ふたりであるくみちのさき

July 17 [Wed], 2013, 23:46
 きらきらと、森の中を陽が躍っている。
 さわさわと、風が木の葉を囁かせる。
 空は高く青く、雲は遠く白い。
 ゆめのようにあたたかで、しあわせなせかい。

 緑の中に、一本の小道。
 木漏れ日がちらつくその真ん中を、駆けていく小さな影があった。
 聞き取れないけれど楽しげな、これはきっと子供の声。
 小さな影はふたつ、それらは手を取り合って。

 そしてその後ろを、手を繋いで歩いていく、ふたりの。

 あれは、


 わたしと。

「―――フォーちゃん?」





「どうかした?」
 はたと気付くと、目の前には訝しげな、透き通る青色があった。
 ぱちぱちと瞬きを繰り返す。
「?」
 夢だったのだろうか。
 ぼんやりと立ち止まってしまった黒髪の女性の前に、青年は反対の手をひらひらとかざす。
「サン、何ぼーっとしてるの」
 大切な人が眠る場所はもうすぐそこなのに。
 繋いだ手を軽く引いて青年が促す。
 その手の暖かさに、その女性はくすりと小さく微笑んで。
「…ね、フォーちゃん」
「うん?」



「いまね、フォーちゃんと一緒の未来が、みえた気がしたの」

【OPD】教師と生徒

January 12 [Sat], 2013, 4:51
ここまで紹介してきた子たちも当然学校に通っていて、OPDは主に学校を舞台にしているわけですが。
その中で、先生キャラは必要な訳ですよ。
その先生と、先生に淡い恋心を寄せる女子生徒のお話とか書きたくなったりするわけです。

というわけで、先生とその周りの子たちをちょこっと。
まだ追記予定ですがひとまずこの状態で記事あげておきます。


元教え子を想う或る教師の

January 12 [Sat], 2013, 4:13
本当にいいのかと、思ったことがない訳ではない。
むしろ、付き合い始めてこの方、そんなことばかり考えてきたように思う。

手を繋いでもいいのか。
髪に触ってもいいのか。
抱き寄せたいと思うのは、いけないことだろうか。

そうした葛藤を抱かなかったことはないし、その結果不器用にはぐらかしたことだって数えきれないほどある。

彼女は教え子で、俺は教師だ。
いつも熱心に職員室や資料室、部活中のグラウンドにまで俺を訪ねてやってきた彼女が高校を巣立つ日、俺は彼女との繋がりを断ちたくない一心で彼女の思いを受け入れたけれど、それは本当に一時の衝動でなかったと言えるのだろうか。
今まであったものがなくなる、その変化を、喪失感を、ただ恐れただけなのかもしれない。

卒業式、彼女の未来に俺以外がいると思った瞬間、動揺と不快感に苛まれたのは紛れもない事実だ。
けれど、それがたとえば、妹の彼氏に対する嫌悪感と同種のものでなかったと誰が保証できるだろう。
俺はまだ教員経験も浅い、生徒への愛情と恋愛感情を混同しているのかもしれない。

そう、それなのに、あのとき、
彼女の思いに誠実に応えようと、記念写真を頼みに来た彼女を迎えたとき、
そうするのが当たり前のように、彼女の肩に手を回していた。

彼女はそれに驚いていて、俺は、それが返事だと答えたのだ。

後悔はしていない。
ただ。


「…デートの一つも、誘えないとは」

情けないにも程がある。
俺は大きく、一人の部屋でため息を吐いた。

俺の方から好きだとか愛してるだとか言ったことはない。
出かけませんかという連絡も、いつも彼女からだった。

教師と生徒だった当時から、俺たちは、少なくとも俺はあまり変わっていない。
彼女が求め、俺が応える。
会いに来るのはいつも彼女からで、俺はそれが心のどこかで嬉しいと思っていて、けれど、学校内で俺から彼女にコンタクトを取ったことなんてあっただろうか。

