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なぜ世界的経済不況が起きた? / 2008年12月22日(月)
今年もあっという間にあと10日をきってしまいました。師走とはよく言ったもので、12月は走り去るように過ぎていきます。ばたばたしていたのと私の目の不調もあって、 12月にはブログをまだ書いていませんでした。

このブログを始めてから、ちょうどもう二年になります。ずっと月に三回から四回は書くようにしてきましたので、結構忙しい感じではありました。でも映画や読書は私の愉しみですので、その延長線上で書いていて、二度楽しんでいたような気がします。

止めるのは惜しい気がしますが、今回をもちましてしばらくお休みさせていただきます。このブログをお読みいただいた方々には心から感謝しています。そして感想などお寄せくださった方々本当に有難うございました。

今年はいいニュースが少なくて残念です。でもアメリカでオバマさんが勝ったのは少しの光明でしょうか。難問山積ですが、彼の「チェンジ! イエス ウイ キャン」に期待しましょう。日本では選挙もせずに首相がたらい回しに変わるなんて異常ですね。

近頃、毎日のようにニュースで非正規雇用の人々が大量に職を失ったと報道していますが、日本もアメリカ発の世界的な不況に巻き込まれています。ついこの間まで世界一の売り上げを誇っていたトヨタ自動車が大勢の人を簡単にリストラしているといいますし、ホンダはあのF1レースから降りるといいます。優良企業だと言われてきた会社も解雇だとか工場閉鎖だとかよくないニュースが続いています。
それもこれもアメリカ発から起こった大迷惑です。

第二次大戦以後、アメリカは世界一の生産力と生産性を誇り、ドルは世界の基軸通貨として、安定していました。世界中がアメリカに追いつけ追い越せと生産性を高めていく中、アメリカの製造業は、日本などの創意工夫で勝負してくる後発国との競争に勝てなくなってきたそうです。それに替って金融事業にのめりこんでいったというのです。

ウオール街の「強欲」と「傲慢」が、世界中の経済破綻を招いたといいます。

このあたりの事情を、『強欲主義ウオール街の自爆』(神谷秀樹 文春文庫)は、明らかにしています。著者は、ウオール街でビジネスをしている人ですから内側にも詳しく、このすごいタイトル通りの「強欲ビジネス」の実態には目をむきます。

アメリカの三大自動車メーカーGM、フォード、クライスラーが公的資金のお願いに行った時も、彼ら経営者たちは、自家用ジェット機でワシントンに乗り付けたとその横着さが報道されました。アメリカの基幹産業である自働車業界さえもがモノ作りを軽視し、その中心産業が金融へ移っていったといいます。

2007年には企業収益の4割にも達していたという金融産業の話はすさまじく、読むと腹が立ちます。アメリカのお金儲けの犠牲者が自国民だけでなく、海を越えて世界中に類を及ぼしたのですから、たまったものではありません。どこの国も公的資金で一生懸命支えていますが、この公的資金というのも、もともと税金なのですから、こつこつと働いて税金を納めてきた庶民こそ、たまったものではありません。

今日は最近出た関連の本を紹介しておきます。
『金融権力―グローバル経済とリスク・ビジネス』(本山美彦 岩波新書)サププライムローンに端を発した今回の経済の大混乱は、金融が本来の役割を離れて「リスク転売のビジネス」へと変わっていった過程を具体的にたどっているので、私たちのような素人にも判りやすいです。

『反貧困―「すべり台社会』からの脱出』(湯浅 誠 岩波新書)この本は大佛次郎論壇賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞のダブル受賞した話題の本です。

著者はNPO法人自立支援サポートセンター・もやいの事務局長などを務める方で、実践を通して貧困状態に追い込まれていく人々の実態や、「反貧困」に立ち向かっていくにはどうするかを論じています。驚いたことに「貧困は日本では問題になるほどではない」としてきた政府の見解は、日本で調査した結果に基づているのではなくて、外国の民間会社のいい加減な調査を根拠としているにすぎないことだったといいます。なんとまあ!

巨大な金融ビジネスで、おいしいところを吸い上げた世界のお金持ちたちのマネーゲームの一方、とても深刻な様相になってきた貧困問題を、この本では今、自己責任だ、他人ごとだと片付けずに、貧困に強い社会とは何かをみんなが真剣に考え、行動していこうと呼びかけています。

最後のブログです。明るい話題で締めくくりたかったのですが、今、無関心ではいられない問題でしたので、こんな本の紹介になりました。

長い間、この場をご提供頂いたウイメンズブックストアゆう社長の森屋裕子さんに心からお礼申し上げます。

皆様いいお年をお迎えくださいますようお祈りしています。お元気で。





     
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秋のいろいろ / 2008年11月27日(木)
近頃、TVで「11月は京都!」というスポットが何度も入っているせいか、この秋の京都はとても大勢の人出です。京都駅からすでに人がいっぱい、観光地は沢山あるのに、どこも人人人の波だったようです。私のウォーキング路、二条城も入城に長い行列ができていて驚きました。特に先日の連休は、京都じゅう何処もすごい人でしたよ。

