from outside of a snowdome

October 30 [Mon], 2017, 16:31
小さなガラスのビンの中に
宝物を集めていたら
いつの間にか夕暮れ
たった一人の部屋の中に
伸びる長い影


出かけましょう、夕餉の買い物に


いつの間にか夕暮れ
いつの間にかスノードームの外にいる
いつの間にか夕暮れ
宝物みたいな人生を
標本のように窓の中に飾った
あんな未来が来るはずだった


どの曲がり角でも
美しい方に曲がった
美しい自分にはなれなかったけど
それ以外は努力でコントロール出来たはず


なのに何故
あの窓の下で立ち止まってしまったの
憧れても今では手に入らない
おとぎ話のスノードームのような
あの光景の中にいるはずだったのに


いつの間にか夕暮れ
いつの間にかスノードームの外にいる
いつの間にか夕暮れ
美しいスノードームの外にいる


長い夜にはレコードを聴こう
古い友達に手紙を書いて
出さずに引き出しに仕舞えばいい
そうすればこの気持ちを文字に出来るはず
明日も宝物も散りばめたような
まばゆい1日が来るでしょう
こんな毎日が続くなら
スノードームの中で暮らすような未来が来ると
信じていたの


いつの間にか夕暮れ
いつの間にかスノードームの外にいる
いつの間にか夕暮れ
いつの間にかスノードームの外にいるの

PHP

December 13 [Sun], 2015, 16:00

泥の日々からの便り

December 11 [Fri], 2015, 22:25
悲しいかな
鐘を叩いて回るしか手の施しようが無かった
酒を飲み楽しく過ごせばいい
あそこは摘発されたらしい
営業停止でイベント飛んだ


闇の中を手探りで進む
声を頼りに
松明の灯りのように頼りなく揺らめく光であったが
ひたすらしがみついて
いつかこの声の元へ
声の主に愛されて
世界は一変するはずなのだ
そこへ行きたい
そこへ行きたい
ただ泥を撥ねてびちゃびちゃと
同じ場所を回るしか無かった


昼に目覚め高くなった太陽に挨拶すらせず
定位置についてテレビにかじりつく
何かを縫うやら貼るやら
可愛くないものが出来たらどうしたらいいのかしら
オンラインゲームとは毒の一つであるが
非常に楽しく繋がった意識を味わえる
次第にゲームの中の時間に
人間関係に縛られるようになり
嫌になって投げうった
珍しいレコードすら探しに行かなくなり
大きな音と耳鳴りと酩酊の中で瞬く照明の星を
ごく稀に味わいに行くのみ


その闇の中でも松明は燃え続け
こっちだよ、と誘ったけど
様々な苦い季節を抜け
燃え残りの枝を払うと
意外な方向から救いの手が伸びた


あなたじゃなかった、わたしを救ったのは
どろどろの両生類のようだったのに
天使みたいに扱ってくれたのは
わたしが自分で沼の淵から出ようと思えたのは
宝物になってくれた人がいたから


古い松明の光は
変わらず世界を少しだけ照らしていた
あなたは泥の日々の象徴
苦しい日に笑顔を引き出してくれた
元気ですか
わたしは今は夢みたいです
夢みたいなままであるために
必死で自転車漕いでいます



演技

December 11 [Fri], 2015, 22:01
自然を模倣する
時には空気に同化する
風と共に流れ
空間の枠を抜ける


誰かを模倣する
有名な誰か
自分にとって誰より有名な誰か
それは自分
自分を模倣する
嘘をつくことに似ている
ただ心だけが、知る真実
嘘をつくこととは違う
違う、確かに
だったらこれは何だ


今僕を呼ぶ者は誰だ
誰かがつけた名前を使い
その上にまた名前をつけた
名前という名の薄皮の
一番下にある名前さえ名付けた者がいる
それを剥ぎ取れば自分は何なのか


いつも演じる時
一番下にある親がくれた名前の下の
何者かはわからない自分になり
その上に名前の薄皮で化粧をし
ものを見、考える
そうすると過去の過ちも
重くなったたくさんの楽しい時間も
全て他者のものになり
服のように脱ぎ捨てる


違う着物着て笑う私は魅力的ですか
多分、その着物を着た私以外は
美しくはないでしょう
何も映していない銀幕は
ただの繊維の集合体ですから
愛するような愛さないような
悲しいような悲しくないような
知っているような知らないような
気を狂わせたのか平静なのか





