TOY BOX最終話 

January 14 [Mon], 2008, 9:58
「ここはあーにゃが作った世界なのにゃ」
「作った世界?」
「そんなこと、普通の人間にできるわけないよ」
アウルの言ったことに対して、2人は顔をしかめました。
それに対し、アウルは地面に視線を落としながら言いずらそうに言葉を発しました。
「うにゃ、普通のはにゃ…」
そのアウルの言葉に、不安を覚えつつも2人は聞きました。
「普通のは?」
「どういうこと?違うってこと?」
アウルは、決心をしたかのように事の発端を話し始めました。
「うにゃ、ここはあーにゃが・・・違うにゃ、あーにゃが作ったんじゃないにゃ・・・あーにゃのおじいにゃんがつくったにゃ。あーにゃは、2代目なのにゃ」
「2代目?ってことは、初代が居るってことだよね?」
その言葉に、弥尋の頭にある疑問が過ぎりました。
「って、ちょっと待った!おじいちゃんってことは3代目なんじゃないの?お父さんは?」
その予想外の言葉に、アウルは口を少し開いたままになり、まるでお人形のようになりました。
「…うにゃ?」
智尋も言われた後で気づき納得しました。
「そうだよね、お父さん飛ばすってまずないよな…」
その言葉に対し、アウルはどっちでもいいように話を代えようとしました。
「そんな細かいことは置いておくにゃ」
「細かいか?細かいのか??」
「とにかく、歴代がげんじつとーひ?するために作ったにゃ」
突っ込みを軽く流し、本題に入りました。
「現実逃避…」
「そんなことのために…」
「だとしたら、なんでここに住んでるの?」
またもや、アウルが言いにくそうに口を開きました。
「そ、それは…」
そのアウルを見るに診かねたアークが口を挟みました。
「僕は…僕が、人間ではないから…だよ・・・」
「人間ではない?」
「うん、迷惑掛けちゃったから、きみらには教えるよ」
この場所と関係のある重大なことを聞かせてもらえると思い、何時しか2人は真剣な面持ちで次の言葉を待ちました。
「初代アーク・ビスケットは、現実逃避の為にここを創ったってアウルが言ったね」
その言葉を聞いて2人は生唾を飲みました。
「彼はね、人間嫌いだったんだ」
予想していなかった言葉に、2人は聞き返してしまいました。
「「…はい?」」
アークは、言いにくそうに続けました。
「彼は、人とは違う感性を持っていてね…」
「人とは違う感性?」
一大決心をしたアークが、思いがけないことを口にしました。
「うん、それは…ショタコンで人形オタクだったんだよ!」
2人は、聞いた瞬間大きく目を見開きながら唖然としました。
逸早く立ち直った弥尋が叫びました。
「はい!?ショタ!?オ、オタク!!?」
「そう、小さい子が大好きなうえ、人形を作っては飾る、いわゆるオタクだったのさ」
アークの言葉に2人はダブルショックを受けました。
「キモイ…」
「人形フェチ?」
少し傷つきながらも、アークは続けて言いました。
「だから、ここに居るのは全部人形達なのさ」
「人形?ってことは、本当にアークも人間じゃないの?アウルは分かるけど」
その言葉に今まで黙っていたアウルが口を開きました。
「どういう意味にゃ」
2人は言いづらそうに、言いました。
「いや、だってさぁ…」
「うん、容姿が…ね…」
確かに猫とは少し違いました。
しかし、少し大きくて2速歩行が出来、人間の言葉が話せるだけで、アウルの姿かたちは猫そのものでした。
「にゃ!?」
怒りのあまり、鋭い爪をむき出しにしたアウルを見て、アークは宥めるかのように口を開きました。
「まぁまぁ、アウル落ち着いてね」
アウルから2人へと視線を変えて、アークは話を進めました。
「てことで、初代のアークは人々から冷たい目で見られて村を出た…いや、追い出されたんだ」
「そんなことが…」
智尋が少し寂しそうな顔をしたすぐ側で、弥尋が疑問を口に出しました。
「でも、ちょっと待ってよ!それと、ここを作る意味ってなくない?」
その言葉に、アークは視線を落としながら答えました。
「確かに…でも、人間は独りでは寂しすぎる…寂しすぎて自分以外のなにかを求める…しかし、彼は人間嫌い・・・」
アークが寂しそうに話しているのを見て、アウルも寂しそうに言いました。
「それ故に、私たちが生まれた…」
アウルの様子に気づき、アークがアウルの頭を撫でてやりながら続けました。
「自分勝手な理由とは分かっていても…1人という孤独に勝てなくてね…」
「本当に勝手ね」
はっきり言う弥尋に智尋は少し怒りました。
「弥尋!」
「いいんだよ・・・本当のことだからね」
アークが下にまた視線をやると、弥尋が尋ねました。
「で?初代アークは、どこに居るの?文句を言ってやる!!」
「死んだよ」
「え・・・」
「もう何年も前にね、ポックリっとね・・・」
予想外な言葉に、さすがの弥尋も言葉を失いました。
「「・・・」」
その様子を見かねて、アークは少しぎこちない笑顔を2人向けました。
「人間の寿命は短い・・・僕ら人形とは違ってね」
アークは外を見ながら、話し続けました。
「人形の僕らは、生まれてから死ぬことはまずない・・・体が壊れたって死なないし、痛くも無い・・・」
その言葉に、顔を歪めて智尋が言いました。
「でも!でも、痛くは無くっても怖くないわけではないよね?」
弥尋も寂しそうな顔をして、続けました。
「それに、今こうしてここに居て生きている・・・動いているし、話してもいる、人形だからって心はあるんでしょ?」
2人の言葉に少し涙を滲ませながら、アークは初めて本当の笑顔を向けました。
「そうだね・・・ありがとう・・・君らに会えてよかったよ」
もう2度と会えないかのような、言葉に弥尋は不信感を感じました。
「アーク?」
「そろそろ、帰らないと帰れなくなってしまう」
その言葉に、2人は焦りだしました。
「えっ!?」
その慌てっぷりに、アークは少しはにかみながら言いました。
「大丈夫だよ、アウル」
アウルも笑顔で2人に近づきました。
「うん、2人に会えてアウルも嬉しかったよ」
弥尋が驚いたように言いました。
「普通にしゃべれたの・・・?」
その言葉に、アウルは2人の耳元で呟きました。
「てへへ、ここに居る子は皆嘘吐きなんだよ」
その言葉に2人は、驚きました。
「「な!?」」
アウルが小声で呪文のような言葉を呟き始めました。
そして、来たときのような光が2人を包みました。
「「・・・バイバイ」」
最後にアークとアウルの声が聞こえてから2人は意識を失いました。