当時は平等に接しなければならなかったという理由がある。
今は違う、もう俺たちは、教師と生徒の関係ではない。
ふとした瞬間、俺自身が、ああ由未香に逢いたいなあ、と思うことだって日常茶飯事で、その度に逢ってどうするわけでもないくせに、と理性でそれを押込めるのだ。

ただ、今回ばかりは、こちらから動かねばならない。
なぜなら、今回は彼女の方から声をかけてくるとは考えにくいからだ。

来週の土曜は彼女の誕生日。
だが、彼女はそれを敢えて主張し、誕生祝を要求してきたりはしない。
学生時代から感付いていたことだが、彼女は少し自分を軽んじているところがある。
俺の誕生日は、わざわざ授業中に漏らした雑談から拾ってきちんと覚えていて、日付が変わると同時にメールを送ってきたり手作りのお菓子をくれたりと心を尽くしてくれたというのに、自身の誕生日は主張すらしないのだ。
俺が彼女の誕生日を知ったのは、これも学生時代、彼女が友人に祝われている所を偶然見たためで、おそらく彼女は俺が知っていることすら知らない。
だから、今回は俺が彼女を祝ってやりたいと思う。そもそも、大の大人が学生身分の女の子に誕生日を祝われるだけでも恰好がつかないのに、その彼女をこちらからは祝わないなど論外だ。

握りしめた携帯電話の画面には、『今度の土曜、空いてるか』の一言だけ。
それ以外に、どう書けばいいのか分からない。
自分が恋人の扱いにこれほど疎いとは知らなかった。

大きく息を吸い込む。
それをゆっくり吐き出して、意を決して送信ボタンを押した。

【OPD】吹部関連

November 20 [Tue], 2012, 0:54
前回の幼馴染組に続き、日常生活モノから数人紹介。
吹奏楽部に関するあれこれ。
ちなみに私は楽器全然駄目です。部活の話はほとんどしませんできません。

この面子は日常生活なOPDの中でもファンタジー色が強い話が多いです。
そんなわけで今回は不思議なフルートを持つ頼貴、その彼女の由芽、よく泣く系女子るい、涙天使ティアの4人をまとめてみました。


【OPD】幼馴染組

November 17 [Sat], 2012, 13:09
幼馴染組=誠也、圭斗、早月、詩音

最近短編で妄想することが多い誠也と早月を紹介するついでに、ごく普通のリア充圭斗と詩音についても。
実は圭斗と詩音はあまり特筆するようなことないんですが…圭斗は特に…

そういうわけでそんなに設定というほど設定もない4人組について雑多に紹介。



そうやまお題

November 16 [Fri], 2012, 13:25
WORKING!!のそうやま(相馬博臣×山田葵)でお題を考えましたのでご自由にお使いください。
著作権云々は、まあ勝手な大幅改変やさも自分が考えたように言わなきゃなんでもいいです。
ただ私が見たくて(ここ重要)考えたものなので、挑戦して出来上がった作品は沫雪までお知らせ下さると飛び跳ねて喜びます。

そうやまで10のお題
1、「甘やかしてください!」
2、おつかい
3、デイジー
4、管轄/山田担当
5、兄妹
6、屈辱的な顔
7、屋根裏
8、髪
9、研修
10、さながらナイトのよう/味方

*二つあるものはお好きな方をひとつ

そうやまで5のお題(10から抜粋)
1、「甘やかしてください!」
2、デイジー
3、兄妹
4、髪
5、味方

*お忙しい方はこちらの短縮版でも



*追記でそれぞれのキーワード解説っぽいものを載せます。蛇足ですので創作に影響しそうな方は読まない方が無難です。

きみをおもって

September 20 [Thu], 2012, 20:39
「本当、イオは見どころあるよな、この前までポケモン持ってなかったなんて嘘みたいだ」
「…うん、それほどでもあるかな!」
「そこは否定しとけよ」
 目の前で満面の笑みを見せる女にツッコミを入れて、俺も笑った。

