二つの難病を持つSさん

February 23 [Fri], 2018, 15:02
10年ぶりに同じPD(パーキンソン病)のSさんと再会しました。

去年から約束をしつつも、双方の都合がつかず。

先日横須賀の私の自宅までほぼ一年後になりましたがご夫婦で来てくれました。。

『再会』と言うのも…
Sさんとは10年前に入院した病院の4人部屋で同室だったのです。

当時Sさんは病名が判らず検査入院するも診断名が下りずで
「これ以上、ここ(病院)に居ても仕方ない」と言って一週間で、退院して行ったのです。

珍しい症例なので詳しく調べさせて欲しい、そしてもう少し様子を見たいという医師達を突っぱねての…。

そんなこんなで、同室だったのはたった一週間でしたが…
神経内科という重い患者さんばかりの病棟にいて…常に他の患者さんを気にかけ歩く姿が印象的でした。


自身も足を引き摺り歩くのがやっとの中…

話す事が出来る(=意識がはっきりしている)患者さんのベッドに行っては、
お話を聞いたり、話したりしていたのです。

脳梗塞で入院してきた患者さんは、Sさんの言葉に涙し。

Sさん退院後に彼女は、旦那さんに興奮気味にSさんの話をし、自分よりも年下なのに説得力があって諭され
涙が止まらなかったと。

私も又、彼女に力づけられた一人です。
ある時は、ベッド脇に来て他愛もない話をして、気を紛らわしてくれたり。
薬を止められ震えて苦しむ私を見兼ね、先生を怒鳴ったり。「なんとかしてあげられないの!医師でしょ!」と。

とにかく
そんな彼女にずっと会いたいと思い…貰っていた名刺の住所に手紙を出し…そして先日、その思いが叶ったのです。

10年ぶりに会うSさんはあの頃とは別人のようで…目を疑ったものです。
車から降りるのも、ご主人に支えられ、車椅子に乗って私を見てとると力なく手を振ります…

何よりも、あんなに流暢に話していたのがうそのように
言葉も聞きとりづらく現在の大変な状況を伺わせていました。。

Sさんは、3〜4年前にパーキンソン病との診断を受け、一昨年にDBS手術したばかりですが状態は決して良いとは言えず。

というのも…パーキンソン病の前にもうひとつ難病を既に罹患してたのです。

その病名はシャルコマリートゥース病という、初めて聞くものでした。

10年前の入院時には既にその難病に罹患…珍しい症例に先生達は診断名を明言できず。
現在治療法も無く…パーキンソンひとつでも大変な状況です…。
それらの難病を二つも背負っているなんて…!

これらは…殆ど一緒に来られていたご主人からの説明です。

このご主人が又素晴らしい方で…、
彼女の一挙手一投足に注意をはらい、その小さな仕草で何を求めているのかを理解し先回りして彼女の欲求に応えます。

お昼ご飯の時も、彼女は上手く手が使えません。

食べ物を口に運ぶのも困難で、洋服や手、そしてテーブルにこぼした
お米粒をご主人は、ひとつぶひとつぶ拾ってご自分の口に持って行くのです。

そんな光景が微笑ましく。

「良いご主人ですね」と私。

「マメなだけよね」彼女の言葉に照れ笑いするご主人。

なんでもそのご主人…
休日には、
知っている人に会うのを嫌がる彼女の為、車に乗り高速道路で、少し離れたサービスエリアまで行き、そこで歩行器を使って歩く練習を一緒にしているのだそうです。


「彼女は姉御肌で昔から知人が多く、浅草の浅草寺辺りを男に交じって御輿を担いでいたんですよ。。
その勇姿しか知らない人達に、今の姿は見せたくないのでしょう」

先に述べたシャルコーマリートゥースという病気。
(この病気も発見者のシャルコーとその弟子のマリーとトゥースによって報告されその名がついたとか)
末梢神経障害を引き起こすもので…手先や足先に力が入らず歩くのが困難に。

「DBSを受けたのに、どうして歩けないの?皆歩いていたのに。
あなたも直後は歩けたのよね!?」
彼女は少しトーンダウンしたかと思えば…

帰り際、
部屋の窓から見えるフェリーを眺め
「今度お邪魔した時にはあれに乗って千葉に行きましょう」
「凄いなぁ、ちょっとした冒険ですね。」
と、戸惑う私に…(船酔いする為、船は苦手)

「冒険、大好き!」と屈託のない笑顔を見せ。

そしてフェリーに乗った事がないという私に、もっと外へ出るように促し…旅行にも誘われました。。

物事に果敢に攻めて行く姿勢は、昔も今も変わってなさそうです。

そういえば、Sさん情報で…
もうすぐ電池交換がある私に…
何でも、彼女は25年(?15年?)交換無しで大丈夫な電池を胸に入れているそうです。

あまり身体にメスを入れるべきでないと最近出てきたそうですが…。
充電式とか。。(ってよくわかって無かったりして…😅)

次はその電池の予定でいるのですが、(私の寿命より長いのでは?と思われる程です💧)

週に2〜3度の充電をしないと壊れてしまうそうで…、

その充電、忘れないで出来るのかって、、

ちょっと心配でもあります。







P R
プロフィール
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  • ニックネーム:島津郷子
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[ほんとうに泣ける話](ぶんか社)にて
コミックエッセイ『あしたはパーキンソンしだい』を連載中です!

三重のド田舎で生まれ小学生の頃より漫画家を目指す。高校時代に描い た作品が入選、デビュー作となる。卒業後上京するも鳴かず飛ばずの時代を経て…90年代初頭雑誌[YOU]に『ナース・ステーション』を発表、連載に。自分史上最高の ヒット作 となる…。以後連載は10年続く。
が、2001年にパーキンソン病を発症、中断を余儀なくされる。7年の闘病生活の後 頭に電極を入れる手術を決意。その後、1年半の準備、製作期間を要し『ナース・ステーション』の完結編を完成させる。
進行性の難病だが病状が安定している今現在、「私のパーキン生活」というタイトルで日々の暮らしを綴ったエッセイ漫画の連載を執筆予定。興味のある方、そちらの方も読んでね。(連載の詳細についてはまた、こちらでもお知らせします)


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