「・・・・・・ろぉ?・・・ひろ?」
遠くから2人を呼ぶ声がだんだん近づいてきました。
「・・・ろ・・・弥尋、智尋?どこに居るの?ご飯よ」
その声に、2人は少しずつ意識がはっきりしてきました。
「・・・ん・・・」
「・・・ぅ・・・ん?」
周りを見回すとそこは、昼間宝物探しをしていた屋根裏部屋でした。
そこにかすかに、夕闇に染まる前のオレンジ色の光が窓から差し込んできていました。
「・・・あれ?」
「弥・・尋・・・?」
2人は何をしていたのかも思い出せずに顔を見合わせました。
「智尋?アレ?なにか、凄いことがあったような・・・?」
「う・・・ん・・・、思い出せない・・・」
そこへ、下から2人を探すお母さんの声が聞こえてきました。
「智尋ぉ?弥尋ぉ?」
2人は慌てて返事をしました。
「は、は〜い」
「今行くよ!」
そして、急いで階段を駆け降りました。
こうして、2人の記憶から今日の出来事はきれいさっぱりと消えていました。



そして、月日は流れ・・・
「What? box?」
こうして新しい物語、新しい出会いが始まってゆく・・・

TOY BOX9 

December 31 [Mon], 2007, 21:46
「ボブ!捕まえたわよ!」
息を切らして、弥尋は言いました。
「弥、弥尋ぉ、置いてくなよ・・・」
智尋は、猫を抱っこしながら走ってきました。
智尋の腕の中で大人しくしている猫を見て、ボブは名前を呼びました。
「たま!」
たまと、呼ばれて猫はボブ目掛けて飛びました。
「「!?」」
「にゃぁ!!」
たまは、ボブに両足で跳び蹴りをくらわせました。
「ぐはぁ」
その攻撃を受けて、ボブは吹っ飛びました。
そのボブに向かって、たまは仁王立ちをしながら叫びました。
「たまって呼ぶにゃ!あーにゃ」
「た、たま・・・僕の名前を間違えたね、にしても可愛い猫さんだなぁ・・・ハハハ・・・」
変体みたいな言葉を発する、ボブを無視しながら弥尋が尋ねました。
「ボブじゃないの?」
「うにゃ、あーにゃ びすけっみょにゃ」
聞き取りにくい、つたない言葉でたまは言いました。
「いいにくそうな名前ね・・・ってか、名前??」
疑問を抱えていると、ボブが正気に戻ったらしく言いました。
「とにかく、条件1つクリアおめでとう」
「ちょっと待って、1つってなに!?まだあるの??」
「1つだけとは言ってないよ。2つ目、僕の本当の名前はなんでしょうか?」
「はぁ?」
智尋がヒントを貰おうと口を開こうとした瞬間、弥尋が呟きました。
「・・・アーク・ビスケット」
「え・・・せ、正解・・・」
「何で分かったの!?」
「だって、この子が絵で描いて教えてくれてるもの」
そう言うと、床を指差しました。
そこには、油性ペンみたいなので絵が描いてありました。
絵の内容は、神父さんみたいな絵に、吹き出しで『アー』まで書いてある横に顔文字で吹き出し笑いをしているような絵に『ク』と書いてあったのでした。
そしてその下には、ビスケットであろう絵が描いてあったのでした。
「たま!」
「たま呼ぶにゃ!たま呼んだ罰にゃ!!」
たまに怒られて、少し落ち込みながら尋ねました。
「じゃぁ、なんて呼ばれたいんだ」
「アール」
「はいはい、アウルね」
その言葉を聞いて、満足したようにアウルが鳴きました。
「にゃあ」
「アウル、彼らを外に」
「にゃあ」
眉間に皺を寄せて、弥尋が言いました。
「どういうこと?」
「だから、外に」
「そうじゃなくて・・・」
少し悩みながら、アークは言いました。
「・・・アウルはね、ここの鍵なのだよ」
さらに、眉間に皺を寄せて言いました。
「意味わかんないって」
アークは、言いずらそうに口を開きました。
「・・・ここは、僕が・・・創り出した、世界なんだ」
「え?何を言ってるの??アンタが創り出した世界って・・・」
「それは・・・」
そのやり取りに、痺れを切らしたアウルが遮りました。
「あ〜、もう!じれったいにゃ」
驚いて目を見開きました。
「ア、アウル?」
「あーにゃ!しゃきっとするにゃ!もう、アールが説明するからいいにゃ」
「いや、でも・・・」
煮え切らない態度のアークに、痺れを切らしたアウルが叫びました。
「あーにゃは、そこに座って見てればいいにゃ!そして、アールがいい言うまで正座で黙ってるにゃ」
「・・・」
そう言われ、静かに黙って言うとおりにアークはしました。