+++

 ヒオウギの俺の隣の家に越してきたこいつ…イオは気さくで表情豊かなやつだった。
 俺とも妹ともすぐに仲良くなったし、うちの親や、もともと隣に住んでた親代わりの姉さんとも本当の親子みたいにうまくやってる。
 イオはもともとホウエンにいたらしいが、事情があって一人ホームステイに来たという。
 なんでイッシュに越してきたのか、一度だけ聞いたことがある。
 その時、こいつは目を少し伏せて、それでも口元は笑顔のまま、こう言った。
「…ちょっと、ね」
 その表情を見たとき、それ以上何も言えなくなって、以来追求しないことにしている。

 半年ほど経ってイオもこっちの生活に慣れた頃、ポケモンとポケモン図鑑を届けにアララギ博士の使いが来ると聞いた。
 ちょうど俺もジムバッジを集めながら旅に出ようとしていた時期で、一緒にヒオウギを出て今に至る。
 俺はプラズマ団を探して躍起になって修行を続けていたが、そんな旅の中時々力試しを挑んでやると大抵あいつは俺よりも上手だった。
 最初の頃はなんだかポケモンとの関係もぎこちなく見えたけど、旅を続ける中でどんどん信頼関係を築いていって、俺の方が置いて行かれないようにと気を引き締めるほどだった。

+++

「ねぇクロス、2年前の事件ってみんな言うけど、それを解決したのって誰か知ってる?」
 そんな旅の中のある日、ライブキャスターでイオはそんなことを聞いてきた。
 いつもより表情が硬く見えて、それなのにいつもよりどこか表情豊かに思えて、俺はそれが不思議だった。
 その時にようやく、ああ、今までのイオの表情はみんな作り物だったのかもな、と思った。
「ああ、すげーニュースになってたけど、結局誰が解決したのかは知らないんだよな。各地のジムリーダーたちが力を合わせてプラズマ団と戦ったってのは聞いたけど」
「…そっか。そうなんだ…ありがと」
 俺はこの時、イオの寂しそうな顔を初めて見た。
 これがこいつの本当の顔なのだろうと直感した。
 声音がいつになく落胆していて、画面越しなのがひどく悔しかった。
「イオ、今どこにいるんだ?」
「え?フキヨセだけど?」
「今から行く」
「は?なん」
 通話を切って、そのまま駆け出す。
 ここからなら、フキヨセはすぐだ。

+++

「どうしたの、わざわざ」
 俺の顔を見るなり、呆れたような口調で訪ねてくるのは、いつも通りのイオだった。
 直接会いには来てみたものの、理由を聞かれると自分でもよく分からない。
 ただ、傍に行きたいと思った。隣にいてやりたいと思った。
 それを本人を前にして言うのはどうにも気恥ずかしくて、弾んだ息を整えるように深呼吸をした。
「あー…いや。その」
「うん?」
「………………………元気かなーと思って」
「は?」
 イオがいよいよ呆れて俺を見ている。
 自分でもこれはないと思った。が、言ってしまったものはどうにもならない。
 苦し紛れに言葉を紡ぐ。
「いや、ちょっと顔色悪く見えたからさ!無理してんじゃねーかなって思ったんだ!なんとなく!」
 嘘は言ってない。イオは俺の言葉に、小さく笑った。
(あ、)
 なんだか今のは、本物のようで。
「なにそれ、変なの。でもありがとね、クロス」
 その言葉と表情が俺に向けられたものだったのが、どうにも、こそばゆくて、とても嬉しい。
「…別に。さっきの話、なんか分かったら教えてやるよ」
「え、いいよ、そんなの。ジムリーダーの人たちに聞いたら分かるだろうし」
「遠慮すんな、知りたいんだろ」
 なんで知りたいかは分からないが、それでイオのこんな表情がもっとみられるなら、安いもんだ。
 イオは心底驚いた様子で、しばらく俺の顔をじっと見ていた。
 …そんなに見られると、こう、居心地が悪いんだが。
「…なに」
「あ、えっと。なんで、とか聞かないの?」
「イオが言いたきゃ言えばいいけど、無理に聞こうとは思わねーよ」
 普段隠しているあんな表情を顕にするほど、大切なことなら、俺が無理に踏み込むことはできない。
 そう、ホウエンのことを聞いたときみたいに。
「…クロスっていいやつだね」
「それほどでもねーよ」
 にやりと返して、背を向けた。
 もうすぐ日が暮れる。