京都御所の春と秋の公開も我が家からは歩く距離なので行ってみましたが、今年の秋は、「源氏物語千年」とか「篤姫」効果もあってか、いつもに倍して人が多かったように思いました。

清水寺も夜のライトアップを始めたというので、友人を誘って(我ながら物見高く、気がつけば連休中!)きよみずさん詣でをしました。夜遅かったのにタクシーが前に進まず、五条坂のだいぶ手前で、「もう降りてくれ」と言われる始末でした。歩くのは得意の私ですから、めげずに坂を登り見物してきました。

何といっても清水の舞台のことですから眺めは好いものの、押し分けかき分けしてやっと見えた紅葉はいまいちでした。残念!

休日明けには、一乗寺の関西セミナーハウスに地球女倶楽部イナンナの例会で行くことになりました。ここは人が少なく静かで、紅葉が本当に美しく映えていました。このセミナーハウス、もとは財閥の別荘だったそうで、雨にぬれて散った落ち葉まで絵のように美しいお庭でした。ここにはお茶室のほか、能舞台まで建っていてしばし風雅な趣にひたりました。

この日の講師は関西セミナーハウス所長の奈良昭彦さんでした。奈良さんは一級建築士。YMCAを支える国際奉仕クラブのアジア地区会長でもあります。JICAのボランティアで、都市計画アドヴァイザーとして、ブータンと、カリブ海にある小さな島国セントルシアにそれぞれ2年間滞在した経験をお持ちです。

ブータンは、北はヒマラヤに連なる山岳地帯に接し、南はインドに隣接する国。1908年現在の王制になって、ちょうど百年になります。人口は65万人。週末には市が立ち、そこで日用品や食料を調達するという昔ながらの生活です。生のお魚や、肉は保存が難しいので手に入りにくいようです。ヤクの肉も売られているそうですが、赤い肉の色が真っ黒に見えるほど蝿がたかっているといいます。住むには相当な覚悟がいるようです。

衣服は、男性の「ゴ」という丹前のような服が日本でもよく知られています。公的な場では、その民族衣装を着るように義務づけられているといいますから、ブータンの写真にはこの服を着た人が写っているのですね。

仏教徒(チベット仏教)が多数を占め、寺院と県庁が一体になっている建物があるほどだといいます。ブータンの人々は昔ながらの生活を、ゆったりと心豊かに暮らしているのですね。先代国王によって出された「国民総幸福」の理念は、どこの国にも必要なのではないでしょうかねえ。

セントルシアは、カリブ海にある四国位の大きさの島国。クリスチャンの国です。カリブ海クルーズの豪華観光船が寄港して、その観光客から得る収入が今は大きな財源だといいます。バナナ・プランテーションのためにアフリカから連れてこられた人たちが多かったため、現在も95%が黒人だそう。この小さな国からノーベル賞受賞者を二人も出したことが自慢だそうです。ほんとにすごいですね。

日本のODAは現地要請主義だから、現地の問題が起こってから、実際の要員派遣まで2年もかかるので、要請の時点とは問題の対処にずれが生じるという問題があるとのことです。また技術移転をすることを目的にしていても、現地でその技術を受け入れるだけの技術者が育っていないなど、社会が成熟しないと難しい問題もあるとのこと。現地に溶け込んで活動するNGOに資金を回して活用するのが望ましいのだがとおっしゃっていました。


     
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映画「マルタのやさしい刺繍」 / 2008年11月20日(木)
スイスの映画が公開されるのも珍しいのですが、これは最近見た映画の中でも面白くてそして高齢者に勇気と自信を与えてくれるいい映画でした。

主人公は80歳。夫に死なれてすっかり落ち込んでいました。彼女が、友人たちの勧めや励ましを受けるうち、若いころに、やりたくても封印してきた自分の夢を実現させようと立ち上がる物語です。

彼女はどこにでもいる普通のおばあさん。その彼女が、夢だった手作りランジェリーのお店を開きます。友人たちも高齢者、でも彼女の挑戦を見ているうちに、長年夫に反対されてできなかった運転を習い始めた人や、パソコン教室に通う人も。

マルタさんの夢見るそのパワーは、周りの人までも変えていきます。

物語の舞台は、穴あきチーズで有名なエメンタール地方の小さな村です。すごくきれいな大自然の中に、美しく花が飾られた窓や大きな屋根の家々が、やさしくつどっているように見える小さな村。この村の俯瞰だけでもほっとするような景色です。

しかしこんな美しい風景の中にある村も、中へ入ってみれば保守的で男社会の村なんです。マルタさんが、自分のしたいことに目覚めて実行するのを非難する人、手縫いの美しいランジェリーにも不謹慎だ、淫らだと言い立てる人たちがいて、波紋が広がります。牧師である息子も大反対!