TOY BOX8 

December 31 [Mon], 2007, 21:44

「さぁ、着いたよ」
着いた先は、巨大なお城みたいな家でした。
唖然としながら、智尋が尋ねました。
「・・・ここは?」
「僕の家だよ」
「・・・誰が・・・」
弥尋が俯きながら、だんだんと叫びだしました。
「誰が家を教えろといった!帰り方じゃなかったの?帰り方を教えろや!!こんボケ!!!」
そう叫ぶと、ボブの胸ぐらを掴み揺すりだしました。
「や、やめっ!だ、だから、この中に帰れる方法があるんだよ」
「はぁ?どういうこと?」
訳が分からずに問い直しました。
「こ、この家の中にいるあるものを捕まえられれば帰れるよ」
意味ありげに言う、ボブに2人は顔を見合わせてました。
「あるもの?」
「そう、あるものだよ」
「アイツは、手強いぞぉ」
Mr.チップスが思い出しながら言いました。
不安を抱きながら、智尋は尋ねました。
「どんなものなんですか?」
「白くて、軟らかくていつも語尾ににゃぁって付けている長い尻尾の生えている可愛い子だよ」
「それって」
「猫じゃん!!」
「失礼な!たまは、猫じゃないぞ!!・・・まぁ、似てはいるが・・・」
どう考えても、猫以外に考えられないが、このままでは埒があかないと2人はそういうことにしたのでした。
そして、ボブが外を見て少し焦りだしました。
「制限時間は、日没までだよ」
「日没ってもうすぐじゃん!」
だいぶ陽が傾いてたのです。
「うん、だから急いでね!始め!!」
合図を受けて、2人は走り出しました。
「どこに居るのかな?」
「さぁね、猫なんて解んないよ」
「どうしよう!時間がないよ!」
「む〜・・・、猫ちゃ〜ん!にゃんこぉ」
急に弥尋が叫びだしたのに、驚いて智尋を勢いよく振り向きました。
「どうしたの!?弥尋?」
「いや、呼んだら出てくるかと・・・」
「んな、あほな・・・」
そう、智尋が呆れながらいった瞬間、後ろから鈴の音がしだしました。
「にゃぁ、呼んだかにゃぁ」
「・・・ほらね!」
「んな、アホな・・・」
「にゃあ?」
猫は、訳が分からずに首を傾げました。