「そーいうとこ、割と好きだよ」

 小さく聞こえた言葉は、聞こえなかったふりをした。

君を求める旅路の中で

September 16 [Sun], 2012, 20:41
(今…カオル、って言った?)
「どうした」
「カオル…くんのこと、知ってるんですか」
「おや、彼の知り合いか。それならば楽しめそうだ」

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シャガさんはドラゴンポケモンの伝説について話してくれた。
二匹のドラゴンポケモンがいること、そのドラゴンはもともと一つの存在だったこと。
国を分けた二人の王子の理想と真実、白と黒。
そのときにキュレムが生まれたかもしれないこと。
そして、遺伝子の楔のこと…

それからプラズマ団が来て大変なことになって、結局カオルくんのことは聞けなかった。

カオルくんのことをシャガさんが知ってる。
それはこの地方でバッジをかなりの数集めたってことだよね。
そういえば、…ホウエンには戻ってこないって言ってた時、一応チャンピオンになったとか言ってた気がする。

「カオルくん、いま、どこにいるの」

君のイッシュが大変なことになってるよ。
どこで何してるの。
なんで私がイッシュのために動いてるのに、…それなのに。

「あの馬鹿…!!」

近くにあった氷を思い切り蹴とばした。
アポロが見上げてくる。

「…痛い」
氷はやっぱり硬かった。

2年前。
カオルくんがこっちに渡ってきた年のはずだ。
多分その時もカオルくんがこの地方を守ったんだろう。

それなら、今度は、私が。

「アポロ、私さ、カオルくんが帰ってこないって言った時、腹が立って仕方なかったの」
私よりも、向こうの人をとるんだ、って。
悔しくて、裏切られたみたいで、…約束破られて寂しかった。

「でも、みんないい人たちでさ。戻ってきにくくなったのも分かる」

ホウエンのみんなは大切だ。
ふとした瞬間会いたくなるし、やっぱり私の居場所はホウエンだと思う。
けど。

「旅してみると変わるね。こっちの人たちの役に立つなら、頑張れるよ」

引っ越してからすぐ仲良くなった、クロスも。
旅の中で出会った、チェレンやベル、博士、ジムリーダーたちも。
みんなここを居場所にしてる。

「行こうか、みんなを守るために」

カオルくんの大切なものを守りたい。


どこかで、彼が優しく笑ってくれた、ような気がした。

オリトレ設定

February 12 [Sun], 2012, 15:00
ぴくしぶでN♀主廻ってたらイオさんがイッシュに来たら妄想が止まらなくて思わずこっち更新してしまったので、設定を詳しくこっちに乗っけておこうかと。

ポケモン歴はなんだかんだ長いのでオリトレたくさんいますが、とりあえずまずはさっき妄想したカオルくんとイオさん。
私の中では未だにアツい自宅CPのひとつ。

では興味のある方は続きから設定どーぞ。

続き。

February 12 [Sun], 2012, 14:43
このモヤモヤはなんだろう。

『今日のところはこれくらいにしておくよ』

今日のところは、って。
つまり、これからも。
…そう、これからもイオに付き纏うってことか?
僕にしていたように。
ということは、…二人で観覧車乗ったり、行く先々で待ち伏せたり…

………。
なんていうか、…すごく、嫌だな。


イオに近寄るな。

イオの一番近くにいるのは、僕でありたい。


イオは強がりで、照れ屋で、不意にすごく魅力的だから、

それが僕以外に向くと思うと。



嫌だ。
渡したくない。

絶対にだ。


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