模造

November 19 [Thu], 2015, 18:16
模造


手に入らない物への憧れ
夢の吐き出したあぶく
それは長い時間をかけて求めた末に
同じ物はないという結論を見出すためのプロセス


入らないサイズしか製作されないドレスを
自分の身体に沿わせ
本当に欲しいのは
この小さなドレスに収まり
きちんと合う黄金の枠に嵌った宝石のように
輝く自分を含んだドレスであると知る


ただ欲しかったそれは
あべこべに自分の模造を含んだドレスであり
天然宝石たる自分は磨くことさえなく
鏡の中で鈍い輝きさえ放っていなかった


風呂に入る


湯船の中に浮かぶのは
やはり夢の吐き出したあぶく
誰か
心を捧げてはくれないものか
愛する人が同じ重さで愛してくれたなら
そうは思うけど
それは手に入らない


模造


手に入らない物への憧れ
夢の吐き出したあぶく
誰でもいいから
自分を大切だと思ってくれたなら
しかしそれは模造
他者の提案する愛の模造
代用品の何が悪い
そう言い張ってもいつかは思い知らされる
本物ではないことを


失った時には
模造品だからいいの、と諦めるのは容易い


しかし模造することは簡単でも
そのプロセスを見出すことは
本物を捜し求め見つけ出すことと同じくらい骨が折れる
そしてその模造品は本物より輝いていた
嘘くさいくらいに
何故なら輝くようにと手を尽くしたからである


長い沈黙のあと
大事にそれを抱え上げ
何より愛する赤い宝石を、
口を開けて飲み込んだ
一つになるように
自分になるように









錬金術師の嘘

November 04 [Wed], 2015, 17:25
星のように世界に散らばったブレサリアン達が
空気を飲み込む音がする夜
非晶質の宝物を静かに削る

不思議なことです
何故なのでしょう
わたしの愛する宝石たちを
偽物と忌み嫌う人々が
かつて人の手で黄金を作り出す錬金術に
願いをかけていた人々と同じだなんて

シンセティックな混じりけのないとろりとした色のルビー
研究室で生まれるアメトリンの圧倒的なグラデーション

ジンカイト
スウェディッシュブルー
アンダラクリスタル
花瑠璃

オパライト
アクアオーラ
ヴィクトリアストーン
ウランガラス

時間をかけて美しいものを生み出した人に
そして偶然生まれた美しいものたちに
花冠を
丸で囲んであげたい

小さな小さな声
耳をすませば錬金術師たちの声を聴くことはできるでしょうか

非晶質になる日まで

November 04 [Wed], 2015, 16:55
サリサリと
崩れる音がする

内側から変質していく
光沢がなくなっていく
自分自身にしか向けない強い力で
内側から崩れていく

変色していく自分を見ることはないとしても
緑へ向かってメタミクト
その未来を怖がっている

硬度がなくなっていく
輝かなくなっていく
アロガンスが形のみ残して
内側から砂のように
こ ぼ れ る

熱線のように放っていた
滴り落ちるような若さで
透明な世界の光を反射しながら
あの日見た空の色が滲んで零れた
無敵の
怯えの中で反比例したアロガンス
自分の全てが、何もかもが疑いもなく自分のものだった
言葉は滑らかで重みがなく
往く人の瞳を横切った

油膜の浮かぶ表面
褐色の姿を晒した風信子鉱
いずれこの姿も変わるであろう
自らの毒に変化していく
せめて形の美しい割れを内包して
ひび割れた自分を抱きしめて
宝石であることの誇りを
非晶質になる日まで

無題

October 22 [Thu], 2015, 9:38
潜んでいる
いや、ただ存在しているだけ
午前9時の人混みの中に


存在している
疑問もなく意味もなく
ただ生成されただけ
キンバーライトの表面に結晶した炭素
自転の度に渦を巻く流れが
ある日外界まで自分を押し出すのを待っている
、わけじゃない
ただ存在しているだけ
何も問題ない
高温高圧の中で透明に澄んだ何より硬い自分を
ただ存在させている


陽の目を見る
列車の窓を透かして入り込む光は
粉っぽく生地の毛羽を舞わせる
明日は、一本遅いの乗ろう
人の発する熱と圧力の中で
何かに変わるわけではなく
ただダイヤモンドを夢見ていた


ショー会場のオレンジの光を暗く見せる
眩いスポットライト、乱れ打ち
丸く白い輪の中で
ピンセットでつまんだダブルピラミッドは
トライゴーンを鱗のように白く光らせ
引き攣れたように表面に浮かぶ条を除けば
澄んだ透明は熱を持ち
目を刺す光沢の点滅