TOY BOX7 

December 24 [Mon], 2007, 18:15
「ここは、どこなんですか?」
智尋が尋ねました。
その質問に、ボブが言いにくそうに口を開きました。
「ここは・・・」
Mr.チップスが答えました。
「箱庭だ」
その答えに、弥尋は眉間に皺を寄せて言いました。
「はぁ?意味が解らないよ、それ」
その言葉に、Mr.チップスが少しイラつきながら言いました。
「だぁかぁらぁ!」
そのMr.チップスを見かねて、生卵が口を挟みました。
「ここからは、出られないんですよぉ」
「なんで!?じゃあ、私たちどうやってきたの!!?」
焦りながら、弥尋が尋ねましたが、生卵はどうでもよさそうな答えを返しました。
「さぁ〜」
「さぁ〜って、あんたねぇ」
「だって、僕関係ないしぃ」
生卵が言った言葉に泣きそうな顔をした弥尋を見て、Mr.チップスも言いました。
「俺らも、出れないからなぁ」
田中も少し俯きながら言いました。
「お役に立てずに面目ないです・・・」
その答えに、弥尋はまた一段と目が潤みだしました。
「・・・どうしよう・・・」
「弥、弥尋?」
「私たち、こんな所で死ぬまで居なきゃいけないのかな・・・?」
珍しく弱気な弥尋に、心配になってきた智尋はなにも言えずにいました。
「こんな変な生き物に囲まれて」
「誰が変な生き物だ!!」
Mr.チップスが激怒しました。
「こんな見ず知らずの場所で死んでいくなんて・・・」
智尋は、戸惑いつつ弥尋に声を掛けました。
「ちょっ、ちょっと、弥、弥尋さん?」
「・・・ぃ対に・・・」
「え?」
「絶対に!!イヤァアーー!!!」
錯乱しきった弥尋に、智尋が溜息をつきながら手を少し挙げてから振り下ろしました。
「落ち着けって!」
「イタッ・・・」
「叩いたよ・・・アイツ・・・」
「姫を平手で・・・」
田中とMr.チップスが小声で呟きました。
「弥尋」
名前を呼んでから、やさしく頭を撫でつつ智尋は言いました。
「大丈夫だよ」
その言葉に弥尋は、少し目を見開きました。
「入れたんだから、絶対に出られるよ!」
「・・・どこにそんな保証があるのよ・・・」
智尋は、頬を掻きながら答えました。
「ないよ、でも、諦めたら終わりだよ」
その言葉に、弥尋は大粒の涙を零しました。
「ほら泣かないの、ね?」
「ち、智尋ぉ・・・」
その光景を見ていた4人は、2人を静かに見守っていました。
「うぅ・・・、美しい兄妹愛や!」
田中が泣き出ししました。
しかし、生卵が急に叫びだしました。
「臭っ!超臭いよ!!鼻もげそうだよ!!!」
その言葉に、田中が怒り出しました。
「貴様ぁ!貴様というヤツは!!」
「なに?やる気?やるんなら、容赦しないよ!」
「望むところじゃ!クソガキがぁ!!」
「なにを!この変態ジジィ!!」
2人のバトルが始まり、先程まで泣いていたはずの弥尋涙もいつの間にか止まっていました。
智尋と弥尋にボブが話しかけてきました。
「ねぇ、お二人さん・・・」
神妙な顔しているボブに智尋は首を傾げました。
「ボ・・ブさ・・ん・・・?」
「そんなに、元の世界に戻りたい?」
2人は、ボブが何を言いたいのか解りませんでした。
「なに言って」
「当たり前じゃない!!」
智尋が聞き返す前に、弥尋が答えました。
「・・・」
その答えに、ボブは下を向いてしまいました。
それを見て、智尋が口を開きました。
「急にどうし」
ボブは、思い立ったかのように智尋の言葉を遮りました。
「帰り方・・・教えてあげるよ」
予想外の言葉に、2人は驚きました。
智尋は、素朴な疑問を尋ねました。
「どうして、ボブさんが帰り方を知っているんですか?」
「そ、それは・・・」
言いづらそうにしていると、弥尋が手を叩きながら言いました
「解った!ボブってここの番人なんでしょ!」
その答えに、智尋は頭にクエスチョンマークを浮かべました。
「・・・はい?」
ボブは、はにかみながら言いました。
「ま、まぁ、似たようなものかな・・・」
今まで黙っていたMr.チップスが、口を開きました。
「ボブさん、そろそろ行かないと陽が・・・」
「そうだね・・・行こうか・・・」
そういうと、ボブとMr.チップスは歩き出しました。
「弥尋、どう思う?」
小声で智尋は、弥尋に話しかけました。
「どうって?」
「なんかこう、なにかあるんじゃないかな・・・」
「なにが?」
「解らない・・・でも、なにか大きな秘密がある気がするんだ」
Mr.チップスが2人に声をかけました。
「どうした?早く来い!」
「待って!今行くから」
そう答えると、慌てて二人は走り出しました。


