴覚、臭覚にまつわる記憶領域が弱いようです。
逆に視覚領域の記憶が強いようで、断片的な画像イメージとして思い出をストレージするみたい。
研究者としては、この効率の悪い記憶方法は致命的な弱点のようにも思えるんですが。

だから、故郷のイメージは、海風を避けるように植えられた松の並ぶ小道や、砂の畑。
メロンとかイチゴとか栽培されてました。
あと、うなぎの養殖場があって、釣堀みたいな池にビニールハウスをかぶせた妙な構造物が点在してます。
自転車に乗って、川沿いの散歩道を夕暮れに海までサイクリングするのが好きでした。
サーフィンとかボディーボードとかまったく興味なし。

故郷を総括する象徴的なイメージは、「ぬるい空気」。
その空気に触れていると、感情も理性も溶けて、時間がゆっくり流れているかのような錯覚を覚える。
そこに住んでいたときは、それなりに強い情動を覚えたはずなのに、振り返ると、故郷にいた時の僕は午睡にまどろんでいたかのよう。
肌にまとわりつくぬるい空気に包まれて、感性は鈍り、思考は停滞し、でも母親の胎内にいるかのような曖昧な安堵を覚えるとともに、停滞する自我に対する若干の不安を覚える。
そんな、場所。

いいところですよ。

セイタカアワダチソウ 

March 12 [Sun], 2006, 1:45
確か、5,6歳の頃だったと思う。
当時の僕は、小児喘息もちで、年中ヒーヒー言ってるひ弱なガキでした。
今日の話は春の思い出。

当時通っていた保育園では2匹のサギが飼育されていて、名前はグリとグラだったと思う。
ウサギの餌やりは当番制で、ある春の日に僕が当番になった。
自宅から持ってきた野菜の切れ端をあげても見向きもしないので、保育園から川を挟んで整地されたまま野草が生い茂ってる草地に調達に行きました。

特別、2匹のウサギに思い入れはなかったのだけど、母から聞いたウサギの好物だという「ミルク草」を探しに自分の背丈くらいある花の群生を掻き分けて、目的の草を探しに行きました。この「ミルク草」名前の通り葉や茎を折ると練乳のような樹液(?)が分泌されるのです。如何にも甘そうだったので一度なめてみたら舌がしびれるほど苦かった。
ともあれ、ウサギにとってはこれはご馳走らしく何とかしてこの草を収穫したい欲求にいざなわれ、黄色い背の高い花が群生する草地に踏み込んでいきました。
子供の頃は一度目的を発見すると、動機のことは頭から消し飛んで、ひたすら作業に熱中するものですね。
時間も忘れ、どくどくのギザギザな葉を捜し収穫することしばらく、段々息苦しくなって行くことに気がつきました。
喘息の発作が出たのかと思って、取り敢えず収穫した草を手に花の群生地を抜けようと歩き出しました。
歩くだびに呼吸が苦しくなって、何度もむせて、意識がボーとしてきました。

なんとか群生地を抜けて後ろを振り返ると、黄色い背の高い草がユラユラと春風に揺れていて、朦朧とした意識のせいもあってか、その光景がひどく美しいものに写りました。僕はその光景にうっとりして、もう一度後ろを振り返ろうとしましたが、一度振り返ったら、あの花園に誘われて春の夢に眠る気がしたので、当初の予定通りウサギ小屋に戻って、手に入れた「ミルク草」をウサギに差し出しました。

好物とあってか、ウサギは僕の差し出した草を僕が手に持ったまま咀嚼し始めました。
自分の手を見ると、草の汁でべっとりと白い粘度の高い液体がこびりついていて、気持ちが悪かった。

草を食べ終えたウサギは僕の手から好物の匂いがするのかじっと、赤いビー玉のような目で僕を見つめていました。そのビー玉は唯赤く、何も見ていないようで、僕は生き物が少し怖くなった。

out 

March 10 [Fri], 2006, 23:32
はじめまして、なおと、といいます。
簡単に自己紹介を。
関西在住の研究者、25歳です。

で、何故にこのタイミングでブログをはじめたかを語りたい。
今まで生きてきて、自分のことをあまり語ることをしませんでした。
その必要性も感じなかったし、逆に自分の本質的な部分を明らかにすることに恐怖に近い感覚を覚えてきました。
ところが、色々あって自我の境界がぼやけてくると、唐突に他者に自分の存在に触れて欲しいという欲求が芽生えてきました。
他人との関係性の中においてのみ、社会的存在であるところの自我が生存在するってことなんですかね?
自己分析がひどく浅いけど、このブログを通じて誰かが僕の存在を発見し、認識してくれることを望む。
仮想的な空間でいいから、誰か、僕といっしょに僕の境界線を描いてください。

そんな動機で始める物語。



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