だれもが愛する宝石の王様だと言うが
理解できたのはこの瞬間だった


それがどんなに美しくとも
ただ存在しているだけ
評価は他者が下すもの
午前9時の人混みの中に
ただ存在しているだけのその人は
自分が他者と違うことを知らない
誰もが熱を持つ光を発していることも



フェリーの日

September 19 [Sat], 2015, 14:47
故郷を遠く離れて
朝はいつも波止場にいた
船酔いはまだしたことはなかった
磯臭さは苦手だったが
フェリーに乗ることが好きだった

バスで通えばいいのに
何故かいつもフェリーに乗って
シティーに向かっていった
岸を離れるとき
何故かいつも寂しくて
もう二度とここには戻れないような
まるで誰かが行かないで!と叫んでいるような
そんな感じがした
それを確認したくてフェリーに乗った

船に乗り込むのを確認したかはっきりしないくらい
甲板に足をかけた瞬間に出航する
慌てて手すりにつかまり船内に入る
動き出した船の乗り口に鎖をかけて
なんともない顔で乗組員は舳先の方へと消える
桟橋が、遠くなっていく

ベビーカーを畳む間もなかった母親が
乗り合わせた会社員に畳んでもらっていた
海岸線に沿って進む
木々が鬱蒼とした崖の上は動物園だ
対岸は遠くて見えない
水路とも川とも内海ともつかない水の上を進む
オペラハウスの輪郭が遠くに小さくミニチュアのように浮かぶと
もう橋はすぐそこ
風が湿っぽくて塩漬けになった気がした
高級住宅地のワーフに着くと会社員や学生がパラパラ降りた
リュックを背負った学生が自転車を乗せると
固定する間もなくまた出航する

先月まで働いていた遊園地の
大きなびっくり顔のゲートが見えると
また
さよならだ
と心の中で呟いた
一緒に働いた仲間には今働いている人もいるだろう
船は方向転換し
傘のマークのタワービルディングの待つ
シティへと向かう

後ろ向きにワーフに船を入れると
急ぎ足で誰もが船室を出ていく

ぽつんと取り残された船室の
滑り止め素材の床に光が手を伸ばし
ぼんやりと今日をもぎ取っていくのを見ていた
乗組員が外から大きな声で出るように促すと
のろのろと立ち上がり最後の日の最後のフェリーを後にした

借り物

August 18 [Tue], 2015, 15:19
地球の一部を切り取って
世界が売り買いされている

わたしはそこに携わり
地球を少し売り買いしている
誰のものでもないものに
値段をつけて金持ちになることを夢見ている

地球は私を愛してる?
身勝手なわたしを
悲しくはない?
誰かの胸の上できらりと光り魅了するなら
それはそれで満足なの?
わたしを愛してる?
身勝手なわたしを

汗も流さず
暗い洞窟の中で命を懸けることもなく手にした光を
誰かから受け取り誰かに手渡す

わたしは大きな色付き半透明の
美しい地球を機械で擦り
要らない部分を捨てる
ただのカスとして

丸く形をとったその半透明の地球を
誰かの胸に輝かせるため

指の上で光り輝く大きな赤い地球を
権力の象徴として誰かが身に付ける

自分の好きなものを好きに買えることを示すため

大地の作る美術を愛し包まれていたいと感じることを示すため

幸福そうに見られるため

自分がこの美しい地球を身に付ける価値のある人間だと示すため

その一端を担っている
わたしを愛してくれる?
純粋に生きることはできない
どんな人も純粋に生きることはできない
濁っていく自分自身を許すことが
思春期からの脱却だとして

誰のものでもない地球の表面積を誰かから買い
そこで育つ誰のものでもない植物という生命を誰かから買い
自分のものではないはずの命を食べる
それが人間の営み
地球の欠片を売り買いすることも

正しさをを見い出せないとして
また夜が来て朝が来て
何も変えずに進む時計の針を見ながら
明日を生きるために
何もかも借り物だと思いつつ働く

食べ物も借り物
地球も借り物
金銭も借り物
我がもの顔をして消費するようで
すべては借り物である
2017年10月
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本音はいつも言えません。
だからできたらここで本音を言えたら良いんだけど。
わたしには、本音を細切れにして
言葉の羅列にして
自分にしかわからない言葉にしてしまうことが
自分を守る手立てで。

傷つけた人もいるし、助けた人もいる。
ただ、わたしは誰にもわからなかったらいいのに、
と思うような感情が強くて、
日記も素直に書けない。

わたしが誰だかわかってしまっても、
そのことについては触れないで。
正直に気持ちを書き続けたいから。