TOY BOX6 

December 15 [Sat], 2007, 13:38
「すんませんでした…」
男は、頭を深々と下げて誤りました。
「いえ…、それより…も大丈夫ですか…?」
智尋は少し躊躇いながら聞きました。
「な、なんとか…」
男は、喋りにくそうに言いました。
「弥尋、誤りなさい!こんなに、殴ったりして駄目だろ!!特に、顔は駄目なんだぞ!!父さんが言ってたろ?」
智尋は、弥尋の方を向き怒鳴りました。
「言ってたけど・・・でも、弥尋悪くないも〜ん!そもそも、ちぃに抱きついたそいつが悪いんだもん!!」
そう言うと、弥尋は男を睨みつけました。
「・・・」
なにも言えずに居る男に田中が話しかけました。
「ボブさん、お久しぶりです!」
ボブと呼ばれた男は、少しはにかみながら田中に答えました。
「ああ、誰かと思ったら、熊本さんじゃないですか」
「「…」」
ボブの言葉を聞いて2人は固まりました。
その状況から、いち早く立ち直った弥尋が沸々と湧き上がってきた怒りを爆発させました。
「たぁ〜なぁ〜かぁ!」
「はぁ…」
智尋は、もう溜息しか出ませんでした。
「姫ぇお許しを!」
「許すかぁ!ボケ!!」
2人のコントがまた始まったと智尋は思いました。
ふっと気になったことを思い出した智尋は、ボブに話しかけました。
「ところで、ボブ?さん?」
「…」
「ボブさん?」
ボブの反応が無いことに気になった智尋がボブの顔を覗き込みました。
ボブは、驚きました。
「あっ、ああ、ボクか…」
「ボブさん…、もしかして…」
「…ゴクッ」
ボブは生唾を飲みつつ、智尋の言葉の続きを待ちました。
「風邪引いてるんですか?」
智尋から言われた予想外の言葉に目を丸くしましたが、平静を装いつつ答えました。
「…。そういうわけではないけど…」
「じゃあ、風邪気味とか?」
頓珍漢な言葉発する智尋にボブは顔を歪ませて言いました。
「何故、そうなる…?」
「え?だって、ぼーっとしてたから…」
「「…」」
またしても、沈黙が流れて智尋は焦りだしました。
「えぇ?違いましたか!?」
「…ちぃは、いい子だね」
そう言うと、ボブは頭をなでました。
その光景を見てしまった弥尋が走ってきました。
「ちょっと、そこの変態!」
そう言うと『ゲシッ』っと、ボブに跳び蹴りをくらわせました。
「あっ、こら!また!!」
「痛いなぁ」
「うちの子を馴れ馴れしく『ちぃ』って呼ばないでくれますぅ?」
「ヲイ…誰が『うちの子』だよ」
「お母さん!たまさ…ちぃさんを娘さんをお嫁に下さい!」
「えっ?嫁って…まだ知り合ったばかりでそんな…」
「ちぃ、あんたなに載せられてるのよ…」
「だって…」
「しかりしなさいよ!お兄ちゃんでしょ!」
「あ!そうですよ!僕、男ですよ!!嫁は無理ですよ」
「そうそう」
「行くなら、お婿さんですよ」
また、頓珍漢な一言を言う智尋に弥尋は怒ろうとした瞬間、Mr.チップスが突っ込みを入れてきました。
「だからぁ!それが違うだろ!!」
「そうよ、チップの言う通りよ!」
その一言で、Mr.チップスが怒り出しました。
「どさくさに紛れて略すな!」
「だって長いんだもん」
可愛らしく、ちょっとしたお茶目みたいな風に言う、弥尋をMr.チップスはまた怒りました。
「可愛く言うな!このバカ力女!!」
その言葉を受けて田中が怒り出しました。
「姫を侮辱するなこのプめ!」
さらに、略す田中を威嚇しながら言いました。
「お前こそ、略しすぎだ!こんのボケ田中!!」
その光景に、呆気に取られていた智尋でしたが、このままではいけないとなんとか落ち着かせようと口を挟みました。
「まぁまぁ、落ち着いて…」
「とにかく、ちぃは私のだからあげないんだから!」
「姫、大胆発言ですな」
その言葉に、弥尋は眉間に皺を寄せて田中を怒りました。
「うっさい!田中!」
「申し訳ありません!ですぎたことを…」
その言葉を受けて、慌てて頭を下げましたが、顔はにやけていました。
そのことに、誰も気づいていなかったのでした。
そこへ、いまいち話が飲み込めない生卵が尋ねてきました。
「ねぇ、なんの話してるの?」
「あ゛?なにって!…なんだったっけ…?」
皆どうでもいい話になってしまっていて、本題を忘れてしまっていたのでした。
「さぁ…」
全員頭を抱えて、何の話からこうなったのかを思い出そうとしていました。
「「…」」
その時、ふっと智尋が思い出したように尋ねました。
「突然だけどさぁ…」
何事かと、弥尋は首傾げて聞きました。
「なによ、どうしたの?」
「なんで、此処にいるんだろう…」
突然のことで、智尋がなにを言いたいのか分からない弥尋は、聞き返しました。
「なに?いきなり?センチ?そんなの生きてるからに決まってるでしょ!頭でも打った?」
当たり前のような、すっ呆けたような答えに少し戸惑いながらも、弥尋に言いました。
「いや、そうではなくて…僕たち、どうしてここにいるのかな?こんな、ジャングルみたいな所に…」
「そりゃぁ、家でお宝探しをしてて………」
少しずつ思い出してきた弥尋がだんだんと青ざめてきました。
「…あっ……なんで、家じゃないんだろう…?」
完全に思い出した弥尋は、慌てだしました。
「お宝探しをって、まさか泥棒!?うちにある金目のものを狙って…」
ボブは、少しずつ後ずさりをしだしました。
「そーではなくて、私ら引っ越して来たばかりの家の中を物色してただけよ」
その言葉を聞いて、智尋は呆れながら言いました。
「表現が危ないよ…」
ボブは口元に手を添えて呟きました。
「なるほど、迷い猫って訳だね…」

TOY BOX5 

December 10 [Mon], 2007, 23:29
「え〜、彼女の名前はミスターゆで卵っていう」
マヨラーのMr.チップスが紹介しようとした瞬間、
「誰がゆで卵じゃあ!?あ゛ぁ!?」
っと、怒り出したのです。
「「!?」」
2人は、唖然としました。
さっきまでは、温厚で優しそうだったはずなのに、別人のような形相になったのです。
「彼女の名前は、温泉大ッ嫌い!生卵と申します…あのように湯○卵と言うと人…いえ、卵が変わったようになってしまうんです…」
「細かいところ直すなぁ」
ボソッと弥尋が呟きました。
「そうなんだ…」
智尋も小声で呟きました。
そして、弥尋がボコボコにされているMr.チップスを見ながら言いました。
「また、なんでそんな面倒なことに…」
振り向いて、田中に聞きこうとしました。
「それは、彼がまだ幼い頃…」
しかし田中は、もうすでに過去にあった出来事を思い出しながら語りだしていました。
「彼?彼女ではなく?」
智尋が気になり、尋ねました。
「彼は恋をしていたのです」
しかし、田中は全く聞こえていませんでした。
「お〜い?」
弥尋の呼びかけも空しく、また語りだしました。