彼女たちの果敢な挑戦も一度は頓挫しかけますが、村特有の伝統的な刺繍が大うけ、意外な展開を見せます。ネット販売で順調にのびた事業は、村の誇りにまでなるのです。

スイスでも大ヒット、観客動員数がナンバーワンだったといいます。80歳、まだまだこれからだ!という気にさせてくれます。いくつになってもやりたいことがある間は元気でいられるのかなあと思います。

主演のマルタを演じた女優さんは、実年齢88歳だそうですよ。友人たちを演じた高齢女優さんたちもみな素晴らしい演技でした。監督も女性です。女性ならではの作品ですね。

実は、私の友人にも70歳を過ぎてから「NPO法人認知症予防ネット」というのを立ち上げた人がいます。お年寄りが認知症になられる前に引き留め、また初期の方を引き戻そうという活動です。

今も元気に飛び回って、76歳の今年はテキストブックまで著わしました。好評で半年もたたないうちに再版しました。その熱意で周囲を巻き込んでいく姿は、マルタさん以上です

この認知症予防ネットが日本中に広がれば、高齢者にも家族にも笑顔が増えると思いますが。

     
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『「家族計画」への道』と『育つ・学ぶの社会史』 / 2008年11月10日(月)
秋は何かと忙しく、しばらくブログを書く時間がなくて、というか余りにも時間がたつのが早くて困ったことです。なんて言いながら、正倉院展に行ったり、狂言の千五郎さんの舞台や、映画や、お能を観たりとしっかり愉しむことは休まずにやっています。

正倉院展は今年はどちらかというと地味目の展示品が多かったですが(そんなことを言ったら専門家に叱られるかな)、中国から渡来といわれる美しい螺鈿の八角鏡や、サザン朝ペルシャのガラス器などが目を引きました。でも写真で見る感じより小ぶりなものでした。

中で面白かったのは、当時の調理器具や食器、そして天平の昔にもあったお役所に残された欠勤届でした。朝から具合が悪くて云々、とか親が病気でとか書かれているのを見ると、昔も今も普通の人々の生活はそう変わらないんだなという気がしました。

さて、今日は最近に出たお薦めの2冊をご紹介します。

『「家族計画」への道―近代日本の生殖をめぐる政治』(荻野美穂著 岩波書店 2008)

性と生殖について、また、そのコントロールについては最も私的、個人的なことと思われがちです。でもそれらが、公的、社会的な問題と密接に関係していることを説き明かしてくれる研究書です。

時代によって国策も人々の心理も変わります。沢山の資料を綿密に調べ、国家の要請と当時の女たち・男たちの考えや行動が明かされます。著者の荻野美穂さんは、20年以上前からずっとこの問題に取り組んできた女性史研究者で、その集大成ともいえる本です。

明治時代初めは3500万人以下であったと推計される人口が、約半世紀後の国勢調査で5600万人にも増加したというからすごいです。明治時代には実にたくさん子供を産んだことが判ります。近代国家として出発した明治期、人口の増加が奨励され、それまで普通に行われた間引きなどが厳しく取り締まられたことなども原因だと言いますが、このことについても詳しく検証しています。

マルサスの人口論に端を発した避妊と量的管理ということに目を向け始めた西洋の影響が日本にも及んできます。その後のサンガーのバース・コントロール運動をめぐる日本での論争、堕胎をめぐる問題、戦時下の人口管理体制、戦後のGHQの政策、優生保護法の成立と中絶合法化、家族計画、優生保護法改正運動、水子供養など、どの時代のどの事象をとっても、いつも論争の対象になっていることが判ります。

政府や著名な人の論争だけでなく、国民の受け止め方も丁寧に検証されているので、当時の庶民の感覚までが明瞭になってなかなか興味深く読めます。私たちが「産む産まないを管理する」のを手に入れるに至った道筋を、この1冊でたどることができます。

『育つ・学ぶの社会史―「自叙伝」から』(小山静子・太田素子編 藤原書店 2008)


「自叙伝」に書かれた幼少期の記述から、「主体としての」人間形成史をみてゆくというユニークな試みの研究書です。自叙伝は、自分が育ってきた上で特に印象深かったことが取り上げられ、記憶の中から自分が選んで書くという極めて主観的なものです。時には記憶違いだってあるかもしれない、けれどその記憶違いや歪曲の中にも当事者である自叙伝の書き手にとっての真実が潜んでいるかもしれないといいます。

ここで取り上げられているのは明治、大正、昭和初期に活躍した著名な人々の自伝が対象になっています。彼らがどんな環境で育ちどんな教育をうけて、どのように人間形成を果たしていったのか、読み物としても面白く読めるように書かれています。

勝小吉や福沢諭吉、新島襄を取り上げた、「近代移行期の「家」と人間形成」は、幕末から維新後にかけて、「家」を取り巻く環境やその中での位置が、人となりやその後の進路に与えた様子が描かれています。

