恋語り―白の火焔―/青目京子(X文庫ホワイトハート) 

May 16 [Sat], 2009, 19:32
恋語りシリーズの2作目。
主人公の火焔は武家の総領娘で、男装をして、武士として勤務している。
いずれ婿を取って家を継ぐことになっているが、皇太子・綾白と恋に落ちる。

こう書くと少女小説っぽい話だけど、萌えるとかいう感じがあんまりしなかった。恋愛関係の進み具合で言うと、一番進展しているのだが。
話は、「緋風の蝶」を別の人物の視点で見た形になる。緋風の恋している主人公にはそれなりに色気があったが、火焔は男っぽすぎて、辛い。
まとまり方も、あんまり好みじゃなかった。緋風の勢いとか、すっきりした感じがない。つまらないわけじゃないが、物足りなかった。

以前も思ったが、青目さんは海を描いていると水を得た魚のような人なので、海賊ものでもう一作読みたい。出してくれるといいな。

プレイリスト 

April 25 [Sat], 2009, 16:35

NegativeとL.A.GUNSは続けて聴くと、妙に調和する。声は全然違うタイプだし、共通点と言えば、どっちもヴォーカルが女っぽいルックスを売りにしていた時期があるということくらいしか思いつかないけど。
BANG TANGOのこのヴァージョンの"20th Century Boy"は、オリジナル・メンバーによるもので、iTunes Storeで買えないのが残念なかっこよさ。ベースが重くて、ギターが突き抜けてて、なんかもう、良すぎる。んn

総統の子ら (下)/皆川博子(集英社文庫) 

April 11 [Sat], 2009, 12:25
戦況が激しく動くので、戦闘の描写が増えて、置いていかれる感じが強くなってしまった。
皆川さんは実際に戦車に乗って取材したそうで、戦車がどういう状態だと脱出できないとかが、はっきりと書かれている。しかし、自分は乗ったことも見たこともないので、頭に描ききれなかった。意外と動きが遅く、被弾するとやっかいで、立ち往生することが多いというくらいはわかったけど。

ナポラの入学試験に向かう列車内で、エルヴィンがカールのいるコンパートメントを選んだのは、他より空いていたという理由ではなく、一目ぼれに近いものだったのだろう。
エルヴィンと親しくならなければ、カールはヘルマンとも個人的な交流はなかっただろうし、彼に憧れ、強くなりたいという思いも、現実にするほどには抱かなかったかもしれない。
カールは家族運がない分、友達運はあったのかな。エルヴィンほど気に掛けてくれる人なんて、探しても見つかるものじゃないだろう。

第二次大戦をざっと追う形になっているので、戦争映画を観る時、前よりもずっと理解しやすくなった。
ふと、これくらいの濃い作品が2クール程度のアニメになったら面白いだろうな、と思ってしまった。別に映像が必要なわけじゃないけど、兵士の統率された動きや、戦闘、カールの恐れる暗闇なんかは、映像になればまた違う衝撃を与えると思う。

長かった。夢から醒め、また夢の中に踏み出すように終わっている。登場人物達は皆、想像していたよりもはるかに現実的な結末を迎えた。だから、すっきりとした気分になれないのだけど、仕方がないのだろう。

Imitating Angels/Nymphs 

March 02 [Mon], 2009, 11:59
コートニー・ラヴを甘くしたような女性ヴォーカルの声に、調子がはずれたようなギターがかぶさる。
ちゃんと日本盤も出てるアルバムの曲に、「調子はずれ」なんてどうかと思うが、本当に内臓を引っ掻かれてるような、妙な感じがする。
おそらく90年代前半に出てきたバンド。今は何してるんだろう。

総統の子ら (中)/皆川博子(集英社文庫) 

March 01 [Sun], 2009, 11:06
何でもないと思っていたことが、複線だったとわかった。
ここではヘルマンは第二の主人公といういよりも、ほとんど主人公になっている。
貴族の一人息子で、黙っていても周りが勝手に昇進させてくれていた彼が、緩やかに堕ちていく。やっぱり、お坊ちゃんが出てきたら先はこうでなくっちゃね。