そう、あれは15年前の出来事でした。
生卵当時8歳は、仲良しの女の子と遊んでいたときのことでした。
「生くんは好きな子いるぅ?」
唐突の質問に戸惑いながらも、答えようとしました。
「え?僕?僕は…温泉まん」
名前を言おうとしたときに、女の子は誰かが歩いて来るのに気づきました。
「まんじゅうちゃんだ」
「えっ!?」
まさに今、名前を出そうとした人物が歩いて来たことに驚きました。
しかし、それもつかの間でした。
まんじゅうの横には見覚えのある人物が居たのです。
「いつ見てもカワイイよねぇ。あれ?隣に居るのって、生くんのお兄さんじゃない?」
「ゆ…ゆで卵兄さん…」
「二人って付き合ってるって噂本当だったんだね」
その言葉を聞いた瞬間、生卵は頭が真っ白になったのでした。


「生卵はこうして失恋をしたのです…。以降、湯○卵と言う言葉を聞くだけで…」
「ああ、なるのね…」
今だに、暴れている生卵を遠い目でみるように言いました。
「はい、弥尋姫…」
田中の話中ずっと黙っていた智尋が口を開きました。
「?田中さん…その…気になってたんですが…」
「なんだね?智尋」
「゛ひ″って発音できたんですね…」
智尋の質問を聞いて、田中は顔を強張らせました。
「はっ!?しまっ…」
思わず声に出てしまった瞬間、どす黒い殺気が田中を包みました。
「田中ぁ!!」
「ぐはっ!」
「イイ根性してるわねぇ〜」
グリグリと弥尋が背中を踏みつけました。
「ひっ、姫、お、お許しを〜」
あまりの痛さに、田中は情けない声を上げました。
「お黙り!」
「がはっ…」
その光景を見ていた智尋は、ある答えを導き出しました。
「田中さんって、もしかして…M…?ってことは、弥尋はSってこと??」
嫌なことを考えってしまったことに気づき苦笑いをしていると、後ろから声が聞こえてきましました。
「あの〜、ちょっと良いかな?君たち…」
智尋は、慌てて振り返りました。
「はい!?・・・どちら様ですか?」
「いや、それはこっちのセリフだよ…人の家の前で…」
「え!?」
男が言った通り、目の前には家・・・というよりは、お城がありました。
「す、すみません!気付かなくて…」
驚きながら、男に謝りました。
しかし、男も驚きました。
「!?たま!?たま…」
男は、大きな声で言いました。
「え゛?たま?」
智尋は、辺りを見回しながら『たま』と呼ばれるものを探しました。
「も…戻ってきてくれたんだね!!」
弥尋も智尋も訳がわからずにいました。
すると、いきなり男が抱きついてきたのです。
「「はい!?」」
急のことで錯乱した智尋は、遠くを見つめ固まっていました。
弥尋は、唖然としながら少し口を開けながら、硬直してしまいました。
「たまぁ!」
なおも男は、強く抱きしめてきました。