鳩山春子、神近市子などが登場する「高学歴女性にとっての学校」では、女性にとって当時進学することがどういう意味をもったのかが読み取れます。女性にとっては単に勉強するだけでなく、家族からの決別でもあったのですね。

「近代学校と男性のセクシュアリティ形成」は、自叙伝から見れば結構面白いことが判ります。「男女交際の禁止」が建前だった学校が、性知識の伝達や、性経験の共有などの重要な役割をはたしていた様子が見て取れます。

自叙伝を精読することから、実に多様な環境下での教育、育成が焙り出されて、新しい教育史、社会史を提示したといえそうです。





     
Posted at 15:17/本の話/この記事のURL /コメント(0)
映画「トウキョウソナタ」 / 2008年10月20日(月)
この映画は、都内の一戸建てに暮らす一見平穏なサラリーマン一家のお話です。ただ家庭は崩壊寸前の気配です。

現代社会が抱える不安を映像にしたともいえる黒沢清監督の作品です。今年のカンヌ映画祭で、「ある視点」部門審査委員賞を受けたそうです。この「ある視点」というのもなかなか意味深長ですが。

黒沢清監督と言えば国際映画祭に強い監督でいつも話題を集めています。最近はホラーで大ヒットしていますが、私はあまり日本映画を見ていないので何を隠そう今回初めて見ました。映画フアンには叱られそうですが。

今のご時世の生きにくさを描きだしていますが、物語自体はシンプルです。親と子、夫婦、家族のつながりとは何だろう?お互い大切な人なのに心が通い合っているのか?といったことを問いかけます。

映画的にはさすがに面白いです。空いた窓から家の中に吹き込む嵐、ふた股に別れた道を上ってくる父と子、家の真横を通過する電車、カーテンの揺れなど象徴的な画像を上手につかっています。

父親役を演じるのは香川照之、この人は何を演じても、どうしてこんなにうまいのかと思います。その妻役は小泉今日子、若いとタレントだと思っていましたが、成長していい演技を見せてくれました。役所広司があかんたれの強盗を演じているのが配役の妙です。それに次男を演じた子役の井之脇海がとってもいいです。

父は威厳をもって家族に接するべきだと思い込んでいる父親が、リストラされます。しかし彼は妻にも言えないで、毎日鞄を持ってスーツにネクタイ姿で、ハローワークに並んでいます。昼はホームレスのための炊き出しで凌いでいます。

そこで会った友人はやはり妻に失業したことを言えず、自分で自分の携帯にベルを鳴らして仕事の話をして恰好をつけています。この辺りは男の悲哀と言いたいところですが、なぜここまでして家族に本当のことが言えないのか?あまりにバカらしく思われました。

妻は、専業主婦です。家族のために一生懸命ドーナッツを作っても誰も食べてくれません。でも家族のために毎日食事を作り続けます。

父が家へ帰ると、家族たちは食卓を囲んで待っています。皆、お父さんが箸をとるまで食べ始めません。そして子供がピアノを習いたいと言っても、「だめだ!」と相変わらず父親の権威をみせるという。そういうシチュエーションの中で物語は進んでいきます。

こんな家族、今ではもうあまり見かけないと思うんですがねえ。イメージに縛られた「家族ごっこ」のようなものではないのかしら。

そういえば『普通の家族がいちばん怖いー徹底調査 破滅する日本の食卓』(岩村暢子著 新潮社2007,10)という本がありました。このブログで紹介しようと思っていて機会を逸してしまった本です。この本が示した現実は私たちの世代が思っている以上にすごいことになっています。

さて話を戻して、長男はアメリカの軍隊に入りたいといいます。もちろん父親は反対しますが、彼は家を出ます。実際日本の若者がアメリカの軍隊に志願入隊するという話を最近知って驚きました。彼は日本を出るための手段に選んだのでしょうが、若者たちの閉塞感が気になります。

ま、ともかくそんな中、強盗に入られ、妻は誘拐されます。一夜、家族がバラバラになって実際に家の中は無人となります。

いろいろあって、最後には次男の弾くピアノに家族の心が一つになって、先に光が見えるところで終わります。ピアノ曲は私が大好きなドビッシーの「月の光」でした。
希望の光が重なるようでいいラストでしたが、ちょっと楽観的過ぎるのではという気はしました。

今どき、どこの家族も大なり小なり問題を抱えているのではないでしょうか。家庭という狭い枠だけを守ろうとしても、社会の大きな動きの中では無力です。父親だけが頼りという時代ではないとつくづく思いました。
     
Posted at 23:55/映画の話/この記事のURL /コメント(0)
『ニーズ中心の福祉社会へ』『どこへ行く介護難民』 / 2008年10月13日(月)
今日は『ニーズ中心の福祉社会へ―当事者主権の次世代福祉戦略』(上野千鶴子+中西正司編 医学書院 2008年10月刊)をご紹介したいと思います。