カールは相変わらず、老若男女問わずに人気がある。
ナポラを卒業し、自分の足元の不確かさに直面せずに済むように、進んで危険に飛び出していく。カールがある意味死にたがってやっていることが、彼の人望を厚くしていく。皮肉だ。

モーターバイク・ユーゲントの頃は、面倒見のいい少年だったパウルは、父親のせいでとんでもないことになってしまう。
横柄な監視兵から、一転して不条理に泣かされる側に回るところに、人が生まれつき持っているものだけを拠り所にすることの危うさが見える。


カールが出兵したことで、戦争の描写が圧倒的に多くなった。かなり残虐な部分があるので、もう寝る前に読むのは止めておこうと思った。
カールには、脇の下に血液型の刺青がある。全て終わった時、登場人物達がどうなっているのか気になる。なんとなく、ティムは長生きしそうだ。要領がいいんだもん。

Betsucomi(ベツコミ) 2009年3月号 

February 21 [Sat], 2009, 19:11
「Piece」が載ってるとばかり思って買ったら、ない!連載じゃなかったなんてorz 来月の予告にも載ってないし、続きはいつになるんだろう……。

落胆しつつ読んでみると、、先月はスルーしてしまった「メンズ校」がめちゃめちゃ面白かった。「明けない夜はない」というセリフに、「暮れない昼もない」と返すのがスゲー。体力のあるカノジョを押し倒す妄想をすると、エロではなく格闘系のイメージになってしまうとか、くだらないことが面白い。最後には、その楽しいこともいずれ忘れてしまうのかな、としんみりさせる。いいな、コレ。

先月は展開が不自然だった「先生だってお年ごろ」が、意外とすんなり読めた。キャラのリアクションが面白い。この漫画家さんは好きかもしれない。

総統の子ら (上)/皆川博子(集英社文庫) 

February 21 [Sat], 2009, 19:03
1930年代のドイツ。祖父の家で暮らす12歳のカールは、戦闘機乗りを目指してエリート養成学校で寄宿生活を始める。

主人公のカールがユーゲントに入る経緯が自然だった。
今のところ、彼にはそういう思想はない。引越し先でいじめっ子に目を付けられて困り果て、家族も頼りにならないので、年上の子が守ってくれる団体に所属することを望んでしまう。何かに飲み込まれる時は、こういうごく自然な理由から始まるのだろう。

「蝶」の時のように、携帯電話を片手に、あれこれ検索しながら読んでいる。特に歴史に詳しいわけじゃなく、ドイツ語も「ダンケ」、「ビッテ」と挨拶程度しか知らないので、やっぱり検索しながら読むほうが面白い。

SS将校・ヘルマンが、"Schöner Gigolo"という曲を歌うシーンがある。さぞ勇ましい曲だろう、とドイツ版iTunesで検索すると、驚く程軽快な曲だった。Bert Beelという歌手の声が、暗い中、受験生の子供達に囲まれて歌うヘルマンを最もイメージしやすかった。途中で歌うのを止め、腕を振って「我々は二度と敗北はしない。前進!」と言う彼も、10年後にはどうなっているか。先が楽しみだ。

りかさん/梨木香歩(新潮文庫) 

February 20 [Fri], 2009, 19:57
人形と会話して、人形たちの魂が抜け出してざわざわと活動する様子が見えるようになる女の子の話。ようこは、祖母や、人形達に影響を受けて成長していく。

人形に興味がない人には、あまりおもしろくないかもしれない。
子供の頃にジェニーちゃんを持っていた程度の接点でもあれば、思い出に浸れて楽しいかも。
自分は人形と距離がある子供だったので、少し敷居が高く感じてしまったが、それでも思わず頷いたところもあった。
「育ち」の良い人形は、持ち主が抱え切れずにはみ出してしまった強い思いを、引き受けてくれるという。人形を手放すことは悪いことじゃなく、その人形が役目を終えた結果だ、と。人形以外でも、何かを手放す時は多少の後ろめたさを感じると思う。「時間をかけてやらなかった」と、自分を責めた経験は誰にでもあるのではないか。