TOY BOX4 

December 03 [Mon], 2007, 21:30
「久しぶりだな!我が最大のライバルクマの田中山!!」
そういうと、田中を指差しました。
しかし、田中はそれどころじゃなかったのです。
「セバスチャンの田中のおっさん、よくも騙してくれたわね」
弥尋は今だに怒りが治まらないらしく、田中の背中にを踏みつけていました。
そんな、弥尋を智尋はなんとか落ち着かせようと奮闘しています。
そのため、謎の男が一生懸命訴えても誰も聞いていなかったのです。
「お、お前らぁ!人の話を聞けぇ!!」
「あ゛ぁ?」
弥尋が低い声を出しながら睨みつけました。
「ご、ごめんなさい…」
そう言いながら、謎の男は土下座をしました。
「え゛ぇ!?よわっ!」
思わず、智尋は口にしてしまいました。
「今、なんて言ったぁ!!」
そう叫び、襲いかかってきました。
しかし、その攻撃は弥尋の蹴りによって虚しく止められました。
「弥尋…それやり過ぎ…」
「そう?機嫌の悪いこの私に近付いた方が悪いのよ」
笑顔で言う弥尋に、智尋は少し考えてから言いました。
「・・・まぁ、そうだけど・・・」
「ヲイ!?お前、ただ単に考えるのがめんどくさくなっただけだろ!!」
「・・・バレマシタか?」
「悪びれもせずに言うんじゃありません!!」
謎の男は、叫びました。
「うるさいぞぉ」
それまで黙っていた弥尋が、少し可愛らしいのにどこかドスの効いた声で言いました。
「ごめんなさい!」
謎の男は、平伏しました。
「やちろは凄いなぁ」
田中は、尊敬したように呟きました。
「た、田中さん?」
「やちろ!いや、やちろ姫!!」
「「姫!?」」
智尋と謎の男は、驚きました。
「なぁにぃ?ベアーちゃん」
「この田中めをやちろ姫の執事に・・・いや、召使にしてくだされ!命に代えてもお守りいたします!」
「「え゛ぇ!?」」
智尋と謎の男は叫びました。
「・・・よっくてよ」
弥尋は、少し考えてから答えました。
「ありがたき幸せ」
田中が頭を下げながら言いました。
「マジで!?弥尋本気なの!!??」
「田中!考え直せ!!」
「なにを言う!Mr.コレストロール!!」
「誰がコレストロールじゃぁ!私は、マヨラーのMr.チップスだぁ!!」
「「「・・・」」」
またもや微妙な空気が流れました。
「聞いたぁ?智尋、田中」
「こら!田中さんだろ!」
「良いのだ、我が姫なのだから」
「ねぇ、聞いてるの?智尋を取らないでよね、田中」
「申し訳ございません、姫」
片膝を付きながら、田中は答えました。
「よろしい」
にっこり弥尋は、微笑んだ。
「…で?どうしたの?弥尋??」
「あぁ、そうそう、マヨネーズ味のポテトチップスみたいでキモイねって、言いたかったの」
「・・・あぁ、確かに・・・」
そういうと、智尋は横目でMr.チップスを見ました。
「なんだ!その目は!?」
「べ、別に・・・」
Mr.チップスは、少し泣きそうになりました。
そんなMr.チップスの肩を何者かが叩きました。
驚いて、Mr.チップスが振り向きました。
すると、そこに居たのはなんと大きな卵でした。
「どぉ〜んまい」
「「え゛?えぇぇぇ!!?」」
弥尋と智尋は驚きのあまり、後ろへ走って木の後ろへ逃げました。
「おお!温泉かぁ!!」
「生じゃないか」
2人は知り合いらしく、話しかけました。
「おひさぁですよ!お2人さん!相変わらず仲良しさんだよねぇ」
「「どこがだぁ!」」

TOY BOX3 

December 03 [Mon], 2007, 20:30
「ふむ…君たちは、どうやって来たか解らないんだね?」
二人は、着ぐるみを着た人間んに、経緯を話しました。
しかし、話すことに飽きていた弥尋は、着ぐるみを着た人間に質問をしました。
「ねぇ、おじさんは誰なの?」
その質問に二人は固まりました。
「弥尋!おじさんは失礼だろ!せめて、おじ様に」
「いやいや、変わらないだろそれ!」
着ぐるみを着た人間は、言いました。
「で、何て名前なの?おじさん」
何処までもマイペースの弥尋に、着ぐるみを着た人間も諦めて、黒いサングラス
を掛ながら答えました。
「我が名はセバスチャン。ヨロシクな!やちろとちちろ!」
「え?今、何て言った?やちろとちちろ?」
弥尋は、聞き返しました。
「「「…」」」
三人の間に微妙な空気が流れました。
「お・じ・さ・まぁ」
弥尋はにやにやしながら、セバスチャンに言いました。
「"ひ"って発音できないんだぁ?」
「弥尋!いくら本当のことだからって、そんなに直球で言ったらまずいよ!」
「いやいや、ちちろの方が酷いぞ!?」
「だからぁ、智尋だって!ち・ひ・ろ!!」
弥尋はちょっとイラついたように言いました。
「だから、田中さんをイジメちゃ駄目だよ!」
智尋はセバスチャンのことを田中さんと呼びました。
「田中さん?セバスチャンじゃないの?」
弥尋は、眉間に皺を寄せて言いました。
「そうだぞ!セバスチャンって名乗ったのに、何故その名を知っている?」
「え!?それって、私たちを騙そうとしたってこと!!」
「しまった…」
田中は、まずいと思い逃げようとしました。
しかし、弥尋が田中の足をおもいっきり引っ張りました。
そのため、田中は顔面から地面に倒れ込みました。
「う゛ぶ!!」
「逃がさないぞぉ!おっさん…。ところで、智尋はなんで名前が違うことに気付
いたの?」
弥尋はもっともな質問をしました。
「え?だって、あの人がプラカードに書いて教えてくれたし…」
そう言うと弥尋の後ろを指差しました。
「お、お前は…!!」