福祉戦略の理論書として、これからの福祉社会を支えていく若い人たちの教材になろうかという本です。

「ニーズ中心」の福祉の理論的基礎を提供するのが目的だというこの本は、その理念と「当事者主権」の尊重について同意した研究者、アクティビストたち九人が、「次世代の福祉戦略のデザイン、ビジョン、アクション」(上野さんの言葉)について、それぞれの立場で書かれた最も先端を行くと思われる福祉の理論書です。

編者は、あの当事者主権という言葉を作ってしまったお二人、上野千鶴子+中西正司です。

第1章「当事者とは誰か?」で、上野さんが、そのもとになる「ニーズ」と「当事者」の定義を説いています。「ニーズ」という言葉は、福祉の教科書では最初に出てきます。それは、客観的にそこにあるものとして、社会的・政策的に定義されてきたニーズをさしていました。しかしここでは、全く新しいニーズのとらえ方を示しています。

ニーズの捉え方だけでも、社会学の構築主義とやらの理解まで必要なんかなと悩むところですが、まあとにかく上野さんの示した案を理解することはできました。

そしてもう一つのカギ「当事者」とは誰か?です。これはもうこの本を読んでいただいて、ご理解いただきたいのですが、それは「ニーズの“帰属する主体”」です。この帰属する主体という言葉の意味は大きいのです。

「ケアサービスのシステムと当事者主権」では笹谷治美が介護保険2006年改正の非を理論上から問うています。

春日キスヨさんの「ニーズはなぜ潜在するのか」では、現在の虐待問題から、高齢者虐待防止法の家族要護者支援の見直しにも言及しています。

大沢真理さんの「三つの福祉政府体系と当事者主権」は、いつもの大沢さんの本よりは易しいです。うんうんと頷けます。

立岩真也さん中西正司さんからは、希望ももらいました。
今後の福祉社会の理念とグランドデザインが示されたこの本の意義は大きいと思います。

次世代福祉へ向け実現への道はどれくらい国民が真剣に考えるかにもかかっていると思うのですが。

こんなに簡単に紹介できるような本ではないのですが、私は結構刺激的で面白く読めました。また異論反論もコメントにお書きください。

もう1冊ご紹介します。
『どこへ行く!?介護難民―フィリピン人介護士ケアを受けるということ』
稲葉敬子著 ぺりかん社(2008年9月刊)です。

著者は「高齢社会をよくする女性の会」の理事で、看護師から医学関連図書の編集部長などを経て、大学講師など多方面に活躍している方です。

私も昨年ご一緒にフィリピン訪問をしてお世話になりました。この旅行のことは、私のブログでも簡単に書きましたが、その時のフィリピン訪問記も詳しく書かれています。

今、人手不足から危機に直面しているといわれる介護現場です。既に働き始めている在日フィリピン女性たちの紹介や、彼女たちの希望と職場のギャップ、フィリピンの人たちに働いてもらうメリットと問題点など、介護事情をよく知る著者ならではの報告は参考になります。

また、退職後の生活拠点をフィリピンに移して生き生きと暮らす方たちの経験談をリポートしています。新たにフィリピンで建設されている日本人向け介護付き有料高齢者ホームや、リタイアメント・ビレッジの紹介も。

とても読みやすい文章で書かれているので親しみやすく、老後を、そして要介護になった時、「どこで誰と暮らし、誰に介護を受けるか」の選択肢を探る意味で参考になる1冊です。


     
Posted at 20:51/本の話/この記事のURL /コメント(0)
『韓国現代史―大統領たちの栄光と蹉跌』 / 2008年10月07日(火)
「冬のソナタの」の大ヒット以来、韓国のドラマや映画が、どっと公開されています。
「太王四神記」のプロモーションで訪れたぺ・ヨンジュンさんの来日報道も以前とは大分違いました。露骨に反感を示すナショナリズム丸出しの記事はさすがに影をひそめました。彼の演技力や熱意、彼自身の誠実さを伝える好意的な報道が多くなったと思いました。

映画、音楽、ドラマなどを通じて隣国、韓国に関心を持つ人の数が圧倒的にふえたのは、関連本の発行部数にも表れています。

韓国の現代史、(日本からの解放を意味する1945年の8月15日以後の韓国の政治や、経済、社会状況)などにも関心を持つ人が増えたことは、とてもいいことだと思います。隣国でありながら、相変わらず日本の政治家にも歴史認識だとか慰安婦問題などで全く見識のない発言をする人がいるのは残念なことですが。

『韓国現代史―大統領たちの栄光と蹉跌』(木村幹著 中公新書)は、サブタイトルからも判るように、7人の時代を映す大統領を、その生い立ちから、政治活動への道、大統領になるまでを追っています。時代順に、例えば解放の日、米軍政期、軍事政権期、民主化運動期、その時彼は何をしていたのかを詳細に見ていきます。

