僕の7

November 05 [Wed], 2008, 9:29
最後の試合の前日、僕は例の背の低い彼女に、滅多に送らないメールを送った。
詳しくは覚えていないが、とりあえず返事が必要な内容にしたのは覚えている。
返事の中身はどうでも良かった、ただ彼女から僕だけのために宛てられたメールを、最後の大会の試合の前に欲しかったのだ。

そして、彼女は返事をくれた。
メールの最後に、こう書いてあった。

明日の試合、会場が別で応援は出来ませんが、頑張ってください。
私も先輩たちのために頑張ります。
お互い、いい試合になりますように☆彡


かわいい! メールして良かった!

アイツからもメールがきていたが、適当な返事をすぐに返しておいた。
僕は最高の気分で眠りについた。

アイツの7

November 05 [Wed], 2008, 8:46
そんな状態は僕らが引退するときまで、いや、実は引退した後も続いた。

毎年、3年生の引退が決まる6月のインターハイ地区予選の前には下級生からプレゼントを贈る習慣がある。
僕らが1,2年生のときにも、いろいろとやったもんだ。
3年生全員にお揃いのリストバンドをプレゼントしたり、な。
まあ、ど派手な勝負パンツをプレゼント、なんてこともあったが。
女子は女子でもっと派手に色々とやっていたが、正直覚えていない。

一つ上の代も人数が少なかったが、僕らの代も男女とも人数が少なかった。
そのためか、その年は男女混合でプレゼントを贈ってくれた。
男からは栄養ドリンク(落書き済み)と靴下、それと恒例のリストバンド。
女子からはたくさんのお菓子と名前入りのはちまき。

僕に手渡してくれたのは、やはりというのか、アイツだった。
僕はその時でもまだあの背の低い彼女のことが好きだったので、予想できていたとはいえ、やはり落胆した。

ちなみにはちまきの名前は手縫いだったが、あとで別の後輩に確認したところ、僕の分はやはりアイツが縫ったのだそうだ。
途端にそのはちまきが重く感じられた。
正直付けたくなかったが、さすがに一人だけつけないわけにもいかない。

後輩たちからもらった靴下、リストバンド、そしてはちまきを身につけた僕らは……
男女ともに1回戦で敗退、引退することとなった。

俺の7

November 05 [Wed], 2008, 7:53
俺は小さい頃から近くの川で遊んでいた。
友達と泳いだり、釣りをしたり、上流まで探索に出かけたり。
大学生になってからというもの、泳ぎには専ら海に行くようになった。
一つには、俺が地元を離れたこと。そしてもう一つは、車を手に入れたことだ。時には友達の車で出かけたりした。
海までは片道30分。そう遠くはない。

ある日、久しぶりに地元の川で遊ぶこととなった。メンバーは大学の部員。
昼間っから花火をし、泳ぎ、ビールを飲んだ。
川で遊ぶ子供たちがいなかったから、平日だったのだろうか。

海などへの遠出を別にすると部活仲間と遊ぶのはたいてい大学近辺が多かった。
なんでこの時はそこで遊ぶことになったのだろう。
覚えていないが、俺にとっても久しぶりの地元だったし、この川で遊ぶのは地元のメンバーとばかりだったので何やら新鮮な感じがした。

泳ぎ疲れた俺はビールに手を出した。
危ないから、と、もう泳ぎ終わったやつだけがビールを飲んでいいことになっていた。

馬鹿騒ぎしている仲間から少し離れたところに座り、ぼーっと水面を見つめた。
そして風の音を聴いた。
この頃、俺の周りにはまだアイツがいた。けれども、他に惹かれている子もいた。
そんな時期。
地元に帰った俺が思い出すのは、やはりアイツのことだった。
この川にも、アイツとの思い出はたくさんある。

しばらくそっちの世界に浸っていると、不意に一陣の風が俺の周りを通り抜けた。
途端に、自然の音、それと愛すべき仲間たちの声が、姿が戻ってきた。

ため息と……苦笑を一つ、吐き出した。
代わりに残っていたビールを飲み込み、ついでに先ほど通り抜けていった風の残りも吸い込んだ。
仲間のもとに戻り、騒ぎにまじった。

ものすごく泣きたくなったのは、何故だろう。
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