TOY BOX2 

November 20 [Tue], 2007, 19:24
「・・・ん・・・?」
智尋は、目を擦りながら辺りを見渡しました。
辺りは、屋根裏部屋ではなく草や木が生い茂っています。
まるでジャングルのようでした。
智尋は、目を見開き驚きました。
智尋の近くに倒れていた弥尋を大急ぎで起こしました。
「弥、弥尋!起きろ!!」
「ちぃ・・・うるさい・・・」
「うるさいじゃない!あ"ぁ"!?これだから嫌なんだよ!!低血圧なヤツは!!!」
「う"〜・・・、低血圧は関係ないし・・・」
「「・・・」」
「って、起きてんじゃんか」
そう言うと、弥尋の頭を平手で叩きました。
「いったぁいなぁ!もう!・・・って、ここどこ?」
「反応おっそいなぁ・・・」
「うるさい!で、ここどこなのよ?」
「分かれば、こんな大騒ぎしてないよ・・・」
「それもそうだわな」
のん気に返してくる弥尋に頭が痛くなる智尋でしたが、何かが動いた音が聞こえて身構えました。
草木がガサガサとだんだん大きな音をたて始めたのです。
弥尋を後ろに隠しながら、智尋は近くにあった少し長めの棒を手に取りました。
その時、草木から何かがこちらに走ってきました。
智尋は、驚いて棒をおもいっきり振り下ろしました。
「うぎゃぁぁあ!!!」
『ゴン!!』
凄い音と叫び声が森に響き渡りました。
智尋が倒したのはなんと、ピンクの熊でした。
それをよく見ると棒キャラクターそっくりな熊でした。
それをまたじっくりと見ると、顔の部分だけが人間の顔でした。
そうです、棒キャラクターそっくりな熊の着ぐるみを着た人間だったのです。
智尋は、青ざめながら着ぐるみを着た人間に話しかけました。
「だ、だだだ!大丈夫ですか!!??」
そういうと、その人間に急いで駆け寄りました。
「・・・Good job・・・」
着ぐるみを着た人間はそれだけ口にして、また倒れました。
「なっ・・・なにがぁ!!!」
智尋は、絶叫しました。
「落ち着け!」
今度は、弥尋が智尋の頭を平手で叩きました。
「あいて・・・」
「手当てが先でしょ」
「う、うん。そうだね・・・、でも、ここには何も無いよ・・・」
青ざめた顔でいう智尋に弥尋は少し悩んでから、急に立ち上がりました。
「弥、弥尋?」
弥尋がどこかへ行ってから2分後、手には桶のようなものを持っていました。
「弥尋、それどこから・・・」
「知らない人から借りてきた」
「・・・って、人がいたの!?」
「・・・そういえば、居たね」
「・・・ところで、その桶をどうするの?」
「え?なに言ってんの?手当てするんでしょ?」
「あ、そっか!ありが」
『バシャー!!』
「・・・え?・・・な、なにしてんの?」
「何って、手当てだよ」
「・・・」
弥尋がした突拍子も無いことに、智尋は頭が痛くなりました。
「ばっつ、ぐぢゅん!!!」
水を掛けられた着ぐるみの人は、盛大なくしゃみをしました。
「だ、大丈夫ですか!!」
智尋は、慌てて尋ねました。
「thank you !」
「へ?」
予想外な答えに智尋は驚きました。
「丁度、喉が渇いててさぁ」
「それはよかったですぅ」
弥尋は、笑顔で答えた。
二人の会話についていけずに、ボーとしていました。
その時、着ぐるみを着た人間は、重大のことを思い出しました。
「・・・ところで、君ら誰??」
「「あ"・・・」」

TOY BOX 1 

November 17 [Sat], 2007, 12:17
昔々、ある土地に天才と吟われる一人の青年が居ました。
その青年は、天才と言われるだけあって、頭も良く、誰からも好かれていました。
しかし、青年には、不思議な力がありました。
それは、物に命を与えることが出来たのです。
青年のこの力を知っているのは極一部の人間だけでした。

力を隠しながらも平穏な毎日をおくっていましたが、青年の秘密は無常にもばれてしまいまし
た。

その後、青年は突如姿を消してしまいました。


それから、月日は流れ…


春。深緑が薫午後。
小高い丘に建つ一軒家に、ある一家が引っ越して来ました。
その一家は、何処にでもあるような極々普通な家庭でした。
この一家には、双子の兄妹が居ました。
二人は、仲も良くいつも一緒でした。
今も引っ越して来たばかりの家の中を探検しています。
そして、屋根裏部屋を発見したのです。
屋根裏部屋には、前に住んで居た住人が置いていった物がたくさん残っていまし
た。
そこで、二人は掘り出し物探しを始めたのでした。
「智尋ぉ?何かあった?」
少女が問いかけました。
智尋と呼ばれ後ろを振り向いた少年は、少女に答えました。
「うん、なんか変なものを見付けたよ、弥尋」
弥尋と呼ばれた少女は、目を輝かせ智尋に駆け寄りました。
「なに!?どんなの!?」
そこにあったものは、智尋の片手に丁度持てるぐらいの小さな箱でした。
弥尋は、少しがっかりしました。
もっと凄い物を期待していたのです。
「なにそんなにテンション下がってんだよ…」
「だってさぁ、こんな小さい物にあっと驚く掘り出し物なんて入ってないでしょ
…」
「お、お前なぁ…」
智尋が弥尋に一言文句を言おうとしたとき、箱になにか文字が書いてあるのに気
付きました。
「?なにか字が書いてあるぞ?」
「ふーん。なんて?」
「え〜と、『ワレハ…ケイヤク、ノモトニ…トイボックス…ヘ、イカン』?なん
だコレ?」
「なにその文章…トイボックスって…玩具箱?ってこと??」
「その前に契約ってなんの?」
二人はこの奇妙な言葉が気になっていました。
『TOY BOX SET UP』
「なに!?今の声みたいなの!?」
「は、箱が・・・」
こうして、不安は現実のものになってしまったのです。

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