この60年間、日本も激動の時代を通ってきましたが、分断国家となり、朝鮮戦争をくぐって軍政期を経てきた韓国では、さらにその政治的環境は激しく動きました。

政治家も離合集散を繰り返して、投獄されたり拉致されたりなどという苛酷な中を生き抜いて大統領になった金大中のような人もいますが、皆それぞれに時代に翻弄され、厳しい時代をくぐりぬけて大統領になっています。

大きな艱難を乗り越えて大統領にたどりついた人たちの個人史を見ることで、韓国社会の政治的な背景だけでなく、政治の裏側も、民衆の動きも垣間見せてくれます。

この本は、ドラマチックなドキュメンタリー映画を見るようです。話は日本の天皇が放送した「終戦の詔勅」のその時から始まります。後に大統領となる人たちのその日は、印象的です。

金大中は日本にいたといいます。朴正熙は、大日本帝国陸軍士官学校を卒業して満州国軍将校でした。恐怖の軍事政権を長く続けた人です

私たちもTVでよく見る現大統領、李明博も若い時から苦労して、紆余曲折を経てやっと大統領になったというのに、すぐBSE牛肉問題で大規模なデモに見舞われて、今支持率がぐんぐん下がっているそうな。韓国の国民はいつの時代も熱いです。

日本の首相のように、こともなげな感じでぽいと投げだしてしまう権力の座は、そこに至る道のりが、親の光を
受けて約束の道を歩いていれば政権が来るというのと関係ないのかしらと思います。

いろいろ考えさせてくれる1冊です。

     
Posted at 22:12/本の話/この記事のURL /コメント(1)
映画「おくりびと」 / 2008年09月29日(月)
これは不思議な映画です。題材は、死者をおくるという非日常的な、しかし必ずだれもが経験すること、人の最後を通して「生きる」とはどういうことかを考えさせる映画です。

昔、伊丹十三監督が「お葬式」という映画で人々の意表を突きました。人の死に向き合った家族や周りの人間の行動を逐一追い、お葬式を無事終えるまでの様々な出来事をこと細かく見せて、笑わせましたよね。

厳粛なはずのお葬式も、儀礼のきまりに合わせようと人々が右往左往するおかしさや、人間関係の裏側も暴いてみせました。あの「お葬式」で好演した山崎努がまた出演しているのも何かの因縁でしょうか。

これは、近頃はやりの小説や漫画の映画化ではなく、小山薫堂が映画のために書き下ろした脚本です。この映画は、朝日新聞・毎日放送など10社ほどが集まって「おくりびと製作委員会」を立ち上げ制作したものです。

監督は「バッテリー」「病院へ行こう」などの滝田洋二郎、音楽は宮崎駿のアニメ映画で人気の久石譲です。最近は太王四神記の音楽がとてもよいと思いましたが、この映画の音楽もいいです。

主人公は、もともとチェロ奏者ですが、漸く入れたオーケストラが解散することになって職を失います。そこで故郷の山形に帰って職探しをするのですが、「旅立つおてつだい」といって募集していた会社に入ると、それが「おくりびと」つまり死者を美しくあちらの国へ送ってくれる納棺を仕事にする会社でした。なんか可笑しみを誘います。

給料はよくても嫌だと逃げだしますが、社長はうまく逃がしてくれません。しかしその社長のおくる人への敬意と丁寧で美しくさえある納棺までの所作に感動を覚えます。

彼もだんだん魅せられるように仕事を覚えていきます。町では彼の職業が噂になり、妻もそんな仕事を続けるなら別れると出ていきます。

しかし誰もが必ず死にます。最後にお世話になるのはおくりびとなのです。病院では看護士さんのお世話になる場合が多いのでしょうか。

厳しい冬景色や春瀾満の花、美しい故郷の四季の風景に、彼の弾くチェロの音がとけこんで胸にしみます。
彼の愛情に満ちた美しい納棺の儀は、死者の家族に感動を与え、人間関係を見直すことにもなるのです。

ある日、身近な人の死によって彼の妻も夫の仕事を間近に見ることに。その仕事振りを見ることで、人生の最後を締めくくるのに大切なことだと気づきます。

主演のもっくんこと本木雅弘は、私のご贔屓俳優ですが、演技も容貌もマルの、いい俳優です。
社長役の山崎努は文句なくうまいし、吉行和子、笹野高史、余貴美子などの芸達者が顔をそろえています。
最後のクライマックスは泣けます。

父と子、母と子、夫婦、親兄弟との人間関係は外見では分かりません。人が死んだときその姿をくっきりとあらわすのではないでしょうか?死者を正面から見据えながら、温かいものが流れる近頃珍しい映画でした。若い人たちからも、受け入れられているようで好評ですね。

先日、朝日新聞に大江健三郎が「伊丹万作・十三父子への再認識が高まっているのは時代の必然だ」という記事を書いていました。ナンセンスという技法に触れて、「余裕のあるまじめさ」が大切なんだといいます。

