今年もあっという間にあと10日をきってしまいました。師走とはよく言ったもので、12月は走り去るように過ぎていきます。ばたばたしていたのと私の目の不調もあって、 12月にはブログをまだ書いていませんでした。
このブログを始めてから、ちょうどもう二年になります。ずっと月に三回から四回は書くようにしてきましたので、結構忙しい感じではありました。でも映画や読書は私の愉しみですので、その延長線上で書いていて、二度楽しんでいたような気がします。
止めるのは惜しい気がしますが、今回をもちましてしばらくお休みさせていただきます。このブログをお読みいただいた方々には心から感謝しています。そして感想などお寄せくださった方々本当に有難うございました。
今年はいいニュースが少なくて残念です。でもアメリカでオバマさんが勝ったのは少しの光明でしょうか。難問山積ですが、彼の「チェンジ! イエス ウイ キャン」に期待しましょう。日本では選挙もせずに首相がたらい回しに変わるなんて異常ですね。
近頃、毎日のようにニュースで非正規雇用の人々が大量に職を失ったと報道していますが、日本もアメリカ発の世界的な不況に巻き込まれています。ついこの間まで世界一の売り上げを誇っていたトヨタ自動車が大勢の人を簡単にリストラしているといいますし、ホンダはあのF1レースから降りるといいます。優良企業だと言われてきた会社も解雇だとか工場閉鎖だとかよくないニュースが続いています。
それもこれもアメリカ発から起こった大迷惑です。
第二次大戦以後、アメリカは世界一の生産力と生産性を誇り、ドルは世界の基軸通貨として、安定していました。世界中がアメリカに追いつけ追い越せと生産性を高めていく中、アメリカの製造業は、日本などの創意工夫で勝負してくる後発国との競争に勝てなくなってきたそうです。それに替って金融事業にのめりこんでいったというのです。
ウオール街の「強欲」と「傲慢」が、世界中の経済破綻を招いたといいます。

このあたりの事情を、『強欲主義ウオール街の自爆』(神谷秀樹 文春文庫)は、明らかにしています。著者は、ウオール街でビジネスをしている人ですから内側にも詳しく、このすごいタイトル通りの「強欲ビジネス」の実態には目をむきます。
アメリカの三大自動車メーカーGM、フォード、クライスラーが公的資金のお願いに行った時も、彼ら経営者たちは、自家用ジェット機でワシントンに乗り付けたとその横着さが報道されました。アメリカの基幹産業である自働車業界さえもがモノ作りを軽視し、その中心産業が金融へ移っていったといいます。
2007年には企業収益の4割にも達していたという金融産業の話はすさまじく、読むと腹が立ちます。アメリカのお金儲けの犠牲者が自国民だけでなく、海を越えて世界中に類を及ぼしたのですから、たまったものではありません。どこの国も公的資金で一生懸命支えていますが、この公的資金というのも、もともと税金なのですから、こつこつと働いて税金を納めてきた庶民こそ、たまったものではありません。
今日は最近出た関連の本を紹介しておきます。

『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』(本山美彦 岩波新書)サププライムローンに端を発した今回の経済の大混乱は、金融が本来の役割を離れて「リスク転売のビジネス」へと変わっていった過程を具体的にたどっているので、私たちのような素人にも判りやすいです。
『反貧困―「すべり台社会』からの脱出』(湯浅 誠 岩波新書)この本は大佛次郎論壇賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞のダブル受賞した話題の本です。
著者はNPO法人自立支援サポートセンター・もやいの事務局長などを務める方で、実践を通して貧困状態に追い込まれていく人々の実態や、「反貧困」に立ち向かっていくにはどうするかを論じています。驚いたことに「貧困は日本では問題になるほどではない」としてきた政府の見解は、日本で調査した結果に基づているのではなくて、外国の民間会社のいい加減な調査を根拠としているにすぎないことだったといいます。なんとまあ!
巨大な金融ビジネスで、おいしいところを吸い上げた世界のお金持ちたちのマネーゲームの一方、とても深刻な様相になってきた貧困問題を、この本では今、自己責任だ、他人ごとだと片付けずに、貧困に強い社会とは何かをみんなが真剣に考え、行動していこうと呼びかけています。
最後のブログです。明るい話題で締めくくりたかったのですが、今、無関心ではいられない問題でしたので、こんな本の紹介になりました。
長い間、この場をご提供頂いたウイメンズブックストアゆう社長の森屋裕子さんに心からお礼申し上げます。
皆様いいお年をお迎えくださいますようお祈りしています。お元気で。