何年も触りもしなかった楽器を、罪悪感を感じながら売った経験がある。買った時はもちろん弾くつもりだったけど、お気に入りはすでに別にあった。引き取りに来た業者に、「こういう部品も付属していたはず」と要求されて、慌てて探すと、存在したことすら忘れていた部品達が、まるで自ら意志を持って飛び出したように次々と見つかった。
「物には命がある」というのは、こういうことを言うと思った。探し物が見つかっただけのことだが、その時は、楽器が「このまま飼い殺すなら手放してくれ」という強い願いを持っているように感じた。そして、「弾いてもらえる可能性の中へ投げ込んでやって、良かった」と、物に対する感情とは思えない気持ちになったことを思い出した。


収録されている、もう一つの「ミケルの庭」の方が好きだった。
人の苦しみは、本人が無視して、存在しないと決め付けても、消すことはできない。ふとしたきっかけで人をコントロールしてしまうが、そこから生まれた結果が、本人を幸せにするわけじゃない。
浅ましい感情を無視すれば、そのうちそれが消えるんじゃないかと思うのはよくわかる。なかなか良い短編だった。

読み終わったので、帯つきの新品に近い状態で買取を頼んだら、引き取ってもらえなかった。なぜ。人気作品のようなので、在庫もたくさんあるのだろうか。

らぶ・ちょっぷ! 1~2巻/森生まさみ(花とゆめcomics) 

February 14 [Sat], 2009, 11:34
疲れた時の横っ面に、ビタンと叩きつけてほしい1冊。

癒しロボットの「まめ」が、飼い主の生徒会長や、学校の変わり者たちと関わっていく日常が描かれている。まめはマイナスな感情はプログラムされていなく、常に明るい。生徒たちにはそれぞれ秘密や苦悩があるが、悪人キャラは登場しなく、ほわんとした雰囲気が続く。なので、おそらくあらすじを読んだだけでは手に取らなかったと思う。

女子の制服にニーソやタイツを合わせて、キャラごとに違う着こなしをさせてるのが、かわいい。
彼氏ほしさに頑張りまくる女の子が、コンタクトをなくしてめがねになった途端にトーンダウンしてしまったり。女の子の表情も、笑顔や泣き顔にいろんな感情が出ていて、はっとすることがあった。この漫画の女の子は、ただ笑ってる時と、心底うれしい時の顔が全然違う。こういうのってやっぱり、漫画だからこそできる見せ方だな、と思った。

少女漫画だけど、この雰囲気は夜中のテレ東のアニメっぽいかもしれない。
きっぱり解決されてない部分ものこして2巻で終わってしまったのがちょっと残念だ。

恋語り―緋風の蝶―/青目京子(X文庫ホワイトハート) 

February 14 [Sat], 2009, 11:05
「恋語り」シリーズの1作目。順序が前後したが、3作目が面白かったので、購入してみた。
妖怪が出没する、中世の日本っぽい世界が舞台。主人公は貴族の姫だが、ずっと綺麗な衣装を着ているわけではない。

ヒロインの人生最大の悩みが失恋、というような話を読みたいわけじゃないので、過酷な展開は大歓迎だが、それでも驚くくらいにヒロインが酷い目に合っている。
少女向けとかライトノベルというと、ヒロインにはこれ以上のことは起きない、という垣根があると思うのだが、それが低い。十二国記の陽子よりも、取り返しのつかない仕打ちを受けている。とっくにやられていても不思議じゃないのに、性的には無事なところが、少女向けといえばそうなのだけど。

気になったのは、宮廷に関することが、あまり詳しく書かれていない点だ。
主人公・早子をかくまった武士の左近は、体制に反発した貴族達との集まりを頻繁に持っている。早子は話し合いには加わらないものの、彼等にかわいがられて、「打ち解けている」とある。その貴族達には、名前や個性の描写がされていないので、どういう位の人間達が立ち回っていくのかがわからなかった。せめて、貴族達のうち、一人くらいの名前くらいは知りたかった。綾白が焼きごてを押される発端となった言葉も、そのものを書いて欲しかった。

虫は苦手だが、この作品に出てくる玉虫はひたむきで、泣ける。
虫がきっかけで恋をして、虫に導かれて進む。その、背中を押されるような雰囲気のままラストに突き進むので、読後感がすごく良かった。
P R
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