この映画の中でも随所に出てくる笑いが効いています。いい映画でした。
     
Posted at 12:00/映画の話/この記事のURL /コメント(2)
『フィンランド 豊かさのメソッド』と『人間回復の経済学』 / 2008年09月22日(月)
このところ日本の経済の先行きについて不安感が広がっています。アメリカの大手証券リーマン・ブラザース破綻以来世界恐慌にもなりかねないという不安定な状況なのに、政権を放り出す首相や、自分の足元だけを見て走り回る無節操・無責任政治家たちを見ていると本当にこの国に未来はあるのかと心配になります。

貧困化する日本とは正反対に、格差のない社会を目指し、経済成長もはたしている男女平等の国フィンランドが注目されています。

経済開発機構による生徒の学力調査で連続1位、世界経済フォーラムの国際競争力ランキングでも何度も1位になっているというフィンランドですが、この国は、日本とは対極的な政策に舵をきってきました。

世界の学力調査でランクが落ちたと聞くと、日本ではすぐ授業数が足りないだの、学校差だのと騒がしいですが、フィンランドには学校差もありませんし、授業数も日本よりずっと少ないのです。

ではなぜそうなるの?という疑問に答えたのが、現地の大学院留学で身近に見聞した著者、堀内都喜子さんの『フィンランド豊かさのメソッド』(集英社)です。

フィンランドはご存じのように男女平等の国です。ハロネン大統領も女性で、支持率は80%をずっと維持しているそうです。この方は弁護士ですが、大臣などを歴任して大統領に。未婚の母を選んで、大統領になってから交際していた男性と結婚したといいます。そのあたりも本当に自由な感じがしますねえ。閣僚の半分は女性です。

過去5年間国際競争力ランキングに4度も1位になったのは、ノキアに代表される情報・通信技術を売りにするハイテク産業の伸びが大きいといいます。輸出品の木材、紙、砕氷船、クルーズライナー、ログハウス、サウナなどはいかにも北欧の国らしいですが、とりわけサウナはもともとフィンランドの発明品で、その名もフィンランド語だそうな。

競争力がそんなに高いのに、働く時間は日本と違って短いのです。労働時間7時間半、完全週休2日制、残業はしない。もし週末に仕事をすると平日2日休めるといいます。有給休暇は消化する義務!があるといいます。夏休みは働く人たちも4週間、すごいですね。

フィンランドも1993年バブル崩壊の経済危機に陥りましたが、銀行がつぶれて経済破綻を起こすのを防ぐため、政府は銀行の統合、不良債権処理、銀行債務の支払いを保証すると議会で決めました。そして他の国にない強さと弱さを検討し、IT産業に惜しみなく投資することにしました。大事なのは大学と産業、地域をつなぐネットワークを築いたことです。こういうことがノキアを世界シェア40%というすごい企業に育てたのです。

わずか人口500万の国、他の国と渡り合える良い人材を育てるため、教育に力を入れ、教育者の再教育も盛んにしました。教科書は使い終えたら次の学年の生徒に回すことなど節約もしています。これは今も続いているそうです。

ここでは、ご存じのように教育費はゼロです。そして子供が生まれる時にはベビーに必要な産着とか防寒着、哺乳瓶、おもちゃや絵本に至るまで貰えます。
育児手当や養育手当も出るし、父親の育児休暇は勿論とります。医療は公的なところはほぼ無料です税金が高いのはよく知られています。それでも国民に不満は少ないのは、政治がガラス張りで判りやすいからです。そして議員には18歳から誰でも立候補できるので、議員の平均年齢も低いそうです。

この本には高齢者のことは書かれていませんが、高齢者福祉も素晴らしいです。

ところで、必ず税金は国民の生活に返ってくると思うから安心して高い税金も払えるわけですが、日本の政治家が言ってもなんだか信用できかねますわねえ。政治家も省庁も私たちが信用できるだけの透明性がないし、今まで何度も騙されてきたからねえ。

日本の政治が日本社会の未来像を示さないし、支持されている団体の思惑だけで動いたり、目先の人気取りに走るのもかえって政治の信用をなくしているように思います。

国民も棄権は多いし、選挙を自分たちの生活と直結していると真剣に考えない人が多いのは残念なことです。

そこで、次に紹介するのが『人間回復の経済学』(神野直彦著 岩波新書)です。

日本の進めてきた「構造改革」の間違いを鋭く指摘しています。グローバルスタンダードという名のアメリカンスタンダードを真似れば、格差は拡大し、社会に亀裂が走るといいます。

人間の夢と希望を行動基準にして、人間らしい社会の方向へ舵をきっても社会は機能するし、悲しみや苦しみを分かち合って、やさしさを与えあっても経済は破綻しない、人間が協力して知恵を出し合って未来をつくるしかないのだと訴えています。

この方は、スエーデンで学ばれた東京大学経済学部教授ですが、やはり北欧の「人を大切にする経済、財政とはどういうものか」を説いていられます。

8月に紹介した同じ著者の『財政のしくみがわかる本』(岩波ジュニア新書)、このブログでは紹介しなかったけれどもは湯浅誠著の『反貧困』などと共に読んでいただければ、なおわかりやすいかと思います。私たちが政治を考えるうえでも、大事な点ですね。

     
Posted at 18:08/本の話/この記事のURL /コメント(2)
カナダで開催のIFAに参加 / 2008年09月14日(日)
しばらくブログをお休みしていましたが、実はカナダへ行っていました。

今回カナダのモントリオールで開かれた、IFA(International Federation on Ageing)の第9回世界高齢者会議に、「高齢社会をよくする女性の会」のメンバーと共に参加しました。もっとも、私は野次馬にすぎない参加者で、一生懸命準備して頂いた樋口さんをはじめ皆様には、感謝するのみです。

今回の会議は“ Ageing &Design”ということで、高齢社会をどうデザインするか、高齢者の人生のデザイン、「住」や道具をはじめ高齢者の生活のあらゆる場面のデザインなど切り口は多様です。展示も賑やかでした。会期は9月4日から7日まで、何百ものセッションが持たれました。

5日には、我らが理事長樋口恵子さんは、「介護―その挑戦と議論」というセッションで、英国、カナダ、アメリカの専門家たちに混じって、堂々とスピーチをされました。

日本の「介護保険」システムの説明と、介護従事者が退職に追い込まれる事態に、我々の会が15万人の署名を集め「介護従事者待遇改善法」を成立させた話などを披露し、社会保障が国民の生命の安全保障として確立するよう活動していると結ばれました。

このとき、パワーポイントを使うことになったのですが、オペレーターが誰もいないというので、急遽私が勤めました。初めて使うパソコンで、しかも英語しか出てこない(当たり前だあ!)機種で、30分ほど前にそのCDを渡されたという急な状態でしたし、とてもヒヤヒヤものでしたが、無事動いてくれてほっと胸なでおろしました。こんなことでお役に立てて心から嬉しいでしたわ。

樋口さんからは愛情をこめて(?!)「テクノ・ローバ」という綽名を貰っちゃって、そのすごい命名に大笑いしました。

また翌6日には、私たちの会が主催したセッションがありました。みんなの呼び込みも功を奏したのか、80人余りの人が入って部屋は満員でした。

「高齢女性の参画で社会のデザインを変えよう」というテーマで、樋口さん、IFAの代表イレーネ・ホスキンスさんほかの強力メンバーが話されました。コーディネーターを務めた北九州の代表富安さんは、ユーモアを交えて英語でのコーディネートも堂に入ったものでした。

樋口さんは、高齢女性が急激に増加しているのに、政策決定にその声は届かないと、当事者たる高齢女性の影響力を高める方法を提案されました。

私の英語力では、難しい単語がたくさん出てくる会議の英語は、ところどころしか聞きとることはできません。この頃では、もう英語の本を読むこともなくなってさらに勉強不足です。
今回はそんなわけで、通訳なしのセッションを必死に聞きとろうとするのは厳しいものがありました。でもこれもいい経験になります。

モントリオール郊外の有料高齢者ホーム「サンライズ」の見学もしました。ゴルフ場を買い取って建てた建物で、周りは緑と広大な芝生に囲まれとってもリッチな気分になれます。

ここは部屋も日本より広く、共同スペースもゆったりとして素敵な家具や絵が目を引きました。有料老人ホームは日本でも豪華なのが沢山できてきたし、だいたい日本と似たような条件でそう驚くことはなくなりました。

私たちは会議のあと、観光にナイアガラの滝まで行ったのですが、滝のすぐ近くの高齢者施設の見学もしました。ここでは保育園の子供たちがプログラムの一環として1日30分だけ、交替でここの高齢者たちと一緒に遊んだり歌ったりしにくるということで、ちょうど可愛らしい子供たちが来ていました。この試みはいいですねえ。
また犬や猫も施設の中で飼っていました。猫の大好きな樋口さん、すぐに仲良しになった猫ちゃんが後ろをついて歩いていました。

会議中、主催者が用意した船上でのパーティも、なかなかロマンティックで楽しかったし、気の合った仲間と旧市街でワインとお食事を愉しんだり、美術館や、考古学歴史博物館などしっかりモントリオール見物もしました。モントリオールは美しい海と山に囲まれた坂道の多い町でした。

モントリオールからトロントまで汽車で移動して、ナイアガラフォールズ近くの小さな町に宿泊。次の日、ナイアガラ見物に行きました。水しぶきを浴びて滝のすぐ近くまで行くボートにも乗りました。すごいの一語につきる圧倒的な水の量です。
世界中から観光客が来ていてどこも人がいっぱい。

老いも若きも女も男も皆同じ水色のカッパを着て、600人乗りのボートに満杯の乗客が、うろうろと動くのが、遠くから見るとエイリアンみたいでちょっとおかしかったです。私たちもその一人だったのですが。
話はまだまだありますが、長くなるのでこの辺で。


     
Posted at 16:24/訪問記/この記事のURL /コメント(3)
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